公立中高一貫校をめざす方へのお役立ちサイトです。
ぜひご活用ください!

拝啓保護者様

PROFILEいっとく先生プロフィール

いっとく先生

むぎっ子広場は,2006年の開設当初から関与しており,2012年に一度降板しましたが,今回再登板することになりました。「拝啓保護者様」では,保護者の方から頂戴するご質問・ご相談にお答えする形で進めていきます。僭越ながら(と,一応謙遜したうえで),自信たっぷりに持論を展開いたします。
どんぐりスクール主宰 いっとく先生
ホームページ http://www.dongurikorokoro.com

[2019/04/30] 公平さを土台に据えた試験なんて時代遅れ


ご質問:
 都立中受験のため,子供が小さな塾に通っています。先日の保護者面談で,塾長先生が「都立中なんて,だれが受かるかわかりませんからね。受かれば儲け物ですよ。」とお話しになりました。都立中受験とはその程度のものなのでしょうか。

(Aさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 Aさんがおっしゃっている「その程度」が何を指しているのかがよくわかりませんが,勝手解釈で私見を述べたいと思います。

 横道に逸れますが,先日,私は『世界一「考えさせられる」入試問題』(ジョン・ファーンドン著,河出書房新社)を読みました。オックスフォード大学やケンブリッジ大学で実際に出題された問題を取り上げて,著者の意見や解答を示すという類の本です。著者の意見や解答については賛否両論あるだろうなぁと思いつつ(精緻さに欠けるかなと・・・・・・),世界トップクラスの大学でどのような入試がおこなわれているのかを知るよい機会になりました。

 「あなたは自分を利口だと思いますか」。
 これは,実際にケンブリッジ大学法学部の入試で出題された問題です。答えは当然「イエス」でしょうが,みなさんはそれをどのように証明しますか。正解の解答と不正解の解答の差は何でしょうか。明確に線引きできるものでしょうか。ただ,世界ではこういった入試問題が主流で,正解が一つに限られている問題ばかりの日本の入試こそ特異です。

 では,世界の主流の入試問題と日本の入試問題では,どちらが高度でしょうか。当然前者でしょう。受験生が自ら答えをつくり出していくことになるため,高い思考力が求められます。「あなたは脳のどこが一番好きですか」という問題もあり,解答には当然ながら基礎知識も必要です。脳がどんな構造をしているのかを知っていなければ解答どころではありませんから。

 試験に「公平さ」が求められるのは当然ですが,それを土台に据えるべきではないと私は考えています。合格者の一部は,学校・大学側の「好き嫌い」で選んでもよいはずです。受験生の人柄は自ずと面接や答案に現れ,人に好かれる者は高い確率で「世のため人のため」に社会に貢献すると思うからです。

 現在進められている大学入試改革に始まる各種改革により,1点を競う愚かな今の状態から一刻も早く決別していただくことを祈るばかりです。

 お子様の通塾先から「都立中なんて,だれが受かるかわかりませんからね。受かれば儲け物ですよ。」と言われたとのことですが,これは公立中高一貫校受験に限ったことではありません。どんな試験であったとしても,だれが受かるかは神のみぞ知るです。

 入社試験とて同じでしょう。その会社で必要とされている社員を求める。これが現実です。そこには公平さも客観性もないはずです。

 私は今後,中学受験・高校受験・大学受験が,会社の入社試験のようなものに変化していくと考えています。公立中高一貫校受験は,その最前線にいるのかもしれません。

 ただし,受験の世界では「必要とされる人間」には共通点があるのも事実です。そう思いませんか。だからこそ,私たち受験のプロは,「必要とされる人間」に成長してもらうお手伝いができるのです。

 Aさんが思考を深める一助になれば幸いです。


掲載日:2019年4月30日
次回の掲載は,2019年5月31日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。