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ひろやん道場

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ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2018/09/03] 記述説明問題を得意にするために<下>


 みなさん,こんにちは!
 前回は,記述がまったく苦手な人にとって,100~200字(あるいはそれ以上)の説明を解答らんに書くまでに,どのような手順で考えていったらよいかを書きました。
 その手順とは,「説明の材料を組み立てて骨組みを作ること」「組み立てたものをわかりやすい文章にして表現すること」の2つでした。やみくもに書き出し,書きながら考えるのではなく,おおまかな設計図を作ってから文字にするということです。
 今回は,具体的な例をあげて考えてみましょう。

【問題】
 鉄とアルミニウムのかけら,食塩,細かくくだいたガラスの4種類の物質が混ざったものが,ビーカーに48g入っています。次の【実験】を読んで,4種類の物質がそれぞれ何gふくまれているかを答えなさい。また,その答えをどのように求めたのかを説明しなさい。

【実験】
 4種類の物質が入ったビーカーに水を入れ,よくかき混ぜてからろ過し,ろ紙に残ったものを取り出してかわかしてみると18gであった。その18gの固体を,じゅうぶんな量のうすい水酸化ナトリウム水よう液に入れてとかしたあと,ろ過してろ紙の上に残った固体をかわかしてみると14gであることがわかった。さらに14gの固体を,十分な量のうすい塩酸に入れてとかしたあと,ろ過してろ紙に残ったものを取り出してかわかしてみると12gであった。


 まず,考え方を述べる上で必要な部分(材料となる部分)を拾い出してみましょう。次のような流れになりますね。もちろん本番では,拾い出すよりも,問題や実験の文中に下線を引いたり,言葉と言葉の間に矢印を書いて関連性を表したりするほうが時間の節約になります。

鉄,アルミニウム,食塩,ガラス + 水 → 48gの固体が残る。
48gの固体 + うすい水酸化ナトリウム水よう液 → 14gの固体が残る。
14gの固体 + うすい塩酸 → 12g残る。

 次に,説明の内容を考えながら,上の材料を組み立てます。

① 鉄,アルミニウム,食塩,ガラス・・・48g
  +水(食塩だけがとける) →よって,食塩は 48-18=30(g)
② 鉄,アルミニウム,ガラス・・・18g
  +うすい水酸化ナトリウム水よう液(アルミニウムだけがとける)
  →よって,アルミニウムは18-14=4(g)
③ 鉄,ガラス・・・14g
  +うすい塩酸(鉄だけがとける)→よって,鉄は14-12=2(g)
④ ガラス・・・12g

 みなさんが読んでもわかるように,少していねいに書きましたが,自分でわかれば十分なので,できるだけ時間をかけずに簡単に書き表しましょう。たとえば,①でしたら,
① 鉄,ア,食,ガ・・・48g
  +水(食塩だけとける),食塩は48-18=30(g)
としても,自分で書いたものならば自分でわかりますね。ここではていねいな字で書く必要もありません。

 次に,このメモ書きをもとに,どのように表現するかを考えます。読む人が理解できるかどうかを意識して,接続詞なども使って1回か2回,上の骨組みを目で追いながら,頭の中で文章にしてみましょう。頭の中でほぼ解答が出来上がったら,解答らんに書き始めます。
 
【解答・解答例】
重さ・・・食塩:30g,アルミニウム:4g,鉄:2g,ガラス:12g
考え方・・・4種類の物質48gのうち,水にとけるのは食塩だけなので,食塩は48-18=30(g)である。次に,鉄,アルミニウム,ガラスのうち,うすい水酸化ナトリウム水よう液にとけるのはアルミニウムだけなので,アルミニウムは18-14=4(g)である。また,鉄,ガラスのうち,うすい塩酸にとけるのは鉄だけなので,鉄は14-12=2(g)となり,最後に残った12gがガラスの重さとなる。

 算数や社会の記述についても手順は同様です。今回の例は,それほど複雑な組み立てを必要とする問題ではありませんでしたので,あえて骨組みを作るまでもないと感じた人も多いかと思いますが,整理しにくい解答を書かなければならない問題に出あったら,ぜひこの方法を試してみてくださいね。


掲載日:2018年9月3日
次回の掲載は,2018年10月1日の予定です。

[2018/08/06] 記述説明問題を得意にするために<上>


 みなさん,こんにちは。暑い日が続きますが,勉強は順調に進んでいますか。

 さて,みなさんもご存じの通り,公立中高一貫校入試では,国語のみならず,算数や理科,社会などでも,記述説明問題が多く出題されます。また,むぎっ子通信添削を受講しているみなさんからも,「上手に書くためには,どうすればよいですか。」という質問をとてもよくいただきます。

 説明文がうまく書けない原因は人によってちがうので,むぎっ子通信添削では,答案を見て,その人に合った回答を差し上げていますが,今回は,記述説明問題を苦手に感じている人たちに向けて,効果的な練習方法を述べたいと思います。

 なお,ここでは,解答の方向性はわかっているという前提で,つまり,どういった内容を書けばよいかまでは理解できているのに,それをどうまとめればよいかわからないという場合に限って述べていきます。なぜなら,解答の方向性さえもわからなければ,記述説明以前の問題ですからね。

 さて,しっかりした解答を書くためには2つの面で工夫が必要です。それは,「説明の材料を組み立てて骨組みを作ること」「組み立てたものをわかりやすい文章にして表現すること」です。

 まず,前者についてですが,会話文や資料から説明に使う材料(言葉や数値など)を選び出して,あるいは自分の考えをもとにして骨格を作ることから始まります。つまり,解答に必要なことがらを問題用紙の余白に簡単にメモ書きし,どのような手順で書いていくかを検討します。問題文で問われていることに的確に答えるために,材料をどのように並べたらよいかを考えながら,付け加えたりけずったりしながら,あるいは順番を変えたりしながら,論理的に説明できる設計図をつくるわけです。

 むぎっ子通信添削で,みなさんの答案を添削をしていると,どのような内容をどのような順番で説明するかも考えず,いきなり書き始めて,ついには支離滅裂(しりめつれつ)な文章になってしまった解答に出会うことが少なくありません。説明の文章は建築と同じで,まずは設計図を作らなければ立派なものにはなりません。

 次に,「組み立てたものを分かりやすい文章に表現すること」が必要になります。メモ書きした材料をもとに,自然な表現になるように接続語を使ったり,ふさわしい言い回しを考えたりすることによって,頭の中でわかりやすい文章に仕上げていきます。メモ書きした材料を目で追い,接続語や言い回しをその材料に付け足して,頭の中でおおまかな文章にしながら,その解答を人が読んで理解してくれるかどうかを考えます。そして,納得できる解答の表現がおよそできあがったあとに解答用紙に書きこんでいきます。

 この後者の工夫については,説明の苦手な人にとって最初は少し難しいことかもしれません。そこで,接続語や言い回しがうまく使えるようになるためには,すでに上手に表現されている解答例を「マネ」する必要があります。適性検査問題を解くたびに,その解答例のどこがすぐれているのかをじっくり研究し,書き写したり音読したりして体得する(体で覚える)練習をくり返してください。

 以上,「説明の材料を組み立てて骨組みを作ること」と「組み立てたものを分かりやすい文章にして表現すること」の2つについて述べましたが,ずいぶんと手間のかかる練習が必要だなと感じた人がいるかもしれません。しかし,材料のメモ書きは,慣れてくれば思いのほか短時間でできるようになります。ていねいな字で書き出す必要もありませんし,キーワードを書くだけですむ場合もあるでしょう。また,書き出さずに会話文や資料中に印をつけてメモ書き代わりにしても構いませんし,それほど長い文章でなければ,頭の中だけで整理することもできるようになります。「急がば回れ」ということわざもあります。あせらずに,まずは数題,この方法でぜひ試してみてください。

 次回は,例題を一つ取り上げて,今回述べた方法で具体的に考えてみたいと思います。


掲載日:2018年8月6日
次回の掲載は,2018年9月3日の予定です。

[2018/07/02] 今日という日は二度ともどってこない


 気がつけばもう7月です。関東地方では,観測史上最速で梅雨(つゆ)が明けました。長い夏の始まりです。

 この時期になると,むぎっ子通信添削の受講生から,「夏休みはどのような勉強をしたらよいですか」という質問が増えます。今回は,入試の天王山といわれる夏休みに,受検生が注力すべき勉強をまとめます。

 一つ目は,弱点補強です。これまでに学習した単元の中で,十分に理解できていないところをしっかり復習してください。小数や分数が混在した計算,割合と百分率などはだいじょうぶでしょうか。また,漢字や言葉の意味は正確に覚えていますか。自分の弱点を知るということ自体,意外と難しいものです。むぎっ子通信添削などを受講している人は,これまでの答案用紙を改めて見直し,自分の弱点を客観的にさぐってください。

 二つ目は,9月以降(いこう)に習う単元の先取り学習です。特に,算数と理科は一通り終わらせておきましょう。教科書を読んだうえで書店などで購入(こうにゅう)できるワークやドリルなどを解き,少なくとも基本的なことがらはおさえておきましょう。そうすれば,秋以降に取り組む志望校の過去問でつまずきが減り,受検勉強にはずみがつきます。もちろん,2学期以降に授業を受けるときは,先取り学習をしたからなどと油断せず前向きにのぞんでください。

 三つ目は,文章を書く練習です。ふだんはまとまった時間が取れず,文章を書くことがおろそかになってしまっている人が多いでしょう。できれば毎日,200~400字(志望校によってはそれ以上)の文章を書いて,わかりやすく表現する力をみがいてください。その日にあった身の回りの出来事や,ニュースなどを題材に,必ず自分の考えや感想などもふくめて書きましょう。書く題材がどうしても見つからないようなときは,新聞のコラムを書き写したり記事を要約したりする作業でも構いません。毎日,書いて書いて書きまくって,えんぴつを持ったら自然と手が動くぐらいになってほしいと思います。

 弱点補強・先取り学習・文章力の強化は,夏休みだからこそ特に取り組んでいただきたい学習です。日ごろから取り組んでいるテキストなどがあれば同時並行(へいこう)で進めてください。学校の宿題や自由研究なども,受検の大前提であり本質的な勉強であるととらえて,真剣(しんけん)に取り組むのは言うまでもありません。

 夏休みはたくさんの時間があります。しかし,そうであるからこそ「落とし穴(あな)」もあります。それは,「時間がたくさんあるから,少しぐらい先延(の)ばししてもいいや。」という気のゆるみです。むだにした一日はもどってきません。そして,それをばんかいするためには,別の日に2倍の努力をしなければならず,非効率的な勉強になります。「夏を制する者は受験を制す」ともいいます。勉強時間や1週間のスケジュールをおよそ決めておいて,「今日という日は二度ともどってこない。」という気持ちで,一日一日を大切に過ごしてください。


掲載日:2018年7月2日
次回の掲載は,2018年8月6日の予定です。

[2018/06/04] 自分を知り,戦略をいま一度真剣に考えてみよう!!


 みなさん,こんにちは。新学年をむかえて2か月がたちましたが,勉強は順調に進んでいますか。

 前回までのコラムで,公立中高一貫校の対策として,学校で学ぶ内容はしっかり学習すること,テキストや添削(てんさく)などを併行(へいこう)して進めていくこと,文章を書く練習をすることなどが大切だと述べました。

 今回は,志望校の過去問について述べていきます。

 むぎっ子通信添削の受講生から,時々「過去問はいつごろからやればよいか」という質問を受けますが,本格的に取り組むのは夏休み明けの9月以降で十分です。というのも,過去問は小学校全単元から出題されるので,夏休みの終わりまでは土台固めに集中してほしいからです。

 ただし,志望校の過去問を見たことがないというレベルでは困ります。1年分だけで構わないので,受験勉強が本格化する前のいまのうちに,一度解いておくことをおすすめします。

 時間をきちんと計り,気持ちを落ちつけて集中して取り組んでみてください。自分が受けようとしている志望校の問題がどのようなものか,はっきりとわかるはずです。おそらく,いまの段階で過去問を解いても,結果は残念なものに終わるでしょう。ただし,だれもがそうです。それで構いません。入試本番でも6割得点できれば必ず合格するといわれているほどの問題です。いまはできなくて当然です。決して落ちこまないでください。

 ではなぜ,この時期に過去問を解くのでしょうか。それは,自分が受ける予定の公立中高一貫校がどのような問題を出すかを知るためです。このコラムやほかからの情報などで,あるいは過去問をパラパラめくる程度ですべてわかったつもりになるのではなく,自分の経験として身を持って,そしてちみつに知る必要があるからです。どのような問題をどのくらいの時間で解かなければならないのか,それをいま知っておけば,おのずからやるべきことが見えてくることも多いはずです。

 公立中高一貫校が出題する適性検査問題は,学校によってその傾向(けいこう)が異なりますし,各受検生の弱点も人によって異なります。過去問は自己を映し出す鏡です。解き終わったら,どのような問題に苦労しそうなのか,いまの自分に足りないものは何なのか,これから何をすべきかなどをじっくりと考えてください。

 ある人は計算力が不足していることに気づくかもしれません。またある人は,文章を書くことに難しさを感じるかもしれません。資料を読み取ることや実験結果を推論することが苦手だと再発見するかもしれません。

 そのようなふり返りを通して,自分ならではの戦略を考えて受験勉強をしていけば,何も対策を立てずにただ漠然(ばくぜん)と進めていくよりもはるかに効率のよい学習ができるはずです。

 「彼(かれ)を知り己(おのれ)を知れば,百戦して殆(あや)うからず」という言葉があります。相手を知り,情報を得て分析(ぶんせき)し,それに対する自分の状況(じょうきょう)を冷静に判断すれば,何度戦っても負けることはない,という意味です。

 どのくらい得点できるかには一切こだわらず,ただ相手を知るために,一度,真剣に過去問に立ち向かい,そして自分の現状を知ってください。


掲載日:2018年6月4日
次回の掲載は,2018年7月2日の予定です。

[2018/05/07] 記述式問題に取り組む際のポイント


 いよいよ5月からむぎっ子通信添削が始まります。毎年,受講生のみなさんから数多くの質問が寄せられますが,最も多いのが「記述式問題への対応」です。確かに,公立中高一貫校入試は,記述式問題が大半をしめますからね。
 そこで今回は,記述式問題に取り組む際のポイントをまとめます。

 まず,記述式問題に取り組むときは,当然ながら,飛ばし読みをすることなく,会話文や設問を正確に理解しなければなりません。そして,その問題で何が問われているかをしっかりつかみ,それに対して的確に答える必要があります。

 まあ,あたりまえの話なわけです。

 ただし,これは「言うは易く行うは難し」の典型で,なかなか思うようにいきません。

 みなさんの答案を添削をしていると,問われていることとずれた答えが多く見られ,しかもその答えを書いている本人は気づかないようです(まあ,だから,答えを堂々と書くわけですが)。しかし,せっかくがんばって答えを書いても,問われていることに答えていなければ,どんなにその答えが正しくても0点です。

 たとえば,「あなたの血液型は何型ですか。」という問題があったとします(公立中高一貫校入試本番では,こんな問題は出ませんが)。「わたしはおとめ座です。」と答えても0点ですね。しかし,当の本人は9月生まれなので,本当におとめ座なのです。

 わたしが何を言いたいか,わかりますね。実は,公立中高一貫校入試は,意外とこういったまちがいの連続です。要は,「書かれている答えは正しいけれど,そんなことは聞いていない。だから0点。」だと。いかに答えが正しくても,または立派な答えでも,問われていないことはいくら書いても0点なのです。特に,小学生の場合,記述式問題の難しさは,こういったところにあります。

 また,設問条件を見落としてしまう答案もよく見かけます。「一文で答えなさい。」「資料をもとにして答えなさい。」といった問いに対して,二文になってしまったり,または,文末に句点を書いていなかったり(文末に句点を書かなければ,そもそも「文」ではありません),資料から根拠(こんきょ)を見つけ出すことなく,自分の知識や推察をもとに答えてしまったりすると,減点,または0点です。

 そのため,このようなミスを防ぐために,まずは大切だと思うところに下線を引きながら読み進めましょう。また,したがうべき条件はマルで囲むくせをつけましょう。

 一方,テキストや過去問に取り組むとき,そもそもハードルが高いという面があるのも知っておきましょう。というのも,解答例と自分の答えが異なっている場合の正誤の判断が当事者ではかなり難しいからです。解答例と表現がちがうからといって,すぐに自分の答えはバツだと判断するのはよくありません。その前に,本当にまちがえなのか,あるいは表現はちがっていても本質的に合っているのかどうかを深く深く考えなければなりません。

 むぎっ子通信添削でも,解答例とは異なるものの,書かれている答えを正解にする場合が多々あります。確かに,自分で書いた解答が正しいかどうかなど,自分で判断できるものではありませんが,仮にそうした状況になったとき,見た目の表現にまどわされることなく,本質的にその説明が正しいのかどうかを考えるくせをつけましょう。

 また,保護者様がお子様の答案を採点する場合は,特に注意が必要です。解答例は,模範的な表現で書かれていますので,お子様の答案が稚拙に見えるのはあたりまえのことです。しかし,だからといって,お子様の答案を即座にバツにすれば,それはお子様の可能性を削いでしまうことになります。くり返しになりますが,見た目の表現にまどわされることなく,本質的にその説明が正しいのかどうかを判断してください。

 最後に,私は解答例の音読を強くおすすめしています。なぜなら,黙読(もくどく)よりも,答え方の調子や言い回しなどが体を通して身につくからです。さらに,「これはいい!!」と思った解答例は,ノートに書き写してみましょう。音読したり書写したりすることで,解答例のよい点をまねるきっかけになり,記述式問題を習得するためのコツが早く身につきます。


掲載日:2018年5月7日
次回の掲載は,2018年6月4日の予定です。

[2018/04/02] 公立中高一貫校に向けた入試対策を考える


 今回は,公立中高一貫校入試に向けて,どのような勉強をすればよいのか,その対策について3つの観点から考えます。ただし,学校によって問題の傾向(けいこう)が異なるため,対策も学校ごとにくわしく検討(けんとう)する必要がありますが,ここでは全体的な対策ということでお読みください。

 第一に,学校の授業で習うことをしっかりと学習し,覚えるべきことは覚え,理解すべきことは十分に理解しましょう。教科書の範囲(はんい)をこえた知識を身につけることができればさらに有利になる場合も多々ありますが,合格への土台作りは,まずは学校での学習にあることを忘れないでください。

 国語・算数・理科・社会の主要4教科の中からおもに出題されますが,これに限らず,体育・家庭科・図工・音楽の技能科目に対しても前向きに取り組みましょう。「調査書も合否判定の一部に加算されるから」というのも理由の一つですが,主要4教科をこえたさまざまな経験が柔軟な思考力をつくり上げてくれると私は確信しています。

 第二に,公立中高一貫校では,多くの資料をもとに分析(ぶんせき)・考察する問題が出題され,いずれも長文の会話文や問題文が多く見られます。学校のテストや私立中学の入試問題とは傾向がまったく異なるため,それ相応の教材,たとえば,公立中高一貫校対策用のテキストやテスト,添削(てんさく)などを学校の勉強と併行(へいこう)して取り入れる必要があります。むぎっ子通信添削に申し込んでくれた方は,いっしょにがんばりましょう。

 第三に,公立中高一貫校入試では,説明や理由を答える形式,つまり記述式が中心です。また,国語では文章の要約や作文が出題されます。したがって,「問われていることに対して考えを整理して説明する」「自分の経験をもとにして文章を書く」ということに十分に慣れる必要があります。だれが読んでも理解できるようなわかりやすい解答を書く力の習得は,1か月や2か月といった短期間ではとてもできるようにはなりません。「毎日少しずつでも日記をつける」「1週間に1回は原稿用紙1~2枚程度の作文を書いてみる」などの習慣をなるべく早くからつけてください。

 以上が入試対策としての柱になりますが,勉強を進めていく前提(ぜんてい)として大切なことは,身のまわりのあらゆることに興味・関心を持って臨むということです。これが入試対策そのものであるということを自覚しましょう。

 たとえば,クラスで何か問題が起こったとき,「その問題はなぜ起こったのか」「解決するためにはどうしたらいいのか」と積極的に考え,解決しようとする姿勢が持てるかどうかが,公立中高一貫校入試の適性検査問題を解く上での底力になります。

 また,家族旅行へ行くとき,「どのようなスケジュールだと楽しいか」「どのようなコースで回ると効率的か」「どうしたら費用が安くすむか」などと考えてみるのも貴重な勉強です。旅行一つにしても,その準備を親まかせにせず自ら買って出るような好奇心(こうきしん)が,思考力や想像力を高めていく源になることは明らかです。

 生活すべてが学習の場であると考え,目の前のあらゆることが勉強の材料だととらえ,何に対しても自分自身で思考する習慣をつけること,これが最も大切な心構えだと断言します。公立中高一貫校が求めている生徒像とは,まさにそのような積極性・主体性を持った人材であるということをしっかりと理解してください。

 さあ,がんばりましょう。


掲載日:2018年4月2日
次回の掲載は,2018年5月7日の予定です。

[2018/03/05] 公立中高一貫校入試の傾向を知る


 新学年をむかえるにあたって,公立中高一貫校に関心を持ち始めた方が多くいらっしゃるでしょう。そこで今回は,公立中高一貫校では,おおむねどのような問題が出題されているのかを述べていきます。学校によって傾向(けいこう)が異なる場合もありますが,全体的な傾向ということで,お読みいただければと思います。

 公立中高一貫校入試は,「小学校で習う学習はん囲」で出題されることになっています。確かに,プラスアルファの知識があれば有利になる場合もありますが,まずは教科書の内容を確実に身につけることが第一歩です。

 国語,算数,理科,社会の主要4教科を土台に,これらの融合(ゆうごう)問題を出題する学校が多く,単に知識を問うのではなく,「考える力」や「表現する力」があるかどうかを試すことが入試の目的になっています。どの科目も,あたえられた資料などをもとに分析(ぶんせき)・思考し,他人にわかりやすく説明する力が求められるというわけです。「~を計算しなさい」「~を何といいますか」といった,数字やことばだけで答える問題よりも,「~の理由を述べなさい」「~からわかることを書きなさい」といった記述式が中心です。

 国語は,あたえられた文章を読んで筆者の主張を要約したり,主張に対して自分の意見を述べたり,体験したことをもとに作文を書いたりする問題が多く見受けられます。
 算数は,ルールや条件にしたがい作業をおこなう問題,図形や条件整理,ゲームやパズル的な内容のもの,また,直感的なひらめきを必要とする設問も出題されています。
 理科は,実験や観察をもとに分析し,考察・処理する力があるかどうかが問われます。実験そのものについても,何に注意をはらい,どのような手順をふむべきかを考えさせる問題も多く出題されています。
 社会は,会話文や資料を読み,グラフや表,図などをもとに,そこから見い出せることを答える設問が中心です。算数や理科も同様ですが,あたえられた会話文は長いものが多く,たくさんのグラフや表などを関連づけて考える力が試されます。

 このような傾向を見ると,公立中高一貫校の問題は少しとっつきにくい印象を受けるかもしれません。しかし,自らの頭で考えることの楽しさがわかり,時間がたつのも忘れて取り組む受検生が多くいます。
 数年後には,大学入学共通テストの導入が決まっていることからも,主体的に取り組んで問題を解決し,正確に伝える力がますます求められる時代になってきています。真の意味で役に立つ本質的な勉強を小学校高学年の時期におこなうことは,最終的な合否に関わらず,きわめて貴重な経験です。

 次回は,以上のような傾向がある公立中高一貫校入試に対して,どのような学習をしていったらよいのか,その対策についてまとめていきます。


掲載日:2018年3月5日
次回の掲載は,2018年4月2日の予定です。

[2018/02/05] 公立中高一貫校入試を終えたみなさんへ


 公立中高一貫校入試が終わりました。結果はいかがだったでしょうか。
 合格したみなさんには,心からお祝いを申し上げます。一方,残念な結果に終わった方もいらっしゃるでしょう。あれほどがんばったのに合格できなかったと涙を流した方もいたでしょう。しかし,合格できた方にも,合格できなかった方にも,これまでのみなさんの努力に心から敬意を表したいと思います。

 公立中高一貫校が出題する適性検査問題は,文章や資料を読み取る理解力や分析力,そして,あたえられた材料をもとに推察したり解決したりする思考力,考えたことがらをわかりやすく伝える表現力などが問われます。つまり,知識を問うだけではなく,ものごとを自分自身の頭で考えたうえで他者へ正確に伝達する力が求められます。

 小学校高学年という頭が柔軟(じゅうなん)なこの時期に,自分の頭で一生懸命(いっしょうけんめい)に考え,そして表現するという学習を経験したみなさんは,合否(ごうひ)に関わらず,みなさんが想像しているよりはるかに大きな「人生の宝物」を手にしたと確信しています。

 これからの人生には,たくさんの楽しいこともある反面,苦しいことやつらいこともあるでしょう。しかし,身の回りの問題を解決しようとするとき,そこに「模範(もはん)解答」というものは存在しません。したがって,状況(じょうきょう)を客観的にとらえ,自らの頭で考えて解決策を探し出さなければならない場合がほとんどです。

 また,個人のみならず,現在の社会には解決しなければならない難問がたくさんあります。日本では少子高齢化や人口減少の問題,子育てや育児の問題,エネルギー問題,その他数えきれないほどの課題があります。また,世界を見渡しても自然破壊や地球温暖化,エネルギー資源や食料資源の問題をはじめとして深刻な課題が山積みになっています。

 世の中はいま,答えの用意されていない問題に果敢(かかん)に挑戦(ちょうせん)し,日本や世界の人々がより幸せになれるような解決策をしっかりと考えることのできるリーダーを求めています。

 中学校へ進学したら,学習内容も一段と難しくなります。英語の授業が本格的(ほんかくてき)に始まり,算数も数学と名が変わって抽象的(ちゅうしょうてき)な学問になります。また,社会や理科その他の科目もさらに内容の深い学習となり,今まで以上に前向きな気持ちで臨む姿勢が求められます。

 みなさんには,公立中高一貫校の受検勉強で手に入れた宝物を土台にして,いずれは世界の人々を幸せにする大人になるのだという大きな目標を持って,テストの点数のためだけというのではない,生き生きとした本物の勉強を通して成長してほしいと心から願っています。


掲載日:2018年2月5日
次回の掲載は,2018年3月5日の予定です。

[2018/01/01] 入試直前は自分の弱点を見極めて勉強に取り組もう


 昨年12月から公立中高一貫校入試が断続的に始まりましたが,いよいよ今月から全国で本格化します。今回は,入試をむかえるみなさんが本番までの仕上げとしてどのような勉強をしたらよいかについてお話しします。

 1つ目は,これまでに解いた問題の解き直し,つまりふり返りです。入試対策で利用したテキストがあれば,十分に理解できていない単元をピックアップして,もう一度復習しましょう。むぎっ子通信添削やむぎっ子模試などを受けてきた人は,第1回からすべて見直しましょう。これらを通じて,問題を解いたときには気づかなかった点や復習したときには見つけることができなかった自分の弱点など,新たな発見ができるでしょう。

 2つ目は,学校で習った内容で,理解や暗記が不十分なところがないかどうかをさぐり,もしあればその補強をしてください。たとえば,忘れている漢字が多いようなら,毎日少しずつでもよいので覚え直し,算数で要(かなめ)である計算や割合の問題が苦手であるようならくり返して復習しましょう。
 これまでに解いた問題のふり返りをしたり,教科書や漢字・計算ドリルなどを復習したりするといった勉強は,一見するとむだだと思いがちですが,それは大きなまちがいです。実のところ,そのようなあたりまえのことから点差が開いて合否が決まっていきます。自分の弱点を客観的にとらえ,やりたい勉強を気ままにするのではなく,やるべきことをきちんとやることが得点に結びつきます。

 3つ目は,単独で作文問題が出題される公立中高一貫校を受ける人は,文章を書くという作業を毎日おこなってください。その日に学校であった出来事やテレビのニュースを見ていて思ったことなど,題材は何でもよいと思います。自分の考えを交えて,読む人にわかるようにまとめていきましょう。文章を書いたら家族のだれかに読んでもらい,感想を聞くのも動機づけになります。もし,どうしても書くことが見つからないようでしたら,過去問で出題された文章の一部を書き写すだけでもよいでしょう。書くという作業を数日おこたると作文の感覚がにぶってしまいます。

 入試直前までおこなってほしい勉強は以上の3つですが,過去問への取り組みが不十分だと思われる場合は,当然のことながら合わせて取り入れてください。各年度,最低2回はくり返し,さらに余裕(よゆう)があれば志望校以外の初見の過去問を解いてみるのもよいでしょう。取り組み方は前回書きましたのでぜひ参考にしていただきたいと思います。

 そして,何より大切なのが健康管理です。入試直前になると睡眠(すいみん)時間をけずってまでがんばる姿を時折見かけますが,それはまちがっています。そうではなく,万全な体調を保って入試本番をむかえるのがベストな過ごし方です。規則正しい生活をして,うがい・手洗いを必ずおこない,不必要な外出はひかえましょう。

 入試本番までの日数が少なくても,努力さえおこたらなければ最後の1日まで実力はのびます。勉強している本人に実感はないかもしれませんが,最後の最後まで実力はのび続けると断言できます。これまでの模試などの結果はどうであったとしても,このことを信じて希望を持って本番に向かってつき進んでほしいと思います。みなさんの合格を心からお祈(いの)りします。


掲載日:2018年1月1日
次回の掲載は,2018年2月5日の予定です。

[2017/12/04] 志望校の過去問を効果的に活用しよう!!


 今回は,志望校の過去問の活用法をお話しします。

 入試問題(過去問)は,「こういう問題が解ける生徒に入学してほしい」という,その中学校からのメッセージです。公立中高一貫校によって出題傾向(けいこう)も異なることから,おのずと対策(たいさく)も変わってきます。よって,十分な時間を確保して過去問に取り組みたいものです。

 まず,言うまでもありませんが,正確に時間を計って試験時間内で過去問を解きましょう。入試本番のつもりで,静かな場所で気持ちを高めてください。たとえ時間が余っても試験時間が終わるまで見直しをしてください。

 作文以外の算数,理科,社会系の問題は,試験開始後,すべての問題をざっと見渡して,解けそうな問題と後回しにしたほうがよさそうな問題を見極め,解けそうな問題から確実に解いていきましょう。

 えんぴつを手に持ち,会話文,資料,問いの文の中で大切だと思われるところに印をつけたり下線を引いたりしながら読み進めましょう。問われていることは何か,つまり答えなければならないことは何なのかをしっかりとつかみながら問いを読んでください。

 字は上手でなくても構いませんがていねいに書きましょう。ある程度スピードをあげて書く必要はありますが,採点者に「自分の答案を読んでいただく」という気持ちを忘れないでください。また,国語の授業で習った漢字は,できるだけ漢字で書きましょう。ただし,忘れてしまった場合はひらがなでもしかたありません。無理をして漢字で書いてまちがえたら減点になります。

 試験時間が過ぎたら,いったん問題を解くのをやめて答えの丸つけをし,どの程度できたかを確認(かくにん)してください。その後,さらに時間を使って,まちがえた問題や解けなかった問題,時間切れで手をつけられなかった問題をもう一度考えてください。もうこれ以上考えてもわかりそうもないというところまで徹底的(てっていてき)に考えつくしたら,ふたたび丸つけをします。

 これ以降が大切な作業です。
 答えが合っていた問題は考え方が正しかったかを確認し,まちがえた問題はなぜまちがえたのかを分析(ぶんせき)してください。
 会話文や問いの読みまちがえ,条件や指示の見落とし,計算ミス,知識不足,少し気をつければ防げたケアレスミスなど,正解したつもりの問題でまちがえたときはその原因をしっかりつかみましょう。
 さらに,解く問題の順番は適切だったか,難しい問題に時間をかけ過ぎなかったか,どのようなくふうをすればもう少し得点できたか,次に解くときに気をつけるべき点は何かなど,取り組み方についてもふり返ってみることです。

 まちがえた原因や取り組み方への反省点を明確にしておけば,同じまちがえをくり返すことが少なくなります。それらをメモしておき,過去問を解くたびに「同じミスはしない」とはっきり意識して取り組むことで,つまらないまちがいが減っていきます。

 また,記述の答えは一通りではありません。解答例はあくまでも一つの例であって,必ずしも書かれている通りでなくてもよい場合が多いので注意しましょう。解答例と自分の答えがちがう場合,本質的なところが合っているかどうかをしっかり考察する必要があります。

 最初はなかなか高得点が取れないかもしれませんが,落ちこむ必要はありません。あなたの学力は入試本番の日までのび続けます。入試直前期はプラスのことだけを考えて,マイナスの感情を引きずらないようにしましょう。入試本番でも満点を取る必要はないのですから,明るい気持ちで,1点でも多く得点するための対策だけを考えましょう。

 第一志望校の過去問は,最低2回はくり返して解いておきたいものです。問題の傾向に慣れておけば,精神的に余裕(よゆう)を持って入試本番にのぞむことができます。

 とはいえ,前年度までの傾向がそのまま続く可能性は高いものの,100%そうだとは言い切れません。ある年度から傾向が変わることも十分にあり得ます。しかし,万が一傾向が大きく変わって目新しい問題が出てもあわてないようにしましょう。その対策として,志望校だけにこだわらず,他の公立中高一貫校の過去問もある程度解いておくことも有効です。


掲載日:2017年12月4日
次回の掲載は,2018年1月1日の予定です。