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ひろやん道場

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ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2015/02/09] 今春,中学生になるみなさんへ


 みなさん,こんにちは。寒い日が続いていますが,お元気ですか。

 地域によって公立中高一貫校入試の時期が大きく異なるため,すでに入試を終えている人や今まさに合格発表待ちの人,そしてこれから入試をむかえる人など,一人ひとりさまざまな思いでこの2月をむかえていると思います。

 しかし,公立中高一貫校入試にかかわらず,あと2か月ほどでみなさんは全員中学生になります。小学6年間を終えて,一歩大人へと近づくみなさんへ,今日は小学校と中学校の相違点をお話ししましょう。

 まずはじめに勉強についてですが,言うまでもなく,学ぶべきことは小学校のときと比べて量が多く,かつ内容も難しくなります。
 たとえば,英語についていえば,これまでは体験型(話す・聞くなど)の学習が中心でしたが,中学校からは英文法の勉強が始まります。言うなれば,英語が「学問」としての位置づけになるわけです。数学は文字を使う勉強が主体となり,より抽象的な学問になります。社会の地理・歴史は,日本だけでなく世界についても学習します。

 テストも変わります。通学する中学校のカリキュラム(二学期制・三学期制)によって異なりますが,中学校ではふつう年に5回の定期テスト(中間テスト,期末テスト,学年末テストなどと呼びます)があり,1回のテストの範囲も小学校のときよりずっと広くなります。
 小学校でおこなわれていたテストは,教科書の基本内容が正しく理解できたかどうかを確かめるものだったため,月に1回程度(ていど)おこなわれるテストで,80点や90点,あるいは100点ばかり取れていたという人が多かったと思いますが,中学生になるとなかなかそうはいきません。

 それだけではありません。小学校では,学級の担任(たんにん)の先生がほとんどの科目を受け持っていましたが,中学校になると科目ごとに異なる担当の先生が教える形式になり,授業への取り組み方やノートの取り方,試験対策なども科目ごとに工夫する必要が出てきます。

 勉強のほかにも,部活動や委員会活動,生徒会活動などがさかんになり,時間をどのように使うかの工夫がより重要です。

 このように,勉強の面でもその他の面でも,小学校と中学校ではずいぶん異なってきます。

 では,中学校生活を充実(じゅうじつ)させるための大切な心構えとは何でしょうか。それは,「何事も自ら進んで主体的におこなう」という気持ちを持つことです。

 勉強についていえば,「勉強をさせられる」のではなく「自ら進んで勉強する」心構えを持たなければなりません。たとえば,ある授業の予習や復習はどのくらい必要なのか,定期テスト前はどのような計画を立てていけばよいか,部活動と両立させるためには,どのような時間の使い方をすればよいのかをしっかりと考えていく必要があります。

 しかし,公立中高一貫校を目指して勉強してきたみなさんならば,もうすでに「自分で考える」習慣がついていますよね。合格を目指して勉強したみなさんであれば,その結果がどのようなものであったとしても,この経験を活かして,有意義な中学校生活を送ってもらえると信じています。

 みなさんが中学へ入学して,楽しい日々を送ってくれることを心から願っています。


掲載日:2015年2月9日
次回の掲載は,2015年3月2日の予定です。

[2015/01/05] 公立中高一貫校を受検するみなさんへ


 むぎっ子通信添削の答案提出時に寄せられるみなさんからのコメントには,これまでとてもよくがんばってきたと感じさせるものが並んでいます。

 友達にさそわれたときも,遊びたいという気持ちをおさえて机(つくえ)に向かった人。
 ゲームをしたい,テレビを見たい,そんな気持ちをおさえて塾通(じゅくがよ)いを続けた人。
 自分なりにがんばっているのに,模試(もし)でなかなかよい結果が出ず,泣きたい気持ちになった人。
 「もっとがんばればよかった。もっと早くから勉強を始めればよかった」という後悔(こうかい)の気持ちをいだいている人。

 しかし,考えてみてください。
 自分が納得(なっとく)できるほど早い時期から勉強を始めて,「もう自分は大丈夫(だいじょうぶ)だ。やるべきことはすべてやった」と自信を持って言える人は,いったいどのくらいいるでしょうか。
 そのような受検生は,ほとんどいないはずです。
 「ああすればよかった。こうすればよかった。もっと早くから始めればよかった。あのときに,もっとがんばればよかった」といった気持ちをかかえている人がほとんどでしょう。

 では,公立中高一貫校の入試日までの残りわずかの日々をどのような気持ちで過ごせばよいのでしょうか。それは,「残りわずかな日々を大切に過ごせば,さらに合格に近づけるだけの実力がつく!!」と信じてがんばることです。「入試当日までがんばれば,まだまだ自分はのびる」と信じて,自分を応援(おうえん)してあげることです。

 がんばればがんばった分,合格に近づきます。そのことを信じて,過ぎ去った日のことはふり返らず,まっすぐに前を向いて進んでいきましょう。

 最後まで決してあきらめない!!
 これが,公立中高一貫校入試を勝利に導く鉄則です。

 みなさんが公立中高一貫校入試当日まで全力で勉強に取り組み,念願の志望校に合格することを心からお祈(いの)りしています。


掲載日:2015年1月5日
次回の掲載は,2015年2月9日の予定です。

[2014/12/01] 入試当日に「あがらない」ための心構え


 みなさん,こんにちは。
 いよいよ12月6日から,全国で公立中高一貫校入試がスタートします。

 そこで,今回は,「入試当日にあがってしまいそうです。緊張(きんちょう)しないためのよい方法を教えてください」というご質問にお答えします。入試当日に緊張してしまうのではないかという不安はだれにでもあります。しかし,次の3つのことを忘(わす)れないでください。

 1つ目は,「入試本番で緊張しない人,あがらない人は一人もいない。気持ちが高ぶるのがふつうだ」と思いましょう。
 試験会場に500人いたら,500人すべての受検生が緊張しています。自分だけではなく,周りのみんなが同じような気持ちでいます。これが事実です。だから,緊張するのは特別な状態ではない,ふつうの状態なのだと思うことが大切です。適度な緊張が脳(のう)のはたらきを活発にするとも考えられています。緊張している自分を感じたら,「あっ,脳が活発にはたらいているんだな」と思ってください。

 2つ目は,「満点を取ろうとしない」ということです。入試問題のなかには,「これを制限時間内で解くのは無理だな」と思うような難しい問題があります。そのような問題をすべて解こうとすると,気持ちがあせるばかりです。解ける問題と解けない問題を見極めて,解ける問題でケアレスミスを防ぐという心構えを持っていただきたいと思います。合格ラインは学校によって異なるものの,60%以上が合格ラインだとすれば,40%はできなくても受かるのです。大切なことは,すべてを解こうとするのではなく,解ける問題を正確に解くという心構えです。

 3つ目は,入試当日まで精一杯努力するということです。あたりまえのことのように思うかもしれませんが,ふだんから計画を立ててしっかりと勉強した人は,「あとは本番で自分の実力を出し切るだけ」という心境(しんきょう)になるものです。運を天にまかせて,入試問題に取り組むことができます。ですから,後悔(こうかい)のないように最後まで希望を持ってしっかりと取り組んでいただきたいと思います。そのためにも,体調にも気をつけてかぜを引いたりしないように気配りするのも実力のうちだと思います。

 みなさんが持てる実力を発揮(はっき)して,見事公立中高一貫校に合格することを願っています。


掲載日:2014年12月1日
次回の掲載は,2015年1月5日の予定です。

[2014/11/03] 公立中高一貫校入試までにすべき2つのこと


 みなさん,こんにちは。
 秋も深まり,寒い日がおとずれるようになりましたが,元気にがんばっていますか。

 さて,今回は,『むぎっ子通信添削』で多くご質問を頂(いただ)いた内容にお答えします。

「公立中高一貫校入試までの残りの日々を,どのように勉強していけばよいのか」

 この答えは,当然のことながら人によって異なります。『むぎっ子通信添削』では,各受講生に合わせてお答えをし,答案をお返ししました。ここでは,多くのみなさんに共通してアドバイスできることを2つ述べたいと思います。

■1つ目
 これまでに取り組んだ問題の復習です。自分が使ってきたテキスト,塾で使ってきた問題集,もちろん『むぎっ子通信添削』や『むぎっ子模試』,『むぎっ子作文添削』など,これまでに公立中高一貫校対策に用いた多くの教材があると思います。それらを見直して,どのような点をまちがえていたのか,何がわからなかったのかなど,自分の弱点を改めて確認(かくにん)しましょう。
 この時期は,気があせるばかりに,新しい問題に次々にチャレンジしてみたいと思う人が多くいます。もちろんそれも大切なことですが,それと並行して,過去に解いた問題を見直す作業も同様に大切だと自覚して実行しましょう。短時間で自分の弱点が確認できるので,効率的な受検勉強がおこなえます。

■2つ目
 すでに傾向と対策をつかむために,過去問自体には目を通しているという人が多いとは思いますが,これからは本格的に,志望校の過去問を解きましょう。まずは時間を正確にはかって制限時間内で取り組みましょう。もちろん,過去何年分かをきちんと解いてみることが必要です。そして,解き終わったら答え合わせをして,わからなかったところはとことん考えてみましょう。一度だけでなく,入試日までに少なくても二回はくり返し解いて,志望校のくせをつかんでおきましょう。
 公立中高一貫校が出題する適性検査問題は,各中学校の先生が「こういう問題に取り組める生徒がほしい」という,中学校側からのメッセージです。そのメッセージをぜひ読み取ってください。

 公立中高一貫校入試まで,一日一日を大切にして,むだのない日々を過ごしましょう。夜はずいぶん冷えこみます。体が第一ですので,くれぐれも体調にも注意してください。


掲載日:2014年11月03日
次回の掲載は,2014年12月01日の予定です。

[2014/10/05] 線を引きながら問題に取り組むのが効果的


 みなさん,こんにちは。
 10月に入り,過ごしやすい気候になってきました。元気に過ごしてますか。

 今回は,問題を解くうえで注意すべきことを述べます。
 まずは,むぎっ子通信添削(てんさく)のメッセージらんに書かれていたある児童のコメントをご紹介(しょうかい)しましょう。

「私はよく,問題の意味を取りちがえます。どうしたら,問題を正確にとらえることができますか。」

 「自分もそうだ!!」「心当たりがある!!」と言う人も多いのではないでしょうか。毎月,たくさんの答案を添削していて感じることは,設問で問われていることとはまるでちがう内容を書く児童が想像以上に多いということです。

 では,こういった失敗をくり返さないためには,どうすればよいのでしょうか。
 私がおすすめしているのは,次の2つです。


・問題文や会話文,設問文を最低2回読むこと。

・鉛筆(えんぴつ)から手をはなさず,大切だと思われるところや問われているところ,条件部分に線や印をつけながら読むこと。


 一例を挙げましょう。むぎっ子通信添削8月号には,次のような設問がありました。

 下線部①「社内の公用語を英語にする」とありますが,この結果として社内はどのように変わると考えられますか。会話文中で述べられていること以外で,「みなさんの学校の公用語が英語になったら」と仮定しながら,考えられることを予想して1つ書きなさい。

 この設問に対して,「自分の学校の公用語が英語になったら学校はどう変わるか」と読みまちがえて答えている人が多くいました。問われていることは,「社内はどのように変わるか」なのですが,「学校の中がどのように変わるか」と受け取ってしまったのですね。「学校の公用語が英語になったらどうなるか」ということをヒントに,「会社がどのように変わるか」を答えなければならない問題でした。

 こういった場合も,「社内はどのように変わると考えられますか」という箇所(かしょ)に下線を引いておけば,勘違(かんちが)いをせずに済んだ可能性が高いといえるでしょう。

 公立中高一貫校が出題する適性検査問題には,さまざまな条件が書かれています。「資料をもとにして書きなさい」と問われていれば,あくまでもその資料からわかることだけを書かなければなりません。「一文で書きなさい」と書かれていれば,決して二文以上で書いてはいけません。

 入試本番では,だれもが少なからずあわててしまうものです。そのようなときにつまらないミスをしなくて済むように,ふだんからの心がけが大切です。


掲載日:2014年10月5日
次回の掲載は,2014年11月3日の予定です。

[2014/09/01] 受検勉強を進めていくうえでの心構え


 みなさん,こんにちは。元気で過ごしていますか。
 暑い夏も一段落して,秋の気配を感じるようになりましたね。

 さて,今回は,受検勉強を進めていくうえでの心構えについてお話ししましょう。

 公立中高一貫校の受検を志すにあたって最も大切なことは,「すべてにおいて積極的に臨(のぞ)み,自分で考える」ことにつきます

 たとえば,東京都立三鷹(みたか)中等教育学校が公表している「育てたい生徒像」をご紹介(しょうかい)しましょう。

1 思いやりをもった社会的リーダーを目指す生徒
2 学習と特別活動・部活動等の両立を目指し限界までチャレンジする生徒
3 幅広(はばひろ)い視野をもち,すべての教科を意欲的に学習する生徒
4 高い目標をもち,最後まで努力する生徒
5 自主的,意欲的に取り組む生徒

 他の多くの公立中高一貫校でも,「社会的リーダーを目指す生徒」「意欲的」「自主的」といった言葉が,育てたい生徒像の中に多く出てきます。

 もちろん,これは「自校に入学したら,高校3年生までにこういった生徒を育てる」という,いわばマニフェスト(公約)の性格を帯びたものなので,入学前の時点でこういった生徒になっておく必要はありません。しかし,その要素はすでに持っておいてほしいと学校側は願っているはずです。

 公立中高一貫校は,常に自ら考え,頭を使うことが好きな生徒の入学を希望しています。

 公立中高一貫校の合格を目指すみなさんのなかには,学校の授業内容が簡単だと感じる人がいるかもしれません。しかし,その授業に全身を乗り出すように積極的に参加し,ほんの少しのことにも興味を感じて考え,必要とあればきちんと意思表示をしているでしょうか。

 国語の教科書にのっている文章を読むとき,単なる教材としてしかとらえず,まるで他人事のような気持ちで読むのではなく,自分がその文章の中に飛びこんで,登場人物になったつもりで感動したり考えたりする心の持ち方が必要です。
 また,社会の教科書に出てくる歴史なども,第三者のような目で見るのではなく,自分がそのころ生きていたらどう思うか,生活は現在とどのように変わるのかなど,興味をもって臨むことが大切です。

 学校の授業をふくめた生活の一切を,自分と直結させてそこから何を考えるか,何を感じるか,その習慣づけが公立中高一貫校に合格する大きな能力の一つです。
 これからも,生活のすべての主人公は自分だというつもりになって,積極的,意欲的に周囲に関わっていってください。


掲載日:2014年9月1日
次回の掲載は,2014年10月6日の予定です。

[2014/08/04] 夏休み期間中に取り組むべきこと


 みなさん,こんにちは。
 8月に入り,ますます暑くなってきましたね。元気に過ごしていますか。

 さて,今回は,むぎっ子通信添削に寄せられたご質問のうち,7月号で特に多かった「この夏休みは,どのような勉強をしたらよいですか」というご質問にお答えします。
 もちろん,前回のひろやん道場では,これから出会うすべてのことに関心を持つことが大切であり,勉強も遊びもふくめて,生活のすべてが勉強の対象だと述べました。覚えてくれていますね。その考え方をふまえて,では,特に夏休みは??という点から見ていきます。

 公立中高一貫校が出題する適性検査問題は,知識としては教科書の範囲(はんい)を大幅(おおはば)にこえた内容は出題されないことになっています。私国立中学受験のように,教科書にまったく書かれていない難しい知識をつめこむ必要はありません。逆に言えば,教科書に書かれている内容は,最低限おさえておく必要があります。
 まず,これまでに習ったことの中で,基本的なことを忘れてしまっていないか,十分に理解できていないところがないか,よくふり返ってみて,自分の不得意なところをよく復習しておくことが大切です。そのうえで,むぎっ子通信添削やむぎっ子模試を利用して,記述問題や資料の読み取りの問題に取り組んでいくのがよいでしょう。

 さらに,みなさんが受検する公立中高一貫校では,過去にどのような問題が出題されているのかをさぐってみるのもこの時期です。つまり,過去問研究です。過去問を入試直前の腕試(うでだめ)し用にとっておく人がいますが,それはおすすめできません。過去問は腕試しに用いるものではなく,「どのような問題が出題されているか」「そのために必要な学力は何か」「どのような対策(たいさく)をおこなうべきか」を知るためのものです。夏休み期間中の過去問研究をおすすめします。

 加えて,日記をつけることもおすすめしたいことの一つです。日記は,自分がその日に出会ったことを確認(かくにん)し,思ったことや考えたこと,経験したことを残すことができます。作文問題では,「あなたの経験したことをもとに,○○字以内で書きなさい。」といったものが多く出題されます。毎日の生活を客観的にながめて,頭にとどめておくことも大切な勉強です。

 「この夏休みは,どのような勉強をしたらよいですか」という質問の答えは,一人ひとりちがっていて当然です。みなさんが自分に合った,そして一番効果的な勉強方法を考えること自体,主体的に生活していくみなさんの大切な勉強だと言えるでしょう。夏休みは,あっという間に過ぎてしまいます。毎日を大切に,主体的な生活を心がけてください。


掲載日:2014年8月4日
次回の掲載は,2014年9月1日の予定です。

[2014/07/07] これから出会うすべてのことに興味・関心を持とう


 みなさん,こんにちは。お元気ですか。うっとうしい天気が続いていますが,もうすぐ本格的な夏がやってきます。今日は,夏休みの過ごし方にも通じるお話しをしましょう。

 むぎっ子通信添削の答案に,「公立中高一貫校の勉強をどのように進めていけばよいのかがよくわかりません」といった内容の質問を書いてくれる人がいます。公立中高一貫校は,ときとしてとらえようのない問題を出題するので,そういった質問が出るのでしょう。この質問に対する解答は志望校によっても相当ちがうので,詳細はむぎっ子通信添削で個別にお答えするとして,今回は,この質問に対する総論として,すべてのみなさんに通じるお話しをしたいと思います。

 私はこの質問に対して,「決められた方法,あたえられた方法にこだわらず,生活すべてが勉強だと思い,そして目の前のあらゆることが勉強の材料だと思い,積極的に自分で考える習慣をつけること」と答えることにしています。つまり,受け身の姿勢ではなく,日常のすべてに対して興味を持ち,自分はどう思うか,何を考えるか,という姿勢が大切だということです。

 朝起きて,窓から外を見たら鳥が飛んでいたとしましょう。それを何となくながめるのではなく,飛んでいた鳥を見てみなさんは何を考えますか。朝食はいつもはご飯とみそ汁なのに,今日はめずらしくパンだったとします。そのパンを見てみなさんは何を考えますか。学校の授業で植物の花のつくりを勉強しました。花のつくりについて,みなさんはどのような感想を持ちますか。空が急に暗くなって,大きなひょうがたくさん降ってきました。みなさんはその現象についてどのように思いますか。何か調べたいと思ったりしませんか。ニュースで戦争の様子が伝えられていました。そんな状況を見て,みなさんはどのように考えますか。
 そのような一つひとつの目の前のできごとについて,関心を持って,「自分はどう思うか。自分は何を考えたか。自分は何を疑問に感じたか。」という心構えで臨んでほしいのです。

 東京都立桜修館中等教育学校では,世界地図があたえられ,それについて考えたことを書きなさいという問題が出題されました。めがね先生が『作文・はじめの一歩』で取り上げてくださっていますので,すでに知っているでしょう。
 ふだん,身のまわりのできごとに興味・関心がない受検生にとって,この問題は何をどのように答えたらよいのか,ちんぷんかんぷんだったと思われます。一方,自分で考える習慣がある人や,何かを発見しようとする気持ちで過ごす習慣のある人にとっては,3枚の地図からいろいろなことを思い浮かべることができたはずです。

 この夏は,さまざまな経験をするチャンスです。新しい世界にふれたとき,いろいろと考えをめぐらせたり感想を持ったりすることは,とても貴重な時間です。身のまわりのことや,世の中で起こっていることに自分から積極的に関わっていくことが,公立中高一貫校の勉強だと思ってください。
 机に向かって勉強することはとても大切なことです。しかし,それだけでは不十分です。これから出会うことすべてを勉強の材料にしてしまうのが最良の受検勉強です。


掲載日:2014年7月7日
次回の掲載は,2014年8月4日の予定です。

[2014/06/02] 受検勉強はいつごろから始めたらよいのか


 みなさん,こんにちは。
 暑い日が続いていますが,元気にがんばっていますか。

 最近,「受検勉強はいつごろから始めたらよいのでしょうか。」というご質問を多く受けます。そこで今日は,このご質問について考えてみましょう。

 私国立中学受験の勉強は,小学4~5年から始める人がほとんどです。私国立中学受験に必要な知識は,小学校で習うことがらをある程度こえたものが多く,その分,理解することと覚えることが多いため,小学6年になってからでは間に合わないと考えられています。

 一方,公立中高一貫校受検については意見が分かれています。小学5年生から始めなければ手遅(おく)れになるという意見もありますし,いや,小学6年生になって始めても十分間に合うという意見もあります。

 公立中高一貫校受検で理解しなければならないことや覚えることは,原理原則として教科書の範囲内とされています。ですから,私立中学受験のように大量の知識が求められることはありません。しかしその反面,考える力や表現する力,独特の発想力が求められる場合もあります。こういった力は,受検勉強で養えるところも多々ありますが,それよりもむしろ,ふだんの生活の中で,どのような生活をしてきたかが問われているともいえるでしょう。

 家族や友達の関わり方はどうであったか,学校でどのような生活をしてきたか,ふだん,どのようなことがらに関心を持っているか,ものごとを考える習慣が身についているか,などです。これらは,塾や家庭学習で机に向かって得られるもの以外の要素が大きく関係しています。

 したがって,日ごろからいろいろなものごとに興味を持ち,自分で考え,相手に表現する習慣があったり,「なぜそうなのか」と考える習慣があったりする人は,小学6年生になってからでも,公立中高一貫校向けの受検勉強に十分対応できます。自分の頭で考えることが好きだった人は,小学6年以降に文章力や表現力をみがき,公立中高一貫校が出題する適性検査問題に慣れることで,合格可能性は高まるでしょう。

 もう小学6年生になってしまったから,公立中高一貫校を目指すのは遅すぎるとあきらめてしまうのは,とてももったいないことです。この時期に過去問をながめて,たとえ「かなり難しいなぁ」「これは無理だな」と思っても,実は公立中高一貫校が求める能力が自分にひそんでいる場合だって,十分にあるのです。

 つまり,公立中高一貫校受検において,「受検勉強はいつごろから始めたらよいのか」というご質問に対して,その答えは,「自分の無限の可能性を信じて,公立中高一貫校合格を目指そうと思った日」だと考えればよいでしょう。「自分の無限の可能性を信じること」こそが,公立中高一貫校合格への第一歩です。受検勉強は早く始めるにこしたことはありませんが,「出遅れたから,もう無理だ」と考える必要はまったくないのです。


掲載日:2014年6月2日
次回の掲載は,2014年7月7日の予定です。

[2014/05/05] 新学年をむかえるみなさんへ (下)


 みなさん,こんにちは!
 早いもので,もう5月になりました。ずいぶん暖(あたた)かくなりましたね。元気で過ごしていますか?

 さて,みなさんは,自分が大人になって社会に出た場面を想像したことがありますか? 社会に出ると,本当にさまざまなできごとに直面します。楽しいこと,うれしいことももちろんたくさんありますが,その反対に,つらいこと,苦しいこともたくさんあります。つらいこと,苦しいことにぶつかったとき,それを乗りこえるための知恵(ちえ)や忍耐(にんたい)や工夫する能力が自分にあれば,とだれもが思います。その知恵や忍耐や工夫する能力は,そのときまでにどれだけ物事に対してまじめに取り組んできたか,どれだけ前向きに努力を重ねてきたか,といった経験が土台となることはまちがいありません。

 中学へ進学するまでの1年間,あるいは2年間は,その土台をつくるのに適した時期だろうと私(わたし)は思います。もちろん,中学,高校,大学へと進んでからもいろいろと経験します。それ自体も価値(かち)のあることですが,頭も心も柔軟(じゅうなん)な小学5・6年生のころの経験というものは一生の宝物(たからもの)になると信じています。

 公立中高一貫校の受検勉強は,ただ知識を覚えればよいというものではありません。分析力(ぶんせきりょく)・思考力・判断力・創造力(そうぞうりょく)・表現力など,将来,みなさんが社会へ出てから役に立つ能力,つまり自分の頭で考える力を身につけることが,勉強の中心です。ものごとを何でも上手に吸収(きゅうしゅう)できる今の時期に,このような大切な能力を身につけようと努力することは,みなさんが想像する以上に意味のあることです。そのことを考えると,公立中高一貫校を目標とすることは,みなさんにとって大きなチャンスなのです。

 合格することは確かに簡単(かんたん)なことではありません。しかし,将来の夢を持ち,あこがれの学校に向かって前進することは,みなさんのこれからの人生の財産になります。自分は将来,どのような人になりたいのか,そしてどのような目標を持って生きたいのか,それを実現させるために今努力できることはないのか。ほんの少しだけ時間をとって真剣(しんけん)に考えてみませんか?

 希望を実現させるまでの過程は山あり谷ありで決して平たんではありませんが,夢を持って,明るい気持ちで,辛抱(しんぼう)強く,そして楽しく勉強していけば,みなさんのこれからの道はきっと開けると確信しています。


掲載日:2014年5月5日
次回の掲載は,2014年6月2日の予定です。

[2014/04/07] 新学年をむかえるみなさんへ (中)


 みなさん,こんにちは!
 ずいぶんと暖かくなりましたね。新学年をむかえるみなさんは,きっとわくわくする気持ちでこの春をむかえたことでしょう。勉強は今後少しずつむずかしくなりますが,新しい気持ちでこの1年をすごしていただきたいと思います。
 さて,今日はまず,このコラムで昨年も紹介した「レンガ職人の話」をしましょう。

 *  *  *
 昔,外国のある町で,レンガを積み上げている二人の職人がいました。ちょうどそこを通りかかった人が「何をしているのですか?」と聞きました。
 一人は言いました。「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるのさ。」と不機げんそうに答えました。
 もう一人はこう言いました。「世界一の城をつくっているんだよ。そのうち立派な城ができるだろうから,また見にきてくれよ。」とうれしそうに答えました。
 10年後,一人目の男は,相変わらずぐちをこぼしながらレンガを積んでいました。
 もう一人の男は,知識や技術を身に付け,現場かんとくとして多くの職人を教える立場になっていました。
 *  *  *

 みなさんは,この話から,どのようなことを考えますか? どのような感想を持ったでしょうか?

 人間というものは,同じことをする場合でも,はっきりとした,大きな目標を持っていれば,その目標に応じてぐんぐんと成長するものです。逆に,目の前のやるべきことに意味を感じないで,ただ仕方ないからやる,というのでは,なかなか成長しないし何をやっていても心がかがやかないものです。

 私は,みなさんに「夢」や「目標」を持ってもらいたいと思います。どのような夢や目標でもかまいません。大きすぎる夢や目標でもかまいません。それが大きければ大きいほど,それだけ自然とエネルギーがわいてくるものです。今やるべき勉強は,自分の夢や目標をかなえるためのものなのだと心の底から思うことができれば,みなさんは,自分が想像する以上の力を出すことができます。
 「大人になったら,こんな職業につきたい。」「あこがれの,あの中学校に入りたい。」「高校を卒業したら○○大学に入りたい。」
 どのような夢でもかまいません。お父さんやお母さんや友達が聞いたら,あきれるほど高い目標でもかまいません。自分の気持ちをのぞいてみて,もしそれがみなさんの望んでいる夢ならば,堂々とそれに向かって前進してほしいと思います。
 新学年をむかえるにあたって,もう一度,これからの自分について,少し時間を使って考えてみませんか?


掲載日:2014年4月7日
次回の掲載は,2014年5月5日の予定です。

[2014/03/10] 新学年をむかえるみなさんへ (上)


 みなさん,こんにちは。
 まだまだ寒い日が続きますがお元気ですか。
 ところで,先月公立中高一貫校を受検して,見事合格した方からお手紙をいただきました。コラムに掲載(けいさい)する許可もいただきましたので,ここでご紹介しましょう。


「先生、お元気ですか? 先日、受検した中学の発表があり、おかげさまで合格することができました。
 むぎっ子添削を始めたころは、あちこち直されてばかりでしたが、だんだんとそれも少なくなり、受検をむかえるころは、自分でもどこに欠点があることに気がつき、当日はそのようなところに注意しながら受けました。当日も落ち着いて受検できたのは、先生の添削のおかげだと感謝しています。
 公立中高一貫校を受けて良かったと思うことは、自分が成長したなあと思うことです。
 受検をしなかったら、おそらく私は何もせず、ただ何となく中学へ進んでいたことと思います。
 お母さんやお父さんも、成長してくれたなあ、と言ってくれます。私も、ものごとをいっしょうけんめい考えることができるようになったと思います。
 これから中学生になりますが、今までがんばったことを忘れずに、素敵な中学校生活を送りたいと思います。」
(いただいたものを原文のまま掲載しています)


 このお手紙をいただいて私がうれしかったのは,合格したという事実だけではありません。お手紙に「自分が成長したなあと思った」という言葉。これこそが,私にとってとてもうれしいことでした。
 受検をしなかったら,ただ何となく中学へ進んでいたであろう彼女が,受検をすることで人間的に成長してくれたということは,これ以上の喜びはありません。

 受検の結果にかかわらず,それまでがんばって勉強し,人間的に成長することが,どれだけその後の人生に良い影響をあたえるか,計り知れません。公立中高一貫校の受検勉強は,これからの人生をしっかり生きていく基本を身に付けさせてくれます。人間的に成長し,中学からのみなさんの人生の基本を身に付けさせてくれる受験勉強への挑戦(ちょうせん)を,私は心からおすすめしたいと思います。

 これから新学年をむかえるにあたって,自分の目標というものをしっかりと考えてみませんか。


掲載日:2014年3月10日
次回の掲載は,2014年4月7日の予定です。