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めがね先生

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「国語は読むことだけでなく,書くことも同時に大切!」という考えから,国語の勉強でちょっと行きづまったら作文を書くことをすすめています。自分が伝えたいことを正確に伝られるようになると,国語の力はもっと成長します。いっしょにがんばりましょう。
小春学院塾長 めがね先生
ホームページ http://www.koharugakuin.info

[2018/08/20] これはダメ!!<3> 予想を理由にする-その2-


ムギさん:先生,前回の宿題の作文を書いてみました。
めがね先生:見せてください。

■ムギさんの解答例■
 私のクラスには,日本語がほとんど話せない外国から来た男の子がいます。かれとなかよくなるために,いろいろ話しかけるのですが,あまりうまく伝わりません。その場は笑顔でやり過ごしますが,うまく伝わらないもどかしさがずっと残ってしまいます。
 私は,かれが外国から来たということと,日本語がほとんど話せないという事実を理解したうえで,話し手である自分が相手の立場に立って話していくことが大切だと考えました。社会がグローバル化していることから,私たちはこれからいろいろな人と出会い,今以上に交流していく必要があります。そのとき,自分がわかることを単に伝えるのではなく,相手がわかるかどうかに目を向け,注意をはらいながら話していくことが大切だと思います。
 外国から来た人に対して自分が言いたいことをわかりやすく伝えるために,中学校では相手の立場に立つことを意識し,そのためには外国のことを学び,外国人の考え方を学んでいきたいと思います。そうすることにより,自分が言いたいことをわかりやすく相手に伝えられるようになると考えています。

めがね先生:上手に書けるようになりましたね。今回の文章のポイントを教えてください。
ムギさん:はい。「グローバル化」がテーマだったので,それに関連した経験を書きました。そして,前回の先生の説明に沿って,予想するのではなく,自分が,そしてみんながわかることを第二段落を書きました。
めがね先生:よいですね。具体的な自分の経験については,テーマに沿った内容を選んで書く,あるいはそういう経験があったかのように書きましょう。となると,ここは外国人,または,外国人を保護者に持つ同級生との交流などを取り上げればよいでしょう。そして,そこから何を学んだのかということについても,みんなが知っていることをふまえて書きましょう。
ムギさん:あと,問題文を読むと「自分が言いたいことをわかりやすく相手に伝える」能力を身につけ,伸ばすことを書くように指示されていますので,そのことをまとめました。
めがね先生:そうですね。何だかんだいっても,結局は問題文の指示にしたがわなければいけません。それがわかれば,どのように文章を組み立てればよいのかがわかりますからね。その点を意識して,解答としてふさわしい文章が書けるようになりましょう。


掲載日:2018年8月20日
次回の掲載は,2018年9月16日の予定です。

[2018/07/16] これはダメ!!<3> 予想を理由にする-その1-


ムギさん:こんにちは,めがね先生。今回は,「これはダメ!!」シリーズの3回目ですね。どんなダメな文章でしょうか。
めがね先生:今回は,理由にできない内容を紹介(しょうかい)します。多くの作文を読んでいると時々見かけます。
ムギさん:これまでも,理由や根拠(こんきょ)についていくつか説明していただきました。
めがね先生:これまで紹介したのは,自分の経験は考えの理由や根拠にならないということでした。今回はその追加の内容といえるでしょう。では,例題とその解答例を見てみましょう。

■例題■
 グローバル化という言葉は,1990年代に入ってから使われ始めたといわれています。グローバル化とは,世界中の国々,そして人々が国境をこえて,地球規模でより深い関係で結びつけられるようになることを意味します。
 グローバル化がいっそう進む中で,私たちに必要となってくる能力の一つに「自分が言いたいことをわかりやすく相手に伝える」ことがあります。
 あなたが中学校でこの能力をどのように身につけ,どのようにのばしていきたいかを考え,次の条件1から4にしたがって書きなさい。
(条件)
1 題名や名前は書かずに一行目から本文を書くこと。
2 400字以上500字以内の三段落構成で書くこと。
3 一段落目には,あなたが小学校時代に「自分が言いたいことをわかりやすく相手に伝える」ことができた体験,またはできなかった体験のいずれかを具体的に書き,二段落目にはその体験であなた自身が学んだことを書くこと。
4 三段落目には,3で考えたことを生かして,中学校でどのように取り組みたいかを書くこと。
(2017年 高知県立高知南中学校・作文問題)

■解答例■
 私の小学校では,六年生が一年生と休み時間を過ごし,一年生に学校生活になれてもらうための期間があります。私もその期間中,一年生といっしょに過ごすことになり,会話をたくさん交わしましたが,自分が言いたいことが一年生にうまく伝わらず,私の言う通りになかなか動いてもらえなかったことがありました。
 一年生はまだ相手の言っていることがわからないのだということを,私はこの経験から学びました。一年生は,学校で勉強し始めてまだ月日がたっていません。わからないことだらけなのだと思います。だから,相手が言っていることもきちんと聞いてもわからない,わからないから自分がしたいことばかりをしてしまうのだと思います。
 これらのことから,私は中学校に入学したら,いろいろなことをたくさん勉強して,相手が言いたいことを理解すると同時に,自分も言いたいことがわかりやすく伝わるように気をつけて話していきたいと思います。


ムギさん:いつも思うのですが,一読しただけではどこがおかしいのかわかりません。
めがね先生:確かに,文章を読むときに,おかしなところはないかと疑いながら読みませんからね。一読しただけでは,気づかないかもしれません。しかし,作文を評価するという立場に立って読んでいくと,見方が変わってきて,まちがいに気づくようになります。
ムギさん:では,この解答例はどこがおかしいのですか。
めがね先生:第二段落の一文目「一年生はまだ相手の言っていることがわからないのだ」,三文目「わからないことだらけ」,四文目「だから,相手が言っていることもきちんと聞いてもわからない,わからないから自分がしたいことばかりをしてしまうのだ」に着目しましょう。二文目に書かれている「一年生は,学校で勉強し始めてまだ月日がたっていません」という部分は,六年生に比べれば事実でしょう。しかし,それ以外の内容は,この作文を書いた児童が「そうであるにちがいない」と考えた予想にすぎません。つまり,この段落で書かれている内容は,自分の経験から相手のことを予想しているにすぎません。
ムギさん:「考え」と「予想」はちがうのでしょうか。
めがね先生:それらの意味のちがいという話となると難しくなりますが,少なくとも課題作文で求められている「考え」とは,「みんながわかる事実を根拠にしたもの」でなければいけませんが,第二段落の四文目の内容は,予想から考えを導き出した内容になってしまっています。
ムギさん:そう言われてみると,第三段落で書かれている中学校での取り組みも,無理やり「勉強」という内容に結びつけている印象を受けますね。
めがね先生:はい。また,この解答例の決定的なまちがいは,問題文に「グローバル化」というテーマが示されているのに,その内容をふまえて書かれていないという点です。そこで宿題です。次回までに,この解答の文章を書いてみましょう。ムギさんならどのように書いてみますか。
ムギさん:はい。少し考えてみます。


掲載日:2018年7月16日
次回の掲載は,2018年8月19日の予定です。

[2018/06/18] これはダメ!!<2> 後ろ向きな姿勢


ムギさん:こんにちは,めがね先生。「課題作文ではやめておこう!」シリーズの2回目ですね。
めがね先生:こんにちは,ムギさん。今回は「後ろ向きな姿勢は書かない」ことを学習します。これは日常の生活の中でもいえることです。簡単な質問ですが,ムギさんは,楽しい話とつまらない話のどちらを聞きたいですか。
ムギさん:もちろん,楽しい話を聞きたいですね。
めがね先生:ふつうは「あえて」という条件がない限り,楽しい話を聞きたくなりますね。これは作文でも同じことで,つまらない話は多くの人が読みたくないのです。では,つまらない話とはどんな話でしょうか。
ムギさん:そうですね。いろいろあると思うのですが・・・。
めがね先生:たとえば,次の文章であれば,どちらの文章を読みたいですか。

■例文1■
 私にはさくらさんという友だちがいます。ふだんはたがいに気軽に会話を交わし,なれ合っているのですが,さくらさんがリーダーシップを発揮して,クラスをまとめ導いている場面を見て,見直しました。私も積極的に人と関わり合いを持ち,集団全体のことを考えられるようになりたいと思いました。

■例文2■
 先日,私は道を歩いているとき,ごみを道ばたに捨てる人を見かけました。きれいな道ばたをよごし,人に不快な思いをさせる人を見て,私はそんなことをせず,町をきれいにしていこうと心に決めました。

ムギさん:何かを見て,自分のこれからの行動を記しているところでは共通しているますが,印象がちがいますね。
めがね先生:その印象のちがいは,それぞれの文で見ているもののちがいによるのです。例文1では,さくらさんの良い面が見られているのに対して,例文2では,通りがかりにごみを捨てたという人の悪い面を見ているのです。
ムギさん:何でもそうですが,人や物事の悪い部分はあまり見たくないですね。
めがね先生:読み手にとっては,少し気分が暗くなりますね。人や物事への批判ばかりでは読み手をあきさせます。だとしたら,もっと前向きの意見を書くほうが読み手にとっては同意が得やすいですね。どの作文でもそうですが,後ろ向きの意見や表現はあまり書かないほうがよいでしょう。やはり,何かに積極的な人の姿が書かれた作文を読みたいですよね。
ムギさん:なるほど。書く側の姿勢も読み手の印象を変えるということですね。気をつけたいと思います。


掲載日:2018年6月18日
次回の掲載は,2018年7月16日の予定です。

[2018/05/14] これはダメ!!<1>「○○○」と言いました


ムギさん:今回は何の勉強ですか。
めがね先生:今回から数回にわたって,課題作文ではやめたほうがよいことを学習していきます。まずは例文を読んでみましょう。

■例文1■
 私はテストで点数が低く落ちこんでいるとき,さくらさんが私をなぐさめながら,
「次のテストに向けていっしょに勉強しようよ。だいじょうぶだよ。よしみさんならできるよ。」
と言ってくれました。

ムギさん:何もおかしなところがないですね。作文ではよくこのように書きますよ。
めがね先生:そうです。自由作文であれば,この書き方で構いません。しかし,課題作文は物語(小説)を書くわけではありません。伝えたいことをはっきりと手短に伝わるように文章を書かなければいけません。では,例文1で見直すべきところはどこでしょうか。
ムギさん:かぎかっこを使った会話文でしょうか。
めがね先生:その通りです。かぎかっこを使った会話文をそのまま書いている答案をよく目にしますが,これは文字数などの関係で確実に減点されます。そこで,地の文の一部として会話の内容を書くという表現方法を身につけましょう。
ムギさん:では,こんな文はどうでしょうか。

■例文2■
 私がテストで点数が低く落ちこんでいると,さくらさんが私をなぐさめ,はげましてくれました。

めがね先生:とてもよいですね。地の文の一部として会話の内容を書くために大切なことは会話の内容をまとめるということです。これは日ごろから練習できることです。
ムギさん:どうすればいいのですか。
めがね先生:自分の国語の教科書の物語文で「 」のある箇所(かしょ)を見つけて,その内容を自分の言葉で置きかえるのです。このような置きかえの練習は,文章の要約問題でも活かされるので,ぜひ取り組んでみてくださいね。


掲載日:2018年5月14日
次回の掲載は,2018年6月18日の予定です。

[2018/04/16] 文章の組み立てに失敗すると,作文がだめになる


めがね先生:ムギさん,こんにちは。今回は,前回までの内容の応用編です。
ムギさん:これまでは,確か「具体」と「抽象」ということを勉強しました。
めがね先生:そうですね。具体的なことと抽象的なことをどのように組み立てるかで読み手への印象が大きく変わるということですね。

■例文1■
① 先日,町を歩いていて,小さな子どもが派手な服そうの高校生を見てこわがっているのを見た。
② 時と場所に応じた身なりは大切だ。
③ しかし,身なりは自分自身の自由な考えによるとも考えられる。
④ ただ,身なりで自分の見られ方が変わることもある。また,周囲をおどろかせ,こわがらせることもある。
⑤ 私は周りを考えて自分の身なりを整えることを心がけたい。

ムギさん:伝えたいことはわかるのですが,読み取りにくい文章ですね。
めがね先生:それは,具体的な経験や例と,抽象的なまとめがバラバラに書かれているからです。①は具体的な経験や例です。②,③,④,⑤が抽象的なまとめです。これらをどう並べかえるか,あるいはまとめ直すかで伝わり方が大きく変わります。
ムギさん:先生,こんなのはどうでしょうか。

■例文2■
③ 身なりは自分自身の自由な考えによると考えられる。
⑤ しかし,私は周りを考えて自分の身なりを整えることを心がけたい。
① 先日,町を歩いていて,小さな子どもが派手な服そうの高校生を見てこわがっているのを見た。
④ 身なりで自分の見られ方が変わることもある。また,周囲をおどろかせ,こわがらせることもある。
② 周りがいやな思いをしないためにも,時と場所に応じた身なりを考え,行動することが大切だと思う。

めがね先生:とてもよいですね。はじめに抽象的な自分の主張を述べ,それについての補足説明として具体的な経験や例を示し,抽象的なまとめを展開するという流れになっています。
ムギさん:学校の国語の教科書にある説明文のような書き方ですね。
めがね先生:その通りです。課題作文では,読み手に「その通りだ」とわかってもらう文章が求められています。
ムギさん:だからこそ,具体的あるいは抽象的な内容の組み立て方が大切なのですね。
めがね先生:作文を書く前に,文章の組み立て方をしっかり考えておきましょう。思いついたことをそのまま書くと例文1のような文章になってしまいますよ。
ムギさん:わかりました。


掲載日:2018年4月16日
次回の掲載は,2018年5月14日の予定です。

[2018/03/19] 「抽象的」とはどのような意味なのか


めがね先生:こんにちは。前回は「具体的」という言葉から課題作文で何を書くべきかを考えました。では,ムギさん。「具体的」という言葉の対義語は何でしょうか。
ムギさん:「抽象的(ちゅうしょうてき)」です。
めがね先生:正解です。今回はこの「抽象的」という言葉について考えま
す。この言葉の意味は辞書では「物事を大まかにとらえて,一般的にまとめられているようす」というように示されています。
ムギさん:これもよくわからない説明ですね。
めがね先生:ではムギさん,一つ質問します。「赤信号では止まりましょう」「かさをさしながらの自転車の運転はやめましょう」「横断歩道をわたりましょう」というのは何のことだと思いますか。
ムギさん:交通ルールです。
めがね先生:そうですね。これら三つの事がらは交通ルールに示されている内容の一部です。ムギさんはこれら三つのことがらを一つの内容としてまとめましたね。このようなことが「物事を大まかにとらえる」ということです。さらに,それをみんなが知っている言葉で置きかえることが「一般的にまとめる」ということです。つまり,ムギさんはこれら三つの事がらから共通した特ちょうを見つけ出して大まかとらえて,みんなが知っている言葉で置きかえたのです。これが抽象的に物事を表すということです。
ムギさん:なるほど。言葉はむずかしいのですが,こういったことって日常生活の中でもやっていることですね。
めがね先生:では,次の①と②の文の(  )にはどのような言葉が入るでしょうか。


 私たちは交通ルール,(   ),「赤信号では止まりましょう」「かさをさしながらの自転車の運転はやめましょう」「横断歩道をわたりましょう」といったルールを守らなければいけません。

 「赤信号では止まりましょう」「かさをさしながらの自転車の運転はやめましょう」「横断歩道をわたりましょう」といったルール,(  )交通ルールは私たちの安全を守るために定められています。

ムギさん:①は「たとえば」,②は「つまり」とか「要するに」といった言葉が入ると思います。
めがね先生:いいですね。①の文は「A,たとえばB」,②の文は「B,つまりA」と簡単にしてみますと,Aの内容は抽象的な内容,Bの内容は具体的な内容と整理することができます。課題作文では,このような抽象的な内容と具体的な内容の組み立てがうまくできているかどうかが問われています。
ムギさん:なるほど。具体的な内容だけでなく,それをまとめた抽象的な内容を書きそえてみれば,より内容がはっきりするということですね。
めがね先生:そうです。具体的な内容だけでは,結局何が言いたいのかがよくわからない場合があります。抽象的,つまり特ちょうを大まかにとらえた言葉や文をきちんと付け加えることで,文章をより明確にできます。
ムギさん:ここまで話を聞いていると,文章がだんだん上手に書けそうな気がしてみました。
めがね先生:ぜひ,練習してみてくださいね。


掲載日:2018年3月19日
次回の掲載は,2018年4月16日の予定です。

[2018/02/12] 「具体的」とはどのような意味なのか


めがね先生:前回は,理由や根拠はみんなが知っている,または,みんながわかる事実や知識でなければならないというお話しをしました。今回は課題作文の指示に多い「具体的」という言葉について考えてみましょう。
ムギさん:「具体的」っていう言葉はよく聞きますが,これはどういう意味ですか。
めがね先生:「具体的」とは,辞書には「実際に形や内容があり,それをはっきり知ることができるようす」というように説明されています。
ムギさん:う~ん。その説明を聞いてもあまりよくわかりません。
めがね先生:では,ムギさん。緑色をしたものというと,どんなものを思いうかべますか。
ムギさん:そうですね。木の葉っぱ,草,毛虫,きゅうり,かまきりなどでしょうか。
めがね先生:こういったことを考えるときに,なるべくみんなが知っているものをならべてみようと思いませんか。
ムギさん:はい。私の持っているファイルであったり,「○○」という本の表紙といってもみんなにはわかりません。
めがね先生:その通りです。自分だけが知っている,またはわかっているものが,みんなが知っている,またはわかっているものとは限りません。だからこそ,みんなが知っているような事がらをあげようと考えるのです。ところが,課題作文というと,この逆を書いてしまう人が多いのです。これは前回の話の続きになりますが,自分だけが知っていることを書きならべて,「だからこのようにまとめられます」と結論づけてしまう作文が多くあります。これは「私のファイルが緑だから,緑のものはファイルです」と言い切ってしまっているようなもので,読み手が困ってしまいます。
ムギさん:なるほど。気をつけないといけませんね。
めがね先生:そこで,今回の「具体的」という言葉の意味になります。「○○を具体的に示しながら」という指示は,「みんな知っている,またはみんながはっきりとわかる内容を書きながら」という指示だということです。ですから,単に自分の経験だけを書けばよいというものではなく,自分がそれまでに書いてきた内容や自分の考えに沿って,みんなが知っている事がらとなる内容を書く必要があるわけです。
ムギさん:なるほど。どうしても自分中心の話題になってしまうのですが,課題作文は自分のことばかりを書きならべてはいけませんね。
めがね先生:読み手に納得してもらうというのであれば,読み手もふくめてみんながしっている事実や知識を示して,それに合わせた具体的な事がらを書くようにしましょう。


掲載日:2018年2月12日
次回の掲載は,2018年3月19日の予定です。

[2018/01/15] 理由や根拠になる事がらとは何なのか


めがね先生:こんにちは。前回は「私」の話から「私たち」の話へ内容が広げられるように文章を組み立て,読み手(入試本番では公立中高一貫校の先生たち)を話の中に引きこんでしまおうというお話をしました。今回はさらに発展させて,読み手に納得してもらえる内容の組み立て方について考えてみましょう。
ムギさん:先生,「納得する」とはどういうことですか。
めがね先生:「納得する」とは,相手の考えがわかって,その通りだとみとめることです。ムギさんは,刑事(けいじ)さんや探偵(たんてい)さんが犯人を見つけるドラマを見たことがありますか。
ムギさん:あります。テレビでよく放送されていますね。
めがね先生:では,そのドラマの話の組み立て方に注目してみましょう。まず,何かしらの事件が起こります。
ムギさん:確かに,事件が起こらなければ話が始まりません。
めがね先生:そして,その事件に関わる事がらを刑事さんや探偵さん調べていきますね。
ムギさん:はい。ここで調べたことが話の最後になるほどと思わせることが多いです。
めがね先生:そして,事件の中心となる事がら,そしてその中の重要人物,犯人に少しずつ近づいてきて,最後にその事件はつまりこういう事件だ,犯人はこの人物だ,というように結論に達しますよね。
ムギさん:その最後の結論でなるほどと思える話だと,このドラマはおもしろいなと思えますね。
めがね先生:そうです。その話がおもしろいかどうかは,結論,つまり話の最後のところでなるほどと思えるかどうか次第だということです。ところで,その結論にたどり着くまでに刑事さんや探偵さんは何を調べていましたか。
ムギさん:たとえば,その事件に関係する人物が,事件が起きたときに何をしていたのかだったり,事件で使われた物などの証拠(しょうこ)でしょうか。
めがね先生:そうですね。では,その結論に達するところで刑事さんや探偵さんが「私の経験からこの事件はこうだ!」と決めつけてしまうようなことがあったら,どう思いますか。
ムギさん:それはびっくりしますよ。自分の経験だけをたよりに事件の核心が決まってしまっては,結論だけわかった方がまだいいよという気持ちになります。
めがね先生:その通りです。こういったドラマがおもしろいと思えるかどうかは,結論がどんなものかということと同時に,どんな証拠を集めたかということ次第だということです。実はこれは課題作文についてもいえることです。
ムギさん:どういうことですか。
めがね先生:多くの作文を読んでいると,「私は○○がよいと思います。なぜなら,私は△△をしたことがあるからです。」といった内容の組み立て方がなされた作文をたくさん目にします。これは先ほどのドラマでいえば,自分の経験だけでその事件の中心的な内容を決めつけていることと同じです。
ムギさん:なるほど。自分の経験では自分の考えの理由にはならないということですね。
めがね先生:そうなのです。自分の考えがどうしてそうなるのかを説明するための理由や根拠は,読み手をふくめてみんなが知っている,または,みんながわかる事実あるいは知識でなければならないのです。課題作文の中にある「自分の体験や経験を示して」という指示は「それを理由や根拠にして」という意味ではありません。なお,「自分の体験や経験を示して」という指示については別の機会にお話しします。
ムギさん:つまり,課題作文で理由や根拠を示すときには,みんながわかる明らかな事実や知識を書かなければなりませんね。
めがね先生:そうです。その事実や知識の積み重ねと組み立て方がその作文の評価を高めていきます。
ムギさん:なるほど,先ほどのテレビドラマと同じですね。
めがね先生:ですから,課題作文で理由や根拠を挙げて書くときには,その内容がみんなが知っている事実や知識であるかどうかをまずはよく考えましょう。


掲載日:2018年1月15日
次回の掲載は,2018年2月12日の予定です。

[2017/12/18] 人に伝わる文章を書く-「私」から「私たち」へ-


めがね先生:こんにちは。前回は,文章に思い切りのよさを持とうという話をしました。しかし,注意してほしいこともあります。それがわかれば,思い切りのよさが自分の考えを正しく伝える手助けになります。
ムギさん:それは何ですか。
めがね先生:文章を書くときすべてについていえることなのですが,それは「ひとりよがり」の文章を書かないということです。
ムギさん:「ひとりよがり」とは何ですか。
めがね先生:自分だけで勝手に決めてしまい,他の人のことを話に加えないということです。といっても,文章を書く上での「ひとりよがり」とは,自分のことしか書かない文章のことです。では,次の文章をもとにして考えてみましょう。

 本を読むときは,あせらずゆっくり読むことが大切であるという筆者の考えに私は賛成です。なぜなら,私はゆっくり本を読むと,いろいろなことに気がつくからです。図書館で本を借りてきたときのことです。借りた本を返す期日が近づいたため,急いで本を読みました。すると,内容がよくわからないままで,結局,その本を楽しむことができませんでした。別の日,図書館で同じ本を時間をかけて読みました。すると,作者の考えまで読み取ることができ,その本を楽しんで読むことができました。そのようなことから,本をゆっくり読むことで文字の上だけではわからなかったことまでも読み取ることができます。ですから,私は本をゆっくり読むことが大切だと考えます。

ムギさん:まとまった文章だと思います。書いている人の考えがはっきりと,かつ力強く伝わってきます。
めがね先生:そうですね。しかし,よく読むと,この文章は自分のことしか書かれていないことに気づきます。
ムギさん:どういうことですか。
めがね先生:この文章で示されている自分の考えとは,「本をゆっくり読むことが大切だ」ということです。その考えが何にもとづいて説明されているかを読み取ってみましょう。
ムギさん:図書館で本を借りたときの経験ですよね。
めがね先生:そうです。しかし,それはこの文章の書き手だけの経験であって,読み手である私たちは同じ経験をしたこともなければ,もしかすると同じ経験でもちがう受け止め方をした人もいるかもしれないのです。ただ,それでもこういう経験は多くの人が同じように持つことができるだろうといえるものですね。それならば,「私」の経験で終わらせず,「私たち」が持ち得る経験として書き表せば,言い切った書き方も単なる「ひとりよがり」の書き方にならず,はば広く考えた意見として読み手に伝えることができます。
ムギさん:具体的には,どのように書けばよいでしょうか。
めがね先生:たとえば,「図書館で本を借り,返す期日が近づき,急いで本を読んだという経験が多くの人にあるでしょう。私もそうです。」といった文言を書き加えるのも一案です。
ムギさん:なるほど。
めがね先生:「私」ということばで最後まで書き進めるのではなく,「私たち」というように,みんなも同じように考えられるだろうというように巻きこむ文章にすれば,言い切った文章の書き方でも,よりわかってもらえる内容に仕上がります。ぜひ,参考にしてください。


掲載日:2017年12月18日
次回の掲載は,2018年1月15日の予定です。

[2017/11/30] 心の動きを表す~「思う」ばかりの文章はダメ~


めがね先生:みなさん,こんにちは。前回は「する」「やる」という言葉の使いすぎに注意!!というお話しをしました。今回も引き続き,作文添削でよく目にする言葉を取り上げます。まずはじめに,次の文章を読んでみましょう。

 本を読むときは,あせらずゆっくり読むことが大切であるという筆者の考えは正しいと私は思います。なぜなら,本をゆっくり読むことで気がつくことがたくさんあると思うからです。本には書き手の思いや考えがたくさん記されていますが,それが必ずしも文字となって表れてくるとは限らないと思われます。文字に書き表されていないことを活字から考えることも本を読む楽しみだと私は思います。そうすると,本をゆっくり読むことで,書き手が書こうとしていたことをよく考えるよゆうが生まれ,内容理解のはばをもっと広げることができるではないかと思います。ですから,私は本をあせらずゆっくりと読むように心がけたいと思います。

ムギさん:文末がすべて「思う」で終わっています。
めがね先生:そうですね。しかし,考えてみると,「思う」には意味や使い方のちがいがあるはずです。それなのに,何でもかんでも「思う」と書いてしまうと,何が何だかわからなくなりますね。
ムギさん:確かにそうですね。
めがね先生:たとえば,「思う」には「感じている」という意味があります。限定はできず,不安はあるけれど「感じている」という意味の「思う」です。先の文章では「・・・筆者の考えは正しいと私は思います。」「・・・限らないと思われます。」などがこの意味にあたります。
ムギさん:なるほど。
めがね先生:さらに,そのように予想・予測するという意味の「思う」もあります。先の文章では「・・・たくさんあると思うからです。」「・・・本を読む楽しみだと私は思います。」などです。
ムギさん:つまり,言葉の意味を考えて,別の言葉に置きかえてみればよいのですね。
めがね先生:その通りです。ただし,注意点があります。それは,微妙(びみょう)なニュアンスはこの際放っておいて,はっきり断言してしまうということです。そもそも,公立中高一貫校入試ではみなさんの考えを書くことが求められているのですから,あいまいに書いてしまうのは逆によくありません。断定をさけた気持ちを表す「思う」と書かず,言い切ってしまいましょう。たとえば,先の文章では,「本を読むときには,あせらずゆっくり読むことが大切であるという筆者の考えに私は賛成です。」とはっきり言い切ってしまうのです。それだけで内容の輪かくがはっきりしてきます。
ムギさん:では,「予想する」「予測する」という意味のときはどうすればよいでしょうか。
めがね先生:その場合は,「~でしょう。」「~だろう。」と書けばよいでしょう。たとえば,先の文章の第二文は「なぜなら」ということばを取りのぞいて,「本をゆっくり読むことで気がつくことがたくさんあるでしょう。」と書きます。つまり,自分の考えを述べる文章で相手から「それはちがう」と言われるのではないかと不安になったり心配する必要はなく,言い切った書き方をすればよいのです。
ムギさん:よくわかりました。
めがね先生:読み手(公立中高一貫校の先生)にわかってもらう文章を書くためには,思い切りのよさも大切です。その思い切りのよさをさらに引き立たせる方法を次回学習していきましょう。


掲載日:2017年11月30日
次回の掲載は,2017年12月31日の予定です。