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カッシー先生

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中学受験36年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2017/09/11] 高齢者による自動車運転の現状と対策 (2)


 高齢者講習は1998年から20年間にわたり実施されていますが,その効果は実社会でまったく検証されていません。つまり,効果があるかどうかもはっきりしていない対策がただ実施されているだけになっているのです。
 警察庁が発表している交通事故率の移り変わりを見ても,高齢者講習の効果があるとはいえません。高齢者講習で交通安全に対する意識が高まったという声もあるようですが,事故率の低下につながらないのであれば,講習の意義はほとんどないでしょう。

 また,免許返納についても,効果があるかどうか大変疑わしいといえます。そもそも免許を返納しようと考えるドライバーは,自分の運転が以前と比べて危険になっているという客観的な判断ができる人です。したがって,そのような人はたとえ運転を続けたとしても,事故を起こす確率は低いと考えられます。
 むしろ,自分の運転に自信があると考えているドライバーの方が危険性が高いと思われます。また,免許を返納したいと思っても,車を運転しなければ,日常の買い物にいくことも,病院に行くことさえもできないという環境で生活している高齢者も多くいます。

 では,高齢者ドライバー対策として有効な手段について考えてみたいと思います。

 一つは免許制度の改革です。
 高齢者一人ひとりの健康状態や,住んでいる地域に合わせて限定をつけた運転免許証を交付してはどうでしょうか。
 たとえば,高速道路上を運転してはいけない,日常運転することに慣れている限られた地域の中だけで運転することができる,明るい日中のみの運転に限る,といった条件付きで自動車の運転を認めるのです。いまでもオートマチック車のみを運転できる免許や,身体障害者がその障害に応じた条件で運転できる免許があります。

 もう一つは自動運転技術の活用です。
 自動運転技術により,高齢者ドライバーが安全に運転できる確率が高まります。また,無人タクシーや無人宅配システムが実現すれば,高齢者が運転する必要が少なくなり,高齢者ドライバー対策として非常に有効な手段になるでしょう。
 しかし,これにはもう少し時間がかかりそうです。すぐにできる対策としては,すでに実用化されている自動ブレーキとペダルふみまちがい防止装置を活用することです。免許制度の改革とも関係しますが,一定の年齢以上の高齢者には,これらの安全装置がついた自動車のみの運転を認める制度を設けてもよいと思います。

 最後は,自動車の運転が必要ない地域社会を実現することです。
 徒歩や公共交通で移動すれば生活できる地域では,車に乗る必要がなくなるので,交通量が減り,交通事故やはい気ガスも減少します。また,歩くことが増えれば健康維持にも効果的です。自動運転技術やドローン技術など最新の技術を活用することで,このようなコンパクトシティーをつくり出すこともできるでしょう。超高齢社会である日本では,コンパクトシティーを実現することが高齢者ドライバー対策の切り札なのかもしれません。


掲載日:2017年9月11日
次回の掲載は,2017年10月16日の予定です。