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カッシー先生

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中学受験36年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2018/08/13] 自宅周辺のハザードマップを見たことがありますか


 7月上旬,岡山県や広島県をはじめとした西日本各地を,記録的な豪雨がおそいました。

 このたびの西日本豪雨による被災者の方々に,慎んでお見舞い申し上げます。また,被災地等におきまして,復興支援などの活動に尽力されている方々に深く敬意を表しますとともに,皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 さて,今回の水害で大変注目されているものがあります。それが「ハザードマップ」です。ハザードマップとは,一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で,被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」とされています。

 今回,このハザードマップが注目されているのは,岡山県や広島県で起こった水害が,このハザードマップで示された被害想定通りに起きたということです。つまり,あらかじめ想定されていた通りに起こった災害なのに,なぜこんなにも多くの犠牲者を出してしまったのかということです。

 ハザードマップは,日本では1990年代に作成が進められてきました。2000年に起きた北海道の有珠山噴火のときには,事前に作られていたハザードマップと行政の避難指示に従い,住民や観光客が迅速に避難できました。その結果,温泉街が火山の噴出物でうもれるなどの大きな被害が出たにもかかわらず,一人の死傷者も出なかったのです。

 この災害により,ハザードマップは一躍注目されるようになり,全国の自治体で作成が進められてきました。いまでは約80%の自治体でハザードマップが作られています。

 岡山県倉敷市でも,ハザードマップが作られており全戸に配布されていたそうです。しかし,住民の中には,「そんなものがあったとは,知らなかった」と言う人が多かったのです。

 広島市の水害現場では,100年前にも今回とほとんど同じ場所で,同じような水害が起きていたそうです。そのときのことを教訓に,対策を立てていた家は今回の水害でほとんど被害を受けていないそうです。

 私はこの話を聞いたとき,東日本大震災の津波の被害を防いだ石碑のことを思い出しました。その石碑には「これより下には家を建てるな」と書かれていたそうです。その教えを守った集落は,一軒も津波の被害にあわなかったそうです。

 最近の災害は「これまで経験したことのない...」とよく言われます。確かに,雨の降り方や気温の上がり方など,気象現象が激しくなってきていることは事実でしょう。しかし,防災に関しては事前の予測であるハザードマップや先人の教えを活用することで,対応していくことが可能だと思います。

 自治体は,ハザードマップを作って配布するだけでなく,住民に知らせる努力をし,住民は行政任せにせず,自ら知る努力をすることが大切です。また,地域コミュニティーを日ごろから構築しておき,個人がしっかり動く準備をしておくことが,避難情報が出たときに大切になってくるのではないでしょうか。


掲載日:2018年8月13日
次回の掲載は,2018年9月10日の予定です。