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カッシー先生

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中学受験40年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2020/06/08] 法令でレジ袋の有料化を義務づけるねらい


 2020年7月1日から、全国一律でプラスチック製買い物袋(いわゆるレジ袋)の有料化がスタートします(前倒しですでに有料化されているお店も多いですが)。対象となるのは、持ち手があるプラスチック製に限られ、紙製などは対象外です。

 また、プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの、海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの、バイオマス素材の配合率が25%以上のものなども、対象外です。

 とはいえ、紙製やバイオマス素材の配合率が25%以上のものであっても有料化するお店が多数あるようです。

 まずは、レジ袋の現状をお話ししましょう。なお、これから取り上げる数値は、すべて各省庁が公表した2018年の統計にもとづいています。

 現在、日本国内でレジ袋は年間およそ300億枚使用されており、これを原料の石油に換算すると、およそ50万キロリットルに相当します。日本の石油消費量は年間およそ1.8億キロリットルなので、レジ袋にしめる石油使用量は、日本の石油消費量のわずか0.3%強に過ぎません。製造工程のために石油が別に必要だと考えても、微々たる量にすぎないことがわかります。

 また、レジ袋のプラスチックごみ全体にしめる割合はおよそ2%にすぎません。仮に、レジ袋の使用がゼロになったとしても海洋ごみや地球温暖化などの解決には程遠いことがわかります。

 さらにいえば、燃やしたときに有害ガスが出るといわれていますが、それはウソです。基本的にレジ袋は高密度ポリエチレン製であり、レジ袋を燃やしても二酸化炭素と水が発生するだけで、有害な気体がほぼ発生しないことはすでに証明されています。だから、東京23区をはじめとして多くの地域では、レジ袋は可燃ごみに扱われています。

 もっといえば、レジ袋はうすくて発熱量が高いため、「焼却炉のえさ」に利用されています。生ごみだけでは燃えないため、石油を焼却炉に投入する必要がありますが、レジ袋といっしょに燃やすことで、石油投入量を減らすことができています。レジ袋がなくなると、石油を余分に投入することになり、資源のむだにつながります。

 このように見ていくと、レジ袋の使用を減らしても、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化といった問題はほとんど解決されないことがわかります。

 では、なぜ、レジ袋を有料化するのでしょうか。

 政府は、レジ袋有料化の目的について、「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています」(原文のまま)と述べています。

 経済産業省のホームページ
 https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html

 つまり、レジ袋を有料化することで使用量を減らせても、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化といった問題はほとんど解決されないことはわかりきっているが、これをきっかけにして、ライフスタイル(生活スタイル)を見直してほしいという願いがこめられていると判断できます。

 新型コロナウイルス対策でも、私たちはライフスタイルを変えることが求められています。よい機会にめぐまれたと個人的には感じています。

 いまやっていること、本当に必要なことですか??


掲載日:2020年6月8日
次回の掲載は、2020年7月13日の予定です。