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ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2017/09/04] 東京都立立川国際中等教育学校の傾向と対策


 今回は,東京都立立川国際中等教育学校の2017年度入試(一般枠募集)をもとに,同校の傾向(けいこう)と対策(たいさく)を見ていきます。

 2017年度入試は,前年同様,適性検査Ⅰ・Ⅱがおこなわれ,試験時間はいずれも45分間でした。

 適性検査Ⅰは国語で,「自然を理解すること」をテーマとした文章が1題あたえられました。
 問題1・2は,傍線部(ぼうせんぶ)の意味を問う問題です。問題1は60字以上70字以内で,問題2は40字以上50字以内で記述する設問です。問われていることから脱線(だっせん)しないように,解答に必要と思われる部分には線を引きながら読み,それをもとにわかりやすくまとめる作業が必要です。文章量が多いので,段落ごとに要旨(ようし)をきちんとおさえながら読み進めましょう。
 問題3は,筆者の主張とそれに対する自分の考えを,420字以上460字以内で述べる作文です。出題形式としては極めてオーソドックスなものですが,筆者の主旨を正確に理解することが前提です。
 出題文は平易で読みやすい文章でしたが,いずれの問題も,筆者が述べたいことを正確にとらえなければ正解できません。そのためには,日ごろから多くの文章を読み,その内容を的確に読み取った上で,自分の考えを論理的に表現する練習が必要です。日記を書いたり,読書感想文を書いたりするなど,毎日少しずつでも構いませんので,考えたことを文字にする時間を確保することが実力の向上につながります。

 適性検査Ⅱは,大問が3問(算数・社会・理科)でした。
 大問1は「正三角形」を題材にした問題です。
 問題1は基本的な問題でした。答えの書き方に条件があるので,その条件に合わせて解答しましょう。確実に得点すべき平易な設問です。
 問題2は,正三角形の2通りの並べ方が書かれていて,どのようなちがいで2つのグループに分けたのかを問う問題でした。10行にもわたる長い設問なので,問われている内容をきちんとつかんだ上で考えなければなりません。
 問題3は,並べた三角形と「見かけ上の辺の数」の関係を説明する問題です。このような規則性の問題は,公立中高一貫校ではよく出題されますので,じゅうぶんに練習を積んでおきましょう。
 問題2・3は,適性検査Ⅱの中では最も考えにくい問題だったと思います。時間配分を考えながら,得点できそうもないと判断したら,解けそうなほかの問題をまず先に確実に解くというのも大切な作戦です。

 大問2は「野菜」を題材にした問題です。
 問題1は,家庭菜園の土の温度変化と,1日の気温の変化のグラフがあたえられ,畑の土の上にわらをしく理由を説明する設問でした。平易な問題ですが,「図2と図3をもとに」とあるので,2つの図にふれながらまとめなければならない点に注意しましょう。
 問題2は,作物の生産量の割合,産地の分布の特色を答える設問で,どちらも確実に正解したいところです。
 問題3は,ピーマンの産地の特色について説明する問題でした。平易な設問ではありますが,「表と図の両方をもとに特色を述べる」という点に気をつけなければなりません。
 
 大問3は「時間を計る方法」を題材にした問題でした。
 問題1は,「太陽,ふり子,ろうそく」のいずれかを選び,選んだものが時間を計るのに適している理由を答える設問です。「動きや性質にふれて」という条件にそって答えることができれば得点できたと思います。
 問題2は,実験の結果から得られるグラフを選ぶ問題です。表中の球が落ちる時間の増え方を注意深く読み取れば,容易に判断できる設問でした。
 問題3は,球の落下にえいきょうする条件とえいきょうしない条件を選び,その条件を選んだ理由を説明する問題です。ある条件が結果にえいきょうするかしないかを調べるためには,ほかの条件をすべて同じにして比べる(対照実験)ということが理解できているかがポイントです。

 適性検査Ⅱでは,大問1の問題2・3以外は典型的な問題がほとんどで,しっかり勉強した人にとっては得点しやすい設問でした。しかし,頭の中に答えがうかんでも,それを読む人にわかりやすく説明する力,また,問題の中で示されている条件に沿って答える力は,一朝一夕に養えるものではありません。添削問題や模試の問題を解いたとき,その問題が要求している条件をすべて満たしているかどうかを確認するためにも,模範(もはん)解答と比べながら,自分の解答を客観的にながめる意識を持ちましょう。
 また,学校の授業には前向きに取り組み,主体的に自分の頭で考えることが何よりも大切であることは言うまでもありません。

 適性検査Ⅰ,Ⅱは,それぞれ100点満点ですが,適性検査Ⅰは300点に,適性検査Ⅱは500点に換算され,これに報告書の200点が加わって1000点満点で判定されます。
 つまり,適性検査が80%,報告書は20%となり,1000点のうち適性検査の点数がしめる割合は,東京都立小石川中等教育学校,東京都立武蔵高等学校附属中学校,東京都立白鴎高等学校附属中学校,東京都立桜修館中等教育学校などより高くなっています。

 また,換算後の800点のうち,国語が300点,算数が200点をしめています。特に国語の記述力は,他の科目の得点源にもつながります。論理的に,かつ的確な表現力をみがくことに注力しながら,他の科目も基礎学力をおろそかにせずバランスよく学習していきましょう。


掲載日:2017年9月4日
次回の掲載は,2017年10月2日の予定です。