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ライズの合格る答案

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R志学会ライズ

私たちライズは,10年以上前から総力を挙げて公立中高一貫校対策に取り組み,独自の公開模試も運営してきました。その模試の採点時に感じた,「こんなミスがもったいない」「この書き方だと減点になる」といった気づきを,このコラムでは具体例を出しながら紹介し,さらに対処法も伝授していきます。また,公立中高一貫校に在籍する中学・高校生の生の声なども先輩情報として随時紹介していきます。
ホームページ https://www.shigakukairise.jp

[2021/03/22] サクラが舞い散る木の下で受験生は何をする??


 いよいよ新年度が始まります。これから公立中高一貫校対策の勉強を始めようという人も多いでしょう。来年1~2月が入試のピークですので、新小学6年生にとっては、およそ約10か月間が勝負ということになります。

 最初の一歩として「何から始めればよいのか」についてお話しします。

●受験生(受検生)としての「強い意識」を持つ
 公立中高一貫校を目指すみなさんにお伝えしたいことは、まずはじめに、「受験生としての意識を持ってほしい」ということです。夏をすぎればだれもが真剣になるため、自分がどんなにがんばっても、前を走る人との差はなかなか縮まりません。
 いかに早く勉強モードに入り、真剣に取り組むかで合否が決まります。つまり、志望校に合格できるかどうかは、能力の問題ではなく「真剣になった時間の長さで決まる」と覚えておいてほしいと思います。

●志望校の過去問を実際に解いてみる
 まずは、志望校の過去問を「本気」で解いてみましょう。くり返します。「本気で解く」が重要です。ながめるだけではいけません。試験時間を守って、本気で解きましょう。ただし、実際には多くの問題は解けないでしょう。当然です。それで構いません。そうすることによって「まずいな、これは大変だ。真剣に勉強しなきゃ」と感じることができるでしょう。それが「受験生としての強い意識」を芽生えさせてくれます。
 と同時に、どういう問題が出るかを肌で感じることができます。「いまの自分には手も足も出ないな」とか、「こういう問題や分野は苦手だな」と実感できます。すると、その次にしなければならないことが見えてきます。そうやって、本気の勉強がスタートします。

 サクラが舞い散る木の下で受験生は何をする??

 答えは、そもそも受験生はサクラが舞い散る木には近づきません。
 いますぐ机に向かいましょう。


掲載日:2021年3月22日
次回の掲載は、2021年4月26日の予定です。

[2021/02/22] 社会問題に関心を持ち続けてください


 2021年度の公立中高一貫校入試がすべて終わりました。むぎっ子広場では、例年3月1日を新年度のスタートにしていますので、過年度のコラム同様に、現小学6年生に向けたコラムは今回が最後です。
 合否に関わらず、みなさんは全員がどこかの中学校に進学します。
 ここでは、みなさんに一つお願いをします。

 まずは、次の問題を解いてみましょう。

■問題例
 ある国の情報をまとめました。どの国か答えなさい。
・ユーラシア大陸の北西にある島国。
・日本より国土面積が小さい。
・主な農作物は小麦・大麦で、畜産もさかん。
・近年、ヨーロッパ連合(EU)からの離脱(りだつ)に注目が集まっている。

■解答
 イギリス


 これは、2021年1月9日、大分県立大分豊府中学校の入試で実際で出題された問題です。はじめの3つは地理的な内容です。世界地図で確認してみましょう。ユーラシア大陸の北西には、イギリスやアイルランドがあります。この両国は、問題文でも述べられているように、農業的特ちょうも共通しています。
 ですから、答えを決めるポイントは4つ目の「EU離脱」です。
 2016年の国民投票からイギリスのEU離脱が本格化し、2020年に正式離脱となったため、教科書には載っていません。こういったものを「時事問題」といいます。

 公立中高一貫校入試に限らず、さまざまな試験で時事問題が出題されます。
 なぜでしょうか。
 出題者の立場からすれば、大きく2つの理由が考えられるかと思います。

 一つは、社会問題に関心がある人に合格してもらいたいからです。手っ取り早く、そういった問題を出題すれば、本当に関心があるかどうかがわかりますね。

 もう一つは、ニュースの内容と教科の知識を結びつける力がある人を求めているからです。「イギリス」や「EU」という単語は教科書で説明されているため、それらの単語がニュースや新聞で取り上げられたとき、すぐに思い出せるかどうかがカギになります。高い学力を持つ人の多くが、こうした習慣を持っています。つまり、これからも学力や能力を大きく伸ばせる可能性が高い人を求めているのです。

 みなさんは、これからも高校入試、大学入試、資格試験、入社試験など、さまざまな試験を受けます。どの試験でも時事問題は出題されます。確実に得点源とするために、日ごろからニュースや新聞を読む習慣をつけましょう。そして、そこで感じたことや思ったことを話し合う友だちを見つけてください。そういった議論ができる友だちは一生の財産です。


掲載日:2021年2月22日
次回の掲載は、2021年3月22日の予定です。

[2021/01/25] わずか1点の差が勝敗を分ける決め手とは


 言わずもがな、公立中高一貫校入試はわずか1点の差が勝敗を分ける大変厳しい戦いです。その入試で、合格点を確実に取るためには、設問に沿った答えを書く必要がありますが、それと同じくらい大切なのが、減点されない答案の書き方を心得ておくことです。

 では、その心得とは何でしょうか。

 それはものごとの基本的なこと、
 つまり、相手の立場になって考える

 これだけです。
 ここでの相手とは、みなさんの答案を採点してくれる志望校の先生ですね。先生が「読みやすい」「わかりやすい」と思ってくれるような答案を書けばよいのです。そのためには、次の2つのことをしっかりおさえておきましょう。

1 字をていねいに書くこと
 たとえ正しい内容を書いていたとしても、雑な字ではそもそも読む気がなくなってしまいます。誤字・脱字にも気をつけたいですね。

2 自分の書いた文章を読み返すこと
 自分の言いたいことが正しく相手に伝わる文章になっているかを確かめてください。主語と述語は対応しているか、助詞や助動詞の使い方は正しいか、同じ内容を不必要にくり返していないかなど、注意深く読み返しましょう。わかりやすい文章は、やはり読んでいて気持ちのよいものです。

 最後に、受検日前日の心得をお伝えします。
 受検日前日の勉強は「わかっていることの確認」だけにしましょう。そして早めに寝ましょう。前日に解けないところを気にしても不安になるだけですし、睡眠が不足するとつかれが取れません。不安やつかれは受検の最大の敵です。自信を持って、元気に受検日をむかえることができれば、合格は自然にやってきます!!


掲載日:2021年1月25日
次回の掲載は、2021年2月22日の予定です。

[2020/12/28] 速さの公式を暗記だけで乗り切ってはいけない


 今回は「速さ」を取り上げます。速さの問題は難しいと思っている人が多いですが、それは大きなかんちがい。たとえば、「1個100円のおかしがあります。2個だといくら??」と問われたら、あなたは何と答えますか。

 速さはまさにこれと同じ。「時速100kmで走る車があります。2時間走ったら何km走れますか??」と問われたら、きっとあなたは200kmと答えるはずです。楽勝ですね。

■問題
 ななみさんは8時ちょうどに家を出て、自転車で図書館に向かいました。
ななみ:家からちょうど1kmはなれた公園まで時速15kmで走り、そこで5分休んだわ。
お兄さん:つまり、ななみは家から公園まで(  )分かかったということだね。

問 (  )に当てはまる数を答えなさい。

■正解 4

 時速・分速・秒速の置きかえはすぐにできるようになっておきましょう。平易に言えば「÷60」「×60」を必要に応じてくり返せばよいのですが、公立中高一貫校入試では、「なぜ、このような計算をするのか」という理由を説明できるようにしておきましょう。

 無論、時速とは「1時間に進むきょり」であり、分速とは「1分間に進むきょり」であり、秒速とは「1秒間に進むきょり」です。

 それゆえ、時速を分速に直そうと思ったら、「1時間(=60分間)に進むきょり」を「1分間に進むきょり」に直す必要があるのですから、60分間を1分間にするために、「÷60」をするわけですね。

 これを「覚えておこう」と考えるのはナンセンス。至極当然と考えましょう。

 ということで、時速12km=12÷60×1000=分速200m
 1km=1000mより、1000m÷分速200m=4分 だとわかります。

 速さ以外にも、面積や体積、割合など、説明できるようにしておかなければならない公式はたくさんあります。自由に公式が使えるようになるためにも、公式の意味を正しく理解し、それが説明できるようにしておきましょう。

 そうして得た自信は、必ずやあなたの味方になってくれるはずです。
 さあ、ラストスパートで一気に合格への道をかけ上がりましょう。


掲載日:2020年12月28日
次回の掲載は、2021年1月25日の予定です。

[2020/11/23] 自分の答えを見直してうっかりミスをなくそう


 いよいよラストスパートをかける時期になりました。入試本番がせまってくるとあせる気持ちが大きくなってくると思いますが、1つひとつ積み上げて、最後の最後までしっかり準備しましょう。新しいものばかりに手をつけず、これまで取り組んできたことを復習し、「じぶんはできる」「きっとできる」という自信をつけてください。

 今回は、意識してすれば残り少ない期間でもまだまだ得点アップが期待できる「自分の答えを見直す方法」について説明します。

■問題例
 円周率とは何ですか。「割合」という語を必ず用いて説明しなさい。

■解答例
円の直径の長さに対する円周の長さの割合。
円の半径の長さに対する円の面積の割合。
などから1つ

 大前提として、「割合」という語を使っているかどうかの確認が必要です。一般的には同じ意味の「比」という語を使うこともできますが、本問には不適です。「割合」という語を必ず用いて・・・と指示されているので、それにしたがいましょう。この語がなければ、どんなに正しい内容でも0点にされます。

 次に、自分の答えを見直すときは、文意が通じているかどうかのチャックも欠かさずにしましょう。そもそも、自分が読んで理解できない答えを、採点者(志望校の先生)が理解できるはずもありません。

■誤答例1
直径に対する円周の比率
■誤答例2
円周率は、割合で表す決まった数

 誤答例1が0点になるのは先ほど申し上げた通りです。「比率」も「割合」も「比」も同じ意味ですが、「割合」という語を必ず用いて・・・と指示されているのに、わざわざ「比率」という語を使うのは、「何が何でも合格したい」という熱意をまったく感じません。

 誤答例2は、円周率の説明とはいえません。「割合で表す決まった数」なんて、いくらでもあるからです。

 たとえば、消費税率がそうです。商品価格に10%(標準税率)をかければ消費税がわかります。税込価格で考えたいのなら、1.1倍すればいいですね。まさに割合です。

 円周率についていえば、円の直径の長さに3.14をかければ円周の長さが出ますと言っているだけです。だからこそ、「円の直径の長さ」「円周の長さ」、または「円の半径の長さ」「円の面積」といったことばが必要です。

 このように、割合には必ず「もとにする量」と「比べられる量」の2つがあるので、それを示さなければ正解にはならないという点に注意をはらいましょう。

 内容は完ぺきなのに、指示された条件を見落として0点になるのはあまりに悲しいですね。また、文意が通じなかったり、基礎・基本に沿った答えが書けていなかったり、誤字・脱字があったり・・・・・・。

 こういったうっかりミスがきっかけで不合格になる人がどれほど多いか。
 入試本番では、「すべての条件を満たしているか」「自分が読んで納得できるか」「誤字・脱字はないか」を中心に、自分が書いた答えを見直して合格をたぐり寄せましょう。


掲載日:2020年11月23日
次回の掲載は、2020年12月28日の予定です。

[2020/10/26] ひとりよがりな答えは低評価に終わる


 公立中高一貫校入試まで残り数か月となり、朝夕がかなり冷えこんできました。体調をくずしやすい時期でもあるので気をつけましょう。

 今回のテーマは「ひとりよがりな答え」です。
 自分では「正しい」と思って書いた答えが、ひとりよがりにすぎず客観性のないものである場合や、実現性がない場合などは得点アップに結びつきません。自分では「上手に書けた」と確信していた問題が、実際に答案が返却されてみると不正解になっていたという経験をした人も多いでしょう。

 では、問題例を見ながら、どういった答えがひとりよがりかを見ていきましょう。

■問題例
 次の図のように、先日、とおるくんは自分の部屋の本だなに転倒防止用の突っ張り棒を設置し、地震対策をしました。この突っ張り棒は、金具で本だなと壁を固定するのと同じ効果が期待できます。とおるくんは、この部屋に布団をしいて寝ています。しかし、この部屋を見たさくらさんが「まだ危ないわ」といいました。では、大地震による被害をさらに減らすためには、どのようにすればよいですか。その対策と理由を書きなさい。

20201026.png

■解答例
本だなを固定しても本が落ちてきて危険なので、その部屋では寝ない。
地震で本が落下してけがをするかもしれないので、寝室から本だなをなくす。
本の落下は防げないので、本だなの前やその付近に布団をしいて寝ない。
などから1つ

■誤答例1
本だなの背が高くて危険なので、横にたおして使う。
■誤答例2
本が落ちてこないように、あらかじめ本だなから本を取り出しておく。
■誤答例3
2本の突っ張り棒だけではまだ危ないので、あと2本追加する。
■誤答例4
まだ危ないので、危なくないようにしておく。

 誤答例1・2は、本だなの機能を失っており、存在価値がありません。このイラストの本だなを横にたおせば、本はほぼ収納できないので、背の低い本だなや、地震などで勝手に開かないような機能がついたとびらのある本だなに買いかえたほうがよいでしょう。また、本だなから本を取り出すのであれば、そもそも本だな自体をなくすべきです。つまり、どちらもつじつまが合わず、要領を得ていません。ただし、似たような答えを書く児童が大変多いというのが現状です。

 誤答例3は、作問者と対話ができておらず、問題意図がつかめていません。問題文には、「この突っ張り棒は、金具で本だなと壁を固定するのと同じ効果が期待できます」と書いてあるので、この2本の突っ張り棒により、本だなの転倒自体は防げると判断すべきです。それなのに、まだ「本だなの転倒」に着目しています。いまは、本だなに並べた本が落ちてくる可能性に着目していることに早く気づきましょう。

 誤答例4と似たようなことを書く児童も多くいます。「まだ危ない」の説明に具体性がなく、また、どのように「危なくないようにしておく」のかも不明です。今回取り上げた4つの誤答例の中では最も低レベルの答えといえるかもしれません。

 答えを書くときに気をつけるべきことは、解答としての適切性です。特に、「問いに正しく答えているか」「採点者が納得できる答えか」という視点が大切です。

 あと少し、がんばりましょう!!


掲載日:2020年10月26日
次回の掲載は、2020年11月23日の予定です。

[2020/09/28] 条件を読めば、書くべきことがすべてわかる


 今回は、作文の書き方を取り上げます。とはいえ、設問と条件をしっかり読みこむことは、公立中高一貫校入試に共通しており、なにも作文に限ったことではありません。

 では、次の問題について考えてみましょう。

■問題例■
 あなたが外国人に、地元の郷土料理を紹介することになりました。「とり天」「とりめし」「だんご汁」「やせうま」の郷土料理のいずれか1つを取り上げて、次の条件にしたがって書きなさい。
条件
1 360字以上400字以内で書くこと。
2 二段落構成で書くこと。
3 第一段落には、どの郷土料理を選んだかと、その理由を書くこと。
4 第二段落には、郷土料理を紹介するときの工夫を書くこと。
5 原稿用紙の正しい使い方に従って書くこと。
6 適切に漢字を使い、語句や表現に誤りがないようにすること。

 ごく一般的な作文問題です。
 これに対して、第一段落の冒頭で「ぼくは、地元の郷土料理を紹介することに賛成です。」と書き始める児童が必ずいます。しかし、本問では賛否が問われているわけではありません。また、「私は、ごまだしうどんを紹介します。」と書く児童もいます。「とり天」「とりめし」「だんご汁」「やせうま」のいずれか1つを取り上げて・・・・・・と書かれてあるのに、それ以外の郷土料理を紹介しても0点です。

 制限字数、段落構成、各段落で書くべきことだけでなく、原稿用紙の正しい使い方に従うこと、適切に漢字を使うこと、語句や表現に誤りがないようにすることは、言いかえれば、この条件を守らなければ、一つずつ減点していくと表明しているのです。

 特に、「適切に漢字を使い」という条件は要注意です。少なくとも、小学6年間で学ぶ漢字(1026字)は、1つ残らず、すべて漢字で書けるようにならなければいけません。

 1こだけでは足りないので2こ買ったら、さらに1こほしくなって、全部で4こ買った。

 この一文に「こ」が4回使われていますが、「個」は小学5年生で習う漢字なので、「適切に漢字を使っていない」と判断され、4回分で最低でも4点は減点されます。

 設問や条件を守るのは、入試問題を解く私たちに課せられた絶対的な決まりです。どんなに内容がすぐれた作文でも、設問や条件を守らなければ0点です。このことを肝に銘じて、練習を積んでいきましょう。


掲載日:2020年9月28日
次回の掲載は、2020年10月26日の予定です。

[2020/08/24] 知識不足で不合格になるなんてもったいない


 今回は、「知識不足で不合格になるなんてもったいない」というお話をします。とはいえ、お伝えすることは、4月にも5月にもお伝えしたことと同じです。つまり、「正確な知識を身につける」です。

 公立中高一貫校入試に合格するためには、「問い」に正解しなければなりませんが、適性検査問題は一筋縄ではいきません。作文問題では、いくら書いても減点方式により、どんどん得点がけずられてしまいます。しかし、近年は「知識を問う問題」が増加傾向にあるため、「知っていれば解ける、知らなければ解けない」という流れも出てきています。

 たとえば、公立中高一貫校入試といえば地球環境問題が定番ですが、その中にはごみ問題や水問題もふくまれます。来春は、レジぶくろの有料化が大きなトピックになることはまちがいありませんが、これは「3R」のうちの何に当たりますか?

 そう、「リデュース」ですね。「4R」のうちで・・・・・・と問われたら、「リフューズ」が正解です。「3R」は「リデュース」「リユース」「リサイクル」、「4R」は、4Rに「リフューズ」と加えたものです。ちなみに、いまでは「5R」もあります。ぜひ、調べてみてください。

 こういった問題は、先ほど述べた「知っていれば解ける、知らなければ解けない」の典型です。

 受験(受検)は点数の取り合い合戦です。1点でも多く取った人の勝ちです。1点の間に何十人もの人がひしめき合います。

 勉強は、やり方しだいで伸び方が変わります。基本的な知識が「あやふやだな」「自信がないな」と感じる人は、しっかり時間をとって、この時期に覚えてしまいましょう。


掲載日:2020年8月24日
次回の掲載は、2020年9月28日の予定です。

[2020/07/27] 夏は徹底して基礎固めをおこなおう


 例年であれば、いまごろは夏休みのまっただ中で、受験生(受検生)にとって、多くの時間を勉強に当てることができる貴重な時期のはずでした。しかし、今年は夏休みが短縮され、思うように学習計画が立てられない方が多いでしょう。

 だからこそ、私たちは、限られた時間の中で徹底的(てっていてき)に基礎を固め、2学期以降に飛躍(ひやく)していくための土台を作らなければなりません。

 では、具体的に、基礎を固めるとはどういうことを指すのかをご説明します。

 まずは「学習の基礎体力の強化」です。基礎体力とは、簡単に言えば「学習習慣」です。毎日コツコツと決まった時間に、しっかりとした学習量が確保できていますか。2学期以降に追いこみをかけたいと思ったときにこの基礎体力がないと、学習効率が上がっていきません。学習時間を10分、20分とのばしていくことで基礎体力が強化でき、学習量を確保できます。現状の習慣からもう一段階レベルを上げることを目指しましょう。

 次に「基礎知識の習得」です。一例として、日本の漁業において遠洋漁業や沖合漁業、沿岸漁業などについて考えてみましょう。これらのテーマが出題されるときはグラフとセットになることがほとんどで、解答は記述式がふつうです。日本の漁業は年々減少していますが、ではなぜそうなっているのでしょうか。

 実は、資料読み取り問題であっても、基礎知識があれば解ける問題は数多くあります。この例でいえば、漁業の特ちょうをそれぞれ具体的に知っているかどうかです。

 たとえば、数か月以上にわたり遠くの海に出て漁を行うのが遠洋漁業です。ここに、年々減少している理由となるヒントがかくされています。

遠くの海へ行くためには多くの燃料が必要だが、近年は燃料費が上がっており、なかなか採算が取れないから。
漁業は天候に左右されるため、長期間、船上で生活することに対して不安を感じる人が多くなってきたことで、漁業を仕事にする人が減ってきたから。

 ・・・・・・などです。もちろん、排他的経済水域(200海里)の設定が遠洋漁業減少の主な理由で、主要教科書でも取り上げられているため、ぜひ知っておいてほしい内容ではありますが、仮にそういったことを忘れてしまっていても、遠洋漁業とはどのようなものかさえ知っていれば解答できる場合が多いのです。

 つまり、公立中高一貫校入試で求められるのは、語句の丸暗記ではなく、語句の意味の正しい理解です。語句の意味を正しく知っておくことで、その語句を使って問題を解くことができます。これを「応用する」といいます。

 ぜひ、この夏は多方面に応用できる基礎固めをおこなっていきましょう。


掲載日:2020年7月27日
次回の掲載は、2020年8月24日の予定です。

[2020/06/22] 減点されない解答を書く訓練を積もう


 基本知識の習得は、公立中高一貫校を目指す人にとってはさけて通ることができませんが、そればかりに目が向いていると、足下をすくわれます。

 まずは、次の例題を解いてみましょう。

■例題
 さくらさんは「エアコンとせん風機を同時に使うと、部屋全体の気温を早く下げることができる」と述べていますが、その理由について、エアコンのみを使ったときとのちがいにふれて説明しなさい。


 本問を解くときのポイントは、「エアコンとせん風機を同時に使うと、部屋全体の気温を早く下げることができる理由を説明する」「エアコンのみを使ったときとのちがいにふれる」の2つです。

 また、本問を解くときに必要な知識は「冷たい空気は重い」です。
 ただし、厳密にいえば、空気を小さなつぶと考えれば、1つぶの重さは変わりませんが、あたたかい空気はそのつぶが大きく、冷たい空気はつぶが小さいので、密度がちがうということです。この点については、多くの教科書の発展ページで取り上げられているので、必ず読んでおきましょう。入試で「なぜ、冷たい空気は重いのか」が問われたこともあります。

 よって、正解答例は次の通りです。

■正解答例
エアコンのみを使ったときは、冷たい空気が下にたまりやすくなってしまうが、せん風機を同時に使って室内の空気をかき混ぜることで、冷たい空気を部屋全体に素早くいきわたらせることができるから。


 では、誤答例を見ていきます。

■A児童の解答
エアコンだけだと上の方にすずしい空気が行くが、せん風機で下の方もすずしくなる。
■B児童の解答
エアコンだけだと天じょうから冷えるから、時間がかかる。


 A児童もB児童も、本問を解くときに必要な知識が身についていないことがわかりますね。しかも、理由を説明する問題なのに、文末が「~だから。」など、それを明示した解答になっていません。それだけでなく、B児童はエアコンとせん風機を同時に使う利点も書けていません。もっといえば、A児童は「エアコンとせん風機を同時に使う」とは厳密には書いていません。「せん風機で下の方もすずしくなる」とき、エアコンを同時に使っているとは書いていないからです。A児童の解答では、「まずエアコンを使い、その後、エアコンを切ってからせん風機を使う」という場面も想定できます。まさに、つっこみどころ満載の誤答例です。

 公立中高一貫校入試は重箱のすみをつつく「あら探し採点」が基本だといわれています。そういうあら探しをすることで、合格者と不合格者の線引きをおこなうのです。

 基本知識が習得できていなければ、適性検査問題を解くことさえできませんが、それだけでは不十分で、「何を」「どのように書くか」まで身につけなければ、満点解答にはなりません。言いかえれば、減点されない解答を書く訓練を積むこと。これが公立中高一貫校対策の勉強だと考えましょう。


掲載日:2020年6月22日
次回の掲載は、2020年7月24日の予定です。