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カッシー先生

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中学受験37年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2019/03/11] どうなるブレグジット!!-世界が大注目-


 みなさんは,「ブレグジット」という言葉をご存じでしょうか。これは,イギリスのEU離脱(りだつ)問題を指します。2016年6月におこなわれた国民投票により,イギリス国民はEUから離脱することを決めました。その離脱期限が2019年3月29日にせまっています。

 これまでイギリスはEUと交渉し,できるだけおだやかにEUから脱退しようとしてきました。しかし,イギリスのメイ首相がEUと交渉してまとめた離脱合意案を3月12日,イギリス下院は大差で否決しました。EUと合意しないまま離脱することもできますが,そうなると経済が混乱し,国民生活に大きなえいきょうが出ます。すると,13日にはこの「合意なき離脱」も否決したのです。そして,14日には離脱期限を3月29日から6月末日まで延期することを可決しました。

 どう見ても,イギリスは迷走しているとしか思えません。いったいどうしてこんなことになったのでしょうか。2016年7月13日のコラムでも取り上げましたが,そもそもイギリス国民は本当にEUから脱退したかったのでしょうか。

 ある調査によると,24才以下のイギリスの若者は70%がEU離脱に反対しているものの,実際に投票したのは40%にすぎなかったとのこと。もし,もう一度国民投票が実施されたのなら,EU残留派が多数をしめるのは確実といわれています。EU離脱派の人たちもEUとの貿易で関税がかかることには賛成していません。しかし,移民は受け入れたくないのです。

 つまり,EU離脱を主張する人たちも,一方的に離脱するのではなく,EUに加盟していることの恩恵(おんけい)はそのままで,自分たちが我慢(がまん)しなければならないことだけイヤだと言っているのです。これでは,EU諸国と離脱案をまとめることは困難を極めます。

 EUには現在28か国が加盟しています。イギリス以外の国にとってもイギリスがこのまま脱退することは大きな問題です。というのも,イギリスは加盟国の中でドイツに次いで2番目の経済規模をほこっており,他のEU諸国との貿易では大きな赤字となっているのです。つまり,EU諸国はたくさん商品を買ってくれたお得意様を失ってしまうことになるわけです。また,イギリスが負担してきた加盟分担金を,今後は他の加盟国が負担しなくてなりません。つまり,EUにとってはイギリスの離脱は簡単には認められないことなのです。

 2016年6月に戻りたがっているイギリス人もいるようですが,一度おこなわれた国民投票の結果は重いものがあります。イギリスがこれからどうなるかはまだわかりませんが,私たちも対岸の火事とするのではなく,教訓となるように見守っていく必要があると思います。


掲載日:2019年3月11日
次回の掲載は,2019年4月8日の予定です。