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カッシー先生

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中学受験37年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2019/01/14] 米中貿易戦争とアメリカ大統領選挙


 現在,アメリカ合衆国(がっしゅうこく)と中国はおたがいに関税を引き上げて,「貿易戦争」のような状況(じょうきょう)になっています。世界第1位と第2位の経済大国ですから,そのえいきょうは世界に広がりつつあります。

 最初に仕掛(しか)けたのはアメリカ合衆国です。トランプ大統領(だいとうりょう)は2018年7月,中国からの輸入品340億ドル分に25%の関税を上乗せしました。さらに8月には160億ドル分に25%の関税を上乗せし,制裁(せいさい)の規模(きぼ)は合わせて500億ドル相当にのぼりました。9月には第3弾の関税措置(そち)が発表されました。これに対して,中国は,アメリカ合衆国の措置は国際ルールに違反しているとして,同じ規模のアメリカ合衆国からの輸入品に25%の関税を上乗せする対抗(たいこう)措置をとったのです。

 なぜ,アメリカ合衆国は中国に対してここまで強引な貿易戦争を仕掛けているのでしょうか。それは,2015年に中国が発表した「中国製造2025」にあると思われます。中国はこの計画で,2049年までに情報通信技術,工場や家庭向けのロボット,自動車など,10分野の産業を重点的に強くし,世界一になることをねらっています。

 しかし,中国はアメリカ合衆国や日本など外国の会社に対して,中国に進出することを認める見返りとして,進んだ技術を教えるように求めたり,外国の技術をまねたりして成長してきました。

 このような中国の国家主導的な産業政策そのものを変えることをトランプ大統領はねらっているのです。具体的には,金融(きんゆう)分野などへの外国の会社単独での進出を認めること,中国との合弁企業を設立する際に技術の移転を求めないこと,中国政府による企業への不公平な補助金をやめることなどが,その主な内容です。

 トランプ大統領は,2020年11月におこなわれる大統領選挙で再選されることを最終目的としています。そのために,国民が納得する成果を上げようと必死になっているのです。昨年11月の中間選挙では,野党の民主党と引き分けともいえる結果に終わっています。このままでは2年後の選挙での再選が難しいと判断し,連邦議会と対立しても,メキシコとの国境(こっきょう)に壁を建設しようとしています。

 メキシコとの国境に壁を建設することや,中国に高い関税をかけることは,トランプ大統領が選挙でアメリカ国民に約束した公約の中にふくまれています。トランプ大統領は,これまで選挙での公約を次々と達成してきました。大統領になって2年で,その達成率は8割をこえており,これは近年にない達成率だといわれています。

 中国との貿易戦争でもトランプ大統領はアメリカ国民が納得する成果を示せるようになるまでは手を引かないと思われます。逆に言うと,アメリカ国民が納得する成果を出せれば貿易戦争も終わるということです。現在,アメリカ合衆国と中国ではこの問題で交渉(こうしょう)が進められています。早くこの問題が終わらなければ,世界経済にも大きなえいきょうをあたえることになります。


掲載日:2019年1月14日
次回の掲載は,2019年2月11日の予定です。