公立中高一貫校をめざす方へのお役立ちサイトです。
ぜひご活用ください!

拝啓保護者様

PROFILEいっとく先生プロフィール

いっとく先生

むぎっ子広場は,2006年の開設当初から関与しており,2012年に一度降板しましたが,今回再登板することになりました。「拝啓保護者様」では,保護者の方から頂戴するご質問・ご相談にお答えする形で進めていきます。僭越ながら(と,一応謙遜したうえで),自信たっぷりに持論を展開いたします。
どんぐりスクール主宰 いっとく先生
ホームページ http://www.dongurikorokoro.com

[2018/03/31] 適性検査問題や作文問題の前にすべきこと


ご質問:
 3年前に長男が公立中高一貫校を受験し、敢えなく撃沈しました。敗因はむぎっ子広場さんにお世話にならなかったことと(笑)、基礎学力がなかったことだとあとから知りました。通信簿がオール「たいへんよい」なのは当然のこと、公立中高一貫校に合格した知り合いのお子さんは、小学5~6年時の学校のテストはすべて100点だったそうです。そこで、いっとく先生に質問がございます。やはり、そのレベルでなければ公立中高一貫校に合格するのは難しいのでしょうか。小学3年生になる長女がおり、今後の方向性を模索しているところです。どうぞ忌憚のないお考えをお聞かせください。

(Aさん・神奈川県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 公立中高一貫校に合格するために,通信簿がオール「たいへんよい」なのが当然というのは言いすぎだと思いますが,そのくらいの勢いが必要なのは事実です。

 公立中高一貫校に合格した知り合いのお子さんについても,小学5~6年時の学校のテストはすべて100点だったから合格したとはいえませんが,そもそも基礎・基本しか出題されない学校のテストで100点が取れないようであれば,公立中高一貫校への合格は難しいといえるでしょう。

 つまり,基礎学力がなければ,いくら適性検査問題や作文問題に取り組んだところで,合格はほぼ無理だといえます。

 ここで,インプットとアウトプットのお話しをします。

 学習におけるインプットとは,「学習単元を理解し,覚える」ということです。
 たとえば,日本の国土のおよそ4分の3は山地で,台地や低地は4分の1にすぎません。そのため,山間部に暮らす人たちは仕方なく棚田をつくって稲作をおこないます。棚田に関する問題は,公立中高一貫校入試の定番問題ですが,その背景には日本が山がちな地形であるという知識が必要です。これは「知っているか,知らないか」の問題であって,この知識がなければ,適性検査問題をたくさん解いたところで,成績は上がりません。換言すれば,公立中高一貫校入試で出題される適性検査問題は,「知識がなければそもそも解けない」といえるわけです。

 一方,アウトプットとは,まさに「出力」ですから,適性検査問題を解いたり,作文を書いたりすることです。インプットされた知識がなければ,アウトプットはあり得ません。白紙答案で提出です。さらにいえば,漢字が正しく書けていない作文を,公立中高一貫校の先生が読むはずがありません。

 みなさまが公立中高一貫校の先生の立場だとしましょう。まともに漢字が書けていないし,字は雑で汚い子を合格させようと思いますか。もし,この子が合格したら,自分がその子の指導をする可能性もあるわけです。そんな面倒な子を合格させようと思いますか。公立中高一貫校は進学校であって,託児所ではありません。そんな奇特な先生が,公立中高一貫校にいるはずがないのです。
 漢字の勉強も基礎学力アップの一つです。

 基礎学力なくして合格なし!!


掲載日:2018年3月31日
次回の掲載は,2018年4月30日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2018/02/28] 子どもたちに「勉強の楽しさ」を伝えたい


前回の続きです。

お答え:
 宮沢賢治といえば,岩手出身の童話作家です。東北地方の自然と生活を題材に,童話「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」などを書き残していますが,彼が岩手で教員をしていたとき,子どもたちに速さを教えたときの逸話が残されています。

 宮沢先生は,子どもたちに家から学校まで歩いたときの速さを調べる宿題を出しました。たとえば,ある子どもは家を出て,はじめのうちは一人なのでふつうに歩いたでしょう。しかし,途中で友だちに出会うと話しながらなので歩くのが遅くなるでしょう。道ばたの花を見つけたときなどは立ち止まるので,速さがゼロになるでしょう。少し戻ることもあるでしょうし,遅刻しそうになって走ることもあるでしょう。このように,宮沢先生は,子どもたちが通る家から学校までの道のりと速さの関係をより細かく調べさせて,グラフにまとめるように指示しました。

 ふつうは2時間や1時間,または30分の道のりの変化を調べるものですが,宮沢先生はさらに細かく1分,1秒にいたるまで求めたそうです。極限まで極小な時間での進んだきょりを調べるわけです。そう,宮沢先生が何を教えたいのか,おわかりの方も多いでしょう。その一瞬の変化を見る作業が高校数学で学習する微分です。

 グラフで考えれば,ある接点での接線のかたむきを見て,変化率をとらえることができます。すると,ある接点では接線のかたむきが急になっています。つまり,速度が上がっているわけです。一方,別の接点で接線のかたむきが下がっていれば,速度が下がっているのです。

 小学校で学ぶ速さは,所詮「平均の速さ」にすぎません。「時速60kmで2時間走る車があります。」という文章を目にしたとき,「車はずっと時速60kmで走れるはずがない」という感覚を持つのがふつうです。「信号が赤になれば止まらなければならない。渋滞が発生するかもしれない。何を寝ぼけた問題を出しているのか」と思った子どもこそ,正常な感覚の持ち主だと私は考えています。

 そういう感覚を持つ天才児には(実はかなり多くの子がこの感覚を持っています),ぜひ,小学校のときに微分を教えてあげてほしいと思うのです。平均の速さは小学校で学ぶのに,微分は高校2~3年生にならなければ学ばない現代の縦割り教育こそ,大きな問題です。

 もしいま,「そんな無駄なことをしてどうするのか。微分は中学受験では出題されない。高校になってから学べばいいんだ。」とお考えの方がおられたら,その考えこそが子どもたちから「勉強の楽しさ」を奪っている元凶だと自覚して頂きたいと思うのです。

 勉強は,志望校に合格するためにするのではありません。何のために勉強するのか。保護者様にその答えが明確になったとき,お子様は本当の意味で「勉強の楽しさ」を知ることになるでしょう。


掲載日:2017年2月28日
次回の掲載は,2017年3月31日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2018/01/31] 君の身長は何cm??/18cmぐらいかな??


ご質問:
 子どもの勉強を見ていて、「この子は1秒でも速く宿題を終わらせることしか考えていない」と感じています。これでは入試で求められている思考力が身につかないと思うのですが、どうすればよいでしょうか。

(Oさん・千葉県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 ご質問をお寄せ頂いたOさんには,後日,お電話をさせて頂き,現状を伺いました。そのときに見えてきたことが,「子どもにえさを与えている」というものでした。子どもを勉強させるときの手っ取り早いえさは,「宿題が終わったらゲームをしていいよ/遊んでいいよ」です。

 もうおわかりの通り,このようなえさを与えれば,どんな子であっても「宿題を一刻も速く終わらせよう」と思います。とにかく速く鉛筆を動かして,速くノートを埋める,または,よく考えずにひとまず答えを書く。「宿題を終わらせるだけ」が目的ですから,字のていねいさや答えが合っているかどうかなどは,その子にとって問題ではありません。

 私は「勉強は楽しい」と,意外と本気で思っています。おそらく,ほとんどの子も,そのように感じてくれると私は思っています。ただ,実際にそうならないのは,「勉強の楽しさ」を教えてくれる人がまわりにいないからでしょう。正直,とても残念な気持ちです。

 先日,私は講師として地域の無料塾(いわゆる学習支援をおこなう教室)へ行きました。そこに,長さの単位の宿題に取り組んでいる小学3年生の女の子がいました。横で見ていると,次の問題で鉛筆が止まりました。

問題 (  )に単位を書き入れましょう。
 わたしの家とたろうさんの家の間は,480(  )はなれています。

 長さの単位がわかっていないのかなと思い,私は「君の身長は何cm??」とたずねました。すると,その子は「18cmぐらいかな??」と答えました。

 さて,この子の答えが意味することは何でしょうか。それは,勉強内容が実体験として生活にまったく活かされていないという現実です。

 そこで,私は5mまで測れるメジャーをスタッフさんに準備してもらい,その子といっしょにいろいろなものを測る旅に出かけました。そのときに使っていた鉛筆の長さは14cmで,18cmの身長といえば物語の世界だということもわかったようです。メジャーが1つあれば,1mが100cmだということもすぐにわかります。勉強していた部屋の高さが2m50cmということもわかりました。

 先ほどの問題も,わたしの家とたろうさんの家がとなり同士なら480cmということも考えられるけれど,かなりはなれていれば,480mも答えになることがわかりました。つまり,答えが1つではないということもわかってくれました。

 ちなみに,その子の身長は126cmでした。

 結局,その子は,小一時間,メジャーを片手にいろいろなものを測っていました。まちがいなくこの子は,これが勉強だとは微塵も感じていなかったはずです。おそらくこの子にとって,いろいろなものをメジャーで測ることは遊びであり,9才にして生まれて初めての経験だったのです。

 勉強は,実生活と深く結びついています。それは,高校数学で習う微分とて同様です。

 次回は,宮沢賢治が岩手で教員をしていた時代の話を例に,子どもたちに「勉強の楽しさ」を伝える方法について,さらに考えていきます。


掲載日:2018年1月31日
次回の掲載は,2018年2月28日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2017/12/31] 質問募集中です。奮ってお寄せください。


 多くのみなさまから,「最近,『拝啓保護者様』の投稿がありませんね」というメールを頂戴するようになりましたので,ここでその説明をいたします。

 平たく言えば,「みなさまからの質問が来ないから」です。このコラムは,保護者様からのご質問にいっとく先生が答えるという形式を取っているため,質問が来なければコラムが成立しないという現実がございます。

 ご質問やご相談など,奮ってお寄せください。

 なお,すでにお答えしたご質問(同内容)にはお答えしませんので,過去のログをご確認頂きますようお願い申し上げます。
 ※右メニューのエントリーやカテゴリーから過去のログが閲覧可能です。

 すでにお答えしたご質問のうち,特に同内容の問い合わせが多いベスト3
 1 [2015/01/26] 公立中高一貫校入試当日に持っていく物リスト
 2 [2015/01/05] 公立中高一貫校入試 入学願書・志願理由書の書き方
 3 [2016/09/05] 志望校の過去問を解くときの注意点


掲載日:2017年12月31日
次回の掲載は,2018年1月31日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2017/09/30] ぜひ「ひらがな」の練習もしてください


ご質問:
 先日むぎっ子模試を受け、字の雑さなどをこてんぱんにダメ出しされ、これでもかと減点された答案がもどってきました。字の雑さはいつも子どもに言ってはいるのですが、聞く耳を持ちません。

(Aさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 Aさんのお子様に限らず,最近の子(こんな言葉は使いたくないのですが)は,とにかく字が雑です。典型的なものでは,ひらがなの「れ」と「わ」の区別ができていなかったり(少なくとも読み手にわかるように書けていなかったり),もっとひどいものでは「し」と「く」が混ざっていたりする(少なくともそう見える)場合さえあります。

 私は,むぎっ子模試などの採点に関わっていますが,「公立中高一貫校入試に向けた指導をおこなっているはずなのに,小学1年生レベルのひらがな練習の朱筆をしている」と感じる場合さえあります。とても悲しい現象です(あくまで本当に一部の人ですが,以前よりも多いのが現実です)。

 そこで,我が子の字を見て「字が雑だな」とお感じの保護者のみなさま。ぜひ「ひらがな」の練習もさせて頂けないでしょうか。「バカにしているのか」とお怒りの声が聞こえてきそうですが,読みにくいひらがなを書いている子は,ほぼまちがいなく漢字も読みにくいはずです。

 考えてみてください。むぎっ子模試を採点する私は,「小学1年生レベルのひらがな練習の朱筆をしている」ことに対して悲しさを感じています。入試本番であれば,どうでしょうか。志望校の先生たちが答案を採点します。先生たちは,読みにくい字は無理して読みません。バツにするだけです。なぜなら,読みにくい字を書く児童をあろうことか合格させてしまったら,自分たち(つまり,公立中高一貫校の先生たち)が苦労するだけですから。真っ先に不合格にさせたいはずです。

 実は,雑な字を書く児童の中にも,すばらしいといえる答案を書く人が多くまぎれています。ただ,字が雑できたないのです。「地頭はいいんだろうなぁ」と思うのですが,十中八九そういった児童が不合格になるのが忍びないと思っています。

 だからこそ,ぜひ「ひらがな」の練習もしてください。


掲載日:2017年9月30日
次回の掲載は,2017年10月31日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2017/08/31] 計算ミスが多い我が子に愛の手をさしのべて!!


ご質問:
 息子の志望校では、資料から数値を引っ張り出して面倒な計算をいくつもする問題が毎年出題されています。落ちつきのない息子は、いつも計算ミスをして間違えています。どうすればよいのでしょうか。我が子に愛の手をさしのべて頂ければと思います。

(Kさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 計算ミスは,お子様の性格に起因するとお考えの保護者様が多くいます。「うちの子はおっちょこちょい」とか,「集中力がない」とか,そういうものに理由を求めます。

 しかし,それは誤解です。計算ミスは,計算の意味を正しく理解していないために必然的に起きるものです。それゆえ,計算ミスをする子どもはいつもミスをし,計算ミスをしない子どもはいつもミスをしません。

 では,計算の意味とは何でしょうか。簡単に事例を説明します。

 たとえば,「185×5」という計算の場合,実際に計算をしなくても答えは必ず185よりも大きくなるとわかります。さらにいえば,答えは1000よりも少し小さい数だと予想できます。無論,185は200から15小さい数であり,200を5倍すれば1000だからです。計算の意味を理解していれば,15×5=75だから,1000-75=925,つまり,185×5=925だと暗算で答えることもできるようになります。

 詰まるところ,計算ミスをする子どもは,意味もわからずやみくもに筆算で答えを出そうとするので,必然的に筆算をする量が増え,それゆえミスをします。

 一方,計算ミスをしない子どもは,計算の意味を理解するので,必要最低限の筆算で終わらせることができます。場合によっては,筆算や計算をしなくても,「AよりもBのようが小さい」といった判断を下すことができます。

 したがって,計算ミスが多いお子様は,もしかしたら「計算の意味が正しく理解できていないかもしれない」と認識してください。言いかえれば,「小学校の算数の教科書に書かれてある内容がわかっていない」ということです。

 このように申し上げると,必ずと言ってよいほど,「うちの子は簡単な計算ならできる」とおっしゃる保護者様がいます。しかし,それは計算の意味が正しく理解できていなくても「簡単な計算」は「慣れ」で解けるからにすぎません。

 ぜひ,本当にお子様が「意味を正しく理解して計算しているかどうか」をチェックしてみてください。

 えっ,最もよいチェックの方法ですか。
 ありますよ。

「123×456」を筆算する方法を説明させてください。
 3ケタ×3ケタの筆算の場合,1ケタずつずらしてかけ算をしますね。「それはなぜ?」と聞いてみてください。また,最後はすべて足しますね。「それはなぜ?」と聞いてみてください。

「1/2(2分の1)÷1/3(3分の1)」の計算方法を説明させてください。
 ぜひ,「なぜ,分数のわり算ではかけ算に変えるの?」と聞いてみてください。「かけ算にすると,なぜ,そのあとの分数は逆数になるの?」と聞いてみてください。

 ちなみに,これはいずれも,公立中高一貫校で実際に過去に出題された適性検査問題です。


掲載日:2017年8月31日
次回の掲載は,2017年9月30日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2017/07/31] 保護者が信頼しない先生の話をだれが聞くのか


ご質問:
 塾とむぎっ子広場さんを併用して志望校を目指していますが、我が子が先生の指導に耳を貸さないことが多く、成績が伸び悩んでいるように感じています。勉強量はそれなりにあるのですが、たとえばむぎっ子通信添削では、同じ指摘をくり返し頂くことが多いのが現状です。アドバイスをお願いします。

(Hさん・福岡県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 以下,今回のご質問にお答えいたしますが,「児童が先生の指導に聞く耳を持たない」理由は個々に異なるため,現実的にこの場で原因を特定するのは困難です。Hさんには,むぎっ子通信添削の担任の先生より別途お電話をさせて頂きますので,そのご連絡をお待ちください。

 さて,「児童が先生の指導に聞く耳を持たない」大きな理由の一つに,保護者様がその先生を信頼していない行動を無意識に取っているという場合があります。詳細は,これからお話しします。

 ただし,私は保護者様にこの全責任をなすりつけようとしているのでは断じてありません。そうではなくて,あくまでこのコラム名が「拝啓保護者」であり,保護者様へのアドバイスが主たる目的であることから,保護者様にも考えて頂きたいとの思いを込めて,コラムの内容をしぼっているということをご理解ください。

 ではまず,昨年むぎっ子広場で実際にあった事例をお話しします。
 簡潔に言えば,保護者様がむぎっ子通信添削のお申し込みをなさる際,お子様のお名前やご住所をわざと変えて(個人情報を保護するためだったそうです),架空のお子様のお名前や実在しないご住所(少しの番地違いであれば郵便物が届くそうです)で受講されたことに起因します。

 この事実が判明するきっかけは,12月号(最終号)でお子様ご自身が,「ぼくの本当の名前は□□で,本当の住所は△△です。お母さんがむぎっ子広場を信じていなかったので,わざとうそを書いたと聞きました。」というコメントを添削課題の通信欄に書いたからです。

 残念ながら,このお子様は志望校の公立中高一貫校に合格できませんでした。添削を担当した講師によると,答案からやる気が感じられず,同じ間違いを幾度となくしていたので,同じコメントや指摘を何度も書かざるを得ず,ほとんど成長しなかったということです。

 この事例から,私たちは多くの教訓を得ることができます。

 保護者様にとっては,単にお子様の個人情報を守りたいという思いで,偽名・偽住所という行為をおこなっただけでした。しかし,お子様はその行為を「お母さんはむぎっ子広場を信じていない」と受け取りました。親が信頼していないと感じているお子様が,目の前の先生(むぎっ子広場)を信頼するはずがありません。当然のごとく,その先生の指導に耳を傾けるはずもなく,それゆえ合格に近づけません。

 私たちむぎっ子広場にとっては,お子様の名前が実名であろうが偽名であろうが関係ありません。住所がまちがっていても,郵便物が(本当に)届くのであれば,一向に構いません。

 一方,こういった行為をおこなうことにより,お子様がどのように考えるのかは,ぜひ保護者様にお考え頂きたいと思います。少なくともその責任は,保護者様が背負って頂くことになります。何が大切なのか,または何を優先させるべきかなどをつねに意識して頂くよう,切にお願いする次第です。


掲載日:2017年7月31日
次回の掲載は,2017年8月28日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2017/06/30] 資料から読み取れることだけを書けばよいのか


ご質問:
 我が子は通塾先から、「資料読み取り問題では、資料から読み取れることだけを書こう」と指導されているようですが、先日受けた公開模試(別の塾のものです)の保護者会では、資料からは読み取れないことまで書くように責任者の先生がお話しになっていました。通塾先と仰っていることがちがい、戸惑っております。いっとく先生のお考えをお聞かせください。

(Gさん・東京都在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 結論から申し上げれば,「資料読み取り問題では,資料から読み取れることだけを書こう」という指導も,「資料からは読み取れないことまで書こう」という指導も,どちらも間違っています。なぜなら,「どこからどこまでを書くのか」は,児童や保護者,指導者が決めることではなく,出題者が問題文中で指示するものだからです。

 たとえば,「資料から読み取れることをもとに,」と書かれてあれば,資料から読み取れることだけを根拠に,問われていることに対して,漏れがないように説明すれば正解になります。

 ただし,資料からは一見すると読み取れない内容であっても,論理的に,または計算によって明らかになる内容もあります。たとえば,全国の小学校数と1校あたりのクラス数,1クラスあたりの児童数がいずれも減少傾向にあるのが資料から読み取れるとき,論理的に,または計算によって,「少子化(子どもの数が減少傾向にある)」と結論づけられます。

 つまり,「どこからどこまでを書くのか」は,出題者が問題文中で指示するものであって,それに対して,児童のみなさんが過不足なく答えればよいということです。

 説明が足りなければ減点されてますし,必要以上書けば,それは時間の無駄です。入試には制限時間というものがあるので,1つの問題に時間を掛け過ぎると,結果的に他の問題が疎かになってしまいます。言いかえれば,それだけ不合格の確率が高まるということです。

 忘れないで頂きたいのが,入試問題には予め配点が定められていて,たとえば,ある1つの問題の配点が6点だった場合,どんなにすばらしい解答を書いたとしても,逆に,必要最低限ではあるものの,減点できないような解答を書いたとしても,両方とも6点であって,前者の解答が7点や8点になることはないのです。

 むぎっ子通信添削やむぎっ子作文添削,むぎっ子模試などで,私たち講師陣がつねに意識していることは,「減点されない解答」が書けるように指導するという1点に尽きます。

 以上,「何を書くのか」「どこからどこまでを書くのか」は,児童や保護者,指導者が決めることではなく,出題者が問題文中で指示するものです。児童のみなさんは,過不足なく,必要最低限の解答,言いかえれば「減点されない解答」が書けるようになってください。


掲載日:2017年6月30日
次回の掲載は,2017年7月31日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2017/05/31] 我が子の語い力のなさを痛感しています


ご質問:
 公立中高一貫校入試で必要となる適性検査問題と作文問題の対策を進めていますが、ほとほと、我が子は語い力が欠落していると感じます。どうすればよいのでしょうか。

(Aさん・福岡県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:

 まずは,私の体験談をお聞きください。

 先日,ある場所で高校3年生に向けて特別授業をしました。私は根っからの授業好きなので,生徒たちと楽しく授業を進めていき,途中,carveという英単語が出てきました。そこで,塾・予備校業界では定番の指導であろう「carveは『~を彫る』,curveは『湾曲(まさにカーブ)』『曲がる』,curbは『~を抑える』を区別して覚えていこう」と説明しました。すると,一人の生徒から「すごい!!」「覚えやすい!!」と感動されてしまいました。挙げ句の果てには「ほかに似た英単語を教えてください」と言われる始末。

 これに驚いたのは私の方です。英単語に限らず,似た語や意味をまとめて覚えるのは勉強の十八番。調子に乗った私は,「cite,sight,site」「dairy,diary」など,ぱっと思いつくものをどんどん書き出していきました。

 語いに限らず,何かを学ぼうとするとき,「同じものをまとめる」「ちがうものを区別する」といった作業は,学年・教科を問わず,すべての土台になります。無作為に丸暗記していこうとするのは苦痛以外の何物でもありません。大切なことは「意味づけ」「関連づけ」をすることなのです。

 ただし,先の例でいえば,「carveはなぜ『~を彫る』という意味なのか」を考えても意味がありません。確かに,語いを語源から学習していく方法もあり,それが有効に作用する場合もありますが,すべての語いを語源から攻めていくのは非効率です。かといって,無作為な丸暗記では「覚えにくく忘れやすい」という事態を引き起こします。

 そこで,言葉そのものが似ているものや意味が似ているものをまとめていきましょう。

 たとえば,「言い張る」と「言い寄る」は似ていますが,意味がちがいます。「人知れず」と「人知れぬ」も似ていますね。じゃあ,こういった似た言葉はどうやって見つけるのか。小学国語辞典を引けば,すぐに見つかります。なぜなら,似た言葉はその前後にたくさん並べられていますから。

 近年,国語辞典を使わない,または使えない小学生が増えているそうですが,それはあまりにももったいない。テキトーに作られた語いに関する問題集に取り組む努力を,ぜひ,小学国語辞典を読む作業に費やしてください。「辞典って引くものじゃないの??」と思われるかもしれませんが,1ページ目から「読んで」いってもいいじゃないですか。そのほうが,圧倒的な語い力が身につきます。

 親がしていることを真似して,子もするようになる。これが世の常です。


掲載日:2017年5月31日
次回の掲載は,2017年6月26日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。

[2017/04/30] 過去の成功体験をいかに払拭できるかがカギ


ご質問:
 4年前にむぎっ子通信添削などを受講して合格を頂いた者です。その節はありがとうございました。このたび、下の子も姉と同じ公立中高一貫校に通いたいということで、むぎっ子通信添削ジュニアなどでまたお世話になります。気をつけることなどがございましたら、ぜひお聞かせ頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

(Aさん・千葉県在住)
※ 頂戴した原文のままを掲載していますが,ご質問の箇所のみを抜粋しました。なお,掲載に際しては事前に許可を頂いております。

お答え:
 端的に言えば「上のお子様の成功体験を捨ててください」となります。

 4年前と現在では,千葉県内の公立中高一貫校は大きく変わっています。志願者数こそ減っていますが,逆にレベルは上がっているからです。詳細は,必要に応じてむぎっ子通信添削などの際にお知らせをさせて頂くことになりますが,レベルの高い児童同士の戦いになっており,競争はかなり熾烈です
 こういった状況下で気をつけて頂きたいのは「上の子はこのようにやって合格できたから,下の子も同じようにやれば合格できるはずだ」と考えることです。つまり,過去の成功体験にもとづいて考えているわけです。

 しかし,出題される適性検査問題にはじまり,先ほど申し上げたことも含めて,さまざまな状況・環境が変わっているのに,過去と同じことをしていても合格できません。これは,指導者である私たち自身も肝に銘じなければならないことですが,少なくとも私たち指導者は毎年数百人の児童の指導に当たっていますので,その変化を敏感に感じ取ることができます。換言すれば,否応なく変化に晒されているので,指導もおのずと変わっていきます。

 ごきょうだいでむぎっ子通信添削を受講頂くケースは非常に多いのですが,その際によく「上の子のときはこのように指導されたのに,下の子では指示がちがう。どうなっているのか。」とクレームを頂くことがあります。
 ですが,そうではないのです。以前は漢字ミスが多少あっても減点されていなかったのに,現在はそういった点をシビアに採点して,徹底的に語彙力のない児童を落としにかかっている公立中高一貫校があります。

 入試が変われば指導が変わる。これはあたりまえのことではないでしょうか。だからこそ,私たちはその変化を敏感に捉え,受験指導のプロを自認し,これでメシが食えているわけです。

 横道に逸れましたが,今回私がいわんとすることは「上のお子様の成功体験を捨ててください」というこの一点に尽きます。上のお子様と下のお子様では性格も大きく違うでしょう。上のお子様が素直だったのに,下の子は・・・というケースも多分にあるはずです(あくまで一例です)。
 過去の成功体験を払拭してイチから考えていく。これが,下のお子様も公立中高一貫校に合格できる秘訣です。

 むぎっ子通信添削ジュニアなどを受講くださっているとのこと,ありがとうございます。これからいっしょに頑張っていきましょう。むぎっ子広場は全力で応援させて頂きます。

掲載日:2017年4月30日
次回の掲載は,2017年5月29日の予定です。

むぎっ子広場 運営事務局からのお知らせ
 いっとく先生へのご質問を随時受け付けています。お問い合わせより,「拝啓保護者様へのご質問」と必ず記載のうえお気軽にお送りください。お待ちしています。