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ひろやん道場

PROFILEひろやん先生プロフィール

ひろやん先生

首都圏を中心に全国の公立中高一貫校の研究を始めて長い月日が経ちました。これからも,みなさんに役立つ情報をたくさんお伝えできればと思っています。公立中高一貫校のことはたくさん知っているのでたよりにしてくださいね。

[2019/04/01] みなさんに最高の勉強法を伝授しよう!!


 いよいよ新学年がスタートします。どの学年も,これまでより学習内容が難しくなり,おのずと勉強に費やす時間も増えるでしょう。新たな気持ちで,それぞれの目標に向かってがんばってほしいと思います。

 今回は,インプットとアウトプットついてお話しします。
 勉強,特に暗記モノといえば,「頭につめこむ」というイメージがありますね。確かに,覚えるべきことは,何度もくり返して記憶(きおく)しなければいけません。そして,もくもくと机に向かって問題を解き,覚えたことを定着させる必要もあります。ところが,この勉強法は挫折(ざせつ)しやすいという特ちょうがあります。

 以前,あるお母さんとの面談で,次のようなことをお聞きしました。
「うちの子は,覚えることが苦手なので,習った内容の『授業』を私の前でやってもらうことにしたんです。小さなホワイトボードを買って,それをかべに設置しました。その前で,私が児童役となって,授業をしてもらうんです。」
 それを聞いたとき,私はとても理にかなった方法だと思いました。

 授業を聞いて,あるいは教科書やテキストを読んでインプット(覚えること)し,問題を解くことによりアウトプットする(問題を解く)ことは,基本的(きほんてき)な勉強法です。つまり,覚えたあとに問題を解くことは,学習内容を定着させ理解を深めることに役立ちます。しかし,理解や記憶が中途半端(ちゅうとはんぱ)だと,アウトプットも意味をなさない場合があります。しかも,この勉強法は退屈(たいくつ)で,実につまらない。

 ではなぜ,まわりの人たちに教えることが効果的といえるのか。それは,人に教えるためには,その内容を正しく理解しておく必要にせまられるからにほかなりません。さらに,話す内容を,人が聞いてわかるように組み立る力も求められます。

 物事を理解し,頭の中で組み立てるということが,まさに勉強の本質をつかむことにつながります。そして,声に出して授業をするということ自体が,記憶をさらに強固にするというわけです。

 また,自分が授業をしなければならないという前提で学校や塾の授業を受けるので,先生の話を聞く姿勢も自然と変わってくるでしょう。人に教えることで,教える内容を逆に自分のものにする。これは,最高の勉強法といえるかもしれません。

 ぜひお試しあれ。


掲載日:2019年4月1日
次回の掲載は,2019年5月6日の予定です。

[2019/03/04] 勉強の区切りでふり返りの時間を設けましょう


 みなさん,こんにちは。
 今日は,「勉強した努力を最大限に生かす方法」についてお話します。

 私の授業では,1つのことを教えたのち,すぐに黒板を消して次の内容に移るということはほとんどありません。わずかな時間ですが,次の単元に移る前に,板書あるいはそれを写したノートをながめてもらい,記憶(きおく)・理解の確認をしてもらっています。

 その理由は,1つの勉強が終わったのち,「頭の中を整理する」という時間が極めて重要だからです。

 自宅学習を例に考えてみましょう。
 おそらくみなさんは,1つの科目の勉強を終えると同時に,使った教科書やテキストなどをさっさと閉まってその科目をおしまいにしてしまうと思います。

 たとえば,理科の問題を解いて丸つけをし,まちがえたところを覚え直したとします。終わったらすぐにテキストやノートを閉じて,次にやるべき算数のテキストを広げて問題を解く。それが終わったら算数のテキストを閉じて社会の暗記プリントを広げる・・・といったように。

 しかし,これはあまりよい方法ではありません。
 頭の中を整理するうえで大切なことは,1つの勉強を終えたらすぐに終わらせるのではなく,1分でも30秒でも構わないので,学習したことの内容にざっと目を通し直す時間を持つということです。そして,どのようなことを勉強したのか,何がポイントなのかを確認(かくにん)することです。

 人間の頭は,「あることがらを学習した直後に次の学習をすると,前に学習した内容が定着しづらくなる」という性質があります。

 つまり,2つ目の勉強をしていると,1つ目の記憶があいまいになる。3つ目の勉強をしていると,1つ目と2つ目の記憶があいまいになってしまう傾向(けいこう)があるのです。だから,1つの勉強を終えるたびに,勉強した内容を短時間でよいので見直し,その内容をしっかり頭の中に定着させることが大切になってきます。

 やるべきことを早く終えて,好きな本を読んだり,遊んだりしたい気持ちはわかります。しかし,少しの時間をさいて復習するという工夫が,がんばって勉強した時間を生かし,記憶や理解を確かなものにする秘訣(ひけつ)になるわけです。

 勉強してもなかなか覚えられない,何日か経つと忘れてしまうとなげいている人は,ぜひ試してみてください。


掲載日:2019年3月4日
次回の掲載は,2019年4月1日の予定です。

[2019/02/04] 勉強する意義をつかんだ人はのびる


 公立中高一貫校入試がほぼ終わりました。合格したみなさんには,心からお祝いを申し上げます。一方,高倍率が続く公立中高一貫校入試です。残念な結果に終わった方もいらっしゃるでしょう。結果いかんにかかわらず,これまで努力してきたすべてのみなさんに心から敬意を表します。そして,日々努力して勉強したという経験が,みなさんのこれからの一生の財産になると確信しています。

 さて,小学4~5年生のみなさんの中には,学年の変わり目を2か月後にひかえ,公立中高一貫校対策の勉強を始めようかどうか迷っている人も多いでしょう。そこでみなさんには,「公立中高一貫校に向けた勉強とは,どのようなものか」を理解することと同時に,「受験勉強が自分に何をもたらしてくれるか」ということも考えてほしいと思っています。

 公立中高一貫校向けの勉強は,必要なことを「覚える」という学習も不可欠ですが,それ以上に,思考力や分析力(ぶんせきりょく),表現力などをみがく訓練が欠かせません。いわば,「自分の頭で考える」ということが学習の中心となるわけです。それらの訓練は,合格・不合格という結果を問わず,今後の人生に大きく役立つのはまちがいありません。

 さらに,受験という一つのことに向けて努力を続けると,「自己コントロールの力がつく」「受験勉強の過程で生じるなやみに対する解決法を考える習慣がつく」など,みなさんが生きていくうえで不可欠な力も身につきます。

 そして将来,自分が積み重ねた努力をふり返ったとき,「あのときあれだけがんばったんだ」という経験と,「精神的に成長した」という自信が,難局にぶつかったときに自分自身を支えてくれるでしょう。

 2年後には,大学入試も大きく変わります。記述式問題や思考力・表現力を重視する問題が多く出題され,資料分析問題も増えることが確実視されています。つまり,公立中高一貫校入試だけでなく,大学入試でも,「覚えることから考えることへの改革」がなされているわけです。

 いまの日本,そして世界にはさまざまな問題が山積しています。そして,実社会はそれらの問題に積極的に取り組み,自らの頭で考えて解決してくれる人材を求めています。

 志望校合格だけを目標とするのではなく,実社会の中でかつやくできる自分になるためという本質的な目標を自覚できれば,努力した分だけ確実に成績はのびていくでしょう。

 公立中高一貫校入試に向けた勉強の意義をしっかりつかんだうえで,希望を持ち明るい気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 そして,私は小学校を卒業するすべての小学6年生にも,この言葉をささげたいと思います。

 すべての小学生,がんばれ!!


掲載日:2019年2月4日
次回の掲載は,2019年3月4日の予定です。

[2019/01/07] 積極的セルフトークで合格をつかみ取ろう!!


 公立中高一貫校入試の本番が近づいているのに,なかなか勉強がはかどらず,気持ちが落ちこんでしまう。または,がんばっているのに過去問の正答率がいつまでたっても上がらず,自信をなくしてしまう。
 多かれ少なかれ,ほとんどの人が経験するなやみです。

 しかし,人間は考えや言葉によって気持ちが変わります。ポジティブ(積極的)な考えや言葉を持てば心も前向きになりますが,考えや言葉がネガティブ(消極的)だと,心も落ちこんでしまうものです。

 自分がネガティブな状態におちいりそうになったときは,意識してポジティブなセルフトークを発してみましょう。セルフトークとは,日々くり返し唱える言葉,心の中の声のことです。

 たとえば,「自分はだめだ」と思うのではなく「自分はやれる!!きっとだいじょうぶ!!」と,自分にプラスになるような語りかけをして気持ちをコントロールしましょう。心の中でプラスのアクションを起こしてください。

 言葉はまさに「言霊(ことだま)」です。言葉には魂(たましい)が宿るともいいます。発する言葉には不思議な力があります。積極的なセルフトークは,強いモチベーション,つまり物事をおこなうにあたっての意欲・やる気となって,自分の行動に表れてくるものです。

 ケアレスミスをしてしまったら,心の中でさけんでみましょう。「だいじょうぶ!!だいじょうぶ!!入試本番はまちがえない!!」と。

 今日はなぜかぼーっと過ごしてしまったならば,口に出して言ってみましょう。「だいじょうぶ!!だいじょうぶ!!ときには気分転換も必要なのだから。」と。

 入試直前期に「自分はだめなやつだ」と悲観していると,ますます泥沼(どろぬま)にはまってしまいます。マイナス思考は捨て去りましょう。そして,どんなときでもプラス思考でいましょう。この心の習慣は,受験だけでなく,これからのあなたの人生で計り知れない財産となるにちがいありません。

 入試本番まであと少しです。最後までポジティブな気持ちで努力すれば,女神(めがみ)もきっとほほえみかけてくれるでしょう。


掲載日:2019年1月7日
次回の掲載は,2019年2月4日の予定です。

[2018/12/03] 歩き回りながら音読する=成績急上昇


 先日,むぎっ子通信添削を受講している方から「やるべきことがまだまだたくさん残っていて,入試本番までに終わりそうにありません。どうすればいいでしょうか。」という質問が届きました。

 実は意外と多いこの手の質問。特に,公立中高一貫校入試に本気で向き合えば向き合うほど,やるべきことがどんどん出てきて,収拾のつかない状態に追いこまれることも。かといって,睡眠時間をけずって体調がくずれるのもダメ。結局,「時間がない!」とあせりだけが積もっていくことになります。

 もちろん,入試本番までに「100%対策できて完ぺき」になる人はどこにもいませんから,「最善(さいぜん)の努力をする」しかないのですが,入試直前期に「つめこめるだけ頭につめこむ」学習法というのがあります。

 それが,「五感を使って学習する」方法です。
 目で見て,口で音読して,歩き回りながら覚える。
 これです。

 みなさんは,二宮金次郎という人を知っていますか。もしかすると,みなさんが通っている小学校に,二宮金次郎の銅像があるかもしれませんね。本を持ちながら歩いて,ブツブツ言いながら勉強しているはずです。重いまきを背負っていますが,脳科学者によると,これは自分に負荷をかけることでさらに五感が刺激(しげき)され,好循環(こうじゅんかん)になるのだそうです。

 およそ「書く」という行為(こうい)は時間がかかりますが,「言う」のはすぐです。重いまきの代わりに,みなさんが毎日使っているランドセルを使いましょう。ランドセルを背負い,ブツブツと言って歩きながら勉強すれば,効果倍増。「本当かな」と疑う前に,まずは実際にやってみましょう。「すごい。ひろやん先生の言う通りだ。」と思っていただけると思います。


掲載日:2018年12月3日
次回の掲載は,2019年1月7日の予定です。

[2018/11/05] 入試本番までに取り組みべきことを整理しよう


 みなさん,こんにちは。

 今回は,公立中高一貫校を受検するすべてのみなさんに,入試本番までに取り組むべきことを提示したいと思います。

 まず,言うまでもなく志望校の過去問演習が必要です。過去問を解くときは,制限時間を守り,本番さながらの気持ちで臨んでください。決められた時間内に,1点でも得点をかせぐためにはどのような工夫をすればよいか,どうすれば時間を有効に使えるのかなども考えながら取り組みましょう。もちろん,制限時間がきたら,どこまで解答できたかを確認したうえで,必要に応じてさらに延長してとことん考えることも必要です。

 一通り解き終えたら,自己採点をして見直しをおこないましょう。特に,まちがえた問題や取り組み方の検証を忘れてはいけません。ケアレスミスだったのか,問いの読みまちがえだったのか,自分の力ではどうにも解くことができなかったのか,時間のかけ方がよかったのかなど,反省すべき点を明らかにしましょう。

 次に弱点対策です。これまでの勉強を通じて,もう一度しっかり復習したほうがよいと思うことはないでしょうか。むぎっ子通信添削で,みなさんの答案を見ていますと,この時期でもなお漢字や計算があやふやな受検生がいます。算数の割合の理解が不十分な受検生もいます。たとえ弱点を自覚していても,いまさらそんなことはできないと思う気持ちも理解できないわけではありませんが,集中しておこなえば,それほど日数はかかりません。自分の弱い部分を冷静に考えて,確実に克服(こくふく)してください。

 また,これまで取り組んできた問題の復習も,この時期にぜひおこなってほしいことの一つです。公立中高一貫校対策用テキストを使った人もいるでしょう。また,模試を受けた受検生もいるでしょう。自分が以前に解いた問題も,そこから何を得たのか,またどのようなところでまちがえたのかなど,月日が経てば忘れてしまうものです。一度解いた問題は,ふり返ることで定着し,自分を再発見する「宝の山」となっていきます。新しい問題を解くことも大切ですが,これまで共に歩んできた教材を大切にすることは,より短時間で効果的な入試対策に結びつきます。

 加えて,作文が出題される公立中高一貫校を受ける人は,少なくても週に2~3回は,過去問と同傾向の演習を入試前日まで続けてください。公立中高一貫校入試は,何らかのテーマがあたえられ,それに沿って書くといったスタイルがほとんどです。よって,この時期は思うことを自由に書く日記のようなものではなく,テーマを決めて書くことをおすすめします。たとえば,その日のできごとやテレビのニュースから題材を一つ選び,自分の経験をふまえて文章を書くといった練習が効果的でしょう。

 以上,入試本番までに取り組むこととして,過去問,弱点対策,復習,作文の4つを上げました。公立中高一貫校によっては,さらなる工夫が必要な場合もあるでしょうが,この4つはどこを受けるにしても欠かせません。

 残りわずかとなりましたが,努力する受検生は,その努力に比例して最後まで実力はのび続けます。そう実感できないかもしれませんが,学力は目に見えないところで着実に向上しています。最後の一日まで,自分を信じて全力をつくしてがんばってください。

 なお,過去問については,以前のコラム「志望校の過去問を効果的に活用しよう!!」にくわしく書きましたのでぜひそちらをお読みください。


掲載日:2018年11月5日
次回の掲載は,2018年12月3日の予定です。

[2018/10/01] この大切な時期におこなうべきこと


 公立中高一貫校入試本番まで,あと数か月にせまってきました。この時期になると,むぎっ子通信添削を受講しているみなさんから,「残りの日々,どのような勉強をしたらよいでしょうか?」という質問をたびたび受けるようになります。そこで今回は,この時期に優先して取り組んでほしいことをお伝えします。なお,今回の内容は,むぎっ子通信添削の受講生を対象とした話になることをお許しください。

 むぎっ子通信添削が始まってから,すでに5か月分の問題を解き,添削済みの解答用紙が手元にもどってきているはずです。そこで,この時期に改めて,「解答用紙をふり返り,徹底的(てっていてき)に復習する」という作業に取り組んで頂きたいと思います。そのとき,自分の解答のどこが問題なのかを,冷静に,かつ客観的に見つめてほしいと思います。

 もしかすると,「なんだ,そんなことか。」と思った人がいるかもしれませんね。しかし,みなさんの答案を添削していて感じるのは,直すべきところに青ペンを入れたにもかかわらず,その後,何度も何度も同じような指摘(してき)をせざるを得ない残念な答案が多数見受けられるということです。問題が難しくて解けなかった,あるいは答えが的確でなかった場合は仕方がないにしても,それ以前の「答案の書き方や自己流のクセ」を直すことに進歩が見られない答案に出会うことがあります。

 句読点を書き忘れる,文字が乱れていて読めない,書けるであろう漢字をひらがなでつい書いてしまう,説明が必要なのに式だけしか書いていない,「~です,~ます調」と「~だ,~である調」が混じっている,解答用紙の余白にメモ書きをしてしまう,問題文で問われていることと解答がずれている,問題文で問われていることに対して正しく答えていないなど,人により,添削で注意されるところはさまざまです。

 注意されることは決してはずかしいことではありませんし,それを知ることが添削の目的なのですから,添削でうめつくされるのはまったく気にしなくて構いません。しかし,添削されてもどってきた解答用紙は「宝の山」のはずなのに,それを謙虚(けんきょ)に受け入れ,今後の実力向上の材料として活用しないのでは進歩がありません。

 添削された箇所(かしょ)を「意識的に」注目しなければ,どこに欠点があるのかが客観的にはわからないでしょう。どのようなところで失点してしまうのか,直すべきどのようなクセがあるのかをしっかり再確認し,公立中高一貫校入試本番までに,その欠点を克服(こくふく)していくことが何よりも大切です。

 とは言っても,直されたところを漠然(ばくぜん)とながめるだけでは,今後問題を解くとき,また同じ失敗をくり返してしまうことになりかねませんし,自分にしみついたクセは,一朝一夕に直るものでもありません。自分の答え方にどのような傾向(けいこう)があるのかをしっかりと自覚し覚えておくために,ノートなどに書きとめておいて時々見返すのも効果的です。

 これまでの添削済みの解答用紙をすべてふり返ったとしても,それほど時間はかからないでしょう。志望校の過去問やまだ解いたことのない新しい問題を解くことももちろん必要ですが,そういった問題で正答率を上げていくためにも,よりしっかりした土台をこの時期に再構築しておくことが,遠回りに見えて実は最も近道なのだと確信しています。


掲載日:2018年10月1日
次回の掲載は,2018年11月5日の予定です。

[2018/09/03] 記述説明問題を得意にするために<下>


 みなさん,こんにちは!
 前回は,記述がまったく苦手な人にとって,100~200字(あるいはそれ以上)の説明を解答らんに書くまでに,どのような手順で考えていったらよいかを書きました。
 その手順とは,「説明の材料を組み立てて骨組みを作ること」「組み立てたものをわかりやすい文章にして表現すること」の2つでした。やみくもに書き出し,書きながら考えるのではなく,おおまかな設計図を作ってから文字にするということです。
 今回は,具体的な例をあげて考えてみましょう。

【問題】
 鉄とアルミニウムのかけら,食塩,細かくくだいたガラスの4種類の物質が混ざったものが,ビーカーに48g入っています。次の【実験】を読んで,4種類の物質がそれぞれ何gふくまれているかを答えなさい。また,その答えをどのように求めたのかを説明しなさい。

【実験】
 4種類の物質が入ったビーカーに水を入れ,よくかき混ぜてからろ過し,ろ紙に残ったものを取り出してかわかしてみると18gであった。その18gの固体を,じゅうぶんな量のうすい水酸化ナトリウム水よう液に入れてとかしたあと,ろ過してろ紙の上に残った固体をかわかしてみると14gであることがわかった。さらに14gの固体を,十分な量のうすい塩酸に入れてとかしたあと,ろ過してろ紙に残ったものを取り出してかわかしてみると12gであった。


 まず,考え方を述べる上で必要な部分(材料となる部分)を拾い出してみましょう。次のような流れになりますね。もちろん本番では,拾い出すよりも,問題や実験の文中に下線を引いたり,言葉と言葉の間に矢印を書いて関連性を表したりするほうが時間の節約になります。

鉄,アルミニウム,食塩,ガラス + 水 → 48gの固体が残る。
48gの固体 + うすい水酸化ナトリウム水よう液 → 14gの固体が残る。
14gの固体 + うすい塩酸 → 12g残る。

 次に,説明の内容を考えながら,上の材料を組み立てます。

① 鉄,アルミニウム,食塩,ガラス・・・48g
  +水(食塩だけがとける) →よって,食塩は 48-18=30(g)
② 鉄,アルミニウム,ガラス・・・18g
  +うすい水酸化ナトリウム水よう液(アルミニウムだけがとける)
  →よって,アルミニウムは18-14=4(g)
③ 鉄,ガラス・・・14g
  +うすい塩酸(鉄だけがとける)→よって,鉄は14-12=2(g)
④ ガラス・・・12g

 みなさんが読んでもわかるように,少していねいに書きましたが,自分でわかれば十分なので,できるだけ時間をかけずに簡単に書き表しましょう。たとえば,①でしたら,
① 鉄,ア,食,ガ・・・48g
  +水(食塩だけとける),食塩は48-18=30(g)
としても,自分で書いたものならば自分でわかりますね。ここではていねいな字で書く必要もありません。

 次に,このメモ書きをもとに,どのように表現するかを考えます。読む人が理解できるかどうかを意識して,接続詞なども使って1回か2回,上の骨組みを目で追いながら,頭の中で文章にしてみましょう。頭の中でほぼ解答が出来上がったら,解答らんに書き始めます。
 
【解答・解答例】
重さ・・・食塩:30g,アルミニウム:4g,鉄:2g,ガラス:12g
考え方・・・4種類の物質48gのうち,水にとけるのは食塩だけなので,食塩は48-18=30(g)である。次に,鉄,アルミニウム,ガラスのうち,うすい水酸化ナトリウム水よう液にとけるのはアルミニウムだけなので,アルミニウムは18-14=4(g)である。また,鉄,ガラスのうち,うすい塩酸にとけるのは鉄だけなので,鉄は14-12=2(g)となり,最後に残った12gがガラスの重さとなる。

 算数や社会の記述についても手順は同様です。今回の例は,それほど複雑な組み立てを必要とする問題ではありませんでしたので,あえて骨組みを作るまでもないと感じた人も多いかと思いますが,整理しにくい解答を書かなければならない問題に出あったら,ぜひこの方法を試してみてくださいね。


掲載日:2018年9月3日
次回の掲載は,2018年10月1日の予定です。

[2018/08/06] 記述説明問題を得意にするために<上>


 みなさん,こんにちは。暑い日が続きますが,勉強は順調に進んでいますか。

 さて,みなさんもご存じの通り,公立中高一貫校入試では,国語のみならず,算数や理科,社会などでも,記述説明問題が多く出題されます。また,むぎっ子通信添削を受講しているみなさんからも,「上手に書くためには,どうすればよいですか。」という質問をとてもよくいただきます。

 説明文がうまく書けない原因は人によってちがうので,むぎっ子通信添削では,答案を見て,その人に合った回答を差し上げていますが,今回は,記述説明問題を苦手に感じている人たちに向けて,効果的な練習方法を述べたいと思います。

 なお,ここでは,解答の方向性はわかっているという前提で,つまり,どういった内容を書けばよいかまでは理解できているのに,それをどうまとめればよいかわからないという場合に限って述べていきます。なぜなら,解答の方向性さえもわからなければ,記述説明以前の問題ですからね。

 さて,しっかりした解答を書くためには2つの面で工夫が必要です。それは,「説明の材料を組み立てて骨組みを作ること」「組み立てたものをわかりやすい文章にして表現すること」です。

 まず,前者についてですが,会話文や資料から説明に使う材料(言葉や数値など)を選び出して,あるいは自分の考えをもとにして骨格を作ることから始まります。つまり,解答に必要なことがらを問題用紙の余白に簡単にメモ書きし,どのような手順で書いていくかを検討します。問題文で問われていることに的確に答えるために,材料をどのように並べたらよいかを考えながら,付け加えたりけずったりしながら,あるいは順番を変えたりしながら,論理的に説明できる設計図をつくるわけです。

 むぎっ子通信添削で,みなさんの答案を添削をしていると,どのような内容をどのような順番で説明するかも考えず,いきなり書き始めて,ついには支離滅裂(しりめつれつ)な文章になってしまった解答に出会うことが少なくありません。説明の文章は建築と同じで,まずは設計図を作らなければ立派なものにはなりません。

 次に,「組み立てたものを分かりやすい文章に表現すること」が必要になります。メモ書きした材料をもとに,自然な表現になるように接続語を使ったり,ふさわしい言い回しを考えたりすることによって,頭の中でわかりやすい文章に仕上げていきます。メモ書きした材料を目で追い,接続語や言い回しをその材料に付け足して,頭の中でおおまかな文章にしながら,その解答を人が読んで理解してくれるかどうかを考えます。そして,納得できる解答の表現がおよそできあがったあとに解答用紙に書きこんでいきます。

 この後者の工夫については,説明の苦手な人にとって最初は少し難しいことかもしれません。そこで,接続語や言い回しがうまく使えるようになるためには,すでに上手に表現されている解答例を「マネ」する必要があります。適性検査問題を解くたびに,その解答例のどこがすぐれているのかをじっくり研究し,書き写したり音読したりして体得する(体で覚える)練習をくり返してください。

 以上,「説明の材料を組み立てて骨組みを作ること」と「組み立てたものを分かりやすい文章にして表現すること」の2つについて述べましたが,ずいぶんと手間のかかる練習が必要だなと感じた人がいるかもしれません。しかし,材料のメモ書きは,慣れてくれば思いのほか短時間でできるようになります。ていねいな字で書き出す必要もありませんし,キーワードを書くだけですむ場合もあるでしょう。また,書き出さずに会話文や資料中に印をつけてメモ書き代わりにしても構いませんし,それほど長い文章でなければ,頭の中だけで整理することもできるようになります。「急がば回れ」ということわざもあります。あせらずに,まずは数題,この方法でぜひ試してみてください。

 次回は,例題を一つ取り上げて,今回述べた方法で具体的に考えてみたいと思います。


掲載日:2018年8月6日
次回の掲載は,2018年9月3日の予定です。

[2018/07/02] 今日という日は二度ともどってこない


 気がつけばもう7月です。関東地方では,観測史上最速で梅雨(つゆ)が明けました。長い夏の始まりです。

 この時期になると,むぎっ子通信添削の受講生から,「夏休みはどのような勉強をしたらよいですか」という質問が増えます。今回は,入試の天王山といわれる夏休みに,受検生が注力すべき勉強をまとめます。

 一つ目は,弱点補強です。これまでに学習した単元の中で,十分に理解できていないところをしっかり復習してください。小数や分数が混在した計算,割合と百分率などはだいじょうぶでしょうか。また,漢字や言葉の意味は正確に覚えていますか。自分の弱点を知るということ自体,意外と難しいものです。むぎっ子通信添削などを受講している人は,これまでの答案用紙を改めて見直し,自分の弱点を客観的にさぐってください。

 二つ目は,9月以降(いこう)に習う単元の先取り学習です。特に,算数と理科は一通り終わらせておきましょう。教科書を読んだうえで書店などで購入(こうにゅう)できるワークやドリルなどを解き,少なくとも基本的なことがらはおさえておきましょう。そうすれば,秋以降に取り組む志望校の過去問でつまずきが減り,受検勉強にはずみがつきます。もちろん,2学期以降に授業を受けるときは,先取り学習をしたからなどと油断せず前向きにのぞんでください。

 三つ目は,文章を書く練習です。ふだんはまとまった時間が取れず,文章を書くことがおろそかになってしまっている人が多いでしょう。できれば毎日,200~400字(志望校によってはそれ以上)の文章を書いて,わかりやすく表現する力をみがいてください。その日にあった身の回りの出来事や,ニュースなどを題材に,必ず自分の考えや感想などもふくめて書きましょう。書く題材がどうしても見つからないようなときは,新聞のコラムを書き写したり記事を要約したりする作業でも構いません。毎日,書いて書いて書きまくって,えんぴつを持ったら自然と手が動くぐらいになってほしいと思います。

 弱点補強・先取り学習・文章力の強化は,夏休みだからこそ特に取り組んでいただきたい学習です。日ごろから取り組んでいるテキストなどがあれば同時並行(へいこう)で進めてください。学校の宿題や自由研究なども,受検の大前提であり本質的な勉強であるととらえて,真剣(しんけん)に取り組むのは言うまでもありません。

 夏休みはたくさんの時間があります。しかし,そうであるからこそ「落とし穴(あな)」もあります。それは,「時間がたくさんあるから,少しぐらい先延(の)ばししてもいいや。」という気のゆるみです。むだにした一日はもどってきません。そして,それをばんかいするためには,別の日に2倍の努力をしなければならず,非効率的な勉強になります。「夏を制する者は受験を制す」ともいいます。勉強時間や1週間のスケジュールをおよそ決めておいて,「今日という日は二度ともどってこない。」という気持ちで,一日一日を大切に過ごしてください。


掲載日:2018年7月2日
次回の掲載は,2018年8月6日の予定です。