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2006.12.15日更新【ペンギン便り】vol.16
◇◆◇【ペンギン便り】◇◆◇
Vol.16 2006.10.10
(これは、「むぎっ子広場」の会員様で、希望の方に配信しているメールマガジンです。約1カ月遅れでバックナンバーを掲載していきます。)
こんにちは。Mr.ペンギンです。
東京の人材コンサルタント会社が、就職活動中の大学生を対象に、内定判定や「就職偏差値」を提供する模擬試験を始めたそうです。
模試の内容は一般常識や処理能力を問う「SPI」テストを用いるということです。
面接もせず、完全マニュアル化された「SPI」テストから内定判定を出すことに何の意味があるのでしょうか。それで就職が決まったと思われてしまっては、企業の人事担当者にとっても心外な話でしょう。そも
そも学生は、これから働こうという会社について、簡単なペーパーテストのみで判断されることについて腹が立たないのでしょうか。
模試を行う会社には、「今の若者は自分で判断できない、いわば『誰かに決めてほしい世代』」とまで言われています。勝手に決めつけられて「馬鹿にすんな!」と普通は怒るものだと思いますが…
ところで、「SPI」は総合適性検査という名称でも使われています。
多くの公立中高一貫校で適性検査が実施されているのは、皆さんご存じの通りです。
しかし2つの適性検査は、名前こそ同じでも性質がまったく違います。
公立中高一貫校の適性検査は作文が中心で、「書くこと」が基本です。答えが一つではない問題や、答えが一つであってもそこにたどり着く方法が複数ある問題などが好んで出題されています。選択肢を選ぶような問題はまず出てきません。私はそこが適性検査の魅力だと思っています。
一方、就職活動で使われる総合適性検査はマークシート形式です。2つの適性検査の考え方が対極にあるのが、なんとも不思議です。
今号の目次
□1.「むぎっ子広場」更新情報
□2.取材ノート“こぼれ”話
□3.読書をしよう
■□1.「むぎっ子広場」更新情報
・2006/10/10 【ペンギン便り】 ◇バックナンバー◇vol.7 vol.8掲載
ホームページはこちらから
http://www.mugihiro.com/news/007/
・2006/10/10 【いっとく道場】更新
【いっとく道場】第3回チャレンジ問題の公開稽古(げいこ)そのCを掲載しました。
解答例も載っています。
http://www.mugihiro.com/challenge/index.html
■□2.取材ノート“こぼれ”話
都立のある中高一貫校の公開授業を見学した時のことです。
見学している小学生の子どもたちは、授業を受けている中1の生徒と同じように、じっと黒板を見ていました。内容は、中学2年で学習するはずの「証明」です。
廊下にまで人があふれる盛況ぶりですが、あまり人の入れ替わりはありません。子どもたちが動かないのです。
それを見ていて、ふと疑問がわいてきました。
「この子どもたちは、ひょっとして授業の内容がわかっているのだろうか?」
対象は小学6年生ということですが、入場時にチェックがあったわけでもないので、もっと低学年の児童もいるかもしれません。理解しているのか、いないのか、途中からその疑問が頭から離れなくなりました。
授業が終わった後、父親から「(授業の内容が)わかったか?」と聞かれ、首を振っている子どもがいました。それを聞いて「すごいことだ」と心から思いました。
小学生で、中2の問題が理解できたとすれば、それは確かにすごいことです。しかし、私には、おそらくはまったく解らなかったであろう授業を、最後まで集中して聞き入った子どもにこそ可能性を感じます。
それは好奇心に支えられた「粘り強く考える力」と言えるかもしれません。
また先日、別の都立一貫校の説明会では「意志の力」と表現していました。
問題を解く力は、正直言って後からいくらでも身につけることができます。
それよりも、わからない授業をじっと聞き続けられる力の方が、一朝一夕では身に付かない、大事なことだと思います。壁にぶつかった時、苦しい時にこそ必要とされる力だからです。
何事もなかったかのように元気よく去っていく子どもたちを見て、なるほどそういった力を持った子どもたちが入学していくのだろうなと思いました。
■□3.読書をしよう「植村直己 地球冒険62万キロ」
「植村直己 地球冒険62万キロ」 作・岡本文良 金の星社フォア文庫
伝説となった登山家であり、冒険家でもある植村直己のノンフィクションです。
夢のある人、特にスケールの大きな夢を追いかけている人にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
五大陸の最高峰に挑み、また犬ぞりで北極を横断するなど、その冒険に心躍ります。
単独登山にこだわった植村さん、大自然の前で孤独と向き合う一方で、「人の出会い」を何より大切にしていました。
例えば、アメリカで不法就労していて捕まった話が出てきます。「ヨーロッパのアルプスに登るため」と移民局で熱意を込めて話をしたら、強制送還ではなく、ヨーロッパ行きを許可されます。
また、フランスでは重病を患い入院します。医療費が払えず困り果てていると、働いていたスキー場の支配人がお金を払ってくれ、しかも自宅で療養までさせてくれます。
さらに、犬ぞりの使い方を習うためにイヌイット(エスキモー)の部族と暮らしたことなど、それらすべてが植村さんを突き動かしていく原動力となっていました。
私は読んでいて、そこに目的を達成する「鋼のような意志」を感じました。
植村直己さんについては「青春を山にかけて」(文春文庫)という著書もありますので、そちらもぜひ読んでみて下さい。




