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カッシー先生

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中学受験40年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
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[2020/08/10] 戦争は動物たちの命もうばってしまう


 第二次世界大戦では、世界で5000万人以上の人がなくなったと考えられていますが、戦争の犠牲になったのは人間だけではありません。人間が起こした戦争により、たくさんの動物たちの命がうばわれました。

 東京都台東区にある上野動物園は、第二次世界大戦中、東京都長官(現在の東京都知事)が出したある命令により、ゾウやライオン、トラ、ヒョウなどがいなくなりました。

 その命令とは、動物たちを殺せ・・・・・・です。これにより、飼育員は毒入りのえさをあたえたり、水もあたえず餓死させたりしました。

 表向きの理由は、空襲でおりがこわれ、猛獣がにげ出して人々をおそってしまうおそれがあるからでしたが、実際には、動物のエサの確保が難しいことと、戦意を高めることでした。

 戦意を高めるとはどういうことでしょうか。
 それは、戦争の状況が厳しくなってきたため、動物を殺すことで「動物でさえ身をささげた」という事実をつくり、動物を殺させた敵へのにくしみをかり立てるということです。こんな意図のために、上野動物園を皮切りに、全国の動物園で多くの動物たちが殺されていきました。

 上野動物園の「ゾウのすむ森」の近くに、ぽつりと建つ石碑があります。戦争中に動物園で死んだ動物たちのための慰霊碑です。上野動物園の3頭のゾウが食べ物をもらえずに死んでしまった物語の絵本「かわいそうなぞう」にも、このお墓が出てきます。

 一方、兵士と同じように戦地に向かった動物たちもいました。

 馬は、人や物資を運ぶために戦地に送りこまれました。その数は数十万頭におよぶといわれています。当時の日本は技術力も経済力もなかったため、軍事用の自動車は少なく、移動には軍馬にたよるしかありませんでした。

 軍犬は、素早く姿勢が低いため、戦地では部隊の所在地などを知らせる紙を首輪に結んで運ぶ伝令役でした。

 また、電話などの通信手段がない大昔から通信用に伝われていたのがハトです。日本軍もハトの脚に手紙を入れた管をつけて飛ばし連絡を取り合う伝令に使われました。記憶力や方向感覚に優れたハトは、見知らぬ場所からも自分の巣だなへ飛んで帰ることができます。

 戦場で働いた動物たちは、そこに置き去りにされ、日本に帰ることはありませんでした。

 いま話したことは、遠い昔の話ではありません。たった75年前の出来事です。

 地球上には、人間以外にもたくさんの動物や植物が生きていて、それらがたがいに豊かな自然をつくっています。私たちは、もっと「すべての命の重さ」を考える必要があります。


掲載日:2020年8月10日
次回の掲載は、2020年9月14日の予定です。