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ライズの合格る答案

PROFILEライズプロフィール

R志学会ライズ

私たちライズは,10年前から総力を挙げて公立中高一貫校対策に取り組み,独自の公開模試も運営してきました。その模試の採点時に感じた,「こんなミスがもったいない」「この書き方だと減点になる」といった気づきを,このコラムでは具体例を出しながら紹介し,さらに対処法も伝授していきます。また,公立中高一貫校に在籍する中学・高校生の生の声なども先輩情報として随時紹介していきます。
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[2019/05/27] 生半可に知識がある問題ほど注意が必要です


 今回は,しっかり答えたし,まちがってもいないのにバツになる場合にふれたいと思います。まずは,公立中高一貫校入試の典型問題を取り上げます。


■問題例
 日本は,1990年ごろから食料自給率が低下してきました。その理由について,資料1・2をもとに,米,乳製品,肉類の3つに着目して説明しなさい。

資料1 日本の品目別食料自給率の移り変わり
20190531SS001.png

資料2 日本人の食生活の変化の説明
 1980年ごろまで日本人の食事は主食の米と中心にすえた和食が主で,健康面などから,これが理想的な食生活と見なされていた。しかし,現在は乳製品や肉類を中心とした洋食が主で栄養バランスがかたよっていると考えられている。現在世界では,健康ブームに乗って和食が流行している。

 まずはじめに,本問では「資料1・2をもとに」という条件があることから,2つの資料から読み取れないことを書いてはいけません。また,「米,乳製品,肉類の3つに着目して」という条件も見落とせません。さらに,当然ながら「日本が,1990年ごろから食料自給率が低下してきた理由」を述べることから,理由説明であることが正しく採点者に伝わる書き方が求められます。

 以上,この3点に気をつけたうえで,次の3名の児童が書いた解答を見てみましょう。

■児童Aの解答
昔は米や魚を食べていたが,今はパンや肉をたくさん食べるようになり,輸入するようになったから。

■児童Bの解答
学校給食で地産地消などをしていくと,食料自給率のアップにつながる。

■児童Cの解答
今はごはんよりパンのほうが増えているし,肉類などに関しては日本よりも外国産のほうが安いから。

 さあ,いかがでしょうか。

 児童Aの解答は,魚にふれていますが,2つの資料からは魚に関する内容が読み取れません。仮に,和食は魚中心であるという事実があったとしても,2つの資料からそのことが読み取れない以上,魚に関する説明を書き加えてはいけません。また,乳製品に着目した説明もありません。

 児童Bの解答は,問われている内容には答えず,自分の意見のみを書いています。これでは,どんなにその内容が正しくても正解にはなりません。

 児童Cの解答は,児童A同様,価格に関して,2つの資料から読み取れないことを書いています。くり返しになりますが,どんなにその内容が正しくても,問われていないことは書いても意味がありません。つまり,0点です。知識は,公立中高一貫校入試において大きな武器になりますが,それを解答に書き加えるかどうかは,問題ごとに判断しなければいけません。

 あくまで「問われていることに答えること」が絶対ルールです。

 本問では,食生活の変化によって米の消費量が減り,乳製品や肉類の消費量が増加した点にふれていればよいでしょう。事実上,資料1から読み取ることは何もない(食料自給率が低下したことはすでに述べられている)ため,資料2の食生活の変化にのみ着目しましょう。

 なお,食料自給率が低下した理由は,生産農家の減少にともなう生産量の減少や国産と外国産の価格の差など多くの理由があり,そういったことを知っていれば,公立中高一貫校入試では大変有利です。しかし,「知っていること」と「書くべきこと」は同じではありません。何を書けばよいのかを正しく判断すること,これが入試本番では求められています。

 そこで,日ごろから自分が書いた解答を読み返し,問われている条件を「すべて」満たしているかどうかをくり返しくり返し確認(かくにん)する習慣をつけてください。これはとても大切な習慣で,志望校合格には欠かせません。


掲載日:2019年5月27日
次回の掲載は,2019年6月24日の予定です。