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ライズの合格る答案

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R志学会ライズ

私たちライズは,10年前から総力を挙げて公立中高一貫校対策に取り組み,独自の公開模試も運営してきました。その模試の採点時に感じた,「こんなミスがもったいない」「この書き方だと減点になる」といった気づきを,このコラムでは具体例を出しながら紹介し,さらに対処法も伝授していきます。また,公立中高一貫校に在籍する中学・高校生の生の声なども先輩情報として随時紹介していきます。
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[2018/09/24] 冷静かつ論理的に考える習慣を身につけよう


 今回は,「思いこみの危険性」について考えていきます。
 たとえば,国語の読解問題において,答えは文章中にあり,ヒントは問題文中にあります。この時期になると,多くの小学6年生はかなりの問題数をこなしているでしょうから,「そんなことは当たり前だ」とお思いかもしれませんね。しかし,あまりに当たり前すぎて,または慣れすぎてしまい,「よくあるパターン」の問題に出くわすと,思いこみで答えを出してしまう場合があります。そういうときこそ,冷静かつ正確に問題を解いていかなければなりません。

■問題例
 次の会話文を読んで,あとの問題に答えなさい。
あきら:最近は自然災害が多いね。
よしこ:だから,私たちも日ごろからハザードマップを見ておいたほうがいいわよ。
あきら:ハザードマップって何なの?
よしこ:大雨などで災害が起きたとき,その地域の人々が安全にひなんできるように作られた地図のことよ。
あきら:それがあればすぐにひなんできるんだね。
よしこ:ハザードマップには,災害に対する危険性や,災害が起こったときの状況も予測して地図にまとめられているのよ。災害のときだけでなく,日ごろから家族で話し合っていくことで,いざというときの準備ができると思うわ。

問題 ハザードマップとはどのような地図のことですか。2人の会話を参考にして,作成目的にもふれて40字以上50字以内で書きなさい。

■解答例
災害が発生したときの危険性や状況を予測して,地域の人々が安全にひなんできるように作られた地図のこと。(50字)

■誤答例
大雨などの災害があった場合に,その地域の人々が安全に避難できるように作られた地図のこと。(44字)

■解説
 会話文中でよしこさんは「大雨などで災害が起きたとき,その地域の人々が安全にひなんできるように作られた地図のことよ。」と述べていることから,誤答例もそれに沿ってまとめたと判断できます。「地域の人々が安全にひなんできるように」と,作成目的も書かれているので,一見すると,よく書けた解答のように感じます。
 しかし,これが不十分な解答であることは明白です。なぜなら,そのあとで,よしこさんは「ハザードマップは,災害に対する危険性や,災害が起こったときの状況も予測して地図にまとめられている」と述べているからです。つまり,この問題は,2か所から読み取れることをもとに,制限字数の収まるようにまとめていく必要があったのです。
 ふつう,こういった記述説明問題は,答えとなる部分が1か所であることが多いので,その思いこみが誤答を招いたと考えられます。

 ハザードマップには,洪水や土砂くずれ,津波など,災害発生の可能性があるエリアがまとめられており,それを伝えることによってはじめて,どこに住んでいる人が積極的にひなんすべきか,または,ひなん場所まで安全にひなんできるかを伝えられるのです。したがって,ハザードマップには「災害が起きやすい場所」と「ひなん場所」の両方が書かれていなければ意味がありません。

 この問題は,会話文中からハザードマップの情報をもれなく読み取り,制限字数内で要約する力が問われていました。「答えとなる部分は1か所だけ」と思いこむのではなく,こういうときこそ冷静かつ論理的に考える必要があります。


掲載日:2018年9月24日
次回の掲載は,2018年10月22日の予定です。