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拝啓保護者様

PROFILEいっとく先生プロフィール

いっとく先生

むぎっ子広場は,2006年の開設当初から関与しており,2012年に一度降板しましたが,今回再登板することになりました。「拝啓保護者様」では,保護者の方から頂戴するご質問・ご相談にお答えする形で進めていきます。僭越ながら(と,一応謙遜したうえで),自信たっぷりに持論を展開いたします。
どんぐりスクール主宰 いっとく先生
ホームページ http://www.dongurikorokoro.com

[2018/07/31] 悪循環を断ち切る勇気を持ちましょう


ご質問:
 ある大手の塾に通わせていますが、問題演習中心の授業についていけてないようで、今後のことで悩んでいます。そのまま頑張らせた方がいいのでしょうか。それとも、退塾させた方がいいのでしょうか。「塾辞める?」と私がいえば、子どもは笑顔で「辞める」と言うと思います。

(Kさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 30~40代の保護者様の多くは,世代的に「塾世代」とよばれ,高校受験や大学受験などで塾や予備校に通った経験があるのではないでしょうか。家で予習して,授業を受けて,ノートを取って,帰宅して復習する。このサイクルで勉強していたと思います。

 ところが,かつては当たり前だったこの勉強方法が,いまでは「過去の遺物」となりつつあります。塾によっては,予習の必要が一切なく,その日の教材をその場で配布して,問題演習中心の授業を展開するというスタイルを取り入れています。

 塾業界では,こういったスタイルのクラス授業を「演習型授業」とよび,「授業をただ聞いているより,自分で問題を解いたほうが楽しい」と考えている子どもに人気があります。ただし,こういった授業は,概して「学力の高い子ども」に向いている・・・という条件がつきます。

 演習型授業で子どもの成績が上がっていれば,「いい調子だね」と現状を維持すればよいのですが,スロースターターの子どもは,このスタイルについていけない恐れがあります。

 授業でいきなり問題を出されてもわからない。テストを受けると点数が悪い。それを見た親にしかられる,という悪循環に陥ってしまう危険性があるのです。そうならないために,子どもを叱るよりもフォローすることが大切です。

 ただし,フォローするということは親の負担が増大するということなので,まずはその覚悟が必要です。または,その塾に通い続けるために,家庭教師をつけたり,個別指導塾に通ったりすることで,親の負担を軽減する方法もあります。要は,その塾に通うためのフォローが必要なので,その手段を考えてください。

 一方,思い切って退塾するのも一案で,正直申し上げて,私はこの案をおすすめします。そもそも,「子どもが笑顔で『辞める』と言う」塾に通わせ続ける意味がどこにあるのでしょうか。まずは,その点をしっかりお考え頂きたいと思います。

 今回の件に限らず,悪循環に陥っていると思ったら,思い切って断ち切る勇気を持ってください。リセットして,お子様に合う方法を模索してください。それが保護者の務めです。


掲載日:2018年7月31日
次回の掲載は,2018年8月31日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
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[2018/06/30] どんな子が公立中高一貫校向きですか??


ご質問:
 広島県内で新たに公立中高一貫校が2校同時開校することになり,にわかに周囲が盛り上がっています。そこで,どんな子が公立中高一貫校向きか,教えて頂ければと思います。

(Mさん・広島県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 どんな子が公立中高一貫校向きかというご質問にお答えするのは,結構難しいなぁと思います。たとえば,広島県内に開校する公立中高一貫校の1つ(広島県立広島叡智学園中学校・高等学校)は,全寮制です。ですから,これに対応できるように,2次検査では,2泊3日で共同生活をさせて,さまざまな能力を見ることになっています。2泊3日の宿泊そのものが入試だなんて,一時も休まることができず,生きた心地がしないかも??

 しかし,全寮制の集団生活を基本に据えた学校ですから,そういったことに馴染めない児童には,そもそもこのような公立中高一貫校には不向きだということになります。ご参考までに,海外の全寮制の学校(特にイギリスやアメリカ合衆国,スイスに多い)では,宿泊を伴う入試が一般的なので,広島叡智学園はそれを参考にしていると思われます。

 つまり,公立中高一貫校といっても,各校により特色があるので,一括りにして「こんな子が向いています」とはいえません。

 ただし,少なくとも「勉強が得意な子」,または,「『勉強が好き』とまではいえなくても『勉強が嫌いでない子』」が公立中高一貫校に向いています。

 前回のコラムでも書きましたが,公立中高一貫校はれっきとした進学校ですから,あわよくば,勉強をサボってやろうと虎視眈々と狙っているような子が行く学校ではありません。みずから進んで勉強に取り組んでいける子を対象としています。

 その一方で,ほとんどの子は,公立中高一貫校対策を進めていく中で,「勉強が得意な子」や「勉強が嫌いでない子」に成長し,換言すれば,そういった子だけが「公立中高一貫校に合格する」しくみになっているという事実も見逃せません。よって,「公立中高一貫校に合格する」とは,そういった子に成長した証でもあるのです。

 だからこそ,公立中高一貫校対策そのもの(勉強の過程)が,お子様を成長させるのだと考えて頂きたいと思います。


掲載日:2018年6月30日
次回の掲載は,2018年7月31日の予定です。

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[2018/05/31] 公立中高一貫校はれっきとした進学校です


ご質問:
 うちの娘が東京都立中学校(公立中高一貫校)を志望していますが、面倒見のよさなどで心配があります。いっとく先生はどのようにお考えでしょうか。

(Hさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 東京都立中学校(計10校)といっても,各校で指導方針も生徒指導もバラバラですから,ここで一概に「こうです!!」とは断言できませんが,少なくともみなさんにお伝えできることはあります。

 それは,公立中高一貫校はれっきとした進学校だということです。

 そもそも,大学合格実績が出ない公立中高一貫校は志願倍率が下がり,不人気校に陥ります。すでにそういう公立中高一貫校が複数あるのが現実です。保護者は「わが子をいい大学に行かせたい」と思い,お子様も(漠然と)「いい大学に行きたい」と思っている証拠です。

 実際に,公立中高一貫校に進学した生徒や,その保護者様から「大学受験予備校みたい」と揶揄されることもありますが,言いかえれば,「そういう目的で集まってきているのが公立中高一貫校なのだからあたりまえ」なのです。

 今回ご質問を頂戴したHさんが考える「面倒見のよさ」と,いまこのコラムをお読みくださっているみなさんが考える「面倒見のよさ」は,おそらくちがうでしょう。一般に,「学校への要求水準」と解されますが,大なり小なり程度の差こそあれ,公立中高一貫校に面倒見のよさを求めるのはお門違いだと私は考えています。

 というのも,公立中高一貫校は,「かなり優秀な子が通う学校」と考えるべきだからです。もちろん,都道府県によって,または各公立中高一貫校によって,その差はかなりあります。それは事実なのですが,そうはいっても,地元公立中学校と比較しても無意味です。

 ある公立中高一貫校の副校長先生は,「わが校では,生徒が不登校になることを念頭においた体制を取っておらず,仮にそういう生徒があらわれた場合は,退学・転校をお願いする」と断言しておられます。実は,そういう公立中高一貫校はかなり多くあります。このことを公言するかどうかはいざ知らず。

 くり返しますが,公立中高一貫校はれっきとした進学校ですから,毎日登校するのは当然のこと,授業の予習・復習もあたりまえのようにできる生徒を対象とした学校です。

 しかし,面倒見のよさなんてどうでもいいと思えるほど,公立中高一貫校には多くの魅力があり,魅力的な生徒が多く集まってきています。この事実は忘れないでください。


掲載日:2018年5月31日
次回の掲載は,2018年6月30日の予定です。

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[2018/04/30] 人はほめられて育つものですよ


ご質問:
 いっとく先生、聞いてください。うちの子はほんとバカで、それなのに友だちが受けるからと言って、自分も公立中高一貫校に行きたいと言い出して。だから、塾に通わせているんですが、ほとんど勉強しなくて。むぎっ子通信添削などはとても楽しく取り組んでいますが、それだけじゃあ合格できないからといつも言っているんですが。どうしたらよいですか。

(Aさん・神奈川県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 お子様が「ほんとバカ」かどうかはわかりません。「もしかしたら,うちの子は天才かも」と,ずっと前??に思ったことはありませんか。または,「この子はとても優しくて,まわりのことを考えることができる」と感じたことはありませんか。

 私は,「なぜ勉強するのか」という問いに対して,「優しくなるため」という1つの解を持っています。逆を言えば,「バカは優しくなれない」と思うのです。

 ものごとに寛容な人がいる一方で,人の行為を許せないと思う人もいます。不寛容な人たちが増えれば,世の中は暮らしにくくなります。ネット社会ではそうした現実が加速しているように思います。

 寛容な人は,「自分は自分,他人は他人」と思っているはずです。「まあ,ああいった人もいるよね。」とすぐに水に流せる。つまり,余裕があるのです。
 そして,余裕があるから人に(ものに)優しいのです。

 じゃあ,なぜ余裕があるのか。それは賢いからです。少なくともバカじゃないからです。

 さて,何が言いたいか。
 お子様のよいところを探してあげてください。
 そして,自分のお子様に寛容になってください。

 人はほめられて育つものです。


掲載日:2018年4月30日
次回の掲載は,2018年5月31日の予定です。

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[2018/03/31] 適性検査問題や作文問題の前にすべきこと


ご質問:
 3年前に長男が公立中高一貫校を受験し、敢えなく撃沈しました。敗因はむぎっ子広場さんにお世話にならなかったことと(笑)、基礎学力がなかったことだとあとから知りました。通信簿がオール「たいへんよい」なのは当然のこと、公立中高一貫校に合格した知り合いのお子さんは、小学5~6年時の学校のテストはすべて100点だったそうです。そこで、いっとく先生に質問がございます。やはり、そのレベルでなければ公立中高一貫校に合格するのは難しいのでしょうか。小学3年生になる長女がおり、今後の方向性を模索しているところです。どうぞ忌憚のないお考えをお聞かせください。

(Aさん・神奈川県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 公立中高一貫校に合格するために,通信簿がオール「たいへんよい」なのが当然というのは言いすぎだと思いますが,そのくらいの勢いが必要なのは事実です。

 公立中高一貫校に合格した知り合いのお子さんについても,小学5~6年時の学校のテストはすべて100点だったから合格したとはいえませんが,そもそも基礎・基本しか出題されない学校のテストで100点が取れないようであれば,公立中高一貫校への合格は難しいといえるでしょう。

 つまり,基礎学力がなければ,いくら適性検査問題や作文問題に取り組んだところで,合格はほぼ無理だといえます。

 ここで,インプットとアウトプットのお話しをします。

 学習におけるインプットとは,「学習単元を理解し,覚える」ということです。
 たとえば,日本の国土のおよそ4分の3は山地で,台地や低地は4分の1にすぎません。そのため,山間部に暮らす人たちは仕方なく棚田をつくって稲作をおこないます。棚田に関する問題は,公立中高一貫校入試の定番問題ですが,その背景には日本が山がちな地形であるという知識が必要です。これは「知っているか,知らないか」の問題であって,この知識がなければ,適性検査問題をたくさん解いたところで,成績は上がりません。換言すれば,公立中高一貫校入試で出題される適性検査問題は,「知識がなければそもそも解けない」といえるわけです。

 一方,アウトプットとは,まさに「出力」ですから,適性検査問題を解いたり,作文を書いたりすることです。インプットされた知識がなければ,アウトプットはあり得ません。白紙答案で提出です。さらにいえば,漢字が正しく書けていない作文を,公立中高一貫校の先生が読むはずがありません。

 みなさまが公立中高一貫校の先生の立場だとしましょう。まともに漢字が書けていないし,字は雑で汚い子を合格させようと思いますか。もし,この子が合格したら,自分がその子の指導をする可能性もあるわけです。そんな面倒な子を合格させようと思いますか。公立中高一貫校は進学校であって,託児所ではありません。そんな奇特な先生が,公立中高一貫校にいるはずがないのです。
 漢字の勉強も基礎学力アップの一つです。

 基礎学力なくして合格なし!!


掲載日:2018年3月31日
次回の掲載は,2018年4月30日の予定です。

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[2018/02/28] 子どもたちに「勉強の楽しさ」を伝えたい


前回の続きです。

お答え:
 宮沢賢治といえば,岩手出身の童話作家です。東北地方の自然と生活を題材に,童話「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」などを書き残していますが,彼が岩手で教員をしていたとき,子どもたちに速さを教えたときの逸話が残されています。

 宮沢先生は,子どもたちに家から学校まで歩いたときの速さを調べる宿題を出しました。たとえば,ある子どもは家を出て,はじめのうちは一人なのでふつうに歩いたでしょう。しかし,途中で友だちに出会うと話しながらなので歩くのが遅くなるでしょう。道ばたの花を見つけたときなどは立ち止まるので,速さがゼロになるでしょう。少し戻ることもあるでしょうし,遅刻しそうになって走ることもあるでしょう。このように,宮沢先生は,子どもたちが通る家から学校までの道のりと速さの関係をより細かく調べさせて,グラフにまとめるように指示しました。

 ふつうは2時間や1時間,または30分の道のりの変化を調べるものですが,宮沢先生はさらに細かく1分,1秒にいたるまで求めたそうです。極限まで極小な時間での進んだきょりを調べるわけです。そう,宮沢先生が何を教えたいのか,おわかりの方も多いでしょう。その一瞬の変化を見る作業が高校数学で学習する微分です。

 グラフで考えれば,ある接点での接線のかたむきを見て,変化率をとらえることができます。すると,ある接点では接線のかたむきが急になっています。つまり,速度が上がっているわけです。一方,別の接点で接線のかたむきが下がっていれば,速度が下がっているのです。

 小学校で学ぶ速さは,所詮「平均の速さ」にすぎません。「時速60kmで2時間走る車があります。」という文章を目にしたとき,「車はずっと時速60kmで走れるはずがない」という感覚を持つのがふつうです。「信号が赤になれば止まらなければならない。渋滞が発生するかもしれない。何を寝ぼけた問題を出しているのか」と思った子どもこそ,正常な感覚の持ち主だと私は考えています。

 そういう感覚を持つ天才児には(実はかなり多くの子がこの感覚を持っています),ぜひ,小学校のときに微分を教えてあげてほしいと思うのです。平均の速さは小学校で学ぶのに,微分は高校2~3年生にならなければ学ばない現代の縦割り教育こそ,大きな問題です。

 もしいま,「そんな無駄なことをしてどうするのか。微分は中学受験では出題されない。高校になってから学べばいいんだ。」とお考えの方がおられたら,その考えこそが子どもたちから「勉強の楽しさ」を奪っている元凶だと自覚して頂きたいと思うのです。

 勉強は,志望校に合格するためにするのではありません。何のために勉強するのか。保護者様にその答えが明確になったとき,お子様は本当の意味で「勉強の楽しさ」を知ることになるでしょう。


掲載日:2017年2月28日
次回の掲載は,2017年3月31日の予定です。

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[2018/01/31] 君の身長は何cm??/18cmぐらいかな??


ご質問:
 子どもの勉強を見ていて、「この子は1秒でも速く宿題を終わらせることしか考えていない」と感じています。これでは入試で求められている思考力が身につかないと思うのですが、どうすればよいでしょうか。

(Oさん・千葉県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 ご質問をお寄せ頂いたOさんには,後日,お電話をさせて頂き,現状を伺いました。そのときに見えてきたことが,「子どもにえさを与えている」というものでした。子どもを勉強させるときの手っ取り早いえさは,「宿題が終わったらゲームをしていいよ/遊んでいいよ」です。

 もうおわかりの通り,このようなえさを与えれば,どんな子であっても「宿題を一刻も速く終わらせよう」と思います。とにかく速く鉛筆を動かして,速くノートを埋める,または,よく考えずにひとまず答えを書く。「宿題を終わらせるだけ」が目的ですから,字のていねいさや答えが合っているかどうかなどは,その子にとって問題ではありません。

 私は「勉強は楽しい」と,意外と本気で思っています。おそらく,ほとんどの子も,そのように感じてくれると私は思っています。ただ,実際にそうならないのは,「勉強の楽しさ」を教えてくれる人がまわりにいないからでしょう。正直,とても残念な気持ちです。

 先日,私は講師として地域の無料塾(いわゆる学習支援をおこなう教室)へ行きました。そこに,長さの単位の宿題に取り組んでいる小学3年生の女の子がいました。横で見ていると,次の問題で鉛筆が止まりました。

問題 (  )に単位を書き入れましょう。
 わたしの家とたろうさんの家の間は,480(  )はなれています。

 長さの単位がわかっていないのかなと思い,私は「君の身長は何cm??」とたずねました。すると,その子は「18cmぐらいかな??」と答えました。

 さて,この子の答えが意味することは何でしょうか。それは,勉強内容が実体験として生活にまったく活かされていないという現実です。

 そこで,私は5mまで測れるメジャーをスタッフさんに準備してもらい,その子といっしょにいろいろなものを測る旅に出かけました。そのときに使っていた鉛筆の長さは14cmで,18cmの身長といえば物語の世界だということもわかったようです。メジャーが1つあれば,1mが100cmだということもすぐにわかります。勉強していた部屋の高さが2m50cmということもわかりました。

 先ほどの問題も,わたしの家とたろうさんの家がとなり同士なら480cmということも考えられるけれど,かなりはなれていれば,480mも答えになることがわかりました。つまり,答えが1つではないということもわかってくれました。

 ちなみに,その子の身長は126cmでした。

 結局,その子は,小一時間,メジャーを片手にいろいろなものを測っていました。まちがいなくこの子は,これが勉強だとは微塵も感じていなかったはずです。おそらくこの子にとって,いろいろなものをメジャーで測ることは遊びであり,9才にして生まれて初めての経験だったのです。

 勉強は,実生活と深く結びついています。それは,高校数学で習う微分とて同様です。

 次回は,宮沢賢治が岩手で教員をしていた時代の話を例に,子どもたちに「勉強の楽しさ」を伝える方法について,さらに考えていきます。


掲載日:2018年1月31日
次回の掲載は,2018年2月28日の予定です。

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[2017/12/31] 質問募集中です。奮ってお寄せください。


 多くのみなさまから,「最近,『拝啓保護者様』の投稿がありませんね」というメールを頂戴するようになりましたので,ここでその説明をいたします。

 平たく言えば,「みなさまからの質問が来ないから」です。このコラムは,保護者様からのご質問にいっとく先生が答えるという形式を取っているため,質問が来なければコラムが成立しないという現実がございます。

 ご質問やご相談など,奮ってお寄せください。

 なお,すでにお答えしたご質問(同内容)にはお答えしませんので,過去のログをご確認頂きますようお願い申し上げます。
 ※右メニューのエントリーやカテゴリーから過去のログが閲覧可能です。

 すでにお答えしたご質問のうち,特に同内容の問い合わせが多いベスト3
 1 [2015/01/26] 公立中高一貫校入試当日に持っていく物リスト
 2 [2015/01/05] 公立中高一貫校入試 入学願書・志願理由書の書き方
 3 [2016/09/05] 志望校の過去問を解くときの注意点


掲載日:2017年12月31日
次回の掲載は,2018年1月31日の予定です。

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[2017/09/30] ぜひ「ひらがな」の練習もしてください


ご質問:
 先日むぎっ子模試を受け、字の雑さなどをこてんぱんにダメ出しされ、これでもかと減点された答案がもどってきました。字の雑さはいつも子どもに言ってはいるのですが、聞く耳を持ちません。

(Aさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 Aさんのお子様に限らず,最近の子(こんな言葉は使いたくないのですが)は,とにかく字が雑です。典型的なものでは,ひらがなの「れ」と「わ」の区別ができていなかったり(少なくとも読み手にわかるように書けていなかったり),もっとひどいものでは「し」と「く」が混ざっていたりする(少なくともそう見える)場合さえあります。

 私は,むぎっ子模試などの採点に関わっていますが,「公立中高一貫校入試に向けた指導をおこなっているはずなのに,小学1年生レベルのひらがな練習の朱筆をしている」と感じる場合さえあります。とても悲しい現象です(あくまで本当に一部の人ですが,以前よりも多いのが現実です)。

 そこで,我が子の字を見て「字が雑だな」とお感じの保護者のみなさま。ぜひ「ひらがな」の練習もさせて頂けないでしょうか。「バカにしているのか」とお怒りの声が聞こえてきそうですが,読みにくいひらがなを書いている子は,ほぼまちがいなく漢字も読みにくいはずです。

 考えてみてください。むぎっ子模試を採点する私は,「小学1年生レベルのひらがな練習の朱筆をしている」ことに対して悲しさを感じています。入試本番であれば,どうでしょうか。志望校の先生たちが答案を採点します。先生たちは,読みにくい字は無理して読みません。バツにするだけです。なぜなら,読みにくい字を書く児童をあろうことか合格させてしまったら,自分たち(つまり,公立中高一貫校の先生たち)が苦労するだけですから。真っ先に不合格にさせたいはずです。

 実は,雑な字を書く児童の中にも,すばらしいといえる答案を書く人が多くまぎれています。ただ,字が雑できたないのです。「地頭はいいんだろうなぁ」と思うのですが,十中八九そういった児童が不合格になるのが忍びないと思っています。

 だからこそ,ぜひ「ひらがな」の練習もしてください。


掲載日:2017年9月30日
次回の掲載は,2017年10月31日の予定です。

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[2017/08/31] 計算ミスが多い我が子に愛の手をさしのべて!!


ご質問:
 息子の志望校では、資料から数値を引っ張り出して面倒な計算をいくつもする問題が毎年出題されています。落ちつきのない息子は、いつも計算ミスをして間違えています。どうすればよいのでしょうか。我が子に愛の手をさしのべて頂ければと思います。

(Kさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 計算ミスは,お子様の性格に起因するとお考えの保護者様が多くいます。「うちの子はおっちょこちょい」とか,「集中力がない」とか,そういうものに理由を求めます。

 しかし,それは誤解です。計算ミスは,計算の意味を正しく理解していないために必然的に起きるものです。それゆえ,計算ミスをする子どもはいつもミスをし,計算ミスをしない子どもはいつもミスをしません。

 では,計算の意味とは何でしょうか。簡単に事例を説明します。

 たとえば,「185×5」という計算の場合,実際に計算をしなくても答えは必ず185よりも大きくなるとわかります。さらにいえば,答えは1000よりも少し小さい数だと予想できます。無論,185は200から15小さい数であり,200を5倍すれば1000だからです。計算の意味を理解していれば,15×5=75だから,1000-75=925,つまり,185×5=925だと暗算で答えることもできるようになります。

 詰まるところ,計算ミスをする子どもは,意味もわからずやみくもに筆算で答えを出そうとするので,必然的に筆算をする量が増え,それゆえミスをします。

 一方,計算ミスをしない子どもは,計算の意味を理解するので,必要最低限の筆算で終わらせることができます。場合によっては,筆算や計算をしなくても,「AよりもBのようが小さい」といった判断を下すことができます。

 したがって,計算ミスが多いお子様は,もしかしたら「計算の意味が正しく理解できていないかもしれない」と認識してください。言いかえれば,「小学校の算数の教科書に書かれてある内容がわかっていない」ということです。

 このように申し上げると,必ずと言ってよいほど,「うちの子は簡単な計算ならできる」とおっしゃる保護者様がいます。しかし,それは計算の意味が正しく理解できていなくても「簡単な計算」は「慣れ」で解けるからにすぎません。

 ぜひ,本当にお子様が「意味を正しく理解して計算しているかどうか」をチェックしてみてください。

 えっ,最もよいチェックの方法ですか。
 ありますよ。

「123×456」を筆算する方法を説明させてください。
 3ケタ×3ケタの筆算の場合,1ケタずつずらしてかけ算をしますね。「それはなぜ?」と聞いてみてください。また,最後はすべて足しますね。「それはなぜ?」と聞いてみてください。

「1/2(2分の1)÷1/3(3分の1)」の計算方法を説明させてください。
 ぜひ,「なぜ,分数のわり算ではかけ算に変えるの?」と聞いてみてください。「かけ算にすると,なぜ,そのあとの分数は逆数になるの?」と聞いてみてください。

 ちなみに,これはいずれも,公立中高一貫校で実際に過去に出題された適性検査問題です。


掲載日:2017年8月31日
次回の掲載は,2017年9月30日の予定です。

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