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カッシー先生

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中学受験36年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2017/06/12] 国連までもが心配する法律が日本の国会で審議中


 みなさんは,日本人が最も守らなければならないきまりが日本国憲法(けんぽう)で,その3つの柱が「国民主権(しゅけん)」「基本的人権の尊重(そんちょう)」「平和主義」だということは知っていると思います。では,この3つの中で何が最も重要だと思いますか。それは「基本的人権の尊重」です。

 人間が人間らしい生活を営むうえで,生まれながらにして持っている権利を「基本的人権」といいます。日本国憲法では,「基本的人権は人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」によって確立されたものであり,「おかすことのできない永久の権利」として保障(ほしょう)されています。

 基本的人権には,自由権・平等権・社会権などの権利があります。また,現代社会の進展によって,プライバシー権・環境権・知る権利などといった「新しい人権」が生まれています。

 そして,この大切な基本的人権を守るために必要なのが「国民主権」であり,「平和主義(戦争の放棄)」なのです。

 ところで,今,日本の国会では「共謀罪(きょうぼうざい)」法案が審議(しんぎ)されています。日本政府は,2020年の東京オリンピック・パラリンピックを開くためにはこの法案が必要だと主張しています。

 一方,5月18日,国連のプライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が,安倍晋三首相に書簡を送りました。その内容は,「共謀罪法案が法律として採択(さいたく)された場合,プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限につながるおそれがある」というものでした。

 国連のプライバシー権に関する特別報告者とは,国連の人権理事会の任命を受け,各国の人権侵害(しんがい)などの状況(じょうきょう)を調査・監視(かんし)・公表する専門家です。各国から独立した立場にいて,調査した内容は,人権理事会や国連総会に報告することになっています。

 この書簡に対して菅官房長官は,「書簡の内容は明らかに不適切なものなので,強く抗議(こうぎ)している」「プライバシーの権利や表現の自由を不当に制約するものではない」などと強く反発しましたが,これに対してケナタッチ氏は「私が日本政府から受け取った『強い抗議』は,ただ怒(いか)りの言葉が並べられているだけで,全く中身がない」と回答しています。

 この法律が今後どうなるかはわかりませんが,日本国憲法には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は,国民の不断の努力によって,これを保持しなければならない。」と書かれています。基本的人権を守るためには,主権者である国民が努力を続けなければならないのです。今,国会で話し合われている「共謀罪」法案が本当に必要なのかどうか,国民一人ひとりが主権者として,真剣に考えることが大切だと思います。

掲載日:2017年6月12日
次回の掲載は,2017年7月10日の予定です。