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中学受験40年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
ホームページ http://www.kotoac.com

[2020/07/13] インターネットは本当はこわい?!


 インターネットは、何かを調べたいときにとても便利なものですが、いまはそれにとどまらず、人とのコミュニケーションや買い物などでも欠かせないものになりました。

 現在、日本では総人口の8割にあたる約1億人がインターネットを使っていて、特に、手軽で高性能なスマートフォン(スマホ)の利用者が急速に増えて、ますます身近になりました。また、携帯ゲーム機からインターネットにつなげることもできるため、小学生のインターネット利用率も相当高いことがうかがえます。
※携帯ゲーム機の小学生普及率はおよそ6割で、そのほとんどが携帯ゲーム機でインターネットを利用しているという調査結果があります。

 一方で、インターネットに関わるトラブルはあとをたちません。
 そこで今回は、インターネットにはどのような特ちょうがあり、どのようなことに気をつけなければならないのかを考えていきましょう。

1 だれでも見ることができる

 インターネットは、住んでいる国や年齢、立場に関係なく、だれもが自由に情報を発信したり、その情報を見聞きしたりできます。知らない人と仲よくなれるのも大きな利点ですが、その一方で、知らないからこそトラブルになりやすいという現実も知っておく必要があります。

 インターネット上で見ず知らずの人から批判されるだけでなく、名前や住所、通学校先まで特定されて、インターネット上で公開されるという事件も多発しています。

2 一生消せない

 一度、インターネット上に公開された情報は、まずもって消すことができません。データのコピーが簡単で、自分が消してもだれかが保存していたり、勝手にほかのサイトにコピーされて残っていたりするからです。いたずらやおもしろ半分のつもりで書きこんだり、写真や動画を上げてしまったことが、あとになってトラブルにつながるケースもあります。

 顔を見せず、名前も名乗らないで情報を発信できるのはインターネットの大きな特ちょうですが、それは表面的に見えていないだけです。実際には、インターネットのサーバーにログとよばれる情報がすべて保存されているので、調べようと思えば、情報発信者を特定できます。つまり、「インターネットは、かくれて何か悪いことができる場所ではない」という事実を知っておく必要があります。

 あなたが友だちとけんかをしてしまい、そのときの感情にまかせて「あいつ、ウザい。」と、インターネット上に書きこんだことが原因で、その友だちが自殺してしまったら・・・・・・。

 そのことを知った見ず知らずの人が、あなたを特定して、「○○さんが自殺した原因は、こいつだ」と、あなたの名前や住所、通学先をインターネット上に公開したら・・・・・・。

 インターネット上であなたがしたことは、すべて証拠として残っている。
 この事実を忘れてはいけません。

3 うその情報もある

 くり返しになりますが、インターネットは、だれもが情報を発信できるため、その情報が本当かうそかは、私たち自身が判断しなければなりません。中には、だましてやろうと悪意をもってうそを流していることもあります。

 だから、頭から信じてしまうと、自分が損をするだけでなく、さらに自分が他人に迷惑をかけてしまうおそれもあります。

 みなさんは、それが正しい情報かどうかを見極める力が求められています。


掲載日:2020年7月13日
次回の掲載は、2020年8月10日の予定です。

[2020/06/08] 法令でレジ袋の有料化を義務づけるねらい


 2020年7月1日から、全国一律でプラスチック製買い物袋(いわゆるレジ袋)の有料化がスタートします(前倒しですでに有料化されているお店も多いですが)。対象となるのは、持ち手があるプラスチック製に限られ、紙製などは対象外です。

 また、プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの、海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの、バイオマス素材の配合率が25%以上のものなども、対象外です。

 とはいえ、紙製やバイオマス素材の配合率が25%以上のものであっても有料化するお店が多数あるようです。

 まずは、レジ袋の現状をお話ししましょう。なお、これから取り上げる数値は、すべて各省庁が公表した2018年の統計にもとづいています。

 現在、日本国内でレジ袋は年間およそ300億枚使用されており、これを原料の石油に換算すると、およそ50万キロリットルに相当します。日本の石油消費量は年間およそ1.8億キロリットルなので、レジ袋にしめる石油使用量は、日本の石油消費量のわずか0.3%強に過ぎません。製造工程のために石油が別に必要だと考えても、微々たる量にすぎないことがわかります。

 また、レジ袋のプラスチックごみ全体にしめる割合はおよそ2%にすぎません。仮に、レジ袋の使用がゼロになったとしても海洋ごみや地球温暖化などの解決には程遠いことがわかります。

 さらにいえば、燃やしたときに有害ガスが出るといわれていますが、それはウソです。基本的にレジ袋は高密度ポリエチレン製であり、レジ袋を燃やしても二酸化炭素と水が発生するだけで、有害な気体がほぼ発生しないことはすでに証明されています。だから、東京23区をはじめとして多くの地域では、レジ袋は可燃ごみに扱われています。

 もっといえば、レジ袋はうすくて発熱量が高いため、「焼却炉のえさ」に利用されています。生ごみだけでは燃えないため、石油を焼却炉に投入する必要がありますが、レジ袋といっしょに燃やすことで、石油投入量を減らすことができています。レジ袋がなくなると、石油を余分に投入することになり、資源のむだにつながります。

 このように見ていくと、レジ袋の使用を減らしても、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化といった問題はほとんど解決されないことがわかります。

 では、なぜ、レジ袋を有料化するのでしょうか。

 政府は、レジ袋有料化の目的について、「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています」(原文のまま)と述べています。

 経済産業省のホームページ
 https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html

 つまり、レジ袋を有料化することで使用量を減らせても、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化といった問題はほとんど解決されないことはわかりきっているが、これをきっかけにして、ライフスタイル(生活スタイル)を見直してほしいという願いがこめられていると判断できます。

 新型コロナウイルス対策でも、私たちはライフスタイルを変えることが求められています。よい機会にめぐまれたと個人的には感じています。

 いまやっていること、本当に必要なことですか??


掲載日:2020年6月8日
次回の掲載は、2020年7月13日の予定です。

[2020/05/11] 新型コロナウイルスから身を守る方法


 前回は、新型コロナウイルスとマスクの関係を取り上げました。今回は、新型コロナウイルスから身を守る方法を考えます。

 新型コロナウイルスの感染(かんせん)経路は、現時点では、飛沫(ひまつ)感染と接触(せっしょく)感染の2つが考えられています。

■飛沫感染
 感染者のくしゃみやせき、つばなどの飛沫といっしょにウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸いこみ感染する。
※主な感染場所:ライブハウスや劇場、満員電車などの人が多く集まる場所

■接触感染
 感染者がくしゃみやせきを手でおさえたあと、その手で周りの物にふれてそこにウイルスがつき、別の人がそこにふれてウイルスが手につき、その手で口や鼻をさわって粘膜(ねんまく)から感染する。
※主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど

 飛沫感染は、前回取り上げたようにマスクをつけ、三密をさけることで防止できるようです。

 やっかいなのは接触感染です。接触感染を防ぐには、感染者がさわった場所を特定してウイルスを取りのぞくという方法が考えられますが、エレベーターのボタンやエスカレーターの手すりなど、人はいろいろな場所をさわるため、感染者がさわった場所をすべて特定して対策を取るのは現実的には不可能です。

 ですから、接触感染を予防するために一番有効なのは、石けんによる手洗いやアルコール消毒ということになります。ウイルスがどこにいるかわからないのなら、どこにウイルスがいてもよい前提で考えればよいのです。

 では、ここで少し専門的な話をしましょう。
 前回、新型コロナウイルスは、大きさが1mmの1万分の1くらいの大きさだという話をしましたね。このウイルスにはタンパク質の突起(とっき)があり、これで感染できる細胞(さいぼう)を識別しています。このタンパク質の突起が日食の太陽のコロナのように見えるので、「コロナウイルス」とよばれています。

 70%のエチルアルコール(エタノール)は、このタンパク質の突起を変形させ、他の細胞に感染できなくする力を持っています。ただし、この時点では、ウイルスは死にません。

 一方、石けんはウイルス本体をおおっている膜(まく)をこわす力を持っています。膜は油の成分を中心にできているため、石けんで分解されて、こわれてぐちゃぐちゃになり、復活できなくなるのです。つまり、石けんを使えば、ウイルスはその時点ですぐに死にます。

 このように、もし外出中にウイルスにふれても、自分の手についているウイルスさえ死んでしまえば、目をこすったり、鼻をさわったり、ものを食べたりしても体内にウイルスが入ることはありません。そうすれば、どこにウイルスがいても感染することはありません。

 結局、新型コロナウイルスから身を守る方法は、マスクの着用と石けんによる手洗い(またはアルコール消毒)ということになります。

 他国からは、「日本は大した対策を取っていないのに、新型コロナウイルスの感染が広がっていないのはなぜだ」と、不思議がられています。しかし、日本人は日ごろマスクをしている人が多いですし、子どものころから「手洗い・うがい」の習慣が身についています。そう考えると、他国のような感染爆発が起こっていないことも納得できるのかもしれませんね。


掲載日:2020年5月11日
次回の掲載は、2020年6月8日の予定です。

[2020/04/13] 新型コロナウイルスの大きさとマスクとの関係


 今回も、新型コロナウイルスを取り上げます。

 新型コロナウイルス、正式には SARS-CoV-2(ザーズ シーオーヴィツー)
 これが引き起こす病気が急性呼吸器疾患(きゅうせいこきゅうきしっかん)で、専門的には、COVID-19(コビット ナインティーン)です。要は、新型コロナウイルス感染症(かんせんしょう)ですね。

 では、なぜこのウイルスはコロナとよばれているのでしょうか。
 それは、新型コロナウイルスの表面のタンパク質の突起(とっき)が、日食のときに見える太陽のコロナに似ているからです。

 著作権の関係で写真を掲載(けいさい)できませんので、ぜひインターネットで、新型コロナウイルスの写真(またはイメージ図)と、日食のときに見える太陽のコロナを調べて、見比べてみましょう。「似てるといえば似てるかな」とは思ってもらえるでしょう。

 しかし、大きさはかなりちがいます。
 新型コロナウイルスの大きさは1mmの1万分の1くらいだとわかっています。定規で1mmを見てください。これを1万個に切ったうちの1つ分です。市中に出回るマスクで、このウイルスを防御(ぼうぎょ)できないといわれるのはそのためです。

 ザルがマスク、水がウイルスだと考えればよいでしょう。ザルで水をすくうことはできませんよね。それと同じです。「ガーゼを何枚も重ねて何重にもすればいい」という人がいますが、では、10個のザルをたてに並べ、上から水を流したとき、ザルに水はたまりますか。他人やマスコミが言うことに対して、疑ってかかることはとても大切なのですよ。

 では、なぜマスクをする必要があるのでしょうか。それは、あなたが感染者(かんせんしゃ)だった場合、マスクをすることで他人への感染を防げる可能性が高まるからです。いまや、「自分は絶対に感染していない」と言い切れないでしょう。

 人がせきやくしゃみをするとき、のどを通る空気の速度は時速100kmをこえることがわかっています。口から出たあと、だ液や鼻水のが混ざった息は、その人の周囲に拡散(かくさん)します。しかし、マスクをすることでその息を減速させられるので、拡散を最小限に防ぐことができます。

 また、新型コロナウイルスは市中に出回るマスクを通りぬけますが、せきやくしゃみをするときに出るだ液や鼻水の飛まつ(感染者の場合、当然ウイルスをふくんでいる)は大きいので、マスクで食い止めることが可能です。ウイルスをふくんだだ液や鼻水の飛まつ全体が風船だと考えればよいでしょう。ウイルスは通りぬけても、風船ならマスクでキャッチできます。

 つまり、マスクは他人を感染させないためにつけるものであって、感染していない人が感染しないようにウイルスを防御する効果はないというわけです。

 ただし、自分のそばに感染している人がいて、その人がせきやくしゃみをして、ウイルスをふくんだだ液や鼻水の飛まつが飛んでくる場合もありますね。そういうとき、ウイルスそのものではなく、ウイルスをふくんだだ液や鼻水の飛まつから自分を守る効果はあります。

 マスクの必要性をご理解頂けたでしょうか。

 みなさんは、根拠(こんきょ)のないうわさ話や、まちがった情報にまどわされず、しっかり自分で調べて、目的や理由を正しく理解したうえで行動できる人になってほしいと思います。

 そして、むぎっ子広場に集うみなさんの中から、ウイルスの研究者やワクチン開発者、またはこういった非常事態のときにしっかり対応できる国会議員や官僚(かんりょう)が誕生し、だれもが幸せになれる社会をつくってくれることを切に願っています。

 そのために、いまみなさんは勉強しているのですよ。


掲載日:2020年4月13日
次回の掲載は、2020年5月11日の予定です。

[2020/03/09] いまだからこそ、伝染病の歴史をふり返る


 新型コロナウイルスが世界中で流行しています。これは伝染病(でんせんびょう)の一種で、ときに、人類の歴史を変えるほどの力を持っています。

 小学校の教科書には、聖武天皇の時代(奈良時代)、伝染病の流行で多くの人がなくなり、世の中が混乱したという記述があります。『自由自在 高学年 社会』をお持ちの方は、353ページをご覧ください。聖武天皇が国分寺や東大寺の大仏をつくるように命じたのは、仏(ほとけ)の力で伝染病の流行をおさえ、国を治めようとしたからです。この時代の伝染病は「天然痘(てんねんとう)」だったと考えられています。

 あまり知られていませんが、平安時代にも伝染病が流行しました。藤原道長が実権をにぎった995年に、京都で「はしか(ましん)」が大流行しています。この感染力はきわめて強く、同じ空間に感染者といるだけで感染してしまい、マスクや手洗いでもウイルス侵入は防げないというのは周知の通りです。

 小学校の一部の教科書には、コレラに関する記述もあります。明治維新(1868年)直前の1858年~1860年に江戸を中心にコレラが大流行し、江戸では人口の2割以上が亡くなったという記録があります。1858年といえば、日米修好通商条約が結ばれた年です。

 第一次世界大戦中には「スペインかぜ」(インフルエンザの一種)が大流行しました。感染者は6億人以上、死者は4000~5000万人におよび、この大流行が第一次世界大戦の終結を早めたとも考えられています。

 太平洋戦争後、朝鮮半島や満州からの多数の引きあげ船で大流行したのは、やはりコレラでした。先日、近所のおじいさんが、「伝染病が流行しているときに船に乗ってはいかん。コレラ船を思い出してほしかったなぁ。」と言っていましたが、その通りです。コレラ船は沖合に40日間とどまり、入港できませんした。伝染病が流行したときの対応は、コレラ船もクルーズ船も変わりません。これ以外にやりようがないわけです。

 このようにふり返ってみると、伝染病とは古くも新しく、ワクチンの開発と新型ウイルスの登場がくり返されているといえます。新型コロナウイルスのワクチンが一刻も早くできるのをいのりたいと思います。


掲載日:2020年3月9日
次回の掲載は、2020年4月13日の予定です。

[2020/02/10] 税金の歴史と消費増税への流れ


 今回は、税金の歴史と消費増税への流れをお話ししましょう。

 日本で最初の税金はいまからおよそ1800年前の弥生時代、邪馬台国であったと考えられています。女王卑弥呼が支配したその国では、種もみなどの食べ物が税として納められていました。

 その後、645年から始まった大化の改新で、租・庸・調が定められ、701年の大宝律令で税制度が完成しました。農民に口分田をあたえる代わりに、租(取れた米の一部)、庸(労役やその代わりの布)、調(布や絹などの特産品)を税として納めました。

 室町時代や安土桃山時代になると、農民は「年貢(ねんぐ)」として米を領主に納めるようになりました。豊臣秀吉は全国の農地を測量し、面積や米の収かく高を調べ、年貢を割り当てていきました(太閤検地)。江戸時代になっても「年貢」が税の中心として引きつがれていきました。

 税のしくみが大きく変わったのは明治時代になってからです。農作物を税として納めるしくみは、年によって収かく高が変わるため、税の量が安定しません。そこで、毎年同じ量の税を集められるように土地の値段を決め、それに応じて毎年同じ金額の税を納めるしくみをつくりました。また、土地だけに税をかけるのでなく、個人や企業のもうけに応じて税をかけるなど、現在の税金のしくみの基本が出来上がりました。

 では、消費税はいつごろからあるのでしょうか。消費税は1989(平成元)年3月に3%の税率で始まりました。その後、1997年4月に5%、2014年4月に8%と税率が上がり続け、ついに、2019年10月から10%になりました。

 消費税は、ものを買ったりサービスを受けたりしたときに納める税です。ものを買う人が大人でも子どもでも等しく納めなければなりません。日常の買い物でも税をしはらっているわけです。

 これからますます少子高齢化が進む日本では、税金でやらなくてはならないことが増える一方で、税金を負担する人が減っていきます。このままでは国の借金はふくらむ一方です。これを解決するためには税金のむだづかいをやめ、税収を増やしていくしかないわけです。

 税収を増やすには消費税率を上げるのが一番簡単です。現在の税率は10%ですが、今後、15%、20%と上がっていくことになると主張する専門家も多くいます。日本の行く末が大変気になります。


掲載日:2020年2月10日
次回の掲載は、2020年3月9日の予定です。

[2020/01/13] 混ぜて「とかす」と温度が変化する


 砂糖(さとう)を水にとかすとどうなるでしょうか。もちろん、あまい砂糖水ができますね。しかし、それだけではありません。できた砂糖水は、砂糖をとかす前よりも少し温度が下がっています。これは砂糖水に限りません。これ以外にも、混ぜて「とかす」と温度が変化するものがいろいろあります。

 それはなぜでしょうか。

 実は、「ものが水にとける」とは、ものをつくっているとても小さなつぶ(これを分子といいます)が水の中でばらばらになって、水の分子と一様に混ざり合うことをいいます。つまり、ものの分子だけで結びついていたときとは、少し結びつき方が変わるのです。

 砂糖や尿素(にょうそ)などのいくつかの物質では、この変化が起きるときに最初のときよりもエネルギーが少し多く必要になることから、まわりから熱エネルギーをうばいとり、温度が低い状態になります。

 逆に、アルコールなどの別のいくつかの物質では、この変化が起きるとエネルギーがあまってしまうので、熱エネルギーを外に出し、温度が高い状態になります。

 このしくみを利用したものが、暑いときや熱が出たときなどに便利な「携帯冷却パック」です。中には尿素と水入り容器が入っていて、押しつぶすと水容器がこわれ、水と尿素とが混ざって冷えるようになっています。

 いつ、公立中高一貫校入試で取り上げられても不思議ではないテーマです。


掲載日:2020年1月13日
次回の掲載は、2020年2月10日の予定です。

[2019/12/09] 水道民営化について知っていますか??


 日本中にはりめぐらされている水道管の長さは,およそ66万kmで地球16周分の長さになります。いま,この水道管が大きな問題をかかえています。

 水道管の耐用(たいよう)年数はおよそ40年といわれています。2018年現在,この耐用年数をこえていまもそのまま使われている水道管は全体の14%をこえており,毎日どこかで古くなった水道管から水もれを起こしているという状況(じょうきょう)です。

 この問題を解決することは簡単です。耐用年数をこえた水道管を新しいものに代えればよいだけのことです。しかし,そのためにはばく大なお金がかかります。そのお金を水道料金に反映させるといまの水道料金の何倍にも上がってしまうそうです。水道料金が値上がりするのはさけられないとしても,できるだけ低くおさえる方法を考える必要があります。なぜなら,水は生活になくてはならないものですから。

 そのための方法として国が考えたのが水道事業の民営化です。2018年12月,水道法が改正され,市町村などの地方自治体がになってきた水道事業を,民間の会社に任せることができるようになりました。これにより,地方自治体と契約(けいやく)した民間の会社は自治体にお金をはらって,浄水場(じょうすいじょう)や水道管などの設備を借り,決められたはん囲内で水道料金を設定し,水道事業をおこなうことができるようになりました。このように,民間の会社に公共事業の運営を任せることを「民営化」といいます。

 ふつう,地方自治体よりも民間の会社のほうが経営が上手なので,民間の活力を利用することで水道事業もより効率的な運営ができる可能性があります。それにより水道料金の値上げもおさえられるかもしれません。しかし,生活必需品(ひつじゅひん)である水道を民間の会社に任せていいのだろうかと心配する人たちもいます。外国では民営化したものの水道料金がそれまでの数倍になったり,質の低下がみられたりして,もとの公営にもどされた例もあります。

 香川県では全国に先がけて水道事業が2019年4月から一元化されました。県内16市町と県で広域水道企業団を構成し,これまで地方自治体ごとにおこなっていた経営を効率化し,人口減少に伴う水道料金の値上げをおさえようとしています。県全域の水道事業の統合(とうごう)は全国初で,古くなっている浄水場の統廃合(とうはいごう)も進め,現在71か所から,10年後には38か所まで減らす予定です。これにより,将来の水道料金の値上げを最小限におさえることができそうです。

 水道事業を民営化するかどうかは各地方自治体の判断に任されています。どちらにしてもこの問題はさけて通ることのできないものです。


掲載日:2019年12月9日
次回の掲載は,2020年1月13日の予定です。

[2019/11/11] キャッシュレス決済が広がっています


 お札や硬貨(こうか)といった現金(キャッシュ)がなくても,お店やインターネットで買い物ができるキャッシュレス決済が広がっています。お店の人手を減らしたり財布(さいふ)を持ち歩かなくてもよかったりするなど便利な面もあり,サービスを手がける会社が増えています。
注)決済とは,お金を支払(しはら)ってものの受け渡(わた)しや取引を完了させることをいいます。

 キャッシュレス決済では,JR東日本の「Suica(スイカ)」やイオンの「WAON(ワオン)」,セブン-イレブンの「nanaco(ナナコ)」といった電子マネーをはじめとして,クレジットカード,銀行口座の残高からすぐにしはらわれるデビットカード,「PayPay(ペイペイ)」などのスマホ決済(QRコード決済ともいう)など,いくつかの種類があります。日本銀行の調査によると,キャッシュレス決済の利用額は70兆円をこえていて(2018年),ネットショッピングやスマホ決済の普及(ふきゅう)などで2019年はさらに増えると考えられています。

 キャッシュレス決済のタイプは,実際にお金を支払うタイミングで3つに分けられます。

■前払い
 スマホやカードにあらかじめ入金(チャージ)しておき,その分だけ支払いに使える。「Suica」「WAON」「nanaco」などの電子マネー,「Paypay」などのスマホ決済がこれにあたる。
■即時(そくじ)払い
 支払うとすぐに自分の銀行口座からお金が引き落とされる。銀行などが発行するデビットカードなどがこれにあたる。
■後払い
 カード会社が代金を立て替(か)え,お金を使った人はあとからカード会社に支払う。VISA(ビザ),マスターカード,JCBなどのクレジットカードがこれにあたる。

 ただし,「Paypay」などはクレジットカードを使って入金できるため,前払いといいながら,実質的に後払いの場合もある。

 キャッシュレス決済が広がることで,今後,お店の無人化が可能です。すでに中国では,コンビニエンスストアなどの無人化が進んでいて,スマホをかざして入店し,商品のバーコードを読み取ってお金を支払うしくみが採用されています。また,アマゾン・ドット・コムがアメリカ合衆国で運営する「アマゾン・ゴー」というお店にはレジがありません。天井やたなに取りつけたカメラやセンサーで,だれがどんな商品を買ったかを見張っていて,お金はお店を出たときにそのお客さんのクレジットカードから自動的に支払われます。

 確かに,クレジットカードやスマホの悪用への不安などはありますが,現金はぬすまれたり落としたりすればそのままなくなってしまいますが,カードやスマホの場合はデータを追跡(ついせき)できるため,手元に現金を持っているよりもかえって安全になると考えられています。

 また,キャッシュレス決済により,働く人や働く時間を減らせるため,今後,人口減少をむかえる日本にとっての切り札になる可能性もひめています。

 社会に大きな変化をもたらすキャッシュレス決済。これからも要注目です。


掲載日:2019年11月11日
次回の掲載は,2019年12月9日の予定です。

[2019/10/14] コンビニエンスストアの24時間営業は必要か??


 日本初のコンビニエンスストアは1971年に開店しました。その後,1975年にセブン-イレブンが24時間営業を開始して以来,少しずつ24時間営業のお店が増えていきました。いまでは,「コンビニは24時間開いていて当たり前」の時代になっています。

 しかし,今後それは当たり前ではなくなるでしょう。

 この説明をする前に,簡単にコンビニのしくみを説明しておきます。ほとんどお店は家族経営のフランチャイズで,本部と契約してお店を運営しています。お店で売る商品はすべて本部から仕入れ,売り上げに応じて一定の割合をロイヤリティーとして本部に支払います。フランチャイズとしてお店を経営する人をオーナーといい,お店を運営するのにかかる経費はすべてオーナーの負担です。

 では,なぜ24時間営業が取りやめるコンビニが出てくるのでしょうか。一番大きな理由は人手不足です。要は,コンビニ運営のかなめとなるアルバイト(パートをふくむ)が足りないのです。そのため,24時間営業を続けるためには,そのお店のオーナーと家族が昼も夜も働くことになります。オーナーは経営者なので働く時間の制限がありません。このままでは働き過ぎでたおれてしまうオーナーが出てきてしまいそうです。

 考えてみれば,夜通しお店を開けることで利益が増える場所と,お店を開けることで人件費や光熱費ばかり増えてしまい,逆に利益が減少する場所があるのは当然といえるでしょう。売り上げが上がらなくても地域の人たちのために24時間営業が欠かせないとオーナーが判断する場合もあるでしょうし,これ以上24時間営業を続けることができないと判断するオーナーもいるでしょう。

 今後,コンビニの営業時間はオーナーが決める流れが加速すると思われます。

 コンビニ最大手のセブン-イレブンも最初はその名の通り,朝7時から夜11時までが営業時間でした。もう一度その原点にもどってみるのもよいかもしれません。

 みなさんはどう思いますか。コンビニは24時間営業が当たり前だと思いますか。それとも,深夜は閉まっていてもいいと思いますか。


掲載日:2019年10月14日
次回の掲載は,2019年11月11日の予定です。