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ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2017/08/14] 東京都立大泉高等学校附属中学校の傾向と対策


 今回は,東京都立大泉(おおいずみ)高等学校附属中学校の2017年度入試をもとに,同校の傾向(けいこう)と対策(たいさく)を見ていきます。

 2017年度入試は,前年同様,適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3種類のテストがおこなわれ,試験時間はいずれも45分間でした。

 適性検査Ⅰは国語で,「自由」をテーマにした文章が2つ出題されました。どちらも平易で読みやすい文章です。
 問題1・2は,本文中から具体例を探(さが)して書く問題でした。どちらも文章の一部をぬき出して答えとするのではなく,筆者の主張を理解したうえで,本文中で使われている語句を用いて適切にまとめる必要があります。
 問題3は「自由」について2つの文章に共通する内容をまとめたうえで,自分の考えを400字以上450字以内で書く作文です。三段落構成で書くことや,それぞれの段落に書く内容などが指定されています。また,考えを一つにしぼることや,理由をふくめて書くことなどの細かいきまりもあることから,同校の過去問を解くときは,こういった条件やきまりを守りながら書く練習を積んでおきましょう。
 自分の考えを短時間でまとめて文章で表現する対策としては,何よりも日々の生活で起こるさまざまな出来事について積極的に考える習慣をつけましょう。そして,考えたことを継続的(けいぞくてき)に日記に書く訓練が効果的です。

 適性検査Ⅱは,大問が3問(算数・社会・理科)です。
 大問1は「正三角形」を題材にした問題でした。
 問題1は平易な問題です。とはいえ,答え方の条件に沿って解答しなければ得点できません。基本的な問題こそ落ち着いて問題文を読み,ケアレスミスを絶対にしないように気をつけましょう。
 問題2は10行にもおよぶ長い問題文なので,設問の意味をとらえるのに苦労した児童が多かったかもしれません。問題文中で定義されている言葉や示された条件などには線を引きながら正確に読み取る必要があります。
 問題3は,正三角形の数をもとにして「見かけ上の辺の数」を求める規則性の問題です。数列や規則性は公立中高一貫校でもよく出題されるので,典型的な問題に慣れておきましょう。 

 大問2は,「野菜の生産」を題材にした問題でした。
 問題1は,土の温度と気温の変化のグラフをもとに,畑の土の上にわらをしく理由を問う問題で,容易に正解できる設問といえます。
 問題2は,生産量の割合についての計算と産地の分布の特色を説明する問題でした。割合の計算はきわめて基本的なものなので,小数第4位まで求める割り算とはいえ,絶対に失点できないところです。
 問題3は,資料を読み取って説明する問題です。難しい問題ではありませんが,どちらか一つの表を選ぶことや,説明では県名をあげることなど,問題文中の条件をしっかりおさえる必要があります。

 大問3は,時間を計ることを題材にした問題です。
 問題1は,太陽,ふり子,ろうそくのいずれかを選び,選んだものが時間を計るのに適している理由を答える問題です。基本的な問題ですが,採点者が理解しやすいようにまとめる必要があり,記述力が問われました。
 問題2は,実験結果に当てはまるグラフを選ぶ問題です。結果の表をきちんと読み取れれば容易に正解が可能です。
 問題3は,実験結果からプラスチック球の落下にえいきょうする条件とえいきょうしない条件を選び,その条件を選んだ理由を説明する問題です。比べる条件以外はすべて同じ条件の実験を選ぶという「対照実験」が理解できているかどうかがポイントです。それさえわかっていれば,それほど難しい問題ではありません。

 適性検査Ⅲは,大問が2問(理科・算数)です。
 大問1は「ウキクサ」を題材にしたものでした。
 問題1は表をもとにグラフをかく問題,問題2は割合の問題です。基本が理解できていれば容易に答えられる問題ですので,落ち着いて確実に得点しましょう。
 問題3は,ウキクサが増えなくなる原因と,その原因を確かめる実験,そして,結果の予測を答える問題です。いずれも,ふだんの理科の実験や観察に積極的に取り組んでいるかどうかが問われています。

 大問2は「アルゴリズム(答えを導き出すための計算方法,処理(しょり)をする手順)」を題材にした問題です。
 問題1は,アルゴリズムにしたがって数を求める問題,問題2はフローチャート(手順を表した図)をもとに,図の中の空らんに入る条件を答える問題です。どちらも,会話文をしっかり読んで理解できれば正解できるでしょう。アルゴリズムやフローチャートという難しそうな言葉が出てきたためにあわててしまった児童が多かったかもしれません。しかし,筋道(すじみち)を追って読み進めれば必ず理解できる会話文になっているので,このような一見難しそうな問題こそ,落ち着いて取り組みたいものです。
 問題3は,規則的に増える面積の変化を理解する問題です。やや難しい問題ですが,解答らんを空らんのままにしてしまうことはさけたいですね。
 問題4は,サイコロにテープをはる問題です。規則性を見ぬけば正解できますが,空間図形に慣れていないと正解は難しかったかもしれません。大問2は,問題1~3の合計が40点で,この問題4だけで20点の配点ではありますが,少し考えて解けそうもなかったら後回しにして,ほかの解けそうな問題や解いた問題の見直しに時間を当てたほうが得策かもしれません。

 適性検査Ⅱでは大問1の問題3が,適性検査Ⅲでは大問2の問題3,4が解きにくかったかもしれません。しかし,それ以外の問題は,会話文や問題文に書かれていることや,問いで聞かれていることをしっかり理解すれば難しい問題ではありません。難問に時間をかけすぎて解ける問題で失点しないように気をつけましょう。

 日ごろから学校の授業を積極的に受け,特に,理科の実験や観察には主体的に取り組みましょう。また,4教科を通して説明問題が多いので,考えたことをわかりやすく文章で表現できるかどうかが合否(ごうひ)の分かれ目になります。日ごろから「自分が書いた文章を他人が理解できるか」という視点(してん)で練習を重ねてほしいと思います。

 適性検査Ⅰ~Ⅲは,それぞれ100点満点ですが,適性検査Ⅰは200点に,適性検査Ⅱ・Ⅲは各300点に換算(かんさん)され,これに報告書の200点が加わって1000点満点で判定されます。
 つまり,適性検査が80%,報告書が20%となり,適性検査がしめる割合は,東京都立武蔵高等学校附属中学校,東京都立桜修館中等教育学校,東京都立小石川中等教育学校,東京都立白鴎高等学校附属中学校などよりも高くなっています。
 適性検査Ⅲが理科・算数の問題であることから,換算後の800点のうち約35%を算数が,約25%を理科がしめています。算数や理科に力を入れながらも4科目にわたって基本をしっかりと身につけたうえで,資料を読み取る力や論理的に考える力,的確に表現する力を養っていきましょう。


掲載日:2017年8月14日
次回の掲載は,2017年9月4日の予定です。