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ひろやん道場

PROFILEひろやん先生プロフィール

ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

第12回 公立中高一貫校の受検を終えたみなさんへ


 みなさん,こんにちは!
 寒い日が続きますが,元気ですか。
 さて,公立中高一貫校の検査が終わりました。結果はいかがでしたか。

 はじめに,合格したみなさんには心からお祝いを申し上げたいと思います。
 合格,おめでとうございます!
 
 一方,残念ながら不合格だった方もたくさんいらっしゃると思います。「あれほどがんばったのに,合格できなかった」と,くやしい思いで心がいっぱいの方もいらっしゃるでしょう。しかし先生は,いっしょうけんめいにがんばってきた君たちに,結果はどうあれ,心からのエールを送ります。

 人生,これから様々なことが起こります。楽しいことより苦しいこと,つらいことのほうが多いかもしれません。しかし,これまで1つの目標に向かってがんばってきたという努力そのものが,これからの君たちの人生を支えてくれるのではないでしょうか。「あのとき,あれだけがんばった」という経験そのものが,きっと君たちのこれからの行く道を照らしてくれることと信じています。

 公立中高一貫校に向けておこなってきた勉強は,思考力,表現力,創造力など,人間として最も必要とされる能力を高めてくれたにちがいありません。人間が社会で生きていくために必要な能力,つまり「自分の頭で考える」という能力を,人生の中でも最も頭のやわらかい時期に身に付けることができたのは,きっと一生の財産になることと思います。ものを深く考えること,自分の気持ちや考えを表現することを訓練してつちかった能力は,これから過ごす長い人生でどれだけ役立つかわかりません。合格した人も,残念ながら合格できなかった人も,そのことを忘れずに,自信を持ってそれぞれの人生を歩んでいってもらいたいと思います。

 そして,公立中高一貫校の合格・不合格に関わらず,「公立中高一貫校受検に向けてがんばれたのは,あなただけの力ではない」ということも忘れないでください。お父さんやお母さんをはじめとして,家族のみんながあなたを支えてくれたからこそ,この受検に向かうことができたのです。感謝の気持ちを持つということは,人生の中で大切なことです。家族みんなに感謝の気持ちを伝えていない人は,「これまで応援(おうえん)してくれてありがとう」と,きちんと伝えてほしいと思います。そういう気持ちを持つことが,これからの新しい人生を送る上で,どれほど自分の心を豊かにしてくれるか計り知れません。

 これからのみなさんの活躍(かつやく)を心からお祈(いの)りしています!


掲載日:2014年2月10日
次回の掲載は,2014年3月10日予定です。

第11回 公立中高一貫校入試を直前にひかえて...


 みなさん,こんにちは!
 寒い日が続きますがお元気ですか?
 今回は,公立中高一貫校入試を間近にひかえて,忘れてはならないことを3つ述べたいと思います。

 1つ目は,「体調管理,よいコンディションづくりが受検を制する」ということです。
 これまで,多くの人があこがれの公立中高一貫校を目指して精いっぱいの努力をしてきたでしょう。その努力によってたくわえてきた力は,あなたの体が健康であって初めて発揮されるものです。かぜをひいてしまったり,すいみん不足で体調をくずしてしまったりしては,持っている力を十分に出すことができません。
 外から帰ったら手を洗ったりうがいをしたりするのはもちろん,規則正しい生活をしてすいみん時間をしっかりと確保することも大切です。入試が近づくと,時間をおしんで夜おそくまでがんばる受検生がいますが,得策ではありません。なるべく中身のある勉強をすることを心がけ,無理はしないでください。

 2つ目は,新しい問題に手をつけるのも一案ではありますが,これまで学習したことの復習に力を注ぐことも忘れないでください。
 入試まで,もうそれほど日数は残っていません。これまで使ってきたテキストや問題集,そしてむぎっ子通信添削やむぎっ子作文添削,むぎっ子模試などを見直したり,もう一度解いたりして,自分の弱点はどこにあるのか,どのようなでまちがってしまったのか,しっかりと確認をしてみるのも効果的な勉強法です。
 私自身,むぎっ子通信添削の指導をしていると,人それぞれの解答にはクセがあることを感じます。句読点を書き忘れる,誤字脱字(だつじ)が多い,つい乱雑な字を書いてしまう,あるいはケアレスミスが多い,など...。入試直前には今一度,自分にはどのような欠点があるのかを見直すことも必要でしょう。

 3つ目は,最後まで,自信を持って勉強に打ち込んでほしい!」ということです。
 多くの人は,この時期になると,「もっと勉強すればよかった」と思い始めるものです。もっと早くから勉強をしておけばよかった,夏休みにもっとがんばればよかったなどと,思い返せば後悔(こうかい)ばかりしてしまうものです。しかし,このような気持ちはだれもが感じている気持ちで,自分だけが持っているわけではありません。大切なことは,過去のことはもうふり返らず,「最後まで実力はのびるのだ。入試の1日前まで,がんばれば実力は上がるのだ」と自信を持って入試にのぞむことです。その自信が,入試本番での得点につながります。この時期は,これから入試日までのことだけを考えて勉強していきましょう。過去をおしむ時間があったら1分でも1秒でも,今やるべきことをやるしかありません。それが合格へとつながる,一番の近道であることを信じましょう。

 最後の1日まで,がんばればそのぶんだけ成績はのび続けます。
 みなさんが念願の第一志望校に合格することを心からお祈りします。


掲載日:2014年1月6日
次回の掲載は,2014年2月上旬の予定です。

第10回 東京都立南多摩中等教育学校の傾向と対策


 みなさん,こんにちは。
 すいぶん寒くなりましたが,元気にがんばっていますか。
 今回は,東京都立南多摩中等教育学校の検査について,傾向(けいこう)と対策(たいさく)を述べます。

 同校の平成25年度適性検査は前年度までと同様,適性検査Ⅰと適性検査Ⅱの2つが行われました。それぞれ45分,100点満点です。

 適性検査Ⅰは,算数・社会・理科をもとにした問題です。大問数は3題で,それぞれが小問2題ずつの合計6題でした。大問1は,社会に関するもので,水資源を題材にして考える問題で,大問2は,算数の内容に関するもので,平面図形について考える問題です。大問3は,理科・算数の内容で,グラフや資料を読み取ったり計算したりする問題です。どの大問も,グラフや写真,イラストなどがあり,それらから必要な情報を読み取る問題でした。資料を見て分せきしたり,ふだんの生活で問題意識を持っているかどうかが試(ため)されたり,計算力が問われたりなど,さまざまな点から,受検生の力を見ようとしています。

 適性検査Ⅰでは,26年度も,算数・社会・理科を中心とした問題が出されるものと思われます。といっても,この3科目だけでなく,すべての科目について,学校での授業をしっかりと受け,教科書に書かれていることはきちんと理解する必要があります。また,毎日の生活においても,ものごとに対して興味をもって,自ら進んで考える姿勢(しせい)を忘(わす)れてはなりません。グラフや表などをあつかった問題を選んで,優先的に解いてみるのもよいでしょう。それぞれのグラフにどのような特ちょうがあるのか,写真やイラストなどについては,どのような点に注目するとよいかなどを考えながら,いろいろな種類の資料を読み解く訓練をしておきたいものです。

 適性検査Ⅱは作文の問題で,小問が2題出題されました。1題は内容を読み取る問題,もう1題はテーマをあたえられたうえで文章を書く問題です。内容を読み取る問題は,筆者の思いをつかんで,50字以上60字以内で説明するものでした。また,テーマをあたえられたうえで文章を書く問題は,自分の経験をふまえて400字以上500字以内で書くというものでした。
 特に,テーマ型の作文では,26年度も自分の経験をふまえて書く問題が出されると思いますので,日記をつけたり,週に一度は長い文章を書いてみたりなどしておきたいものです。

 6年生のみなさんは,検査まであとわずかとなりました。1日1日を大切にして,時間をむだにしないように心がけてください。最後の最後まで実力はのびるものです。希望をもって,受検の日までがんばってください。先生も応えんしています!!


掲載日:2013年12月2日
次回の掲載は,2014年1月6日です。

第9回 東京都立三鷹中等教育学校の傾向と対策


 みなさん,こんにちは!
 すっかり秋らしい気候になりましたが,元気で過(す)ごしていますか? さて,今回は,東京都立三鷹(みたか)中等教育学校の検査(けんさ)問題について,傾向(けいこう)と対策(たいさく)を述(の)べてみたいと思います。

 25年度の検査は,例年通り,適性検査Ⅰと適性検査Ⅱで実施(じっし)されました。配点はそれぞれ100点満点,検査時間は各45分です。

 適性検査Ⅰは,大問が4題,小問数にすると合計10題でした。大問1は,割合(わりあい)・表やグラフの分析(ぶんせき)に関する問題。大問2は規則性(きそくせい),数的処理(しょり)に関する問題。大問3は算数分野のグラフの読み取りに関する問題。大問4は数の性質(せいしつ),数的推理(すいり)に関する問題でした。いずれの大問でも,表やグラフ,図が設問(せつもん)内に出されています。

 適性検査Ⅱは,大問が2題です。大問1は文学的文章で,文章を読んであらすじや人物の気持ちをとらえたり,自分の考えを述べたりする問題です。また,大問2は,文章を読んで,内容(ないよう)をとらえたり自分の体験をふまえて考えをのべたりする問題です。

 25年度の検査問題Ⅰは,24年度までと比(くら)べると,算数に関する問題が多かったようです。割合や規則性,数の性質などについては,知識(ちしき)としては難(むずか)しい問題は出題されていませんので,学校で勉強している内容を十分に理解(りかい)していれば問題ないでしょう。とはいっても,設問から出題のポイントを正確(せいかく)にとらえなければ解答(かいとう)は難しいものもあります。条件(じょうけん)をしっかりと読んで,ポイントをとらえる注意深さが必要です。

 一見すると,きわめて普通(ふつう)の適性検査で,25年度でいえば大問2はやや難しかったものの,全体的に難易度(なんいど)はそれほど高くはありません。しかし,45分という短い時間に解答しなければならないことを考えると,過去問(かこもん)をしっかりと解(と)き,自分はどこで点を落としやすいのか,どんな問題をしっかりと得点すべきかを研究しておくことが大切です。45分ですべてをまんべんなく解答するのは難しいかもしれません。解答に時間のかかる問題,とても自分には答えられそうもない問題を見極(みきわ)めて,答えられそうもない問題は思い切って捨(す)てて,解答できそうな問題を確実(かくじつ)に解く心得が必要になると思います。過去問を使っての学習は,その見極めをする力をつけるのにも役に立ちます。

 25年度が算数系(けい)の問題が多かったといっても,26年度もその傾向が続くかどうかはわかりません。昨年以前のような,社会・理科をふくめた出題も視野(しや)に入れて,幅広(はばひろ)く学習しておきましょう。学校での授業(じゅぎょう)を大切にして,基礎的(きそてき)な知識はしっかりと身につけておくことが合格(ごうかく)への最短距離(きょり)です。

 検査問題Ⅱは,「登場人物の気持ちの読み取り」と「自分の体験をふまえた文章」の2つにしぼって学習していきましょう。登場人物の気持ちの読み取りに関しては,できれば毎日1つ,文学的文章を題材としたものを問題集から選んで,登場人物の気持ちをノートに書いてみる練習をすると良いと思います。また,自分の体験をふまえた文章は,ふだんから日記をつけるなどして,書くことができる内容の引き出しをたくさん作っておくことが効果的(こうかてき)でしょう。大問1の問題1が80~100字,問題2が180~200字,また大問2の問題1が65~80字,問題2が180~200字です。文章を読む時間をふくめてこの4問を45分で書かなければならないので,文章を集中して読み,自分の考えを短時間でまとめる訓練が必要です。

 検査日(けんさび)まであと3か月ほどとなりました。体調には気をつけて,時間を大切に使ってくださいね。ご検討(けんとう)を祈(いの)ります!


掲載日:2013年11月4日
次回の掲載は,2013年12月1日です。

第8回 公立中高一貫校の過去問に取り組もう

 みなさん,こんにちは。月日が経つのは早いもので,受検まで,あと3~4か月になりました。最後の仕上げの段階だといってもよいでしょう。

 ところで,みなさんはすでに,自分が受検する公立中高一貫校の過去問に取り組みましたか。もし,「まだ・・・」という人がいたら,そろそろ取りかからなければならない時期です。

 過去問は,その公立中高一貫校からのメッセージです。学校が,「こういった問題に答えられる生徒がほしい」という考えがこめられています。 計画をしっかり立てて,最低でも2回,できれば3回はくり返して取り組んでほしいと思います。2回,3回とくり返して問題を解いていくうちに,その学校がどのような生徒をほしがっているのかがわかるようになります。

 公立中高一貫校が出題する適性検査問題は,知識を問う私立型の入試問題とはずいぶん傾向(けいこう)が異(こと)なります。過去問に取り組む意味は,その学校の問題傾向をつかむことはもちろん,ほかにも次のような意義があります。

1 公立中高一貫校特有の長い会話文に慣れること。
2 会話文や図,グラフなどを読み解く訓練になること。
3 時間配分を考える練習になること。
4 時間内に,長い文章を書きあげる要領をつかむ練習になること。
5 解くべき問題と,深入りしない(捨てる)問題との見きわめがつくよ
  うになること。

 過去問をおこなうときのコツは,まず時間を測ってやってみるということです。はじめは,時間内にすべての問題にはなかなか手が回らないでしょう。しかし,たとえできなくても,制限時間が45分ならば45分,きっちりと測って,まずは時間感覚をつかみましょう。そのあとで,時間内に手が回らなかった問題をじっくり考えればよいのです。

 解答用紙は,なるべく実際の大きさのものを準備しましょう。解答欄(かいとうらん)の大きさに慣れておくのも大切なことです。どのくらいの文字数で答えたらよいのか,どのくらいの文字の大きさで書いたらよいのかがわかってきます。

 また,公立中高一貫校が出題する適性検査問題は記述式が多いので,採点時にとまどうことが多いかもしれません。答えは一つとは限らず,解答例と異(こと)なる答案を書いたとき,正解にすればよいのか,不正解にすべきなのかの判断がつかないかもしれません。そのようなときは,お父さんやお母さんに聞いたり,塾の先生に聞いたりして判断してもらいましょう。

 特に,作文に対する評価は,自分ではなかなかできるものではありません。これもやはり,身のまわりのたよれる大人に見てもらい,良いところ,直すべきところを見てもらうのが最適(さいてき)です。


掲載日:2013年10月7日
次回の掲載は,2013年11月4日です。

第7回 作文問題等に対応できるように経験をまとめよう

 今回は,記述式問題や作文問題の対策についてすべきことをまとめておきます。

 適性検査の記述式問題や作文問題では,受検生の経験をもとに書かせるというものが多く見られます。たとえば,「あなたならどのように解決しますか。その方法を200字以内で書きなさい。」「あなたならどのような話をしますか。あなたの経験をもとに400字以内で書きなさい。」という出題です。

 小学校に入学してから,それこそ星の数ほどのさまざまな経験をしてきたでしょう。しかし,いざ,「あなたの経験をもとにして」と聞かれると,それに関連した経験がなかなか頭にうかんでこないものです。ましてや,本番の試験中では,時間も限られていて,思いうかばないと気持ちもあせり,そのあせりでますます頭が混乱してしまいます。

 そこでおすすめしたいのが,「経験ノート」の作成です。つまり,これまでに経験したいろいろなことを振り返り,簡単にノートに書き出してみるのです。

 ただし,簡単にノートに書き出すことさえも,意外と難しいようにも思いますね。なかなか思いうかぶものではないでしょう。そこで,いくつかのテーマを設定し,そのテーマについて,自分がそのときにいだいた気持ちなどを思い出してみます。
 そのテーマとは,「授業」「休み時間」「夏休み」「冬休み」「委員会」「クラブ活動」「運動会」「遠足」「社会科見学」「家の中で」「家族旅行」「友達関係」「テレビを見て」などです。そして,それぞれのテーマごとに,「うれしかったこと」「おもしろかったこと」「苦労したこと」「つらかったこと」「悲しかったこと」など,自分がいだいた気持ちを思い出して書いてみるのです。

 もちろん,それぞれのテーマについて,ここにあげた感情をすべて思い出せるかといえば,必ずしもそうとは限らないでしょう。そのときは放っておけばよいのです。書けないものを無理して書く必要はありません。

 しかし,ただ,漠然(ばくぜん)と今までの経験をふり返るよりも,テーマを決め,そのテーマに沿って感じたことを思い出そうとしたほうが,楽に記憶(きおく)がよみがえってくるはずです。

 また,自分の経験を整理しておくことは,面接のときにも役立ちます(面接試験を実施する公立中高一貫校受検生向け)。面接では,小学校のときに経験した,楽しかったことやつらかったことなどがよく聞かれますから・・・。

 ぜひみなさんも「経験ノート」の作成をはじめてみませんか。


掲載日:2013年9月2日
次回の掲載は,2013年10月7日です。

第6回 チャンスをいかして,主体的に行動しよう!

 公立中高一貫校の受検を目指しているみなさん,こんにちは。

 勉強は順調に進んでいますか。
 この夏休みは,志望校合格に向けてじっくりと勉強に取り組むことのできるチャンスです。

 そういえば,以前,このコラムで,「公立中高一貫校の受検勉強の基本は,自分が出会ったこと一つひとつに対して,関心を持って自分から進んで考えていくことが大切だ。」と書きました。夏休みの勉強の心構えとしても,そのことを忘れてほしくありません。

 机に向かっての勉強ももちろんがんばってほしいのですが,ものごとに関心を持って自分から進んで考えていくためには,外の世界へ飛び出して,さまざまなことを考えたり,経験したりすることも大切なことです。

 みなさんの中には,この夏,家族といっしょにどこかへ出かける人もいることでしょう。博物館に行ったり,キャンプに行ったり,遊園地に行ったり,あるいはお父さんやお母さんの実家に行ったりする人もいるかもしれません。そのような機会があったら,単なる遊びで終わらせてしまうのではなく,公立中高一貫校を目指すみなさんには,そのイベントも勉強の材料として受け取り,積極的に主体的にかかわってほしいのです。

 たとえば,家族で,キョウリュウが展示されている博物館へ行くことになったとします。その機会を,自分を成長させる絶好の場だととらえて,前向きに行動してみましょう。あらかじめ図鑑などを読んで,キョウリュウはどんな形をしているのか,何を食べていたのか,どうしてほろんでしまったのかなど,いろいろ調べてから行くと博物館で得るものもちがってきます。

 また,博物館へ行くためには,家を何時ごろ出て,どんな交通機関を使って行けばよいのか,家族みんなで食べるお昼ご飯はどうするか,などの計画も親まかせにせずに引き受けて,自分で企画してみるのもすばらしい勉強です。

 あるいは,キャンプへ行くことになったとします。今までのように受け身の姿勢でその日を待つのではなく,あらかじめキャンプ場のある地域の地理を調べたり,どのように時間を過ごすかを考えてみたりすることも貴重な勉強です。食事は何を作るか,家族を楽しませるためにどんなことをするか,自分から進んで考えてみることです。テントを立てるのも,お父さんといっしょにやってみましょう。それも,ただ立てるのではなく,テントはどういう仕組みになっているのか,どうして風が吹いても倒れないようになっているのかなど,頭を働かせながら組み立ててみるのも,いきた勉強の一つだととらえてください。

 どこかへ出かけるにしても,そこには自分を成長させてくれるたくさんの材料がかくれています。それに気づかずに単なる遊びで終わらせるか,それとも自分の能力を高めてくれる貴重なチャンスととらえるか,それはみなさんが対象に向けてどう考えるかで大きく変わってきます。

 公立中高一貫校は,何事にも積極的に取り組み,自分で考え行動する人に入学してもらいたいと考えています。この夏は,いきた勉強のできるよい機会です。


掲載日:2013年8月5日
次回の掲載は,2013年9月2日です。

第5回 公立中高一貫校入試でベースとなる教材

 今回は,公立中高一貫校入試に向けての勉強法を考えていきましょう。

 よく,「どのような勉強をしたらよいのか。どのような教材を使ったらよいのか。」という質問を受けます。
そのとき,いつも私は,みなさんが学校で使っている教科書をベースにしてほしいと答えています。そして,その教科書をもとに行われている授業を大切にすることもおすすめしています。

 公立中高一貫校が出題する適性検査問題は,教科書の範囲をこえるような内容は原則として出題されません。なかにはかなり難しい問題もありますが,あくまでも知識としては教科書に書かれていることをもとに問題がつくられるわけです。
 ですから,教科書に書かれていないようなことがたくさんのっている分厚い参考書を買いこんできて勉強するという方法ではなく,まずは教科書をしっかりとマスターすること,これが間違えのない正しい勉強法だといえます。

 また,理科実験や観察などにも積極的に参加して,学習内容の本質をつかんでいくことも大切です。教科書をただまんぜんと読むのではなく,関心や疑問を持って自分から進んで考えながら読み進めることによって,身近にある教科書が無限の広がりをみなさんにあたえてくれるのです。

さらに,むぎっ子通信添削をはじめとして,志望校の過去問なども利用して,考える力や推理する力,グラフを読み取る力や表現する力などを養ってほしいと思います。
 公立中高一貫校が出題する適性検査問題を解くためには,問題に対する「頭の慣れ」が必要です。自分の頭を公立中高一貫校の問題に慣れさせるためにも,適性検査問題を使った訓練は欠かせません。

 教科書を中心にすえ,「公立中高一貫校入試における宝がつまっている!」と信じて,まずは基本的な学習を大切にしてほしいと思います。


掲載日:2013年7月1日
次回の掲載は,2013年8月5日です。

第4回 受検勉強で大切な心構えとは

 前回のコラムで,ぜひ公立中高一貫校の受検に挑戦(ちょうせん)してほしいこと,そして,その受検勉強で得た理解力・思考力・表現力は,あなたの底力となって将来の人生を支えてくれるにちがいないこと,この2つを最後に書きました。

 では,受検をこころざすと決めたら,これから勉強を進めるにあたって,どのようなことを心がけたらよいのでしょうか。

 公立中高一貫校の受検勉強で大切なこと,それは,「主体的に考え,そのときそのときをしっかりと生きていく」ということにつきると思います。
 主体的とは,自分が主人公となって,生活の中で起こるすべてのことに対して,積極的に関わり合っていくということです。目に見えるもの,耳に聞こえるもの,そして心に感じることすべてに,自分というものすべてをぶつけて関わっていくのです。

 もう少し,わかりやすくお話ししましょう。
 平成21年度に都立桜修館中等教育学校が出題した作文テーマを例にあげましょう。どのような問題だったと思いますか。

 それは,茶わんにもられた,湯気のたつ温かそうな一杯のごはんの写真,たった1枚のその写真が問題用紙にのせてあり,「次のごはんの写真を見て,あなたが考えたことを分かりやすく書きましょう。」といったものでした。しかも,字数は500字以上,600字以内です。

 あなたは,食事のとき,どのようなことを考えながらごはんを食べているでしょうか。きっと,ただ何となく,ごはんとは関係ないことを考えながら,ばく然とした気持ちで食べている人が多いかもしれませんね。

 目の前にある一杯の温かそうなごはんが,自分の生活の中でどのような意味を持つのかなど,小学生はおろか大人さえ考えないのがあたりまえかもしれません。ですから,このようなテーマが出題されたら,きっと誰もがあわててしまうはずです。

 日ごろから,自分の身のまわりにあるもの,自分の身のまわりで起こったできごとなどを,ただ何となくやり過ごしていたら,ごはんの写真1枚をあたえられて書けといわれても書けるものではありません。

 公立中高一貫校の受検勉強の基本は,「毎日の生活のなかで,自分が出会ったこと1つひとつに対して,関心を持って自分から進んで考えていく」ということなのです。朝,学校へ行くときに見かけた空を飛ぶ1羽の鳥,だれかが心なく捨(す)てたであろう道ばたのゴミ,そんなささいなことにも関心をもって考えていくこと,それが受検勉強というものなのです。

 机に向かうだけが勉強ではありません。原稿用紙のマス目を鉛筆(えんぴつ)でうめていくことだけが勉強ではありません。

 朝起きてから夜寝るまでの,実生活すべてが勉強の教材だと思って,毎日を積極的に生きていくことが最も本質的なことなのです。合格するための最も忘れてはならない秘訣(ひけつ)。それは,どこか特別なところにあるのではなく,自分の目の前にある実生活そのものにあるのです。


掲載日:2013年6月3日
次回の掲載は,2013年7月1日です。

第3回 新しい学年をむかえる皆さんへ (下)

 前回までに,新しい学年をむかえるにあたって,「夢や希望をもってほしいこと」,そして,「現実の世の中で通用する力を養っていくこと」が大切であることを述べました。
 そして,公立中高一貫校の受検勉強は,まさにそのような「実社会で力強く生きていく力」を養うために最も役に立つものであることも述べました。

 公立中高一貫校の検査の特色は「答えが1つに定まらない」問題が多く出題されることです。
 これまでの受検勉強で求められてきたことは,「1つの正しい答えを探し出すことができる力」でした。ところが,公立中高一貫校の検査で求められている力とは,「自分の体験や知識を活用して,自分なりの答えをつくり出す力」,つまり「考える力」が土台となっています。

 公立中高一貫校も,以上のことを裏付けるかのように,次のような教育方針をかかげています。
「高い知性と豊かな感性・表現力を備えた国際社会に貢献(こうけん)できる生徒の育成」(さいたま市立浦和中学校)
「未来を切り拓(ひら)く意思と実践(じっせん)力を身につけ,リーダーとして活躍(かつやく)できる生徒を育成する」(栃木県立宇都宮東高等学校附属中学校)
「(表現力,洞察(どうさつ)力,論理的思考力,創造力など)総合的な人間力を備えた人材の育成」(和歌山県立桐蔭中学校)

 このことからもわかるように,自分で考え判断できる「考える力」を持った人材を求めているのです。

 以前,公立中高一貫校の校長先生や教頭先生,そして教えている先生方に「どんな力を持った子どもたちに魅力(みりょく)を感じますか?」と質問したことがあります。
 すると,「意欲のある,積極性に満ちた子ども」という答えが多く返ってきました。

 例えば,次の2つのタイプの子どもがいたとします。
 A:学習はしっかりとしてきており,こじんまりとまとまったタイプ
 B:学習の面ではまだ不十分なところがあるものの,やる気があり自分で考えることが好きなタイプ

 このような場合,公立中高一貫校はBのタイプの受検生を合格させます。
 「やる気や考える力があれば,学習面の遅れは問題にならない。中学へ入って十分取り返すことができる。そして将来,大きく伸びる可能性を持っている。」というのがその理由です。

 日本,そして世界は今,先行きのわからない時代の中にあり,今までのような「いくつかの中から1つの正解を選ぶ」という方法では対応できなくなってきています。
 そこで求められるのは,これまで経験したことのない問題を,自分の力を頼りに解決していく能力であり,これこそまさに公立中高一貫校が目指すものなのです。

 もしあなたがまだ,これからの夢,目標を持っていないとしたら,ぜひとも公立中高一貫校の受検を志(こころざ)すことをおすすめします。
 受検勉強の過程で得た理解力,洞察力,思考力,創造力,表現力などは,あなたが将来社会に出たときに,あなたの底力となって人生を強く支えてくれるはずです。
 あなたの持っている力を存分に生かして,公立中高一貫校の受検に希望を持って立ち向かってみませんか!


掲載日:2013年5月6日
次回の掲載は,2013年6月3日です。

第2回 新しい学年をむかえる皆さんへ (中)

 皆さん,こんにちは。
 前回は,新しい学年をむかえるにあたって,夢や目標を持ってほしいという話をしました。そして,それを実現させるためには,ものごとを深く考える力,与えられた条件から問題点を見つけ出す力,自分の考えを人にわかりやすく表現する力,そういった本質的な力をつけることが大切だという話もしました。
 大人になって社会へ出ると,いろいろなことに直面します。大学を出て社会人になって活やくし始めると,そこでは今の皆さんには想像もできないような難しい問題に出くわすことが多々あります。
 そしてその問題を解決する時,今までになかった企画を生み出す力,現状を分せきして解決への道をさぐる力,周囲の人とコミュニケーションをとる力,異なる考えを持つ人と意見を交わす力など,社会人として要求される本質的な能力が不可欠となってくるのです。
 人は,そのような力を,友人や家族との人間関係,読書や学校での勉強などから学んで自分のものとしていきます。しかし,それだけで十分とは決して言えません。
 あこがれの職業につくことができたとしても,企画力がない,問題点を発見できない,解決策を見つけ出すことができない,うまく表現できない,相手と気持ちを通わせることができない...,そのような能力の不足で行きづまってしまう人が今の世の中にはたくさんいるのです。
 頭のやわらかい小学5,6年生の時期に努力すべきこと。それはまさに,現実の世の中で通用する力の土台を養っていくことではないでしょうか。
 柔軟な思考力,独創的な想像力,コミュニケーションを豊かにする表現力などは,大人になってからでは,なかなか身に付くものではありません。
 公立中高一貫校の受検勉強は,まさにそのような「実社会で力強く生きていくための力」を養うために最も役に立つものであると実感しています。
 その意味では,受検のために「勉強」するというよりも,受検のためにテキストを材料として人生の「経験」を積む,といったほうが正しいかもしれません。
 それは,教育目標に,"世界をになうリーダーを育成すること"をかかげている公立中高一貫校が,人間形成の場としてますます関心の的になってきていることからも容易に理解できると思います。


掲載日:2013年4月1日
次回の掲載は,2013年5月6日です。

第1回 新しい学年をむかえる皆さんへ (上)

 昔,外国のある町で,レンガを積み上げている2人の職人がいました。ちょうどそこを通りかかった人が「何をしているのですか?」と聞きました。
 一人は言いました。「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるのさ。」と不機げんそうに答えました。
 もう一人はこう言いました。「世界一の城をつくっているんだよ。そのうち立派な城ができるだろうから、また見にきてくれよ。」とうれしそうに答えました。
 10年後、一人目の男は、相変わらずぐちをこぼしながらレンガを積んでいました。
 もう一人の男は、知識や技術を身につけ,現場かんとくとして多くの職人を教える立場になっていました。
 有名な「レンガ職人」の話です。聞いたことがある人もいるでしょう。2人は同じレンガを積んでいました。しかし仕事に対する姿勢がちがっていたのです。
 一人は、与えられたレンガをしかたなく積んでいました。
 もう一人は、世界一の城をつくるという大きな目標を持ってレンガを積んでいました。壁の強さを増すにはどうしたらいいか? もっときれいに仕上げる方法はないか? 一つ一つのレンガを積み重ねながら、さまざまなことを楽しんで考えていたに違いありません。
 この考え方の違いが、10年後にそれぞれの人生を大きく変えたわけです。
 この話は、目標や目的を持つことの大切さを教えてくれるのではないでしょうか。
 目の前のやるべきことを、ただ与えられたからしかたなくやる、という姿勢からは何も生まれません。それに対して、将来に夢を持っておこなう者は,その過程でいろいろなことを学ぶことができます。
 さて,皆さんには,夢や目標があるでしょうか。
 もし,まだ夢や目標を持っていないとしたら,新しい学年をむかえるにあたって少し考えてほしいのです。夢はいくら大きくてもかまいません。
 医者になりたい,パイロットになりたい,弁護士になりたい,会社をつくって社長になりたい...。
 夢は大きければ大きいほど,皆さんの毎日の生活に対する気持ちをかり立ててくれます。大きな夢を持ったって,かないっこない,そんなことを考えてはいけません。
 そして,その大きな夢を実現するためには,将来役に立つ,本当に大切な勉強をしてほしいのです。たくさんの知識を覚えたり計算が速くなったりということも大切です。しかし,もっと本質的な勉強が夢を実現するために必要です。
 ものごとを深く考える力,与えられた条件から推理する力,自分の考えを人にわかりやすく表現する力,そういった力をつけるために努力した人こそ,夢の実現に一歩近づくことのできる時代なのです。


掲載日:2013年3月15日
次回の掲載は,2013年4月1日です。