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ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2017/07/03] 東京都立富士高等学校附属中学校の傾向と対策


 今回は,東京都立富士高等学校附属中学校の2017年度入試をもとに,同校の傾向(けいこう)と対策を見ていきます。

 2017年度入試は,前年同様,適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲがおこなわれ,試験時間はⅠ・Ⅱが45分間,Ⅲが30分間でした。

 適性検査Ⅰは国語で,例年通り,2つの文章があたえられました。テーマは「自由」で,どちらも平易で読みやすい文章です。

 問題1・2は,傍線部(ぼうせんぶ)について,本文中から具体例を探して書く問題でした。両問とも単に文章の一部をぬき出すのではなく,本文中の語句を使ってわかりやすくまとめる必要があります。
 問題3は,2つの文章に共通する内容をまとめたうえで,自分の考えを400字以上450字以内で書く作文問題です。「世の中の常識的な考え方からの自由」をテーマにした文章なので,少しとっつきにくかったかもしれません。
 1つの段落(だんらく)では,ふつう1つのことが主張されるので,文章を読むときは,1つひとつの段落で何が書かれているのかをつかもうとする努力が大切です。1つの段落で最も大切だと感じた1か所に線を引きながら読むのも効果的です。文章をどれだけ要約できるかが,読解問題を正確に解くカギになります。
 作文問題については,ふだんから日記をつけるのもよい対策になります。漠然(ばくぜん)と書くのではなく,疑問に思うことや解決すべきだと思うこと,楽しかったことや悲しかったことなど,自分の考えや感情をテーマにして,まとまった文章を書くようにしたいものです。

 適性検査Ⅱは,大問が3問(算数・社会・理科)です。

 大問1は「正三角形」を題材にした問題でした。
 問題1は容易でしたが,問題2は,文意をとらえるのに苦労した児童が多かったかもしれません。
 問題3は,正三角形の数をもとにして「見かけ上の辺の数」を求める問題でした。規則性を検証したうえで説明する必要があります。図形の性質に関する思考力が試されていますが,会話文が長いので,その内容を整理しながら読み進めましょう。

 大問2は,「野菜の生産」を題材にした問題でした。
 問題1は,土の温度と気温の変化のグラフをもとに,畑にわらをしく理由を問うもので,容易に正解できる問題です。
 問題2は,割合の計算と産地の分布の特色を説明する問題です。割合の計算のように,基礎力が問われる問題はまちがえずに得点したいところです。
 問題3は,資料を読み取って説明する問題です。資料の数が多く,とまどった人も多かったかもしれませんが,着目点を見極めて考えればそれほど難しい問題ではありません。

 大問3は,時間を計ることを題材にした実験を考察する問題でした。
 問題1は,太陽,ふり子,ろうそくのいずれかを選び,選んだものが時間を計るのに適している理由を答える問題です。規則正しく変化していくことに気がつけば難しい問題ではありませんが,わかりやすく記述する必要があります。
 問題2は,実験の結果に当てはまるグラフを選ぶ問題です。結果の表がきちんと読み取れれば正解できるでしょう。
 問題3は,実験結果からプラスチック球の落下にえいきょうする条件とえいきょうしない条件を選んだうえで,その理由を説明する問題です。対照実験さえ理解できていれば,正解できたのではないかと思われます。

 適性検査Ⅲは,大問が2問です。

 大問1は,「あみだくじ」をテーマにした問題です。会話文とその中に書かれている注意事項が読み取れれば,問題1・2は簡単(かんたん)に解ける問題でした。
 問題3は,5つの数字のまとまりで,一見わかりにくい印象ですが,横線を1本引いたときの数字の並びの変化をとらえることができれば難問ではありません。
 大問2は,「立方体(サイコロ)の展開図」をテーマにした問題です。展開図をきちんと学習している人にとっては,問題1・2は易しいでしょう。問題3は比較的難解ですが,ルールをしっかり理解して合わせる面を1つひとつ考えていけば正解できたと思います。

 適性検査Ⅱでは大問1の問題3が,適性検査Ⅲでは大問2の問題3が解きにくかったかもしれません。しかし,それ以外の問題は,会話文や問題文に書かれていることと問われていることをしっかりつかめば,それほど難しい問題ではなかったと思います。得点できそうなところでしっかり得点し,そうでないところは後回しにする。これが鉄則ですので,難問に時間をかけすぎて,解ける問題で失点しないよう時間配分にも注意したいものです。

 学校の授業はしっかり取り組み,実験でも実技でも,積極的に参加して自分自身で主体的に考える習慣を身につけることが最も大切です。そして,考えたことを相手にわかりやすく文章で表現できるかどうかが合否の分かれ目になりますから,日ごろから,書いて書いて書きまくるぐらいの努力がほしいと思います。
 また,適性検査Ⅲでは,例年,少なくても1つの大問で図形の問題が出題されているので,苦手な人は図形的な見方に十分慣れておきましょう。

 適性検査Ⅰ~Ⅲは,それぞれ100点満点ですが,適性検査Ⅰ・Ⅲは各200点に,Ⅲは400点に換算され,これに報告書の200点が加わって1000点満点で判定されます。
 つまり,適性検査が80%,報告書が20%となり,適性検査がしめる割合は,東京都立武蔵高等学校附属中学校,東京都立桜修館中等教育学校,東京都立小石川中等教育学校,東京都立白鴎高等学校附属中学校などよりも高くなっています。
 適性検査Ⅲが算数の問題であることから,換算後の比率は算数が最も高く,800点のうち約4割をしめています。社会や理科も記述で答える問題が多いので,算数に力を入れつつも,全科目にわたってバランスのとれた基礎知識,思考力を養うようにしましょう。


掲載日:2017年7月3日
次回の掲載は,2017年8月7日の予定です。