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ひろやん道場

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ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2018/05/07] 記述式問題に取り組む際のポイント


 いよいよ5月からむぎっ子通信添削が始まります。毎年,受講生のみなさんから数多くの質問が寄せられますが,最も多いのが「記述式問題への対応」です。確かに,公立中高一貫校入試は,記述式問題が大半をしめますからね。
 そこで今回は,記述式問題に取り組む際のポイントをまとめます。

 まず,記述式問題に取り組むときは,当然ながら,飛ばし読みをすることなく,会話文や設問を正確に理解しなければなりません。そして,その問題で何が問われているかをしっかりつかみ,それに対して的確に答える必要があります。

 まあ,あたりまえの話なわけです。

 ただし,これは「言うは易く行うは難し」の典型で,なかなか思うようにいきません。

 みなさんの答案を添削をしていると,問われていることとずれた答えが多く見られ,しかもその答えを書いている本人は気づかないようです(まあ,だから,答えを堂々と書くわけですが)。しかし,せっかくがんばって答えを書いても,問われていることに答えていなければ,どんなにその答えが正しくても0点です。

 たとえば,「あなたの血液型は何型ですか。」という問題があったとします(公立中高一貫校入試本番では,こんな問題は出ませんが)。「わたしはおとめ座です。」と答えても0点ですね。しかし,当の本人は9月生まれなので,本当におとめ座なのです。

 わたしが何を言いたいか,わかりますね。実は,公立中高一貫校入試は,意外とこういったまちがいの連続です。要は,「書かれている答えは正しいけれど,そんなことは聞いていない。だから0点。」だと。いかに答えが正しくても,または立派な答えでも,問われていないことはいくら書いても0点なのです。特に,小学生の場合,記述式問題の難しさは,こういったところにあります。

 また,設問条件を見落としてしまう答案もよく見かけます。「一文で答えなさい。」「資料をもとにして答えなさい。」といった問いに対して,二文になってしまったり,または,文末に句点を書いていなかったり(文末に句点を書かなければ,そもそも「文」ではありません),資料から根拠(こんきょ)を見つけ出すことなく,自分の知識や推察をもとに答えてしまったりすると,減点,または0点です。

 そのため,このようなミスを防ぐために,まずは大切だと思うところに下線を引きながら読み進めましょう。また,したがうべき条件はマルで囲むくせをつけましょう。

 一方,テキストや過去問に取り組むとき,そもそもハードルが高いという面があるのも知っておきましょう。というのも,解答例と自分の答えが異なっている場合の正誤の判断が当事者ではかなり難しいからです。解答例と表現がちがうからといって,すぐに自分の答えはバツだと判断するのはよくありません。その前に,本当にまちがえなのか,あるいは表現はちがっていても本質的に合っているのかどうかを深く深く考えなければなりません。

 むぎっ子通信添削でも,解答例とは異なるものの,書かれている答えを正解にする場合が多々あります。確かに,自分で書いた解答が正しいかどうかなど,自分で判断できるものではありませんが,仮にそうした状況になったとき,見た目の表現にまどわされることなく,本質的にその説明が正しいのかどうかを考えるくせをつけましょう。

 また,保護者様がお子様の答案を採点する場合は,特に注意が必要です。解答例は,模範的な表現で書かれていますので,お子様の答案が稚拙に見えるのはあたりまえのことです。しかし,だからといって,お子様の答案を即座にバツにすれば,それはお子様の可能性を削いでしまうことになります。くり返しになりますが,見た目の表現にまどわされることなく,本質的にその説明が正しいのかどうかを判断してください。

 最後に,私は解答例の音読を強くおすすめしています。なぜなら,黙読(もくどく)よりも,答え方の調子や言い回しなどが体を通して身につくからです。さらに,「これはいい!!」と思った解答例は,ノートに書き写してみましょう。音読したり書写したりすることで,解答例のよい点をまねるきっかけになり,記述式問題を習得するためのコツが早く身につきます。


掲載日:2018年5月7日
次回の掲載は,2018年6月4日の予定です。

[2018/04/02] 公立中高一貫校に向けた入試対策を考える


 今回は,公立中高一貫校入試に向けて,どのような勉強をすればよいのか,その対策について3つの観点から考えます。ただし,学校によって問題の傾向(けいこう)が異なるため,対策も学校ごとにくわしく検討(けんとう)する必要がありますが,ここでは全体的な対策ということでお読みください。

 第一に,学校の授業で習うことをしっかりと学習し,覚えるべきことは覚え,理解すべきことは十分に理解しましょう。教科書の範囲(はんい)をこえた知識を身につけることができればさらに有利になる場合も多々ありますが,合格への土台作りは,まずは学校での学習にあることを忘れないでください。

 国語・算数・理科・社会の主要4教科の中からおもに出題されますが,これに限らず,体育・家庭科・図工・音楽の技能科目に対しても前向きに取り組みましょう。「調査書も合否判定の一部に加算されるから」というのも理由の一つですが,主要4教科をこえたさまざまな経験が柔軟な思考力をつくり上げてくれると私は確信しています。

 第二に,公立中高一貫校では,多くの資料をもとに分析(ぶんせき)・考察する問題が出題され,いずれも長文の会話文や問題文が多く見られます。学校のテストや私立中学の入試問題とは傾向がまったく異なるため,それ相応の教材,たとえば,公立中高一貫校対策用のテキストやテスト,添削(てんさく)などを学校の勉強と併行(へいこう)して取り入れる必要があります。むぎっ子通信添削に申し込んでくれた方は,いっしょにがんばりましょう。

 第三に,公立中高一貫校入試では,説明や理由を答える形式,つまり記述式が中心です。また,国語では文章の要約や作文が出題されます。したがって,「問われていることに対して考えを整理して説明する」「自分の経験をもとにして文章を書く」ということに十分に慣れる必要があります。だれが読んでも理解できるようなわかりやすい解答を書く力の習得は,1か月や2か月といった短期間ではとてもできるようにはなりません。「毎日少しずつでも日記をつける」「1週間に1回は原稿用紙1~2枚程度の作文を書いてみる」などの習慣をなるべく早くからつけてください。

 以上が入試対策としての柱になりますが,勉強を進めていく前提(ぜんてい)として大切なことは,身のまわりのあらゆることに興味・関心を持って臨むということです。これが入試対策そのものであるということを自覚しましょう。

 たとえば,クラスで何か問題が起こったとき,「その問題はなぜ起こったのか」「解決するためにはどうしたらいいのか」と積極的に考え,解決しようとする姿勢が持てるかどうかが,公立中高一貫校入試の適性検査問題を解く上での底力になります。

 また,家族旅行へ行くとき,「どのようなスケジュールだと楽しいか」「どのようなコースで回ると効率的か」「どうしたら費用が安くすむか」などと考えてみるのも貴重な勉強です。旅行一つにしても,その準備を親まかせにせず自ら買って出るような好奇心(こうきしん)が,思考力や想像力を高めていく源になることは明らかです。

 生活すべてが学習の場であると考え,目の前のあらゆることが勉強の材料だととらえ,何に対しても自分自身で思考する習慣をつけること,これが最も大切な心構えだと断言します。公立中高一貫校が求めている生徒像とは,まさにそのような積極性・主体性を持った人材であるということをしっかりと理解してください。

 さあ,がんばりましょう。


掲載日:2018年4月2日
次回の掲載は,2018年5月7日の予定です。

[2018/03/05] 公立中高一貫校入試の傾向を知る


 新学年をむかえるにあたって,公立中高一貫校に関心を持ち始めた方が多くいらっしゃるでしょう。そこで今回は,公立中高一貫校では,おおむねどのような問題が出題されているのかを述べていきます。学校によって傾向(けいこう)が異なる場合もありますが,全体的な傾向ということで,お読みいただければと思います。

 公立中高一貫校入試は,「小学校で習う学習はん囲」で出題されることになっています。確かに,プラスアルファの知識があれば有利になる場合もありますが,まずは教科書の内容を確実に身につけることが第一歩です。

 国語,算数,理科,社会の主要4教科を土台に,これらの融合(ゆうごう)問題を出題する学校が多く,単に知識を問うのではなく,「考える力」や「表現する力」があるかどうかを試すことが入試の目的になっています。どの科目も,あたえられた資料などをもとに分析(ぶんせき)・思考し,他人にわかりやすく説明する力が求められるというわけです。「~を計算しなさい」「~を何といいますか」といった,数字やことばだけで答える問題よりも,「~の理由を述べなさい」「~からわかることを書きなさい」といった記述式が中心です。

 国語は,あたえられた文章を読んで筆者の主張を要約したり,主張に対して自分の意見を述べたり,体験したことをもとに作文を書いたりする問題が多く見受けられます。
 算数は,ルールや条件にしたがい作業をおこなう問題,図形や条件整理,ゲームやパズル的な内容のもの,また,直感的なひらめきを必要とする設問も出題されています。
 理科は,実験や観察をもとに分析し,考察・処理する力があるかどうかが問われます。実験そのものについても,何に注意をはらい,どのような手順をふむべきかを考えさせる問題も多く出題されています。
 社会は,会話文や資料を読み,グラフや表,図などをもとに,そこから見い出せることを答える設問が中心です。算数や理科も同様ですが,あたえられた会話文は長いものが多く,たくさんのグラフや表などを関連づけて考える力が試されます。

 このような傾向を見ると,公立中高一貫校の問題は少しとっつきにくい印象を受けるかもしれません。しかし,自らの頭で考えることの楽しさがわかり,時間がたつのも忘れて取り組む受検生が多くいます。
 数年後には,大学入学共通テストの導入が決まっていることからも,主体的に取り組んで問題を解決し,正確に伝える力がますます求められる時代になってきています。真の意味で役に立つ本質的な勉強を小学校高学年の時期におこなうことは,最終的な合否に関わらず,きわめて貴重な経験です。

 次回は,以上のような傾向がある公立中高一貫校入試に対して,どのような学習をしていったらよいのか,その対策についてまとめていきます。


掲載日:2018年3月5日
次回の掲載は,2018年4月2日の予定です。