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めがね先生

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「国語は読むことだけでなく,書くことも同時に大切!」という考えから,国語の勉強でちょっと行きづまったら作文を書くことをすすめています。自分が伝えたいことを正確に伝られるようになると,国語の力はもっと成長します。いっしょにがんばりましょう。
小春学院塾長 めがね先生
ホームページ http://www.koharugakuin.info

[2018/07/16] これはダメ!!<3> 予想を理由にする-その1-


ムギさん:こんにちは,めがね先生。今回は,「これはダメ!!」シリーズの3回目ですね。どんなダメな文章でしょうか。
めがね先生:今回は,理由にできない内容を紹介(しょうかい)します。多くの作文を読んでいると時々見かけます。
ムギさん:これまでも,理由や根拠(こんきょ)についていくつか説明していただきました。
めがね先生:これまで紹介したのは,自分の経験は考えの理由や根拠にならないということでした。今回はその追加の内容といえるでしょう。では,例題とその解答例を見てみましょう。

■例題■
 グローバル化という言葉は,1990年代に入ってから使われ始めたといわれています。グローバル化とは,世界中の国々,そして人々が国境をこえて,地球規模でより深い関係で結びつけられるようになることを意味します。
 グローバル化がいっそう進む中で,私たちに必要となってくる能力の一つに「自分が言いたいことをわかりやすく相手に伝える」ことがあります。
 あなたが中学校でこの能力をどのように身につけ,どのようにのばしていきたいかを考え,次の条件1から4にしたがって書きなさい。
(条件)
1 題名や名前は書かずに一行目から本文を書くこと。
2 400字以上500字以内の三段落構成で書くこと。
3 一段落目には,あなたが小学校時代に「自分が言いたいことをわかりやすく相手に伝える」ことができた体験,またはできなかった体験のいずれかを具体的に書き,二段落目にはその体験であなた自身が学んだことを書くこと。
4 三段落目には,3で考えたことを生かして,中学校でどのように取り組みたいかを書くこと。
(2017年 高知県立高知南中学校・作文問題)

■解答例■
 私の小学校では,六年生が一年生と休み時間を過ごし,一年生に学校生活になれてもらうための期間があります。私もその期間中,一年生といっしょに過ごすことになり,会話をたくさん交わしましたが,自分が言いたいことが一年生にうまく伝わらず,私の言う通りになかなか動いてもらえなかったことがありました。
 一年生はまだ相手の言っていることがわからないのだということを,私はこの経験から学びました。一年生は,学校で勉強し始めてまだ月日がたっていません。わからないことだらけなのだと思います。だから,相手が言っていることもきちんと聞いてもわからない,わからないから自分がしたいことばかりをしてしまうのだと思います。
 これらのことから,私は中学校に入学したら,いろいろなことをたくさん勉強して,相手が言いたいことを理解すると同時に,自分も言いたいことがわかりやすく伝わるように気をつけて話していきたいと思います。


ムギさん:いつも思うのですが,一読しただけではどこがおかしいのかわかりません。
めがね先生:確かに,文章を読むときに,おかしなところはないかと疑いながら読みませんからね。一読しただけでは,気づかないかもしれません。しかし,作文を評価するという立場に立って読んでいくと,見方が変わってきて,まちがいに気づくようになります。
ムギさん:では,この解答例はどこがおかしいのですか。
めがね先生:第二段落の一文目「一年生はまだ相手の言っていることがわからないのだ」,三文目「わからないことだらけ」,四文目「だから,相手が言っていることもきちんと聞いてもわからない,わからないから自分がしたいことばかりをしてしまうのだ」に着目しましょう。二文目に書かれている「一年生は,学校で勉強し始めてまだ月日がたっていません」という部分は,六年生に比べれば事実でしょう。しかし,それ以外の内容は,この作文を書いた児童が「そうであるにちがいない」と考えた予想にすぎません。つまり,この段落で書かれている内容は,自分の経験から相手のことを予想しているにすぎません。
ムギさん:「考え」と「予想」はちがうのでしょうか。
めがね先生:それらの意味のちがいという話となると難しくなりますが,少なくとも課題作文で求められている「考え」とは,「みんながわかる事実を根拠にしたもの」でなければいけませんが,第二段落の四文目の内容は,予想から考えを導き出した内容になってしまっています。
ムギさん:そう言われてみると,第三段落で書かれている中学校での取り組みも,無理やり「勉強」という内容に結びつけている印象を受けますね。
めがね先生:はい。また,この解答例の決定的なまちがいは,問題文に「グローバル化」というテーマが示されているのに,その内容をふまえて書かれていないという点です。そこで宿題です。次回までに,この解答の文章を書いてみましょう。ムギさんならどのように書いてみますか。
ムギさん:はい。少し考えてみます。


掲載日:2018年7月16日
次回の掲載は,2018年8月19日の予定です。