公立中高一貫校をめざす方へのお役立ちサイトです。
ぜひご活用ください!

ひろやん道場

PROFILEひろやん先生プロフィール

ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2018/05/07] 記述式問題に取り組む際のポイント


 いよいよ5月からむぎっ子通信添削が始まります。毎年,受講生のみなさんから数多くの質問が寄せられますが,最も多いのが「記述式問題への対応」です。確かに,公立中高一貫校入試は,記述式問題が大半をしめますからね。
 そこで今回は,記述式問題に取り組む際のポイントをまとめます。

 まず,記述式問題に取り組むときは,当然ながら,飛ばし読みをすることなく,会話文や設問を正確に理解しなければなりません。そして,その問題で何が問われているかをしっかりつかみ,それに対して的確に答える必要があります。

 まあ,あたりまえの話なわけです。

 ただし,これは「言うは易く行うは難し」の典型で,なかなか思うようにいきません。

 みなさんの答案を添削をしていると,問われていることとずれた答えが多く見られ,しかもその答えを書いている本人は気づかないようです(まあ,だから,答えを堂々と書くわけですが)。しかし,せっかくがんばって答えを書いても,問われていることに答えていなければ,どんなにその答えが正しくても0点です。

 たとえば,「あなたの血液型は何型ですか。」という問題があったとします(公立中高一貫校入試本番では,こんな問題は出ませんが)。「わたしはおとめ座です。」と答えても0点ですね。しかし,当の本人は9月生まれなので,本当におとめ座なのです。

 わたしが何を言いたいか,わかりますね。実は,公立中高一貫校入試は,意外とこういったまちがいの連続です。要は,「書かれている答えは正しいけれど,そんなことは聞いていない。だから0点。」だと。いかに答えが正しくても,または立派な答えでも,問われていないことはいくら書いても0点なのです。特に,小学生の場合,記述式問題の難しさは,こういったところにあります。

 また,設問条件を見落としてしまう答案もよく見かけます。「一文で答えなさい。」「資料をもとにして答えなさい。」といった問いに対して,二文になってしまったり,または,文末に句点を書いていなかったり(文末に句点を書かなければ,そもそも「文」ではありません),資料から根拠(こんきょ)を見つけ出すことなく,自分の知識や推察をもとに答えてしまったりすると,減点,または0点です。

 そのため,このようなミスを防ぐために,まずは大切だと思うところに下線を引きながら読み進めましょう。また,したがうべき条件はマルで囲むくせをつけましょう。

 一方,テキストや過去問に取り組むとき,そもそもハードルが高いという面があるのも知っておきましょう。というのも,解答例と自分の答えが異なっている場合の正誤の判断が当事者ではかなり難しいからです。解答例と表現がちがうからといって,すぐに自分の答えはバツだと判断するのはよくありません。その前に,本当にまちがえなのか,あるいは表現はちがっていても本質的に合っているのかどうかを深く深く考えなければなりません。

 むぎっ子通信添削でも,解答例とは異なるものの,書かれている答えを正解にする場合が多々あります。確かに,自分で書いた解答が正しいかどうかなど,自分で判断できるものではありませんが,仮にそうした状況になったとき,見た目の表現にまどわされることなく,本質的にその説明が正しいのかどうかを考えるくせをつけましょう。

 また,保護者様がお子様の答案を採点する場合は,特に注意が必要です。解答例は,模範的な表現で書かれていますので,お子様の答案が稚拙に見えるのはあたりまえのことです。しかし,だからといって,お子様の答案を即座にバツにすれば,それはお子様の可能性を削いでしまうことになります。くり返しになりますが,見た目の表現にまどわされることなく,本質的にその説明が正しいのかどうかを判断してください。

 最後に,私は解答例の音読を強くおすすめしています。なぜなら,黙読(もくどく)よりも,答え方の調子や言い回しなどが体を通して身につくからです。さらに,「これはいい!!」と思った解答例は,ノートに書き写してみましょう。音読したり書写したりすることで,解答例のよい点をまねるきっかけになり,記述式問題を習得するためのコツが早く身につきます。


掲載日:2018年5月7日
次回の掲載は,2018年6月4日の予定です。

[2018/04/02] 公立中高一貫校に向けた入試対策を考える


 今回は,公立中高一貫校入試に向けて,どのような勉強をすればよいのか,その対策について3つの観点から考えます。ただし,学校によって問題の傾向(けいこう)が異なるため,対策も学校ごとにくわしく検討(けんとう)する必要がありますが,ここでは全体的な対策ということでお読みください。

 第一に,学校の授業で習うことをしっかりと学習し,覚えるべきことは覚え,理解すべきことは十分に理解しましょう。教科書の範囲(はんい)をこえた知識を身につけることができればさらに有利になる場合も多々ありますが,合格への土台作りは,まずは学校での学習にあることを忘れないでください。

 国語・算数・理科・社会の主要4教科の中からおもに出題されますが,これに限らず,体育・家庭科・図工・音楽の技能科目に対しても前向きに取り組みましょう。「調査書も合否判定の一部に加算されるから」というのも理由の一つですが,主要4教科をこえたさまざまな経験が柔軟な思考力をつくり上げてくれると私は確信しています。

 第二に,公立中高一貫校では,多くの資料をもとに分析(ぶんせき)・考察する問題が出題され,いずれも長文の会話文や問題文が多く見られます。学校のテストや私立中学の入試問題とは傾向がまったく異なるため,それ相応の教材,たとえば,公立中高一貫校対策用のテキストやテスト,添削(てんさく)などを学校の勉強と併行(へいこう)して取り入れる必要があります。むぎっ子通信添削に申し込んでくれた方は,いっしょにがんばりましょう。

 第三に,公立中高一貫校入試では,説明や理由を答える形式,つまり記述式が中心です。また,国語では文章の要約や作文が出題されます。したがって,「問われていることに対して考えを整理して説明する」「自分の経験をもとにして文章を書く」ということに十分に慣れる必要があります。だれが読んでも理解できるようなわかりやすい解答を書く力の習得は,1か月や2か月といった短期間ではとてもできるようにはなりません。「毎日少しずつでも日記をつける」「1週間に1回は原稿用紙1~2枚程度の作文を書いてみる」などの習慣をなるべく早くからつけてください。

 以上が入試対策としての柱になりますが,勉強を進めていく前提(ぜんてい)として大切なことは,身のまわりのあらゆることに興味・関心を持って臨むということです。これが入試対策そのものであるということを自覚しましょう。

 たとえば,クラスで何か問題が起こったとき,「その問題はなぜ起こったのか」「解決するためにはどうしたらいいのか」と積極的に考え,解決しようとする姿勢が持てるかどうかが,公立中高一貫校入試の適性検査問題を解く上での底力になります。

 また,家族旅行へ行くとき,「どのようなスケジュールだと楽しいか」「どのようなコースで回ると効率的か」「どうしたら費用が安くすむか」などと考えてみるのも貴重な勉強です。旅行一つにしても,その準備を親まかせにせず自ら買って出るような好奇心(こうきしん)が,思考力や想像力を高めていく源になることは明らかです。

 生活すべてが学習の場であると考え,目の前のあらゆることが勉強の材料だととらえ,何に対しても自分自身で思考する習慣をつけること,これが最も大切な心構えだと断言します。公立中高一貫校が求めている生徒像とは,まさにそのような積極性・主体性を持った人材であるということをしっかりと理解してください。

 さあ,がんばりましょう。


掲載日:2018年4月2日
次回の掲載は,2018年5月7日の予定です。

[2018/03/05] 公立中高一貫校入試の傾向を知る


 新学年をむかえるにあたって,公立中高一貫校に関心を持ち始めた方が多くいらっしゃるでしょう。そこで今回は,公立中高一貫校では,おおむねどのような問題が出題されているのかを述べていきます。学校によって傾向(けいこう)が異なる場合もありますが,全体的な傾向ということで,お読みいただければと思います。

 公立中高一貫校入試は,「小学校で習う学習はん囲」で出題されることになっています。確かに,プラスアルファの知識があれば有利になる場合もありますが,まずは教科書の内容を確実に身につけることが第一歩です。

 国語,算数,理科,社会の主要4教科を土台に,これらの融合(ゆうごう)問題を出題する学校が多く,単に知識を問うのではなく,「考える力」や「表現する力」があるかどうかを試すことが入試の目的になっています。どの科目も,あたえられた資料などをもとに分析(ぶんせき)・思考し,他人にわかりやすく説明する力が求められるというわけです。「~を計算しなさい」「~を何といいますか」といった,数字やことばだけで答える問題よりも,「~の理由を述べなさい」「~からわかることを書きなさい」といった記述式が中心です。

 国語は,あたえられた文章を読んで筆者の主張を要約したり,主張に対して自分の意見を述べたり,体験したことをもとに作文を書いたりする問題が多く見受けられます。
 算数は,ルールや条件にしたがい作業をおこなう問題,図形や条件整理,ゲームやパズル的な内容のもの,また,直感的なひらめきを必要とする設問も出題されています。
 理科は,実験や観察をもとに分析し,考察・処理する力があるかどうかが問われます。実験そのものについても,何に注意をはらい,どのような手順をふむべきかを考えさせる問題も多く出題されています。
 社会は,会話文や資料を読み,グラフや表,図などをもとに,そこから見い出せることを答える設問が中心です。算数や理科も同様ですが,あたえられた会話文は長いものが多く,たくさんのグラフや表などを関連づけて考える力が試されます。

 このような傾向を見ると,公立中高一貫校の問題は少しとっつきにくい印象を受けるかもしれません。しかし,自らの頭で考えることの楽しさがわかり,時間がたつのも忘れて取り組む受検生が多くいます。
 数年後には,大学入学共通テストの導入が決まっていることからも,主体的に取り組んで問題を解決し,正確に伝える力がますます求められる時代になってきています。真の意味で役に立つ本質的な勉強を小学校高学年の時期におこなうことは,最終的な合否に関わらず,きわめて貴重な経験です。

 次回は,以上のような傾向がある公立中高一貫校入試に対して,どのような学習をしていったらよいのか,その対策についてまとめていきます。


掲載日:2018年3月5日
次回の掲載は,2018年4月2日の予定です。

[2018/02/05] 公立中高一貫校入試を終えたみなさんへ


 公立中高一貫校入試が終わりました。結果はいかがだったでしょうか。
 合格したみなさんには,心からお祝いを申し上げます。一方,残念な結果に終わった方もいらっしゃるでしょう。あれほどがんばったのに合格できなかったと涙を流した方もいたでしょう。しかし,合格できた方にも,合格できなかった方にも,これまでのみなさんの努力に心から敬意を表したいと思います。

 公立中高一貫校が出題する適性検査問題は,文章や資料を読み取る理解力や分析力,そして,あたえられた材料をもとに推察したり解決したりする思考力,考えたことがらをわかりやすく伝える表現力などが問われます。つまり,知識を問うだけではなく,ものごとを自分自身の頭で考えたうえで他者へ正確に伝達する力が求められます。

 小学校高学年という頭が柔軟(じゅうなん)なこの時期に,自分の頭で一生懸命(いっしょうけんめい)に考え,そして表現するという学習を経験したみなさんは,合否(ごうひ)に関わらず,みなさんが想像しているよりはるかに大きな「人生の宝物」を手にしたと確信しています。

 これからの人生には,たくさんの楽しいこともある反面,苦しいことやつらいこともあるでしょう。しかし,身の回りの問題を解決しようとするとき,そこに「模範(もはん)解答」というものは存在しません。したがって,状況(じょうきょう)を客観的にとらえ,自らの頭で考えて解決策を探し出さなければならない場合がほとんどです。

 また,個人のみならず,現在の社会には解決しなければならない難問がたくさんあります。日本では少子高齢化や人口減少の問題,子育てや育児の問題,エネルギー問題,その他数えきれないほどの課題があります。また,世界を見渡しても自然破壊や地球温暖化,エネルギー資源や食料資源の問題をはじめとして深刻な課題が山積みになっています。

 世の中はいま,答えの用意されていない問題に果敢(かかん)に挑戦(ちょうせん)し,日本や世界の人々がより幸せになれるような解決策をしっかりと考えることのできるリーダーを求めています。

 中学校へ進学したら,学習内容も一段と難しくなります。英語の授業が本格的(ほんかくてき)に始まり,算数も数学と名が変わって抽象的(ちゅうしょうてき)な学問になります。また,社会や理科その他の科目もさらに内容の深い学習となり,今まで以上に前向きな気持ちで臨む姿勢が求められます。

 みなさんには,公立中高一貫校の受検勉強で手に入れた宝物を土台にして,いずれは世界の人々を幸せにする大人になるのだという大きな目標を持って,テストの点数のためだけというのではない,生き生きとした本物の勉強を通して成長してほしいと心から願っています。


掲載日:2018年2月5日
次回の掲載は,2018年3月5日の予定です。

[2018/01/01] 入試直前は自分の弱点を見極めて勉強に取り組もう


 昨年12月から公立中高一貫校入試が断続的に始まりましたが,いよいよ今月から全国で本格化します。今回は,入試をむかえるみなさんが本番までの仕上げとしてどのような勉強をしたらよいかについてお話しします。

 1つ目は,これまでに解いた問題の解き直し,つまりふり返りです。入試対策で利用したテキストがあれば,十分に理解できていない単元をピックアップして,もう一度復習しましょう。むぎっ子通信添削やむぎっ子模試などを受けてきた人は,第1回からすべて見直しましょう。これらを通じて,問題を解いたときには気づかなかった点や復習したときには見つけることができなかった自分の弱点など,新たな発見ができるでしょう。

 2つ目は,学校で習った内容で,理解や暗記が不十分なところがないかどうかをさぐり,もしあればその補強をしてください。たとえば,忘れている漢字が多いようなら,毎日少しずつでもよいので覚え直し,算数で要(かなめ)である計算や割合の問題が苦手であるようならくり返して復習しましょう。
 これまでに解いた問題のふり返りをしたり,教科書や漢字・計算ドリルなどを復習したりするといった勉強は,一見するとむだだと思いがちですが,それは大きなまちがいです。実のところ,そのようなあたりまえのことから点差が開いて合否が決まっていきます。自分の弱点を客観的にとらえ,やりたい勉強を気ままにするのではなく,やるべきことをきちんとやることが得点に結びつきます。

 3つ目は,単独で作文問題が出題される公立中高一貫校を受ける人は,文章を書くという作業を毎日おこなってください。その日に学校であった出来事やテレビのニュースを見ていて思ったことなど,題材は何でもよいと思います。自分の考えを交えて,読む人にわかるようにまとめていきましょう。文章を書いたら家族のだれかに読んでもらい,感想を聞くのも動機づけになります。もし,どうしても書くことが見つからないようでしたら,過去問で出題された文章の一部を書き写すだけでもよいでしょう。書くという作業を数日おこたると作文の感覚がにぶってしまいます。

 入試直前までおこなってほしい勉強は以上の3つですが,過去問への取り組みが不十分だと思われる場合は,当然のことながら合わせて取り入れてください。各年度,最低2回はくり返し,さらに余裕(よゆう)があれば志望校以外の初見の過去問を解いてみるのもよいでしょう。取り組み方は前回書きましたのでぜひ参考にしていただきたいと思います。

 そして,何より大切なのが健康管理です。入試直前になると睡眠(すいみん)時間をけずってまでがんばる姿を時折見かけますが,それはまちがっています。そうではなく,万全な体調を保って入試本番をむかえるのがベストな過ごし方です。規則正しい生活をして,うがい・手洗いを必ずおこない,不必要な外出はひかえましょう。

 入試本番までの日数が少なくても,努力さえおこたらなければ最後の1日まで実力はのびます。勉強している本人に実感はないかもしれませんが,最後の最後まで実力はのび続けると断言できます。これまでの模試などの結果はどうであったとしても,このことを信じて希望を持って本番に向かってつき進んでほしいと思います。みなさんの合格を心からお祈(いの)りします。


掲載日:2018年1月1日
次回の掲載は,2018年2月5日の予定です。

[2017/12/04] 志望校の過去問を効果的に活用しよう!!


 今回は,志望校の過去問の活用法をお話しします。

 入試問題(過去問)は,「こういう問題が解ける生徒に入学してほしい」という,その中学校からのメッセージです。公立中高一貫校によって出題傾向(けいこう)も異なることから,おのずと対策(たいさく)も変わってきます。よって,十分な時間を確保して過去問に取り組みたいものです。

 まず,言うまでもありませんが,正確に時間を計って試験時間内で過去問を解きましょう。入試本番のつもりで,静かな場所で気持ちを高めてください。たとえ時間が余っても試験時間が終わるまで見直しをしてください。

 作文以外の算数,理科,社会系の問題は,試験開始後,すべての問題をざっと見渡して,解けそうな問題と後回しにしたほうがよさそうな問題を見極め,解けそうな問題から確実に解いていきましょう。

 えんぴつを手に持ち,会話文,資料,問いの文の中で大切だと思われるところに印をつけたり下線を引いたりしながら読み進めましょう。問われていることは何か,つまり答えなければならないことは何なのかをしっかりとつかみながら問いを読んでください。

 字は上手でなくても構いませんがていねいに書きましょう。ある程度スピードをあげて書く必要はありますが,採点者に「自分の答案を読んでいただく」という気持ちを忘れないでください。また,国語の授業で習った漢字は,できるだけ漢字で書きましょう。ただし,忘れてしまった場合はひらがなでもしかたありません。無理をして漢字で書いてまちがえたら減点になります。

 試験時間が過ぎたら,いったん問題を解くのをやめて答えの丸つけをし,どの程度できたかを確認(かくにん)してください。その後,さらに時間を使って,まちがえた問題や解けなかった問題,時間切れで手をつけられなかった問題をもう一度考えてください。もうこれ以上考えてもわかりそうもないというところまで徹底的(てっていてき)に考えつくしたら,ふたたび丸つけをします。

 これ以降が大切な作業です。
 答えが合っていた問題は考え方が正しかったかを確認し,まちがえた問題はなぜまちがえたのかを分析(ぶんせき)してください。
 会話文や問いの読みまちがえ,条件や指示の見落とし,計算ミス,知識不足,少し気をつければ防げたケアレスミスなど,正解したつもりの問題でまちがえたときはその原因をしっかりつかみましょう。
 さらに,解く問題の順番は適切だったか,難しい問題に時間をかけ過ぎなかったか,どのようなくふうをすればもう少し得点できたか,次に解くときに気をつけるべき点は何かなど,取り組み方についてもふり返ってみることです。

 まちがえた原因や取り組み方への反省点を明確にしておけば,同じまちがえをくり返すことが少なくなります。それらをメモしておき,過去問を解くたびに「同じミスはしない」とはっきり意識して取り組むことで,つまらないまちがいが減っていきます。

 また,記述の答えは一通りではありません。解答例はあくまでも一つの例であって,必ずしも書かれている通りでなくてもよい場合が多いので注意しましょう。解答例と自分の答えがちがう場合,本質的なところが合っているかどうかをしっかり考察する必要があります。

 最初はなかなか高得点が取れないかもしれませんが,落ちこむ必要はありません。あなたの学力は入試本番の日までのび続けます。入試直前期はプラスのことだけを考えて,マイナスの感情を引きずらないようにしましょう。入試本番でも満点を取る必要はないのですから,明るい気持ちで,1点でも多く得点するための対策だけを考えましょう。

 第一志望校の過去問は,最低2回はくり返して解いておきたいものです。問題の傾向に慣れておけば,精神的に余裕(よゆう)を持って入試本番にのぞむことができます。

 とはいえ,前年度までの傾向がそのまま続く可能性は高いものの,100%そうだとは言い切れません。ある年度から傾向が変わることも十分にあり得ます。しかし,万が一傾向が大きく変わって目新しい問題が出てもあわてないようにしましょう。その対策として,志望校だけにこだわらず,他の公立中高一貫校の過去問もある程度解いておくことも有効です。


掲載日:2017年12月4日
次回の掲載は,2018年1月1日の予定です。

[2017/11/06] さいたま市立浦和中学校の傾向と対策


 今回は,さいたま市立浦和中学校の2017年度入試をもとに,同校の傾向(けいこう)と対策(たいさく)を見ていきます。

 2017年度入試は,第1次選抜(せんばつ)で適性検査Ⅰ・Ⅱが,第2次選抜で適性検査Ⅲが実施(じっし)され,Ⅰ~Ⅲのいずれも試験時間は45分間でした。

 適性検査Ⅰは,大問が5問(国語が3問,社会が2問)です。
 国語は文章が3つ,小問数は11問で,その割合は,選択(せんたく)問題が4問,記述問題が7問でした。登場人物の心情や考え方,内容理解,慣用句,接続詞など多角的に出題されています。文章そのものはそれほど難しくはなく,設問も基本的なものがほとんどですが,問題分量にボリュームがあり,高い読解力が求められています。
 社会の小問数は8問で,能の様式がつくられた時期,縄文時代の貝塚のようす,江戸時代の将軍の宿泊地(しゅくはくち),さいたま市の鉄道・バスの利用や役割について出題されました。細かい知識を問う問題は見られませんが,会話文や地図,地形図,グラフなどの資料を読み取り考察できるか,また,社会事象の特ちょうをとらえ,その意味を考えることができるかが問われています。記述問題の割合が高く,資料等を的確に読み取ったうえで手際よく答えていく必要があります。
 適性検査Ⅰの対策としては,文章を集中して読み,短時間で資料を読み取って内容をとらえる練習が必要です。大問1問につき10分弱の時間配分になるため,過去問を解くときは,解けそうな問題と後回しにしたほうがよさそうな問題を見極め,解けそうな問題を確実に解くという気持ちを忘れないでください。

 適性検査Ⅱは,大問が5問(算数が3問,理科が2問)です。
 算数の小問数は13問で,新幹線を題材にした速さや時間,座席の座り方,電気使用量を題材にした割合,さいころを題材にした空間図形,ごみ処理しせつを題材にした体積や作業時間の問題などが出題されました。
 理科の小問数は7問で,磁石を用いた実験と月の満ち欠けについて出題され,実験結果の考察ができるか,また,基本的な原理が理解できているかがためされています。
 適性検査Ⅱも,標準的な問題が多いといえますが,考えづらい問題も出題されているため,適性検査Ⅰと同様,解けそうな問題から確実に解くという戦略が求められています。算数は,学校で習う内容は確実に理解し,計算力をきちんと身につけておきましょう。また,算数は解き方の説明,理科では実験結果の理由についての記述問題が出されていますので,わかりやすい言葉で説明する練習も必要です。
 過去3~4年間の適性検査問題を見ていくと,速さときょりの問題,立体図形に関する問題,割合,実験や観察から結果を考察する問題は出題頻度(ひんど)が高く,軽視できません。

 第2次選抜でおこなわれた適性検査Ⅲは,大問が3題出題されました。いずれも250字以内で記述するもので,さいたま市の自転車事故に関するグラフをもとにした問題,自動車の停止きょりの求め方を説明する問題,世界の食料問題について発表内容を書く問題でした。グラフや資料,会話文を正確に読み取り,設問に沿って自分の意見もまじえて論理的にわかりやすく表現できるかが問われています。
 対策としては,複数の資料を読み取る問題に慣れること,また,読み取ったことがらをもとに200~300字程度で論理的に表現する練習が必要です。

 第2次選抜では,適性検査Ⅲとともに,個人面接,集団面接がおこなわれました。
 個人面接(10分程度)は,入学への意欲や目的意識,将来の夢などが聞かれています。集団面接は,1グループ8人程度で話し合うもので,課題に対する解決に向けて,どのようにリーダー性,協調性,コミュニケーション能力を発揮するかが評価対象となっています。2017年度は,環境問題について「私たちが住んでいる地域からできる」具体的な対策についてが課題でした。しっかりとした意見が言えるように,日ごろからニュースや身近な問題に関心を持ち,問題点を考え,その解決策を見つけるなどの習慣を通して,発言内容の引き出しをたくさん作っておきましょう。


掲載日:2017年11月6日
次回の掲載は,2017年12月4日の予定です。

[2017/10/02] 埼玉県立伊奈学園中学校の傾向と対策


 今回は,埼玉県立伊奈学園中学校の2017年度入試をもとに,同校の第一次選考の傾向(けいこう)と対策(たいさく)を見ていきます。

 2017年度入試は,前年同様,作文Ⅰ・Ⅱがおこなわれ,試験時間はいずれも50分間でした。

 作文Ⅰは,大問が4問(社会が1問,国語が3問)です。

 社会は,地理と歴史から小問が4つ出題されました。各月と年間の平均気温やコンテナ船,吉野ケ里遺跡(よしのがりいせき)やノルマントン号などに関して, 20~70字程度の範囲での記述問題が5題ほど出されています。教科書の内容をきちんと学習することがまず必要ですが,ただ覚えるだけではなく,1つひとつのことがらについての内容や背景をしっかりおさえながら勉強していくことが大切です。

 国語は,文章題が2題あたえられました。 熟語に関するもの,登場人物の気持ちを述べるもの,傍線部(ぼうせんぶ)の意味や理由を問うものなど,10~50字程度の範囲内での記述問題が7題ほど出されています。また,最後の問いでは,「言葉で人を傷つけないために,どのようなことに気をつけているか」をテーマとして,8行以上10字以内で書く作文が出題されています。あたえられた文章は平易なものですが,社会と合わせて50分という時間を考えると,読解力とともに短時間で答えを組み立てて表現する力を養っておく必要があります。

 作文Ⅱは,問1,2,4が理科,問3,5,6が算数でした。小問数にすると,理科が8問,算数が9問です。

 理科は,空気の性質,種子の発芽,気温について出題されました。基本がきちんと理解できていれば解答できる設問ですが,そのほとんどが少なくても40字,多いと100字程度(もしくは字数制限なし)で説明する問題ですので,ものの性質や自然現象,実験などに対してうろ覚えではない本質的な理解と表現力が求められているといえます。

 算数は,比例,曜日,平均,円の面積などが出題されました。各問とも,(1)(2)は取り組みやすい基本的な問題でしたが,(3)の問題(3年後の曜日を求める問題,分配した卵の数から人数を求める問題,2台の機械を使うときにかかる時間を求める問題)は苦労した人も多かったと思います。時間の配分が勝負となりますので,てこずりそうな問題は後回しにして,解ける問題を確実に解答するというやり方もときには大切です。

 作文Ⅰ,Ⅱはその名称の通り,4科目とも文章で記述する問題がほとんどです。学校の授業を大切にして教科書をきちんと習得し,表面的な知識ではなく本質的な意味をとらえることを重視した勉強が必要です。「今,勉強したことは,自分は本当にわかったのか? わかったつもりになっているだけではないのか?」と絶えず自問自答することを忘れないでください。

 さらに,算数でも理科でも,答えを出すまでの過程を50~100字程度の文章で書く練習を毎日のように続けること,その日に起こったことを題材に日記をつけて自分の考えをまとめる習慣をつけることなどが良い対策となります。

 また,自分で書いた文章の不自然さや欠点は,自分ではなかなかわからないものです。周囲の人に読んでもらってアドバイスしてもらうことも文章上達には有効(ゆうこう)でしょう。

 作文Ⅰ,Ⅱは100点満点で,国語,算数が32点ずつで計64点,社会,理科が18点ずつで計36点です。国語,算数を重視しつつも4科目を通してバランスのとれた学習が必要です。

 なお,第一次選考の合格者(=第二次選考受験候補者)は200名程度で,その後,第二次選考を受けることになります。第二次選考は1人10分程度の個人面接です。面接で自分の考えをきちんと述べることができるように,身の周りで起こることに関して常に問題意識を持ち,自分の頭で考えて解決する力を養っていただきたいと思います。


掲載日:2017年10月2日
次回の掲載は,2017年11月6日の予定です。

[2017/09/04] 東京都立立川国際中等教育学校の傾向と対策


 今回は,東京都立立川国際中等教育学校の2017年度入試(一般枠募集)をもとに,同校の傾向(けいこう)と対策(たいさく)を見ていきます。

 2017年度入試は,前年同様,適性検査Ⅰ・Ⅱがおこなわれ,試験時間はいずれも45分間でした。

 適性検査Ⅰは国語で,「自然を理解すること」をテーマとした文章が1題あたえられました。
 問題1・2は,傍線部(ぼうせんぶ)の意味を問う問題です。問題1は60字以上70字以内で,問題2は40字以上50字以内で記述する設問です。問われていることから脱線(だっせん)しないように,解答に必要と思われる部分には線を引きながら読み,それをもとにわかりやすくまとめる作業が必要です。文章量が多いので,段落ごとに要旨(ようし)をきちんとおさえながら読み進めましょう。
 問題3は,筆者の主張とそれに対する自分の考えを,420字以上460字以内で述べる作文です。出題形式としては極めてオーソドックスなものですが,筆者の主旨を正確に理解することが前提です。
 出題文は平易で読みやすい文章でしたが,いずれの問題も,筆者が述べたいことを正確にとらえなければ正解できません。そのためには,日ごろから多くの文章を読み,その内容を的確に読み取った上で,自分の考えを論理的に表現する練習が必要です。日記を書いたり,読書感想文を書いたりするなど,毎日少しずつでも構いませんので,考えたことを文字にする時間を確保することが実力の向上につながります。

 適性検査Ⅱは,大問が3問(算数・社会・理科)でした。
 大問1は「正三角形」を題材にした問題です。
 問題1は基本的な問題でした。答えの書き方に条件があるので,その条件に合わせて解答しましょう。確実に得点すべき平易な設問です。
 問題2は,正三角形の2通りの並べ方が書かれていて,どのようなちがいで2つのグループに分けたのかを問う問題でした。10行にもわたる長い設問なので,問われている内容をきちんとつかんだ上で考えなければなりません。
 問題3は,並べた三角形と「見かけ上の辺の数」の関係を説明する問題です。このような規則性の問題は,公立中高一貫校ではよく出題されますので,じゅうぶんに練習を積んでおきましょう。
 問題2・3は,適性検査Ⅱの中では最も考えにくい問題だったと思います。時間配分を考えながら,得点できそうもないと判断したら,解けそうなほかの問題をまず先に確実に解くというのも大切な作戦です。

 大問2は「野菜」を題材にした問題です。
 問題1は,家庭菜園の土の温度変化と,1日の気温の変化のグラフがあたえられ,畑の土の上にわらをしく理由を説明する設問でした。平易な問題ですが,「図2と図3をもとに」とあるので,2つの図にふれながらまとめなければならない点に注意しましょう。
 問題2は,作物の生産量の割合,産地の分布の特色を答える設問で,どちらも確実に正解したいところです。
 問題3は,ピーマンの産地の特色について説明する問題でした。平易な設問ではありますが,「表と図の両方をもとに特色を述べる」という点に気をつけなければなりません。
 
 大問3は「時間を計る方法」を題材にした問題でした。
 問題1は,「太陽,ふり子,ろうそく」のいずれかを選び,選んだものが時間を計るのに適している理由を答える設問です。「動きや性質にふれて」という条件にそって答えることができれば得点できたと思います。
 問題2は,実験の結果から得られるグラフを選ぶ問題です。表中の球が落ちる時間の増え方を注意深く読み取れば,容易に判断できる設問でした。
 問題3は,球の落下にえいきょうする条件とえいきょうしない条件を選び,その条件を選んだ理由を説明する問題です。ある条件が結果にえいきょうするかしないかを調べるためには,ほかの条件をすべて同じにして比べる(対照実験)ということが理解できているかがポイントです。

 適性検査Ⅱでは,大問1の問題2・3以外は典型的な問題がほとんどで,しっかり勉強した人にとっては得点しやすい設問でした。しかし,頭の中に答えがうかんでも,それを読む人にわかりやすく説明する力,また,問題の中で示されている条件に沿って答える力は,一朝一夕に養えるものではありません。添削問題や模試の問題を解いたとき,その問題が要求している条件をすべて満たしているかどうかを確認するためにも,模範(もはん)解答と比べながら,自分の解答を客観的にながめる意識を持ちましょう。
 また,学校の授業には前向きに取り組み,主体的に自分の頭で考えることが何よりも大切であることは言うまでもありません。

 適性検査Ⅰ,Ⅱは,それぞれ100点満点ですが,適性検査Ⅰは300点に,適性検査Ⅱは500点に換算され,これに報告書の200点が加わって1000点満点で判定されます。
 つまり,適性検査が80%,報告書は20%となり,1000点のうち適性検査の点数がしめる割合は,東京都立小石川中等教育学校,東京都立武蔵高等学校附属中学校,東京都立白鴎高等学校附属中学校,東京都立桜修館中等教育学校などより高くなっています。

 また,換算後の800点のうち,国語が300点,算数が200点をしめています。特に国語の記述力は,他の科目の得点源にもつながります。論理的に,かつ的確な表現力をみがくことに注力しながら,他の科目も基礎学力をおろそかにせずバランスよく学習していきましょう。


掲載日:2017年9月4日
次回の掲載は,2017年10月2日の予定です。

[2017/08/14] 東京都立大泉高等学校附属中学校の傾向と対策


 今回は,東京都立大泉(おおいずみ)高等学校附属中学校の2017年度入試をもとに,同校の傾向(けいこう)と対策(たいさく)を見ていきます。

 2017年度入試は,前年同様,適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3種類のテストがおこなわれ,試験時間はいずれも45分間でした。

 適性検査Ⅰは国語で,「自由」をテーマにした文章が2つ出題されました。どちらも平易で読みやすい文章です。
 問題1・2は,本文中から具体例を探(さが)して書く問題でした。どちらも文章の一部をぬき出して答えとするのではなく,筆者の主張を理解したうえで,本文中で使われている語句を用いて適切にまとめる必要があります。
 問題3は「自由」について2つの文章に共通する内容をまとめたうえで,自分の考えを400字以上450字以内で書く作文です。三段落構成で書くことや,それぞれの段落に書く内容などが指定されています。また,考えを一つにしぼることや,理由をふくめて書くことなどの細かいきまりもあることから,同校の過去問を解くときは,こういった条件やきまりを守りながら書く練習を積んでおきましょう。
 自分の考えを短時間でまとめて文章で表現する対策としては,何よりも日々の生活で起こるさまざまな出来事について積極的に考える習慣をつけましょう。そして,考えたことを継続的(けいぞくてき)に日記に書く訓練が効果的です。

 適性検査Ⅱは,大問が3問(算数・社会・理科)です。
 大問1は「正三角形」を題材にした問題でした。
 問題1は平易な問題です。とはいえ,答え方の条件に沿って解答しなければ得点できません。基本的な問題こそ落ち着いて問題文を読み,ケアレスミスを絶対にしないように気をつけましょう。
 問題2は10行にもおよぶ長い問題文なので,設問の意味をとらえるのに苦労した児童が多かったかもしれません。問題文中で定義されている言葉や示された条件などには線を引きながら正確に読み取る必要があります。
 問題3は,正三角形の数をもとにして「見かけ上の辺の数」を求める規則性の問題です。数列や規則性は公立中高一貫校でもよく出題されるので,典型的な問題に慣れておきましょう。 

 大問2は,「野菜の生産」を題材にした問題でした。
 問題1は,土の温度と気温の変化のグラフをもとに,畑の土の上にわらをしく理由を問う問題で,容易に正解できる設問といえます。
 問題2は,生産量の割合についての計算と産地の分布の特色を説明する問題でした。割合の計算はきわめて基本的なものなので,小数第4位まで求める割り算とはいえ,絶対に失点できないところです。
 問題3は,資料を読み取って説明する問題です。難しい問題ではありませんが,どちらか一つの表を選ぶことや,説明では県名をあげることなど,問題文中の条件をしっかりおさえる必要があります。

 大問3は,時間を計ることを題材にした問題です。
 問題1は,太陽,ふり子,ろうそくのいずれかを選び,選んだものが時間を計るのに適している理由を答える問題です。基本的な問題ですが,採点者が理解しやすいようにまとめる必要があり,記述力が問われました。
 問題2は,実験結果に当てはまるグラフを選ぶ問題です。結果の表をきちんと読み取れれば容易に正解が可能です。
 問題3は,実験結果からプラスチック球の落下にえいきょうする条件とえいきょうしない条件を選び,その条件を選んだ理由を説明する問題です。比べる条件以外はすべて同じ条件の実験を選ぶという「対照実験」が理解できているかどうかがポイントです。それさえわかっていれば,それほど難しい問題ではありません。

 適性検査Ⅲは,大問が2問(理科・算数)です。
 大問1は「ウキクサ」を題材にしたものでした。
 問題1は表をもとにグラフをかく問題,問題2は割合の問題です。基本が理解できていれば容易に答えられる問題ですので,落ち着いて確実に得点しましょう。
 問題3は,ウキクサが増えなくなる原因と,その原因を確かめる実験,そして,結果の予測を答える問題です。いずれも,ふだんの理科の実験や観察に積極的に取り組んでいるかどうかが問われています。

 大問2は「アルゴリズム(答えを導き出すための計算方法,処理(しょり)をする手順)」を題材にした問題です。
 問題1は,アルゴリズムにしたがって数を求める問題,問題2はフローチャート(手順を表した図)をもとに,図の中の空らんに入る条件を答える問題です。どちらも,会話文をしっかり読んで理解できれば正解できるでしょう。アルゴリズムやフローチャートという難しそうな言葉が出てきたためにあわててしまった児童が多かったかもしれません。しかし,筋道(すじみち)を追って読み進めれば必ず理解できる会話文になっているので,このような一見難しそうな問題こそ,落ち着いて取り組みたいものです。
 問題3は,規則的に増える面積の変化を理解する問題です。やや難しい問題ですが,解答らんを空らんのままにしてしまうことはさけたいですね。
 問題4は,サイコロにテープをはる問題です。規則性を見ぬけば正解できますが,空間図形に慣れていないと正解は難しかったかもしれません。大問2は,問題1~3の合計が40点で,この問題4だけで20点の配点ではありますが,少し考えて解けそうもなかったら後回しにして,ほかの解けそうな問題や解いた問題の見直しに時間を当てたほうが得策かもしれません。

 適性検査Ⅱでは大問1の問題3が,適性検査Ⅲでは大問2の問題3,4が解きにくかったかもしれません。しかし,それ以外の問題は,会話文や問題文に書かれていることや,問いで聞かれていることをしっかり理解すれば難しい問題ではありません。難問に時間をかけすぎて解ける問題で失点しないように気をつけましょう。

 日ごろから学校の授業を積極的に受け,特に,理科の実験や観察には主体的に取り組みましょう。また,4教科を通して説明問題が多いので,考えたことをわかりやすく文章で表現できるかどうかが合否(ごうひ)の分かれ目になります。日ごろから「自分が書いた文章を他人が理解できるか」という視点(してん)で練習を重ねてほしいと思います。

 適性検査Ⅰ~Ⅲは,それぞれ100点満点ですが,適性検査Ⅰは200点に,適性検査Ⅱ・Ⅲは各300点に換算(かんさん)され,これに報告書の200点が加わって1000点満点で判定されます。
 つまり,適性検査が80%,報告書が20%となり,適性検査がしめる割合は,東京都立武蔵高等学校附属中学校,東京都立桜修館中等教育学校,東京都立小石川中等教育学校,東京都立白鴎高等学校附属中学校などよりも高くなっています。
 適性検査Ⅲが理科・算数の問題であることから,換算後の800点のうち約35%を算数が,約25%を理科がしめています。算数や理科に力を入れながらも4科目にわたって基本をしっかりと身につけたうえで,資料を読み取る力や論理的に考える力,的確に表現する力を養っていきましょう。


掲載日:2017年8月14日
次回の掲載は,2017年9月4日の予定です。