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拝啓保護者様

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いっとく先生

むぎっ子広場は,2006年の開設当初から関与しており,2012年に一度降板しましたが,今回再登板することになりました。「拝啓保護者様」では,保護者の方から頂戴するご質問・ご相談にお答えする形で進めていきます。僭越ながら(と,一応謙遜したうえで),自信たっぷりに持論を展開いたします。
どんぐりスクール主宰 いっとく先生
ホームページ http://www.dongurikorokoro.com

[2019/05/31] 資料読み取り問題では必ず数値を使うべきですか


ご質問:
 むぎっ子通信添削などでお世話になっております。先日、都立中で有名な大手塾の模試に参加しました(模試だけの参加です)。結果が返却され、問題が簡単だったせいか大方好成績でしたが、資料読み取り問題が惨敗でした。理由は、数値を用いて説明していないという一点でした。そこでお尋ねします。資料読み取り問題では、必ず数値を使って説明すべきでしょうか。

(Hさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 結論をいえば,必ず数値を使って説明する必要はありません。以下,明確に根拠を示します。

 まず,数値を使わなければならない場合は,必ずその旨の指示があります。
 たとえば,平成30年度の東京都立小石川中等教育学校が出題した独自問題は,次のような設問(問題文)になっていました。

■問題文
 米,野菜,肉類,魚介類のうちから一つを選んで,1970年から2015年までの食料自給率の変化の様子を具体的な数値を用いて説明しなさい。

■学校側が発表した解答例
選んだ食料が「魚介類」の場合
1970年から2015年の間に,ほぼ2分の1になっている。特に1985年から2000年の減少がはげしく,2000年には1985年の約57%になっている。

 設問(問題文)に「具体的な数値を用いて」という指示がある以上,当然ながらその指示を守って書かなければいけません。

 では,今春の入試(平成31年度)はどうでしょうか。同じく東京都立小石川中等教育学校が出題した独自問題は,次のような設問(問題文)になっていました。

■問題文
 資料1をもとにして,1893年から2015年までの間に,全国の人口に対する各都道府県の人口の割合の様子に,どのような変化があったかを説明しなさい。

■学校側が発表した解答例
人口の割合は,1893年にはどの都道府県も同じくらいだったが,東京都と大阪府でだんだんと高くなり,現在は太平洋ベルトで高い。

 いかがでしょうか。数値を用いるという指示がない場合,学校側が発表した解答例でも数値を用いて説明されていません。

 この現象は,全国ほぼ同一です。

 確かに,数値を用いて説明すればより詳細に説明できるようになりますが,その分,計算などが必要になり,解答を書くのに時間がかかります。その結果,たとえその問題でパーフェクトな解答が書けたとしても,他の問題を解く時間が足りなくなってしまったら,結局は低い得点で終わり,不合格の確率を高めます。

 勘違いしないで頂きたいのは,それぞれの問題には配点が決められており,たとえば配点が8点の問題の場合,数値を用いて詳細に説明しても8点,数値を用いなくても学校側が発表した解答例と同様の内容が書けていれば8点で差はつきません。

 つまり,必要以上の内容を解答用紙に書いても配点以上は点数がもらえないという事実を忘れてはいけません。むぎっ子通信添削で私たちが最も重視しているのは「必要十分な解答」です。もちろん,書くべきことが不足していれば減点されますが,必要以上のことを書くのも避けるべきです。受講者に「書きすぎは時間のむだ」ということを徹底して指導しているのはそのためです。


 参照コラム
 [2015/10/26] 数値を用いて説明しなければ不正解なのか-前半-
 [2015/11/30] 数値を用いて説明しなければ不正解なのか-後半-


掲載日:2019年5月31日
次回の掲載は,2019年6月30日の予定です。

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