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めがね先生

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めがね先生

「国語は読むことだけでなく,書くことも同時に大切!」という考えから,国語の勉強でちょっと行きづまったら作文を書くことをすすめています。自分が伝えたいことを正確に伝られるようになると,国語の力はもっと成長します。いっしょにがんばりましょう。
小春学院塾長 めがね先生
ホームページ http://www.koharugakuin.info

[2017/12/18] 人に伝わる文章を書く-「私」から「私たち」へ-


めがね先生:こんにちは。前回は,文章に思い切りのよさを持とうという話をしました。しかし,注意してほしいこともあります。それがわかれば,思い切りのよさが自分の考えを正しく伝える手助けになります。
ムギさん:それは何ですか。
めがね先生:文章を書くときすべてについていえることなのですが,それは「ひとりよがり」の文章を書かないということです。
ムギさん:「ひとりよがり」とは何ですか。
めがね先生:自分だけで勝手に決めてしまい,他の人のことを話に加えないということです。といっても,文章を書く上での「ひとりよがり」とは,自分のことしか書かない文章のことです。では,次の文章をもとにして考えてみましょう。

 本を読むときは,あせらずゆっくり読むことが大切であるという筆者の考えに私は賛成です。なぜなら,私はゆっくり本を読むと,いろいろなことに気がつくからです。図書館で本を借りてきたときのことです。借りた本を返す期日が近づいたため,急いで本を読みました。すると,内容がよくわからないままで,結局,その本を楽しむことができませんでした。別の日,図書館で同じ本を時間をかけて読みました。すると,作者の考えまで読み取ることができ,その本を楽しんで読むことができました。そのようなことから,本をゆっくり読むことで文字の上だけではわからなかったことまでも読み取ることができます。ですから,私は本をゆっくり読むことが大切だと考えます。

ムギさん:まとまった文章だと思います。書いている人の考えがはっきりと,かつ力強く伝わってきます。
めがね先生:そうですね。しかし,よく読むと,この文章は自分のことしか書かれていないことに気づきます。
ムギさん:どういうことですか。
めがね先生:この文章で示されている自分の考えとは,「本をゆっくり読むことが大切だ」ということです。その考えが何にもとづいて説明されているかを読み取ってみましょう。
ムギさん:図書館で本を借りたときの経験ですよね。
めがね先生:そうです。しかし,それはこの文章の書き手だけの経験であって,読み手である私たちは同じ経験をしたこともなければ,もしかすると同じ経験でもちがう受け止め方をした人もいるかもしれないのです。ただ,それでもこういう経験は多くの人が同じように持つことができるだろうといえるものですね。それならば,「私」の経験で終わらせず,「私たち」が持ち得る経験として書き表せば,言い切った書き方も単なる「ひとりよがり」の書き方にならず,はば広く考えた意見として読み手に伝えることができます。
ムギさん:具体的には,どのように書けばよいでしょうか。
めがね先生:たとえば,「図書館で本を借り,返す期日が近づき,急いで本を読んだという経験が多くの人にあるでしょう。私もそうです。」といった文言を書き加えるのも一案です。
ムギさん:なるほど。
めがね先生:「私」ということばで最後まで書き進めるのではなく,「私たち」というように,みんなも同じように考えられるだろうというように巻きこむ文章にすれば,言い切った文章の書き方でも,よりわかってもらえる内容に仕上がります。ぜひ,参考にしてください。


掲載日:2017年12月18日
次回の掲載は,2018年1月15日の予定です。