Mr.ペンギンの公立中高一貫校取材ノート

公立中高一貫校をめざす方へのお役立ちサイトです。
ぜひご活用ください!

2006年06月30日京都・洛北附属中 「洛北サイエンス」

0059

6月28日(水)、京都大学宇治キャンパスの化学研究所に行ってきました。洛北附属中が力を入れている独自授業「洛北サイエンス」を見学するためです。

その前に、「洛北サイエンス」について少し説明をいたします。
洛北附属中では、大体6月半ばから7月半ばにかけてサイエンス(科学)について集中的に学びます。
それぞれの学年にはテーマがあります。1年は「サイエンスを知る」、2年は「本質を学ぶ」、3年は「サイエンスに挑戦する」です。これらすべてに共通するのが、洛北全体の合い言葉ともなっている「本物に触れる」ということです。

洛北サイエンス」における授業の手順は、次の四段階になっています。

1.まず、学校の先生から基本の授業を受ける。
2.サイエンスの第一線で活躍する教授や研究員らを学校に招き、講義を受ける。
3.生徒が研究所などの現場におもむき、体験学習を行う。
4.以上で学んだことや現場の体験をまとめ、発表をする。

このようなことを知って私は、「私は中学生が大学で研究するような授業を受けても理解できるのだろうか」とまず疑問に思いました。
私自身も体験授業を受けてみて、正直なところ「レベルが高いな」と感じました。
しかし同時に、そのレベルの高さを知り、本物に触れるということこそ、生徒が科学に強い関心を持つ上で大切だと感じました。特に体験学習では、詰め込みの知識だけでは味わえない、第一線の現場の雰囲気を肌で感じ取れることが大きいと思います。
ここに「本物に触れさせることで科学の関心を高める」という洛北附属中の骨太の方針が感じられます。

さて、京大の化学研究所には、1年生が訪れました。
1年生は、「生命の神秘に挑む」「Atomへのアプローチ」「波を科学する」の3つの講座のいずれかを選択します。今回私は、ナノテクノロジーに触れる「Atomへのアプローチ」を選択した生徒たちと同行し、取材しました。

私たちは、研究所の装置について簡単な説明を受けた後、大型電子顕微鏡のある建物に移動しました。大型電子顕微鏡を初めて見て、その大きさに圧倒されました。それもそのはず、この顕微鏡は高さ13m、重さ30tもあり、土台のコンクリートなどを含めた総重量は、なんと200tになるそうです!
倍率は100万倍まで測ることができ、測定するときは100万ボルトの電圧をかけるそうです。
これらの説明中、生徒は熱心にメモを取っていました。

次に私たちのグループは、CD(コンパクトディスク)の表面を調べたり、ダニやアリの立体画像を見るなど4班に分かれて、それぞれの研究室に向かいました。
私の場合、“世界屈指”の巨大顕微鏡がもう少し見たくて、大型電子顕微鏡を体験する班と一緒に残りました。
そこでは、花火などに使われる「酸化マグネシウム」の結晶を見ました。実際に、顕微鏡をのぞいて見ると、まず1万倍できれいな立方体が見えました。さらに、倍率80万倍に上げられました。すると、原子の配列が格子模様に見えてきました。初めて原子というナノレベルの物体を見て、私はドキドキしました。

普通の授業で「1ナノは1メートルの10のマイナス9乗です」と教えられても、生徒の心にはあまり響かないでしょう。
けれども、このように顕微鏡で通じ“ナノテクノロジーの世界”を体験することは、生きた知識として生徒の中にずっと生き続けると思いました。

この授業を通じて感じたことは、生徒がよく勉強していて、質問がひんぱんに飛び出しているということです。前日に洛北附属中で教壇に立ち、ナノテクノロジーについて話をしたという磯田生二・京都大学化学研究所教授も、「たくさんの質問があり、本当に生徒に意欲を感じます。」と話していましたが、その熱意が今日も感じられました。

Mr.ペンギン取材ノートトップへ戻る

  1. ためしてみよう!いっとく道場
  2. いっとく先生のトクトク情報
  3. Mr.ペンギンの取材ノート
  4. おすすめ教材