公立中高一貫校をめざす方へのお役立ちサイトです。
ぜひご活用ください!

拝啓保護者様

PROFILEいっとく先生プロフィール

いっとく先生

むぎっ子広場は,2006年の開設当初から関与しており,2012年に一度降板しましたが,今回再登板することになりました。「拝啓保護者様」では,保護者の方から頂戴するご質問・ご相談にお答えする形で進めていきます。僭越ながら(と,一応謙遜したうえで),自信たっぷりに持論を展開いたします。
どんぐりスクール主宰 いっとく先生
ホームページ http://www.dongurikorokoro.com

[2016/02/29] 荒れた公立中学校に通わせることになりました


ご質問:
 受験した公立中高一貫校には合格できず、地元の公立中学校に通わせることになりましたが、その中学校は「荒れている」ことで知られていてとても心配です。1年から塾に通って高校入試に備えようと思っていますが、塾選びが難しいなぁと感じています。ぜひ、いっとく先生のご意見をお聞かせください。なお、公立中高一貫校入試のときにお世話になった塾にはもろもろの事情で通わせないつもりです。

(Yさん・福岡県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 まずは公立中高一貫校入試,お疲れ様でした。保護者様のご苦労やご心労は相当なものだったと推察いたします。

 公立中高一貫校入試は高い倍率になる学校が多いため,合格できる人は若干で,その数倍の不合格者が出てしまうという厳しいものです。地元公立中学校へ進学する場合,3年後にはまた入試を迎えることになるため,その準備をすぐに始めなければならないとお考えの方も多いでしょう。

 特に,Yさんのお子様が進学予定のいわゆる荒れた中学校の場合,学校の授業が期待できない場合が多いのも事実です。ただし,荒れた学校でまじめに学校生活を送っていれば,比較的簡単に高い内申点(通知表の成績)を取ることができるという事情もあります。公立中高一貫校入試以上に高校入試は内申点が非常に大きなウエートを占めるので,ものは考えようです。

 それに,学校はそもそも社会の縮図です。社会には大なり小なりいじめが存在しますし,サラリーマンになれば(ならなくても)理不尽なことばかりです。そういったことから逃げずに立ち向かえる力(またはうまくやり過ごす力)を中学校のうちに身につけることができるのも地元公立中学校に通う利点といえます。

 冗談ではなく,本気で私はそのように思っています。温室育ちの果物を露地栽培にした途端,その果物はだめになってしまう場合があるそうです。温室や露地が何の隠喩なのかはいちいち申しませんが,詰まるところ,どこにも長所と短所があるということです。

 さて,長々と無駄話をしているとまた紙幅をオーバーしてしまいますので,そろそろ本題に入ります。

 高校入試に向けて中学1年から通う場合の塾選びについてですが,私の結論は以下の通りです。

「ともにがんばれるライバルを見つけることができる塾」

 小学生と中学生の最も大きな違いは,間違いなく親との関わり度合いでしょう。小学生のうちは,なんやかんや言いながら親の言うことを聞いて(くれて)いた子どもも,中学生になれば,ほぼ親の言うことは聞きません。これが正常です。保護者様が中学生だったときを思い出して頂ければ,わが子も同じ状況になるとお考え頂くのがわかりやすいのではないでしょうか。

 つまり,子どもの世界が家族から徐々に広がっていくわけです。この広がりを下支えするためのコミュニティーを作ること。これが大切です。このコミュニティーが作れないと,不登校や引きこもりになる確率が高まるといわれています。

 では,コミュニティーを作る最も簡単な方法は何か。それは,親友と呼べる友だちを作ることや,ともにがんばれるライバルを作ることです。

 ただし,親友なんてそう簡単には作れませんね。しかし,ともにがんばれるライバルは意外に簡単です。隣の机で勉強している赤の他人もライバルになり得るのですから。

 個別指導よりも集団指導(クラス授業)の塾。1学年1クラスよりもレベル別にクラス分けがされている塾。小テストなどの成績が毎回貼り出される塾。

 はっきり申し上げれば,そういう塾の方が少なくとも高校入試には適しているといえます(逆に,大学入試では個別指導の方が効果的な場合が多くあります)。

 つまり,荒れた学校に自分の居場所がなくても,塾に自分の居場所があれば,その子は学校にも通い,塾で高校入試用の勉強をがんばると思うのです。事実,そういう事例はこれまで非常に多くあります。
 ご参考になれば幸いです。

 末筆となりますが,現小学6年生をお持ちの保護者様には,これまでコラムをお読み頂きまして,誠にありがとうございました。今後のご子息様のさらなるご成長・ご活躍,ならびにご家族様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。


掲載日:2016年2月29日
次回の掲載は,2016年3月28日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2016/01/28] 入試直前期は社会系問題の主要テーマを復習しよう


ご質問:
 公立中高一貫校入試まであと少しとなりました。特に入試直前期(残り1週間とか)にどのようなことをすればよいのかよくわかりません。アドバイスを頂ければ幸いです。

(Uさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 入試直前期に大切にすべきことは児童の体調管理です。具体的には「風邪を引かない」「早寝早起きを心がける」です。初歩的なことではありますが,いずれも合否に直結することから非常に重要です。むぎっ子模試第4回を受検された方には,入試直前期の注意点をまとめたものを別紙にて同送していますので,そちらも参考にして「身体的にも精神的にも入試当日にトップコンディションになるように」という基本原則のもとで調整を進めて頂きたいと思います。

 さて,今回は入試直前期に取り組むべき勉強に限定して「何をすべきか」を述べたいと思います。
 入試まであと1週間といった時期に差し掛かったとき,だれの頭にもよぎるのが「的中」ではないでしょうか。直前に復習したことがそのまま出題された!!なんて幸運に巡り会えれば,一気に合格可能性が高まります。
 公立中高一貫校入試で的中なんてあり得ないだろうと思われるかもしれませんが,意外とそうでもありません。的中しやすい分野があります。それが社会系問題です。

 理科系問題や算数系問題は,その場で(つまり入試会場で)考えなければならない思考力を問う問題が中心なので,的中なんてほぼ考えられません。

 しかし,社会系問題はテーマ別問題が中心なので,「知っていれば解ける」という問題が意外に多く出題されます。無論「知らなくても」資料等から必要な情報を読み取れば解けるわけですが,それには時間がかかります。時間無制限の試験なんてこの世に存在しませんから,「早く解ける」ということは合否に直結するわけです。

 たとえば,日本の国土といえば,「日本の国土面積は約38万km2しかなく,かつ山がちであり,山地が国土の約4分の3をしめている」というのは公立中高一貫校を受ける児童にとっては基本的な知識ですが,意外と忘れている人がいます。

 山地が国土の約4分の3をしめるということは,低地や台地が全体の2割程度しかないということです。日本で段々畑や棚田が広がった理由は,まさに低地や台地が少ないから食料生産のために仕方なく・・・・・・というわけですね。

 さらに,人間はふつう山地では暮らせませんから,自ずと低地や台地に定住することになります。山がちな日本で過疎化や過密化が生じるのはある意味であたりまえのことであり,人口問題にもつながっていきます。さらにいえば,だからこそ日本は太平洋戦争終結から10年ほどで経済復興を果たせたわけです。国土がせまく,かつ国民が一定の地域に密集して暮らしていたからこそ,道路・鉄道・電気・ガス・電話といったインフラ(社会資本)が整備しやすかった。つまり,経済問題にも関連します。

 公立中高一貫校入試に向けた対策をおこなってきた人は,実はこういった勉強をたくさんしてきたはずです。むぎっ子広場を利用してくれた人は,むぎっ子通信添削やむぎっ子模試,公立中高一貫校対策学力テストを通して,よく出題される社会系問題の主要テーマを学んだはずです。テーマの重複は一切ないように問題を構成していますので,いま一度,その復習をすべてしてほしいと思います。塾に通っていた人も,そこで使っていたテキストから社会系分野の問題だけを復習してほしいと思います。

 社会系問題の主要テーマを入試直前期にまとめて復習すれば,効果覿面(てきめん)!! 合格に直結すると断言します。まじめに的中をねらっていってほしいと願っています。


掲載日:2016年1月28日
次回の掲載は,2016年2月29日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/12/30] 公立中高一貫校合格を手繰り寄せる必須条件


ご質問:
 入試本番まであと少しとなりました。子どもはいたって普通なのに親の方が心配してしまい、ついついくちかずが多くなってしまいます。直前期の親としての心構えをアドバイスして頂ければ幸いです。

(Mさん・茨城県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 言ってはいけないとわかっているのに,つい言ってしまう言葉があります。「何でこんな簡単な問題ができないの」「グズグズするんじゃないの」「本当にダメな子ね」などなど。

 言葉はときとして体罰以上の力を持ち,子どものやる気を一瞬にして失わせてしまいます。まずはこの事実をご理解頂きたいと思います。子どものやる気を摘み取っているのは,意外にも,誰よりもわが子に期待をかけている保護者自身だったりするかもしれません。

 子どもへの期待の裏返しが幾多の言葉であることは痛いほどわかるのですが,感情的な捨て台詞のようなものは御法度です。これまで積み上げてきたものが,わずか一言で崩壊してしまっては困ります。

 まずはこのことを念頭に置いて頂きたいと思います。そのうえで本題に入ります。

 受験は保護者の方や塾の先生が子どもたちに代わって臨むわけにはいきません。また,普段いくら成績がよくても,入試本番のわずか数時間で実力が存分発揮できなければ,合格を手にすることもできません(だから,体調管理は必須です)。よって,日ごろからいかにして本番に強い子を育てるかが入試突破の大きなポイントになります。

 では,どうやったらそういう子が育つか。答えは,普段から子どもたちに自信を持たせ,「やればできる」というイメージを強く持たせることです。そのために必要なことは,ズバリ「(親の)子離れ」です。

 くり返すようですが,入試本番に臨むのは子ども本人だけであり,親が手を出したり口を出したりできません。よって,普段からそのような環境をつくることが非常に重要です。特に,公立中高一貫校入試の場合,その場で自ら考えて答えを導く問題がほとんどなので,普段から子ども自身が考え,悩み,解く糸口をつかんでいかなければなりません。結果ばかりを急がず,過程を大切にすることが子どもたちの考える力を大きく伸ばすのです。

 中学受験は親と子の二人三脚によって成り立つものですが,はじめのうちは紐をしっかりしばっていっしょに走っていても,少しずつそれをゆるめ,子どもが自分で走れるようになったら紐を解いてあげましょう。そうしなければ,いつまでたっても自ら考える人間にはなりません。

 じっと我慢して見守ることは,親にとっては試練です。わが子が勉強で苦しんでいる後ろ姿を見れば,手を差し伸べたくなるのは当然です。しかし,その親心が考える力を摘み取っていることにもなりかねないのです。

 子どもはしっかりと考える姿勢,親はじっと我慢する姿勢が,公立中高一貫校合格を手繰り寄せる必須条件だろうと思います。安心してください。まだ間に合いますよ。


掲載日:2015年12月30日
次回の掲載は,2016年1月25日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/11/30] 数値を用いて説明しなければ不正解なのか-後半-


今月のコラムは,先月分([2015/10/26] 数値を用いて説明しなければ不正解なのか-前半-)の続きにあたります。

 前回のコラムで,解答の質は「志望する公立中高一貫校が発表している解答例から判断する」のがベストだと申し上げました。つまり,その解答例を「必要十分な解答とみなしましょう」という意見です。とはいっても,多くの公立中高一貫校の解答例を見ていると,そこにはいくつか普遍化できる事項があるのも事実です。それは,資料読み取りの対象期間と移り変わりの程度の取り扱い方に関するものです。

 資料読み取り問題の多くは時系列の読み取りです。折れ線グラフはそもそもその移り変わりを示すものですし,2つの円グラフが並べば,その多くは新旧2つの年代の割合が示されている場合がほとんどです。特に,社会系の資料読み取り問題ではその傾向が強くなります。

 このときに注意すべきことは,しっかりと資料読み取りの対象期間を解答に盛り込むことです。つまり,「○○年から△△年は~だが,それ以降は・・・である。」といったように,どの期間でどのように推移しているのかを明確にすることが大切です。これはほぼすべての公立中高一貫校が求めており,対象期間が不明確な解答は減点対象になる場合が多いようです。

 また,移り変わりの程度を述べる場合は,ほぼすべて割合(百分率か歩合)が用いられています。つまり,和差の考え方ではなく,積商の計算によって説明されているということです。特に,資料内の各項目に数値が示されている場合は,グラフの推移という視覚的な理解だけでは不十分で,数値を用いて移り変わりの程度にまで踏み込むことが求められることが多いと考えてください。具体的には,「○○%増加している」「△割にまで落ちこんでいる」といった表現を用いることになり,無論,そのための割合計算が必須です。

 加えて,移り変わりの程度の説明には「変化なし」も含められるという点を見落とさないようにしましょう。確かに,移り変わりを問われれば,増減や高低,大小といった変化にのみ着目しがちですが,変化が見られないというのも移り変わりの程度を述べた立派な解答ですから注意しましょう。

 以上,今月のコラムは,先月分の補足説明となりましたが,資料読み取りの対象期間と移り変わりの程度の取り扱い方について具体的に説明しました。


掲載日:2015年11月30日
次回の掲載は,2015年12月28日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/10/26] 数値を用いて説明しなければ不正解なのか-前半-


ご質問:
 あと数か月で公立中高一貫校入試をむかえる息子がいる保護者です。9月下旬から志望校の過去問に取り組んでいますが、模範解答と息子が書いた解答を見比べたとき、模範解答には数字を使って資料の変化が説明されていますが、息子の解答にはそれがありません。問題文を読むと、数字を使えという指示はありません。こういった場合、どのように解すればよろしいのでしょうか。

(Kさん・千葉県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 設問文中に「数値を用いて」という指示がないなかで,たとえば「○○は10%減少している」と答える場合と,「○○は少し減少している」と答える場合では,どちらがよいのかというご質問です。

 まずはじめに,基本的な考え方をご説明して,そののち,資料読み取りの対象期間と移り変わりの程度について具体的に述べたいと思います。

 設問文中に「数値を用いて」という指示がないのに,数値を用いてその変化を述べる必要があるかどうかは,「志望する公立中高一貫校が発表している解答例から判断する」のがベストです。
 過去問が存在しない新設校を受ける場合はこれができません。一か八かの判断が迫られます(サイコロをふるレベルです)。
 一方で,志望する公立中高一貫校が解答例を発表していない場合もあります。個人的にはそんな学校は受けない方がよいと言いたいところですが,実は,そういった学校の多くは,学校説明会などで記述解答についての説明をおこなっています。
 数年前になりますが,解答例を発表していないすべての公立中高一貫校に,「記述式の解答を設ける以上,学校側が解答例を発表して求める解答のレベルを提示すべきだ」と文書や面談を通じてクレームを入れたことがありました。その甲斐があってか,多くの公立中高一貫校で「解答例を発表する」または「解答例は発表しないが,学校説明会でそういったことを説明する時間を設ける」といった対応を取って頂けるようになりました。
 小学5年生以下で,すでに志望する公立中高一貫校が決まっている場合,早くから学校説明会に行かれることをおすすめします。

 さて,話をもとに戻すと,志望する公立中高一貫校が発表している解答例が数値を用いて説明されていれば,同様の対応を採るのが賢明です。一方で,数値を用いて説明されていなければ,それは不要だと考えましょう。

 ただし,このように述べると,必ず反論される方がいます。「数値を用いて説明すれば,よりくわしい説明になる。数値を用いて書けば,その分,高い評価につながるのではないか」というご意見です。

 ごもっともです。数値を用いれば,解答の質は格段にアップします。ただし,数値を用いない場合に比べて,その問題を解き終えるのに数倍の時間を必要とします。なぜなら,○○倍や△△%といった数値を用いるには,必ず計算が必要になりますから。

 ではここで,入試という制度の前提を考えてみましょう。ポイントとなるのは,「制限時間があること」「それぞれの問題には配点があること」の2つです。
 数値を用いて説明する必要がないのにそれをすることによって,その問題を解くのに余分な時間がかかります。ただし,制限時間は変わりませんから,言いかえれば他の問題を解く時間が減るということです。くわしく書こうとする児童ほど「試験時間が足りない」といいます。しかし,それはあたりまえのことですね。
 また,それぞれの問題には配点があります。ある1つの問題の配点が8点だったとして,学校側が求めている解答が書けていれば8点が加点されます。どんなにくわしく書いても,逆に,必要最低限度の解答であったとしても,学校側が決めた採点基準に沿っていれば8点です。くわしく書いたからといって,それが20点になることは断じてないのです。

 公立中高一貫校入試で求められている解答は,必要十分な解答です。くわしく書くことばかりを子どもに求めると,その子は実力があるにもかかわらず不合格になる可能性を高めてしまうのでご注意ください。

 なお,ここで注意点があります。
 書店で販売されている過去問を購入される場合,ここに掲載されている解答例は,学校発表のものをそのまま転載した場合と,出版社が独自に解答例を書き起こした場合の2通りがあります。要注意なのが後者です。出版社が独自に書き起こした解答例のなかには,プロから見て「うーん」と首をかしげてしまうものが多くあるからです。解説は十分ご活用頂いてよいと思うのですが,解答例だけを見てお子様が書いた解答と照らしてマルバツをつけるのはおやめください。
 過去問(またはその解答例)は,各公立中高一貫校や各教育委員会のホームページで発表されているものをダウンロードして頂くのが最もよいかと思います。

 書きたいことは山のようにあるのですが,むぎっ子広場運営事務局が求めている制限字数を大幅にオーバーしてしまいました。

 これから,資料読み取りの対象期間と移り変わりの程度の取り扱い方について述べたいと思いますが,それは来月といたします。


掲載日:2015年10月26日
次回の掲載は,2015年11月30日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/09/28] 書店では解答例を見てから購入するものを決めよう


ご質問:
 受験校の過去問を書店で購入予定ですが、複数の出版社から発売されていました。そこで、どのような基準で選べばよいか教えてください。

(Rさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 同様のご質問をかなり多く頂戴しましたので,今回は,過去問に限らず,公立中高一貫校対策教材全般について,書店に並んでいるものを購入するときのポイントをお話しします。

 まずはじめに,次の文章を読んでください。これは,ある公立中高一貫校対策教材の模範解答例です。

「日本では,食料の大半を輸入にたよっていますが,これがとぎれることのないように,アメリカ合衆国,中国,オーストラリアなどのおもな輸入相手国と良好な友好関係を保つための外交努力を続けることが必要になります。・・・(中略)・・・。これによって食料輸入のための外貨をかせぐ必要がある一方,日本にばかり黒字がかたよらないように,現地生産をするなどしてまさつをさける工夫もすべきだと思います。・・・・・・(後略)」

 さて,この文章には,「外交努力」「外貨をかせぐ」「現地生産」「まさつをさける」など,小学生が書けるとは思えない言葉が並んでいます。くり返しますが,これは公立中高一貫校対策教材に示されていた模範解答です。

 では,こういったことが書けなければ本当に公立中高一貫校に合格できないのでしょうか。声を大にして言います。答えは「ノー」です。私見を述べれば,小学6年生が「外交努力」「外貨をかせぐ」なんて言葉を使っていたら,正直身震いがします。その子の将来を案じるほどです。

 では,次の文章を読んでください。これは,公立中高一貫校対策の作文教材に示されている「合格者の解答例」です。

「学校でみんなの前で失敗してしまったとき,わたしは自己嫌悪におちいりました。」
「自分で尊い魂を持ち,人の尊い部分や,世の中にあるものへのありがたさを......。」

 まさか,「公立中高一貫校に合格する児童は,『自己嫌悪』や『尊い魂』などが漢字で書けるのね。すごいわ。」なんて思っていないですよね。小学校で習う漢字(これを配当漢字といいます)は1006字だけです。仮に常用漢字を一部含む漢検4級レベルまで学習が進んでいたとしても,習う漢字は1600字程度にすぎません。

 私はこれまで多くの児童の指導に携わり,幸いにもその多くが公立中高一貫校に合格しました。その経験から断言できることは,小学校で習う1006字の漢字が完璧に書けるようになっていれば,ひとまず公立中高一貫校の合格に困ることはないということです。

 ちなみに,むぎっ子通信添削やむぎっ子模試など,むぎっ子広場が扱っている教材はすべて,学年配当漢字を考慮してルビがふられており,さらに,解答例には一切ルビがありません。その理由は,ルビをつけていないのではなく,学年配当漢字を考慮して解答例を執筆しているため,ルビをつける必要がないからです。

 そもそも,解説ならまだしも,解答例にルビがつけるなんてナンセンスだと思いませんか。解答例とは,平均的な児童が書けるレベルのものでなければ存在の意味がありません。「外貨をかせぐ」「自己嫌悪」「尊い魂」なんて,大人にしか書けない(大人にも書けない?)ようなことを児童に示しても無意味です。ましてや,ルビをつけなければ読めない字がふくまれている解答例なんて,はっきり言って学習効率は最悪です。そんなテキストを決して使ってはいけません。これは,私個人の考えではなく,むぎっ子広場が開設された10年前からのむぎっ子広場の一貫した姿勢です。

 ということで,書店で公立中高一貫校対策教材や過去問を買うときに見て頂きたい箇所は解答例です。そこを見て,「自分の子もこの解答例なら書ける」と思えるルビのついていないもの(ルビをつける必要がないほど平易な言葉で書かれたもの)を選んでください。

 教材選定は親が果たす大切な役目です。これに失敗すると,子どもはやる気を持ってその教材に取り組んでくれません。くれぐれも失敗のなきよう。


掲載日:2015年9月28日
次回の掲載は,2015年10月26日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/08/31] 子どものやる気が消え失せているようです


ご質問:
 むぎっ子模試やむぎっ子Web講座などと並行して、近所にある塾にも通わせて公立中高一貫校を目指していますが、夏休みに入って子どものやる気が消え失せているように感じています。やる気にムラがあるのは承知の上で、親として気をつけることを教えてください。

(Yさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 このご質問を頂戴したのはお母様からで,自ら「やる気にムラがあるのは承知の上で」とお書きになっておられます。大変すばらしいことだと思います。
 その通りです。子どものやる気というのは,特に上下左右に揺れ動くものですから(感情のコントロールがまだうまくできない),まずはそれを理解しておく必要があります。親というのは「何があっても守ってくれる」守護神のような存在であり,子どもの情緒安定の源になるものです。ですから,お子様を冷静にかつ客観的に見ていくことが大切です。

 そのうえで,私からは公立中高一貫校に向けた勉強をする過程で身につけてほしい力についてお話しをしたいと思います。勘違いしないでください。公立中高一貫校合格に向けて身につけてほしい力ではありません。その過程で身につけてほしい力です。

 話が逸れますが,私には11か月になる息子がいます。食事のとき,スプーンで口まで食べ物が運ばれることを嫌い,自分の手で食べようとします。そのため,食事が終わるころには彼の周りはいつも荒れ果てた惨状になっています。とにかく何でも自分でやりたいと思うようで,なにかされることをとことん嫌います。
 しかし,そういった様子を見ていて,「これが人間の本能なのだから仕方がない」と私と妻は思い,自由にさせています。自分でできなければ泣いて教えてくれますから。
 そう,もともと人間には「自分で何でもやる力・やろうとする力」があるのです。

●自分で何でもやる力・やろうとする力
 自分で考えたことを実際にやって試してみたり,仲間と一緒に考えてみたりすること。この試行錯誤しながら問題解決に導いていこうとする力。これは自立する力につながります。

 一つひとつの具体例を挙げていく時間がないので,あとは結論だけを述べます。

●自分で考える力
 テストでよい点数を取る方法や効率的に暗記する方法など,自分なりに考えて解決策を見つけようとする力。

●教えを請う力
 わからないことやできないことがあるとき,自己流のやり方で解決しようとせず,素直に大人の人や先生に聞いて教えてもらうなど,上達を早めるのに役立つ力。

●計画する力
 子ども自らが「明日の放課後は友達と遊びたいから,今日のうちにこれとこれを終わらせておこう」など,段取りを考えて計画する力。

●積み重ねる力
 どんなに才能があり,能力が高かったとしても,日々の努力や反復練習がなければレベルアップしません。そのことを自覚してコツコツがんばる力。

●感情をコントロールする力
 いま自分がすべきことをしっかりと考えて,自分の感情と対峙してそれをコントロールする力。

 以上,箇条書きで合計6つの力を取り上げました。どれも中学・高校・大学に進学して,さらに社会に出てから役立つ力のはずです。

 いま取り組んでいる勉強は,公立中高一貫校合格のためだと思います。もちろんそれが大きな目標です。しかし,その副産物としていま取り上げた力も身につくとしたら,それはとても有益なものだと思いませんか。さらにいえば,これらの力が養われるような勉強を続けていなければ,公立中高一貫校にも合格しない,つまり当初の目標も達成できないと思うのです。

 何からなにまで親が口出しをして,「成績アップ」にのみ目が向いていると,実はその成績さえも上がっていかない。そういう事例が多くあるということを忘れないでください。

 子どもにやる気がないと感じられる場合,もしかしたら副産物として得られる力を軽視した言動を親がしている可能性があります。ぜひ,我に返って思い返してみてください。


掲載日:2015年8月31日
次回の掲載は,2015年9月28日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/07/27] うちの子は集中力がなくて困ります


ご質問:
 公立中高一貫校受験に向けて勉強を始めましたが、うちの子は本当に集中力がないらしく困っています。どうすればよいでしょうか。

(Aさん・大阪府在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 私は,受験業界に身を置いて20年が経ちました。簡単に言えば,中学受験・高校受験・大学受験の3分野について,それぞれ20回の受験を経験しているわけで,これだけ同じ仕事を続けていれば,膨大な保護者の方とお会いし,多くのお話を伺いします。今回ご質問を頂いたような内容は,その代表例の一つと言ってよいでしょう。ほかに「うちの子は頑固なので,親の言うことを聞いてくれない」というのもあります。

 しかし,こういうことを言う保護者に対して,私はハッキリと次のことを言うことにしています。「お母様(お父様)は,お子様(人)を短所側から見る習慣がついてしまっている。」と。

 そもそも,短所と長所は1枚のコイン,つまり表裏一体です。見方を変えれば,短所はすべて長所に変わります。たとえば...。

 短所       長所
 集中力がない   何事にも関心がある
 頑固       意志が強い
 好き嫌いが多い  感受性が強い
 優柔不断     思慮深い
 行動が遅い    慎重に行動する

 いかがでしょうか。
 いつだったか,たまたま新聞を読んでいたときに「日本人は自分も他人も短所側から見ることに慣れた人が多い」といった記事を目にしました。確かにその通りだと,私は強く相槌を打ったものです。

「いやいや,いっとく先生,ちょっと待ってくれ。そうは言っても,うちの子に集中力がないのは事実なんだ。このままじゃ,合格できないでしょう。」

 そのように思われる保護者の方が多いかもしれません。
 ではどうすべきか。答えは「ほめること」です。

 脳科学研究の世界では,「ほめること」が脳の前頭葉を活性化させ,あらゆる適用力を高めていくのに効果があることがわかっています。ただ,受験業界に身を置く私も,経験値として「子どもはほめなければ成長しない」という事実を知っています。
 勘違いしないでください。「ほめれば成長する」ではありません。「ほめなければ成長しない」です。子どもを成長させるには,「ほめる」という行為が必須条件だと述べているわけです。

 集中力のない子どもに対して,「どうして集中してできないの」と叱るよりも,「よくここまでできたね」とほめるほうがプラスに作用します。

 ぜひ,保護者の方には,お子様(人)を長所側から見る習慣を身につけてほしいと思います。そして,ほめるという行為でもって,お子様に言葉で伝えてあげてください。

追記 なにもこれは,我が子への接し方に限ったことではありません。職場などにも適用できる基本的な考え方です。


掲載日:2015年7月27日
次回の掲載は,2015年8月31日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/06/29] あたりまえのことがあたりまえにできるように


ご質問:
 この6月から公立中高一貫校に向けた勉強を始めました。塾にも通い始めましたが、ちゃんとついていけているのか心配です。塾からは保護者に対してのアドバイスが何もないのですが、勉強を始めたこの時期に注意すべきことがあれば教えてください。

(Aさん・東京都在住・お子様は小学5年生)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 ご質問を頂戴したのは小学5年のお子様をお持ちの保護者様ですが,公立中高一貫校対策の勉強を始めるにあたって,学年を問わずちゃんと伝えておきたいことがあるので,今月はこれを取り上げることにします。

 結論は「あたりまえのことがあたりまえにできるようになろう」です。では,「あたりまえ」とは何なのでしょうか。以下,列挙します。

[1] 字をていねいに書く
 これは何度も何度も言い続けていることなので,いまさら詳細に説明しません。「字をきれいに」と申し上げているわけではありません。「字をていねいに」と申し上げているわけです。ていねいな字はだれでも書けます。それを書かないのであれば,公立中高一貫校対策の勉強はおやめになったほうがよいでしょう。なぜなら,どのみち不合格になるからです。それほど公立中高一貫校対策にあたって,字をていねいに書くことは大切だということです。
 もう一度くり返します。字をていねいに書かないのであれば,公立中高一貫校対策の勉強をしてもしなくても,不合格という結果はすでに見えている。これが現実です。

[2] 文末の最後に句点(。)をつける
 体言止めの文(名詞で終わる文)などをのぞき,文末の最後に句点(。)をつけるのはあたりまえのことです。というより,小学1年の1学期で学ぶ内容ですね。それができていない人が意外に多いわけです。句点を書かない文を書くことははずかしいことだと思ってください。

[3] すでに学習済みの漢字は漢字で書く
 小学6年の児童が「へやに入いるとすぐに,ふくをぬいだ」と書いたら,「こりゃあ,合格が遠いな」とだれでも感じますよね。「部」「屋」「服」はいずれも小学3年で学習する漢字で,「入」は小学1年で学習する漢字です。「脱」は中学以降で学習する漢字なので,ひらがなでも構いません。「部屋に入るとすぐに,服をぬいだ。」と書くのはあたりまえのことなわけです。

 あたりまえのことを3つ挙げました。この3つができたからと言って,公立中高一貫校に合格できるわけではありませんが,この3つができなければまちがいなく公立中高一貫校に合格できないと断言します。つまり,十分条件ではなく必要条件だと考えてください。
 すぐにお子様の状況を確認してください。そして,もしも疑わしい点があれば,いつもいつもそのことを言い続けてください。どんなにお子様から面倒くさく思われても。


掲載日:2015年6月29日
次回の掲載は,2015年7月27日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/05/25] 夏休みは「作文のネタ探し」に出かけよう


ご質問:
 公立中高一貫校を受検予定の子供がいます。そろそろ夏休みの計画を立てる時期になりましたが、どのような点に気をつければよいでしょうか。

(Mさん・広島県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 私国立中学受験であろうと,公立中高一貫校受検であろうと,受験生(受検生)であるという事実は同じですが,殊に公立中高一貫校の場合,夏休みは「作文のネタ探し」に出かけるよい時期だというのが私の考えです。

 といいますのも,むぎっ子作文添削を担当されているめがね先生ともよく話すことなのですが,公立中高一貫校対策の指導に関わっていると「作文に説得力があるか否か(結果として採点者である読み手を納得させることができるか,もっといえば高得点が得られるか否か)は,結局のところ,自身の体験をまとめた具体例で決まる」という認識があるからです。

 ただし,この「自身の体験をまとめた具体例」というのは意外に厄介で,一朝一夕で対策が取れるものではありません。なにせ「自分自身の経験」ですから。

 このように述べると,いっとく先生は「作文でウソを書いてもよいと言った」という声が聞こえてきそうです。確かに私は,2014年9月29日に掲載したこのコラムでそのことに触れました。しかし,問題はここからです。自分自身の経験が乏しいと,そのウソさえ思いつかない。これが現実だということです。

 たとえば,これまでに複数の公立中高一貫校で「グループのリーダーとして,そのグループをまとめていくことに大切なことは何だと思うか。自身自身の経験をもとにして400字程度で述べよ。」といった問題が出題されています。こういった問題からは,「グループのリーダーになったことがある子がうちの学校を受検するはず」という前提が見え隠れします。
 では,班長やグループ長,学級委員,児童会委員などに就いたことがない児童が,想像力をフルに働かせて,「もっともらしいウソ」を書くことがそもそもできるものなのでしょうか。答えは限りなく「ノー」に近いといえるでしょう。

 つまり,まったく同じ経験をしていなくても,似たような経験の有無が「ウソ」を書くにしても必要になってくるということです。

 あと2か月弱で夏休みが始まります。お住まいの自治体が主催するリーダーズ研修会や野外活動キャンプなどが目白押しです。ご存じないという方は,ただ単に知らないだけです。自治体の広報誌などを見てみましょう。広報誌って何?という方は,市役所や区役所,町役場に足を運んでみましょう。

 塾の夏期講習も大切です。実は,むぎっ子広場でも『むぎっ子Web講座』なるものがはじまります。すみません。宣伝です。ただし,「夏休みにしかできないこと」をやってみるという姿勢が最も大切です。ぜひ夏休みは「作文のネタ探し」に出かけてください。


掲載日:2015年5月25日
次回の掲載は,2015年6月29日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせよりお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/04/27] 合格答案の書き方を身につけるために


ご質問:
 5月からむぎっ子通信添削を受講します。息子がとても緊張しており、毎日のように「字をていねいに書いて・・・」といったことを私(お母様のこと)に話しかけてきます。こちらまで緊張してしまうのですが、どういった声をかけてあげればよいかがわかりません。

(Mさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 むぎっ子通信添削は本年度開講9年目をむかえました。これだけ長く公立中高一貫校対策に関わっている講師陣はほとんどいないでしょう。何よりも,この期間に蓄積した公立中高一貫校に合格するためのノウハウは,今年も多くのみなさんを合格に導くと確信しています。
 幸い,むぎっ子通信添削は予想をこえるお申し込みを頂き,2015年4月30日をもって,2015年12月号までのすべての回の受付を終了することになりました(と,むぎっ子広場運営事務局のスタッフの方から聞きました)。ほぼすべての方々から,年間一括でのお申し込みを頂戴したためです。むぎっ子広場に関わる全講師陣が,総力をあげて公立中高一貫校合格に向けて指導をおこなっていきます。どうぞ,ご期待ください。

 さて,Mさんからのメールを頂戴したのが3月下旬でした。そのころから,息子さんがむぎっ子通信添削に期待してくれているなんて,添削を担当する私たちまで緊張してしまいます。

 私は,Mさんの息子さんはすでに公立中高一貫校に合格する素養を身につけていると感じています。というのも,公立中高一貫校に合格する児童には,いくつかの共通点があるからです。その共通点とは,「素直な子」「ていねいな子」「謙虚な子」の3つです。

 まず,「毎日のように『字をていねいに書いて・・・』」といったことをお母様に話しているわけですから,「ていねいな子」であると判断できます(ただし,私が申し上げる「ていねいな子」とは,字のことだけを述べているわけではありませんが,それについてはまたいつか)。また,3月下旬ごろからむぎっ子通信添削に取り組むにあたって緊張しているということから,「素直な子」「謙虚な子」にも該当すると予想できます。そもそも,公立中高一貫校入試に限らず,成績が上がる児童というのは,必ずと言ってよいほど「素直な子」「ていねいな子」「謙虚な子」という素養を兼ね備えているものです。

 考えてみてください。私たちがいくら一生懸命になって添削指導をおこなっても,素直な子でなければ,それを聞き入れてくれません。そして,毎回のように同じまちがいをします。それでは一向に成績が上がりません。

 さらに,答案を見れば,ていねいな子かどうかはすぐにわかります。前回のコラムで申し上げたことですが,きたない雑な字で答案を書いておいて,「はい,これを読んでください」「私を合格にしてください」というのは,あまりにも横柄でしょう。少なくとも謙虚な子ではないわけです。公立中高一貫校の先生方は,「自分の指導を受け入れて,さらに成長していける子がほしい」と思っているわけですから,きたない雑な字で答案を書く児童を合格させようなんて思うはずがありません。

 息子さんには,「素直な子,ていねいな子,謙虚な子が公立中高一貫校に合格するんだって。あなたはすでにその条件を満たしている」と堂々と伝えてあげてください。そして,さらにこの条件に磨きをかけてほしいとお伝えください。

 ここで申し上げることは,むぎっ子通信添削受講者に限った話ではありません。合格答案の書き方を身につけるためには,何よりもまず,「素直な子」「ていねいな子」「謙虚な子」という素養が必要です。
 素直に聞く耳をもって,あなたが(またはあなたの保護者の方が選んだ)指導者のアドバイスを受け入れ,それをていねいに実践する。
 これこそが,公立中高一貫校合格の最短距離だと断言します。


掲載日:2015年4月27日
次回の掲載は,2015年5月25日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせよりお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2015/03/30] 字をていねいに,そして基礎学力の充実を


ご質問:
 自宅学習のみで公立中高一貫校を目指しています。現在のペースを維持しながら合格を目指すためにいますべきことを教えてください。

(Aさん・沖縄県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 2016年4月に沖縄県下有数の進学校が公立中高一貫校化されます。しかも2校(沖縄県立球陽・沖縄県立開邦)。そのため,むぎっ子広場に沖縄県からも多く参加してくださるようになりました。いっしょに合格を目指してがんばっていきましょう。

 さて,今回は総論として,公立中高一貫校対策の勉強をはじめたときにすべきことを2つにしぼってまとめます。

[1] 字をていねいに書く
 私が公立中高一貫校対策の指導をはじめたのが2004年でした。その翌年が東京都立白鴎高等学校附属中学校の開校です。144名の一般枠の定員に対して,2054名が出願した開校初年度の入試だったわけですが,そのとき,私はある事実を確信しました。字がていねいな児童は「受かりやすい」と。
 実は,このことはすでにある程度予想できたことでした。たとえば,2008年度入試まで大々的におこなわれていた東京大学の後期日程(現在の募集人員は合計でたった100名,ちなみに,前期日程の募集人員は合計でおよそ3000名)。そこで採用されていたのが論文でした。試験時間が150分という長丁場。このときの定説が,「東大後期は字がていねいな学生が受かる。逆に,字が雑だと読んでももらえない。」でした。
 記述式というのは,字が雑だとその時点で不利だということです。ただし,「字がきれい」である必要はありません。とにかく「字のていねいさ」が大切です。是が非でも字をていねいに書くことを意識してください。なお,字をていねいに書こうと意識していても,他人が見たら,または親が見たら「ていねいに書いているとは思えない」という場合,失礼ながら初等教育に失敗している場合が考えられます。いまのこの時期は,書店に「新小学1年生向けのひらがな・カタカナ練習帳」が並んでいます。ぜひ,それを購入して「まじめに」取り組みましょう。
 バカにしているわけではありません。そういったものに取り組んでみたほうが,結果的には公立中高一貫校合格に近づけますよと申し上げているのです。「急がば回れ」とはこのことです。

[2] 基礎学力を身につける
 すでにひろやん道場ライズの合格る答案で各先生方が述べておられることですが,とても大切なので私も述べておきます。
 教育のエセ評論家が「公立中高一貫校入試は特殊」といったことをまことしやかに述べることがありますが,公立中高一貫校入試に長年関わってきた指導者であれば,それは「ウソ」だと断言できます。そういった言葉を信じた人から順に「落ちて」いきますから,むぎっ子広場に集まってくださった方々は決してだまされませんように。

 公立中高一貫校入試においてまず求められるのは基礎学力です。つまり,算数・国語・理科・社会の主要4教科を中心とした教科書に書かれている内容です。この学習が完全でなければ,いくら適性検査問題の対策をおこなっても,それは「砂上の楼閣」にすぎません。基礎学力とは,結局のところ,基礎的な知識のことです。それがなければ,適性検査問題は一向に解けるようにならないのです。ぜひ,まずはそのことを肝に銘じてください。

 では,具体的にどのような教材を利用していけばよいかという話になるので,その説明にうつります。
 私がおすすめしているのは,受験研究社から発刊されている『これだけは』シリーズです。小学5~6年の学年別,算数・理科・社会の教科別にあります(計6冊シリーズ,2011年3月発刊)。ここに書かれてある内容が「すべて」理解できれば,公立中高一貫校対策の基礎学力は十分身につけていると判断してください。
 自宅学習中心の方は,ぜひ,いや必ずご購入頂いて取り組まれることをおすすめします。

 なお,基礎学力を身につける学習(つまり『これだけは』シリーズを終わらせる時期)は,小学6年の夏休み終了までを一つの目安としてください。新小学5年生であれば,小学5年の学習を2学期までに終わらせて,3学期から小学6年の学習に入れるように予定を立てましょう。また,新小学6年生で小学6年の学習が難しいと感じるようであれば,小学5年にもどって復習からはじめる必要も出てきます。「急がば回れ」の精神を忘れないでください。

 次回は,基礎学力とともに身につけていかなければならない記述力(合格答案の書き方・減点されにくい書き方)について説明します。


掲載日:2015年3月30日
次回の掲載は,2015年4月27日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせよりお気軽にお送りください。お待ちしています。