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カッシー先生

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中学受験36年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2018/11/12] リフューズの必要性とプラスチックごみ


 スターバックスコーヒーやマクドナルドなどが,今後,プラスチック製ストローの使用を取りやめると発表しました。ストローよりもカップやふたで使われているプラスチックのほうが,はるかに量が多いのではないかと思われるかもしれませんが,問題は量ではなく大きさです。ストローは小さすぎて,リサイクルができないのです。

 プラスチックは19世紀後半に発明され,これまでに世界で83億トン生産されてきました。そのうち,はいきされたのは63億トンにのぼりますが,その中に回収されていないプラスチックは,実に57億トンもあるといいます。それらがどれだけ海に流入しているか,はっきりしたことはわかっていませんが,絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)もふくめた700種近い海洋生物にえいきょうをあたえ,毎年多くを死に追いやっていると推定(すいてい)されています。漁網(ぎょもう)にからまるなど,目に見える形での被害もありますが,目に見えない形で被害を受けている生物はもっと多いのです。

 プラスチックは自然に分解しませんので,くだかれて細かくなっていきます。最終的には,直径5mm以下の微小(びしょう)なプラスチック粒子(りゅうし)となり,これは「マイクロプラスチック」とよばれます。そして,いまでは動物プランクトンからクジラまで,あらゆる大きさの海洋生物の体内から,このマイクロプラスチックが見つかっており,深海のたい積物から北極の海氷にまでおよんでいます。

 3Rは,もうみなさんは知っているね。ゴミをできるだけ出さない「リデュース」,使えるものはくり返し使う「リユース」,そして「リサイクル」の3つですね。日本では,この中で「リサイクル」だけが注目されていますが,ペットボトルや空きかんのリサイクル率が上がっても,そのための費用やエネルギー消費を考えると万能ではありません。

 そもそも,最終的にごみとして処分しなければならないものを,家庭内に持ちこまなければ,ごみは出ないはずです。そのためには「リフューズ」が大切です。「リフューズ」とは,必要のないものを断るという意味です。スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでもらうレジ袋を断る,レストランなどで自分のはしを持参し,わりばしを断る,などが考えられます。「リフューズ」を「リデュース」から独立させ,強調することがこれから必要になってくるのかもしれません。

 現在,日本政府はレジ袋の有料化を義務づけようと検討を進めています。すでに複数のスーパーマーケットではレジ袋の有料化が進み,マイバックの持参が増えるなどの効果が出ています。しかし,これらの規制を国が中心になって進めていかなければならないものなのかどうか深い議論が必要です。問題はレジ袋だけではないのですから。


掲載日:2018年11月12日
次回の掲載は,2018年12月10日の予定です。