受検のための基礎知識

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その5これだけはやってあげたい「親のサポート」

1.準備はいつから始めるのがよいか?

もしお子様が、合否は二の次にして受検だけしたいというのなら、その準備は願書を配布する秋の時期からでも可能です。しかし、そのような駆け込み受検では、合格はかなり難しいと言えます。合格を目指すなら、次の準備を早めに心がけましょう。

(1)基礎学習が出来ているかをまずチェック

保護者の方は、まずお子様の学力を把握するところから始めてください。

具体的には、次の項目をチェックしましょう。

報告書の採点基準は非公開のところがほとんどですが、下記の東京都のように公表している学校もあります。

  • 小学校の学習の基本となる部分はしっかりできているか?
  • 長い文章を読むのを苦痛に感じていないか。本を読む習慣があるか?
  • 文章を書くことに、慣れているか?

子どもの学力には個人差があるので、いつから公立中高一貫校の準備を始めるとよいかということは、一概に断言はできません。しかし、小学校で学ぶ基礎の学習ができており、普段から「読む、考える、書く」習慣が身についている子どもであれば、入学を希望する学校の対策は、6年生からのスタートでも遅くはありません。

(2)「読む、考える、書く」習慣を早く身につける

もっとも、「読む、考える、書く」という習慣が身についている子どもが少ないというのが、今の教育の現状だと思います。それらは、ゆっくりと身につくものです。例えば「書く力」なら、日ごろから文章を書き、慣れ親しむことによって徐々に蓄積されていきます。ですから、理想的には小学校1年生から意識して始めるのがよいでしょう。始める時期が早いほど、無理なく自然にそれらの力が身につくからです。

ただし、その準備は受検のための勉強をするというように堅苦しくとらえる必要はありません。これらの習慣は、日記をつける、知能パズルをする、読書の楽しさを知る、日常のいろいろな出来事や社会問題を家族で話し合う、そんな日頃の親子のふれあいから身についてきます。ここでとりわけ大切なのは、家族のふれあいと協力です。

2.大切な家庭でのサポート

(1)親自身も興味の幅を広く持つ

公立中高一貫校の適性検査は、「考える力」を特に重視しています。その力を育てるために、家族でどんなことをすればいいのでしょうか。

例えば、家族旅行の計画を一緒に立てたり、博物館に行って科学への興味を引き出したりすることなどが挙げられます。このようなことは、親だからこそできることです。親が一緒になって「面白いぞ」と言っていることには、子どもも自然と興味を持ってくるものです。子どもの興味の幅を広げるには、親自身も色々なことに興味を持つことが必要です。

(2)好奇心を育て、後ろから見守る

例えば、子どもが自分の考えを作文で表現する場合、「書きたい」と思うような経験が自分の中にたくさんあるとそれが強みになります。作文上達には、身近なものにどれだけ関心を持てるかという"好奇心"が大きく左右します。上記の(1)では、「親が面白いと言っていることは、子どもも興味を持つ」と書きました。さらにその上、興味の持ったことに対して、子どもが自分で調べて、自分なりに納得することが大切です。自分なりにわかってくると、子どもはそれが楽しくなって、さらに興味をもつという連鎖が起こります。好奇心はどんどん膨らみ、他人に話したいと思う「引き出し」が増えていきます。

その際に大切なのは、自分でよく考えるということです。だから、隣で親がすぐに答えを用意せず、本人に考えさせてください。そして、子どもが考えた意見には耳を傾けて、まずはほめてあげましょう。このように、子どもを「後ろから見守る」姿勢が子どもの考える力を育てるのです。

3.合格だけがすべてではない

受検合格に向けて、子どもが精一杯努力したとしても、不合格という結果が出てしまう場合があります。特に、全力を尽くして受検に臨んだ子ほど、不合格だった時のショックは大きいものです。

このような場合、まずはその努力に対し「よくがんばったね」とねぎらってあげることが必要です。

そして、次のような事を話してみるのが大切なのではないでしょうか。「今回勉強して身についた『読む、考える、書く』力は、これからの人生でもずっと必要になる力なんだ。高校入試でも大学入試でも、その先の社会人でもお父さんやお母さんになっても必要なんだよ。だから、これまでがんばったことは、この先の人生でお前の宝物になるんだよ」と。

  1. その1 - 適性検査とは?
  2. その2 - 適性検査の傾向
  3. その3 - 報告書の扱いや面接対策
  4. その4 - 願書の提出から合格までの流れ
  5. その5 - これだけはやってあげたい「親のサポート」

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