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ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2017/10/02] 埼玉県立伊奈学園中学校の傾向と対策


 今回は,埼玉県立伊奈学園中学校の2017年度入試をもとに,同校の第一次選考の傾向(けいこう)と対策(たいさく)を見ていきます。

 2017年度入試は,前年同様,作文Ⅰ・Ⅱがおこなわれ,試験時間はいずれも50分間でした。

 作文Ⅰは,大問が4問(社会が1問,国語が3問)です。

 社会は,地理と歴史から小問が4つ出題されました。各月と年間の平均気温やコンテナ船,吉野ケ里遺跡(よしのがりいせき)やノルマントン号などに関して, 20~70字程度の範囲での記述問題が5題ほど出されています。教科書の内容をきちんと学習することがまず必要ですが,ただ覚えるだけではなく,1つひとつのことがらについての内容や背景をしっかりおさえながら勉強していくことが大切です。

 国語は,文章題が2題あたえられました。 熟語に関するもの,登場人物の気持ちを述べるもの,傍線部(ぼうせんぶ)の意味や理由を問うものなど,10~50字程度の範囲内での記述問題が7題ほど出されています。また,最後の問いでは,「言葉で人を傷つけないために,どのようなことに気をつけているか」をテーマとして,8行以上10字以内で書く作文が出題されています。あたえられた文章は平易なものですが,社会と合わせて50分という時間を考えると,読解力とともに短時間で答えを組み立てて表現する力を養っておく必要があります。

 作文Ⅱは,問1,2,4が理科,問3,5,6が算数でした。小問数にすると,理科が8問,算数が9問です。

 理科は,空気の性質,種子の発芽,気温について出題されました。基本がきちんと理解できていれば解答できる設問ですが,そのほとんどが少なくても40字,多いと100字程度(もしくは字数制限なし)で説明する問題ですので,ものの性質や自然現象,実験などに対してうろ覚えではない本質的な理解と表現力が求められているといえます。

 算数は,比例,曜日,平均,円の面積などが出題されました。各問とも,(1)(2)は取り組みやすい基本的な問題でしたが,(3)の問題(3年後の曜日を求める問題,分配した卵の数から人数を求める問題,2台の機械を使うときにかかる時間を求める問題)は苦労した人も多かったと思います。時間の配分が勝負となりますので,てこずりそうな問題は後回しにして,解ける問題を確実に解答するというやり方もときには大切です。

 作文Ⅰ,Ⅱはその名称の通り,4科目とも文章で記述する問題がほとんどです。学校の授業を大切にして教科書をきちんと習得し,表面的な知識ではなく本質的な意味をとらえることを重視した勉強が必要です。「今,勉強したことは,自分は本当にわかったのか? わかったつもりになっているだけではないのか?」と絶えず自問自答することを忘れないでください。

 さらに,算数でも理科でも,答えを出すまでの過程を50~100字程度の文章で書く練習を毎日のように続けること,その日に起こったことを題材に日記をつけて自分の考えをまとめる習慣をつけることなどが良い対策となります。

 また,自分で書いた文章の不自然さや欠点は,自分ではなかなかわからないものです。周囲の人に読んでもらってアドバイスしてもらうことも文章上達には有効(ゆうこう)でしょう。

 作文Ⅰ,Ⅱは100点満点で,国語,算数が32点ずつで計64点,社会,理科が18点ずつで計36点です。国語,算数を重視しつつも4科目を通してバランスのとれた学習が必要です。

 なお,第一次選考の合格者(=第二次選考受験候補者)は200名程度で,その後,第二次選考を受けることになります。第二次選考は1人10分程度の個人面接です。面接で自分の考えをきちんと述べることができるように,身の周りで起こることに関して常に問題意識を持ち,自分の頭で考えて解決する力を養っていただきたいと思います。


掲載日:2017年10月2日
次回の掲載は,2017年11月6日の予定です。